店舗でのAI利用|活用シーンとAI搭載カメラを使った事例紹介

店舗でのAI利用 活用シーンと事例紹介

近年、ChatGPTなどの生成AIが普及し、私たちの日常生活にAI技術が浸透しつつあることは誰もが実感しているでしょう。AI活用が進んでいるのはパソコンの中だけではなく、街中の店舗においても同じです。AI搭載カメラを使った行動分析から、様々なAI技術を駆使した無人店舗まで、店舗でのAI活用シーンは多岐にわたります。

この記事では、店舗でAI技術の活用が広がっている背景に触れたうえで、店舗にAIを導入することで何が可能になるのかをお伝えします。さらに、店舗でよく活用されるAI搭載カメラの機能を解説し、実際の店舗での活用事例2つとAIカメラの製品例を詳しくご紹介。店舗へのAI導入のヒントにお役立てください。

人数カウント

施策の効果、定量的に測れていますか?
リアルタイムなAI解析で見える化。来店数や混雑状況を計測して、次の施策や接客につなげる。集客力・販売力、業務効率の改善に役立つ、さまざまな機能をご利用いただけます。

店舗でのAI活用の広がり

店舗でAIの活用が拡大している背景として、AI技術が普及してきたこと以外に、社会の変化も関係しています。

少子高齢化が進む日本では、様々な業界で人手不足が起きており、人が行っていた業務をAI技術を使って自動化する必要が生じています。また、SDGsの観点からは、廃棄物をできるだけ減らすことが求められており、AIによる精度の高い需要予測が役立ちます。

このような課題対応の側面にとどまらず、AIは店舗の売り上げ維持のためにも重要な存在になりつつあります。というのも、新型コロナウイルス感染症の流行時にオンラインサービスが急激に普及したことも手伝って、オンラインショッピングの利便性は向上する一方。たとえば、一人ひとりにパーソナライズされた商品のレコメンド機能など、従来の店舗では対応が難しい機能も搭載されています。

このような変化にともない、店舗で商品を見てもその場では購入せず、後からオンラインショップで購入するという「店舗のショールーム化」という変化が起きています。この状況で店舗が売り上げを維持するためには、データに基づいて顧客の行動分析を行うなどのマーケティング努力が欠かせません。AI技術はデータの取得と分析、そして販促コンテンツ生成など、マーケティングの取り組みにおいて店舗を大きく助けてくれる存在なのです。

店舗へのAI導入でできること

それでは、店舗にAIを導入すると具体的にどんなことができるのでしょうか。ここでは店舗での主なAI活用シーンを6つご紹介します。

混雑状況の可視化

AIを使えば、店舗全体、駐車場、あるいはレジなど特定の場所の混雑状況を、数字で可視化することが可能です。一定の数を超えたら通知する機能などを併用すれば、運営側がすみやかに混雑の解消策を講じることができ、お客さまの満足度の向上にもつながるでしょう。また、時間帯や曜日ごとの混雑状況を分析すれば、混雑を見越してスタッフの人数を調整するといったように、店舗のリソースの最適化を図ることも可能となります。

来店客の行動分析

AIを搭載したカメラなどを使えば、来店客一人ひとりの動線をトラッキングすることができます。さらに、それぞれが手に取った商品や購入した商品を特定し、購買行動を分析することも可能。動線の分析は店舗のレイアウトの最適化の材料となるほか、購買行動の分析は売れやすい商品の予測などに役立つでしょう。

売上・需要予測

店舗の売り上げデータをAIで分析すれば、今後の需要の変化を予測することが可能となります。こうした売上予測に基づけば、在庫の最適化も行いやすくなります。売上データ以外にも、経済状況を表す指標や地域の特性を示すデータなどを組み合わせれば、より実態に合った精度の高い分析ができるでしょう。

業務効率化

AIを搭載したカメラなどを店内に設置していれば、棚から特定の商品がなくなった時にそれを検知して通知することができるため、欠品による機会損失を防ぐことが可能。さらに、AIを搭載した発注システムなども実用化されています。このような在庫管理の最適化にとどまらず、店舗内のスタッフ配置など様々な店舗業務の効率化にも、AIは大いに役立ちます。

