AIカメラで何ができる?活用シーンやメリットを解説!

aiカメラで何ができるの?

AIカメラを導入しようか検討されている企業の中には、「AIカメラとはどんなものか知りたい。」「AIカメラの主な機能や応用事例について知りたい。」「AIカメラを導入することのメリットやポイントについて知りたい。」 と思われている方も多いのではないでしょうか?

AIカメラの導入について検討されている方は、メリットや選定ポイントを十分理解したうえで導入することで、より効果的に業務を効率化できます。

本記事では、AIカメラの概要や主な機能、導入のメリットや選定のポイントについて解説します。

人数カウント

施策の効果、定量的に測れていますか?
リアルタイムなAI解析で見える化。来店数や混雑状況を計測して、次の施策や接客につなげる。集客力・販売力、業務効率の改善に役立つ、さまざまな機能をご利用いただけます。

AIカメラとは?

AIカメラとは、従来のネットワークカメラと違い、AI(人工知能)を使い、画像や映像を自動で分析・解析できるカメラです。

従来は人が実施していた作業をAIカメラにより自動化できるため、近年では多数の現場で使われています。
さらに、AIカメラの導入は事業課題を解決する上でも有効な手段であり、これまで人が行っていた業務を自動化し作業の効率化を図れます。

例えば、スーパーやコンビニなど小売店の売り場の状況を分析したり、現場の安全管理や進捗管理、工場の生産ラインのモニタリングなどにAIカメラを活用することで、省人化や業務効率化を実現します。

AIカメラの種類

AIカメラには、「エッジAIカメラ」と「クラウドAIカメラ」の2種類あります。
AIカメラを導入しようか検討されている方は、それぞれの特徴について理解し、自社に適した種類のカメラを導入することが大切です。

「エッジAIカメラ」の特徴やメリット・デメリット

エッジAIカメラでは、ディープラーニングモデルやAIアルゴリズムをカメラ本体に組み込むことにより、画像処理や解析をカメラ内部で実行できる特徴があります。そのため、クラウドにアップロードしたり、ネットワーク経由したりする処理が不要で、リアルタイムでの高速処理が可能。プライバシー保護やリアルタイム性を要求される場面で特に有用なカメラです。

また、カメラ内でAI処理ができるため、データ通信量が抑えられ通信コスト削減にも効果的です。

「クラウドAIカメラ」の特徴やメリット・デメリット

クラウドAIカメラは、クラウド上で映像解析および処理を実施するAIカメラです。
AIカメラにより撮影された映像に対し、インターネット上でクラウドにあるサーバーに映像を送り、そのサーバーでAI処理をします。映像内の人物や物体の認識、異常検出、行動の判定といった処理ができます。

クラウドAIカメラの最大の特徴ともいえるのが、複雑で規模の大きな処理にも対応できることです。
クラウド上のサーバーが、深層学習モデルやAIアルゴリズムを活用し、膨大な映像データでも高速処理するため、カメラが複数あっても映像をまとめて解析できます。そのため、大規模の施設におけるセキュリティ管理、映像確認を遠隔地から行う場合に有効です。

ネットワークカメラとの違い

ネットワークカメラは、ネットワークを利用してデータの送受信ができる機能を持ったカメラです。ネットワークカメラを使用することで、撮影映像を端末に保存できたり、離れた場所に設置されている画面にリアルタイムで反映したりできます。

ネットワークカメラでは、映像処理や画像認識に関する機能が搭載されていないものが多く、ネットワークカメラで撮った映像に対し分析を行う際は、目視で確認しなければなりません。しかし、AIカメラであれば、撮影した映像の分析をAIに任せて自動化が可能です。

AIカメラの主な機能3つ

AIカメラによる顔認識のイメージ

AIカメラの導入を検討されてる企業の方は、AIカメラの主な機能について把握しておくことが大切です。主な機能を把握しておくことで、導入時にどのように活かせるかイメージできます。

画像認識と分析

AIカメラは画像認識機能があり、例えば、骨格の構造や顔の特徴から人の識別ができます。
例えば、お店に来店した人の顔認識を行うことで、出入り管理や従業員の勤怠管理などが可能。さらにこの機能を応用すると、人が転倒しそうな状況も画像認識と分析で検知することができ、未然に事故を防げて安全管理にも役立ちます。

そして、単純な動きや顔認識に限らず、細かい動作や姿勢といった行動パターンに対しても学習・認識ができるAIカメラも存在するため、飲食店などでAIカメラを使うことで、客数を検知し店舗の混雑状況の把握や分析も可能。レジに人が並んでいる状況などに対して分析することで、店舗スタッフを増加するといった人員配置の効率化もできます。

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モーション検出と追跡

決まった行動や動き、物体配置などを2次元処理できるため、異常を検知したり、安全性を向上させたりできます。
例えば、不審者の行動を検知したり、製造工程での異常を検知したりといった場面で活用可能です。

特定領域の識別や検知ができるため、侵入禁止エリアに人が侵入した際に検知するなど可能、セキュリティ強化に活用できます。そのため、安全管理・作業管理などの業務を自動化してセキュリティを向上させたいという企業に向いているカメラです。

リアルタイム処理能力

AIカメラを使うことで、作業員をリアルタイムで管理できるため安全性が向上できます。
万が一作業員が危険と判断されるような行動を取った際や、危険な作業範囲に入った際には、その行動をAIカメラがすぐに検知し、通知や警報が発せられるため、事故につながるリスクを軽減できます。また、作業員が転倒してしまったような場合でも、迅速な検知ができるため、すぐに救助措置を取れます。

さらに、AIカメラは通知機能など自由にカスタマイズできるものも多く、アラート条件や感知する範囲、通知先も調整でき、自社に合わせた導入が可能です。

このようなセキュリティ強化や、現場の映像確認の効率化などのメリットが多くの企業で導入されている理由です。

AIカメラの活用シーン

近年では、たくさんの企業がAIカメラを導入しています。
導入を検討している方にとって、導入効果がイメージしやすくなるようなAIカメラの活用シーンを3つ紹介します。

モレスキンの店内を撮影するAIカメラ「Safie One」

小売業での顧客行動分析

AIカメラを用いて店内外での顧客の行動を分析することで、品切れしている商品をリアルタイムで知れたり、顧客の購買パターンや嗜好を把握することが可能になります。また、分析結果をもとに、商品のレイアウトや品揃えを変えたり、顧客の属性や滞留を検知して滞在時間が長いエリアに基づき効果的にプロモーションの展開やPOPを設置することで、売上向上に繋げることも可能です。

実際に、「モレスキン」では、AIカメラで入店率や購買率を分析したり、店内の映像で顧客行動を分析することで、効果的な売場づくりや販促施策に繋げています。

また、商品のAIカメラを活用した欠品検知データと購買履歴を利用し分析すれば機会ロスも減らせます。
レジで滞留している時間の検知もできるため、混雑が見込まれる時間帯で人員配置を考慮し調整することで、待ち時間を短縮させ、顧客満足度の向上にも繋げられます。

実際に、大阪のスーパーマーケットチェーン「サンプラザ」ではAIカメラを活用して、レジの混雑状況を通知。迅速にレジ応援に駆けつけられるようにしレジの混雑緩和を実現しています。

工場での品質管理

工場における生産ラインの撮影にAIカメラを利用すると、検品の精度を高めたり、効率化することが可能です。
製品に傷や変形、異物の混入といった不具合があった際にも自動で検出できます。これにより手作業や目視での検品ミスを防止したり、従業員にかかる負担を軽減させるメリットがあります。

AIカメラの活用で、工場での不良品検出や防犯目的のモニタリングなど、工場で抱えているさまざまな課題の解決に役立ちますが、AIで処理を自動化したい内容や規模によって、エッジAIカメラとクラウドAIカメラのどちらが適しているか、しっかり見極めて導入することが重要になります。

安全管理とセキュリティ強化

AIカメラを倉庫や工場で用いることで、構内における安全管理の強化ができます。
倉庫や工場の場合、危険な場所を立入禁止エリアに指定しても、十分な措置ができていない場合もあり、立入禁止エリアに人が侵入し事故に繋がってしまうことがあります。

AIカメラを活用することで、誰かが立入禁止エリアに侵入した際にリアルタイムで検知が可能。通知機能を使えば大きな事故に繋がる前に事前に対処できます。

AIカメラを導入するメリット

さまざまな場面で活躍するAIカメラについて、導入するメリットを3つ解説します。

効率化とコスト削減

AIカメラの導入によって、業務効率化とコスト削減が実現できます。
AIカメラを導入するための費用や運用にある程度のコストはかかるものの、従来は人の手で実施してきた業務をAIに任せられるので、人件費の削減に繋ります。また、エッジAIカメラであれば、モニターやパソコン、機器を繋ぐために必要になる配線といった設備投資も最低限で済むでしょう。

どれ程の単純作業であっても、人が作業を実施する際にはミスが発生してしまったり、スキルや経験、その日の気分や体調次第で業務の質がブレてしまうことは避けられません。しかし、AIカメラを活用すれば迅速かつ正確に処理できるため、品質を担保しながら時間を短縮し効率化できます。

リスク管理とセキュリティ向上

AIカメラの導入により、事故を未然に防止できることでリスク管理とセキュリティが向上します。
例えば、倉庫や工場にAIカメラを設置することで異常を検知した際に、機器の故障や事故などを防止できます。また、事務所の入退室管理にもAIカメラを活用すれば、不正や不審者の侵入を防ぐこともできます。

介護施設のような高齢者の多い施設では、入居者が転倒してしまう事故を事前に検知し通知が受けられるなど、さまざまな場面で事故リスクが減らせます。

意思決定の高速化

AIカメラの導入により、データ分析の精度が上がり、迅速な意思決定が可能となります。
AIカメラでは膨大な映像データを分析し、人の目では見逃してしまう細かな異常を検出できます。また、精密な分析を行うことで、ユーザーの新しい需要を見つけてビジネスチャンスに変えることも可能です。