品質チェック

店舗で販売する商品はスタッフが検品して品質を確認するのが通例ですが、このプロセスもAIの導入で効率化することが可能です。AIによる画像判定なら、時間の大幅な短縮を実現できるだけでなく、人の目による確認ではどうしても起きてしまうチェック漏れや判断基準のブレをなくすことができ、品質の安定にもつながります。

無人化、スマートストア化

AI搭載カメラや無人決済システム、センサーなど、AIを使った様々なツールを組み合わせれば、店舗の無人化、つまり「スマートストア」化を実現することも十分に可能です。このようなシステムやツールのほかにも、AIを搭載した接客ロボットや、自律走行で商品を棚卸しするロボットなど、無人店舗で活躍しそうなAI技術が次々に生まれています。

店舗で役立つAI搭載カメラの様々な機能

店舗で広く活用が進んでいるAI技術として、AI搭載カメラが挙げられます。ここでは、先に紹介した様々な店舗でのAI活用シーンを踏まえて、AI搭載カメラのどんな機能がそれを可能にするのかを解説していきます。

顔認証

AIを搭載したカメラの機能として最初に挙げられるのが、顔認証です。たとえば、AIカメラを使った顔認証を入店システムに活用すれば、カメラが顔認証によって来店客を識別し、登録会員であれば自動的に入口を開閉する、といったようなスマート入店システムが実現します。

店舗内にもAIカメラを設置しておけば、顔の情報から来店客それぞれの年代や性別などの属性分析を行ったうえで、それを店舗内での動線や購買行動とひもづけて分析することも可能です。

人数カウント

AI搭載カメラの代表的な機能に、設定に応じて基準を満たす人数をカウントする機能があります。撮影範囲の一部に検知エリアを設定し、そのエリアにいる人の数をカウントする機能や、検知ラインを設定してそのラインを通過した人数をカウントする機能がそうです。

たとえば、レジ待ちの人数をカウントして一定の人数を超えたら通知するように設定すれば、レジが混んできた時にすぐにスタッフを増員することができます。さらに、来店数やキャンペーンエリアへの立ち入り人数のカウントからファネル分析を行えば、POPや店頭ディスプレイの効果検証なども可能でしょう。

購買品の特定

スマートストアでは従来、重量センサーを使って購買品を特定するケースが一般的でしたが、カメラ映像をAIで解析することで、購入者だけでなく購買品も特定できる技術が生まれています。

重量センサーを使った従来の特定方法では、一度手に取った商品を会計前に別の場所に戻した場合などに、AIが購買品の判定を誤ることがありました。カメラ映像を使った判定なら、このような誤りを大幅に減らすことができると期待されています。

販促コンテンツ生成

AI搭載カメラを使って来店客の行動や購買特性を分析できることにはすでに触れました。今では、このような行動分析の結果に基づいて、生成AIが販促コンテンツをデジタルサイネージ上に表示する技術の開発も進んでいます。

これはAI搭載カメラとデジタルサイネージを連動させた自動接客のシステムと言えますが、販促コンテンツを表示するまでで終わりではなく、接客の結果を随時分析することで、表示内容の改善まで行われるといいます。AI技術が店舗で活躍の幅を広げていることがよくわかる事例ではないでしょうか。

SafieのAI搭載カメラの特徴

クラウド録画サービスでシェアNo.1の「Safie」のAI搭載カメラ「Safie One(セーフィーワン)」の特徴を詳しくご紹介します。(※No.1:株式会社テクノ・システム・リサーチが調査した「2022年ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査」より。)

「Safie One」は、エッジAIを搭載した防犯カメラです。人だけを検知する「人検知」機能が標準搭載されており、スマホにも通知が届くので、不在時にもカメラが代わりに目を光らせてくれます。さらに、オプションでアプリケーションを追加することで、解析した映像データを防犯やマーケティングに活用することが可能。アプリケーションは、「立ち入り検知」、「通過人数カウント」、「立ち入りカウント」という、店舗運営で役立つ3つの機能がパッケージ化されたものです。

「Safie One」はクラウド録画型なので、パソコンやスマートフォンを使ってリアルタイムでどこからでもカメラの映像を確認できます。複数のカメラの映像を一覧で表示したり、見たいカメラだけをソートして表示したりすることも可能。視聴画面では直観的な操作が可能で、使いやすさに定評があります。