他にも、リアルタイムのデータ分析によって、顧客対応を迅速に行うことが可能になります。
製造業の品質管理や物流業界の適時配送など、ビジネスの効率化に役立てることができるでしょう。

AIカメラを導入する際の注意点

AIカメラの導入を検討されている方は、メリットと同様に、デメリットについても十分理解しておくことが大切です。

初期費用と維持費の負担

AIカメラを導入する際には、初期費用だけでなく運用コストがかかってきます。
しかし、上手くAIカメラを活用することで、従業員の作業負荷を減らせることに加え、人件費も削減できます。それでも費用が気になり、少しでも安く抑えたいという方は、端末内で処理できるエッジAIカメラがおすすめです。

プライバシーとセキュリティへの対策

AIカメラを導入する際は、プライバシーへの配慮やセキュリティ対策が必須です。
AIカメラが個人の行動や顔を撮影し、データベースに映像や画像を保存した場合、個人のプライバシーを侵害してしまう可能性が高いです。また、データ保護や管理に問題が発生した場合、データや情報が漏洩してしまうリスクもあります。

このようなリスクの発生をできる限り抑えるために、AIカメラを導入する際には、データ保護ポリシーの策定やセキュリティ対策が必要です。

複雑な技術と専門知識の必要性

AIカメラを導入し、データを上手く活用するためには、複雑な技術と専門知識が必要になります。
AIカメラだけでなく、データ活用すべてに言えますが、AIカメラでデータを取得できても、データの分析方法や活用方法が分からなければ、ビジネスに活かせません。データを活かすためには、統計やマーケティングに関する専門知識などが必要になります。

そのため、社内に技術や専門知識を持っている人材がいなければ、導入する前に、AIカメラの提供元に、データの分析・活用方法についてサポートしてもらえるか確認しましょう。

AIカメラの選び方と導入のポイント

ここまでAIカメラの活用シーンや導入するメリットを解説してきましたが、導入後に最大限AIカメラの力を発揮するためには、選び方と導入のポイントについて理解しておく必要があります。

AIカメラの選び方と導入のポイントは、以下3つです。

必要な機能の特定

AIカメラを選定する際は、はじめに自社にとって必要な機能や性能はどんなものなのか、明確にする必要があります。AIカメラでは、カメラがどんなものを識別可能なのか、識別の精度は高いかといった解析能力を比べて検討することが大切です。人の顔は認識できるか、物体や形状、色を認識できるのか、といった条件次第で、選ぶカメラが変わってきます。

カメラ自体のスペックについても、撮影する環境に必要な画質を備えたカメラを選定する必要があります。赤外線機能や高解像度など、撮影する環境に最適なカメラを選定しましょう。

また、映像を処理する速度もカメラ選びで重要なポイントです。画像解析の内容にもよりますが、リアルタイム性が必要があれば、エッジAIカメラがおすすめです。

価格とパフォーマンスのバランス

価格とコストパフォーマンスもカメラ選びで重要なポイントです。
価格では、初期費用のほかどの程度のランニング費用が発生するのか、人件費や通信費といったインフラ関係の構築にはどの程度のコストがかかるのか、必ず事前に確認するようにしましょう。月額の基本料金が安い場合でも、自社に必要なAI機能を追加する度にオプション料が発生し、月々に支払う金額が高くなってしまうケースも少なくありません。

また、導入の効果が出るまでに一定期間継続して利用することが必要になるので、実際に導入した際にどの程度のトータルコストがかかるのか、費用対効果は期待できるのかの見極めも必要です。

導入後のサポートと拡張性

AIカメラを導入した後のサポート体制や拡張性は非常に大切な要素になってきます。
AIカメラを運用する際に考えられる課題や課題に、迅速で効率的な対応が可能かは、パフォーマンスを保つ上で重要なポイントです。AIカメラを提供している会社から受けられるサポートの形式は、メールや電話、オンラインチャットとさまざまであり、サポートが受けられる時間も、24時間対応しているサービスもあれば、平日しかサポートが受けられないサービスもあります。

保守体制に関しても、セキュリティ問題やソフトウェアのバグ、ハードウェアの故障のような問題が発生した際に、どうやって対応するかをあらかじめ決めておきましょう。

AIカメラについて理解しビジネスに役立てよう

AIカメラで何ができるのか、メリット・デメリットや活用シーンをご紹介してきました。
AIカメラはさまざまなビジネスで活用でき、現場の映像確認や管理の面に加えて、顧客行動管理などマーケティングにも役立つものです。ぜひ自身のビジネスに活用できることはないか考えて、AIカメラの導入を検討してみてください。

導入する際は、AIカメラのどの機能を使いたいか、どこにどのような形で設置するかなども具体的に検討してみることをおすすめします。

その上で、初期費用や月額料金などのコスト面も考慮して、自社に適したAIカメラを導入しましょう。

クラウドカメラの活用方法にお悩みの方は、業界や目的別に使い方を紹介していますのでこちらからご覧ください。

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