画質はテレビと同等のくっきりなめらかな映像で、細かな部分まで正確に映し出します。さらに、録画データはもちろん、ユーザーやカメラが利用する通信経路も暗号化されているので、セキュリティの面でも安心してお使いいただけます。

このように充実した機能を備えていながら、低価格で利用できる点もSafieの防犯カメラの特徴です。毎月のクラウド利用料金は7日間の録画プランだと1台1,320円(税込)と、大変手ごろに設定されています。最もよく利用されている30日間の録画プランでも、税込みわずか2,200円。設置が簡単な「Safie One」の場合、毎月のクラウド利用料金とは別にかかる初期費用は、41,800円の本体料金のみです。今回ご紹介した「立ち入り検知」、「通過人数カウント」、「立ち入りカウント」をパッケージ化した「AI-App 人数カウント」をご利用いただく場合は、オプションとして月額5,500円(税込)で付けることが可能です。

店舗でのAI搭載カメラ活用事例

このように、SafieのAI搭載カメラは実に幅広い用途で店舗の運営をサポートします。実際にどのように店舗に貢献しているのかを実感できるよう、ここではSafieのAI搭載カメラを導入した店舗の事例を2つご紹介します。

株式会社オートウェーブさま

カー用品販売やカートータルメンテナンスサービスを行う株式会社オートウェーブさまの1号店には、業務スーパーが併設されています。「買い物のついでに車に関する相談が気軽にできるような、地域密着型の店でありたい」という会社の想いを反映し、このような形態をとっているそう。

防犯のために店舗内に設置していたセキュリティカメラをクラウドカメラに入れ替えたことをきっかけに、カメラに搭載されている人数カウント機能を使って顧客マーケティングを行うようになったといいます。

「我々が一番知りたいのは、何も買わずに退店されたお客様の情報です。『来店された方がなぜ購入に至らなかったか』を探ることが、サービス改善に繋がりますから。人数カウント機能は、時間帯ごとに人数を表示することもできるので、分析がしやすいんです。キャンペーン実施期間中、店内に人が多くても意外に購買率が低い日があることがわかったりと、施策の効果検証にも役立っています。

人数カウントを活用することで、店内の賑わいと購買率が比例していないことがわかり、よりリアルな分析ができているとのこと。

ツムギホールディングス株式会社さま

エンターテイメント分野でさまざまな事業を展開されているツムギホールディングス株式会社さま。主要ビジネスの1つであるレンタルスタジオ「BUZZ」は、店舗を無人化することで、どこよりも安いレンタル料金を実現しています。

人の目の代わりとして受付カウンターやスタジオ内にクラウドカメラを設置し、何かあれば映像を確認するという形で利用されていたそうですが、AI搭載カメラを導入したことで確かな効果を感じているようです。

「人の滞留を検知して通知するAI機能『立ち入り検知』は、とても便利だと感じました。これまでは、映像をリアルタイムで監視するというより、何かがあったときに確認するという利用が中心でした。それが、この通知機能があるおかげで、料金箱前に一定時間を超えて人がいると通知してくれるようになり、怪しい行動がないかリアルタイムにチェックできるようになりました。

この機能は、本来、お客様が入ってはいけない場所、例えばカウンターや空き部屋に人が侵入したことを知らせることも可能だと思います。そうすると、部屋の無断利用、時間外の利用なども防止することができ、経営面にも効果があるのではと感じています。」

終わりに

AI技術の普及や社会の変化にともなって、オンラインではない街中の店舗においてもAIが活躍の幅を広げています。店舗にAIを導入すれば、混雑状況の可視化や来店客の行動分析、さらには需要の予測や業務効率化など、従来は難しかった色々なことが可能となります。

特に、AIを搭載したカメラは、顔認証や人数カウントなど様々な機能によって店舗運営に大きく貢献しています。さらに、最近では、カメラ映像を活用して、より高度な解析やコンテンツ生成を行うAI技術も生まれています。AIカメラが店舗にもたらす効果は、この記事でご紹介した2つの事例からも感じていただけたのではないでしょうか。

クラウドカメラの活用方法にお悩みの方は、業界や目的別に使い方を紹介していますのでこちらからご覧ください。

AIカメラSafie One

かしこくなるAIカメラ「Safie One」。エッジAIを搭載し、計測・検知を行うことで映像解析をより便利にします。