海外で活用が進む最新ソリューションにチャレンジ
カメラ×AIによる検知・通知で、現場の不安全行動が低減

スーパーゼネコンの1社として、ランドマークとなる建築を多数手がけている大林組。現場管理などにSafieを活用中の同社は建設業における映像活用の新たなスタンダードを見据え、AI映像分析ソリューション「Ailytics(SF)」のPoCにご協力くださいました。

(取材:2026年6月)

導入の決め手

  • AI映像分析で不安全行動の見逃し低減への期待感
  • 課題解決に直結するAI機能がパッケージ化されている
  • シンガポールの現地法人で既に活用中
  • 日本では、取引実績のあるセーフィーが窓口で安心

導入目的

  • 現場の安全管理の向上

導入した結果

  • 自動検知・通知で不安全行動の見逃しが減少
  • 現場の作業員に、映像と併せて適切な注意喚起ができる
  • 吊り荷下への立ち入り減少にも効果

日本を代表する建築物の施工で知られるスーパーゼネコンの1社、大林組。建設DXに積極的で早期からSafie(セーフィー)もご活用くださっている同社は、進行中の仙台市役所本庁舎建て替え事業(第1期工事)において「Ailytics(SF)(アイリティクス エスエフ)」のPoCにご協力くださいました。

「Ailytics(SF)」は不安全行動を管理する新たなAI映像分析ソリューションで、シンガポールのAilytics社とセーフィーが連携し、日本国内での提供を予定しています。

本サービスのPoC実施を決めた背景や活用効果について、「株式会社大林組」の建築現場へのDX推進を担当されている平井 智也さん、仙台市役所建築JV工事事務所で施工管理業務を担当されている森永 泰大さん、小林 紀行さんにお話を伺いました。

細部まで人の目で見守るには限界がある
新たなAI映像分析ソリューションのPoCを実施

──はじめに、「Ailytics(SF)」のPoC実施に至った背景をお聞かせください。

デジタル・テクノ企画部 次世代技術推進課 課長の平井 智也さん

平井さん:当社は生産性向上・時間短縮につながる建設DXの推進にあたり、私たち本社部門がリサーチなどをアシストする体制を組み、現場の課題解決に最適なソリューションの導入を進めています。その中で、シンガポールにある当社の現地法人ではすべての建築現場で、Ailytics社の安全AIカメラを導入しているとの情報が入り、日本でも使ってみたいと検討を始めました。すると日本ではセーフィーさんがサービス展開で連携しているとわかり、連絡を取らせていただきました。

概要を伺い、好感を持った理由の一つは、活用メリットをイメージしやすかったことです。今、日本にはたくさんのAIソリューションがありますが、ユーザーと一緒に開発していくスタイルが多いように感じます。ですが「Ailytics(SF)」は課題にマッチする機能が既にパッケージ化されていて、現場ですぐに使えそうなことが非常に魅力的でした。

また日本では、当社もカメラ活用で馴染みのあるセーフィーさんが窓口で、海外法人との契約をスムーズに行えるという安心感もありました。こうしたことからPoCの実施を決め、「大林組・鉄建建設・仙建工業・深松組共同企業体」として施工を進めている仙台市役所本庁舎建て替え事業(第一期工事)の現場で導入させていただくことになりました。

カメラ映像で設定した不安全行動を、AIが自動検知しダッシュボードに通知

──どのような目的でPoCに臨まれたのでしょうか?

平井さん:最大の目的は現場における安全管理の高度化です。労働災害をゼロにすることはわれわれ建設業の最重要テーマといえますが、現場監督が隅から隅まで四六時中見ているのは不可能です。その点、「Ailytics(SF)」はカメラとAIが不安全行動を自動検知し、専用ダッシュボードに通知してくれるサービスであるため、人による見守りを補完してくれることが期待できます。見逃しが低減でき、労働災害を未然に防ぐことができるため、ぜひ導入したいと思い、現場で活用可能か実用性を見極めたいと考えました。

──施工管理の現場では、「Ailytics(SF)」の導入にどのような印象をお持ちになりましたか?

仙台市役所建築JV工事事務所 工事課長(建築)の森永 泰大さん

森永さん:本事業のように敷地が広い現場ではどうしても人の目が届きにくい箇所が生じるため、カメラとAIでカバーできるなら素晴らしいという期待感が大きかったです。それに、シンガポールの現地法人では既に活用が進む中、日本ではまだ導入実績がないとのことでしたので、私たちが先んじて活用し、知見を社内に還元できたら……という思いもありました。

「カメラをずっと見ているのは無理だから、検知・通知はAIで」
映像記録をもとにした注意喚起で、不安全行動に大きな変化

──現場では、「Ailytics(SF)」をどのようにご活用いただきましたか?

森永さん:「Ailytics(SF)」が有する検知・通知機能のうち「立ち入り禁止」「重機近接」「吊り荷下立ち入り」の3機能を導入し、不安全行動をAIで検知する運用を行いました。検知されるとパソコンに通知が届くため、その通知を私たちが確認し、必要に応じて現場の方々に注意喚起しました。

不安全行動の自動検知を確認し、現場に注意喚起をすることで事故を未然に防ぐ

──実際にご利用いただいた感想をお聞かせください。

森永さん:現場では毎日多数の重機が稼働し、数えきれないほどの揚重作業が行われ、工事の進行と共に危険エリアも増えています。それらすべてを私たちがずっと見ているのは不可能なため、カメラを活用して補完するのですが、映像を常時確認し続けることは現実的ではありません。だからこそ、常時映像を確認するのではなく検知・通知まで行う「Ailytics(SF)」は非常に有用だったと思います。

──「Ailytics(SF)」の導入でどのような変化がありましたか?

森永さん:最も効果を感じたのは、重機への危険な近接が大幅に減ったことです。導入当初は、想定していた以上に検知件数が多くありました。重機の配置は工事の進捗に応じて日々変わるため、誤って近づいてしまいがちなんです。しかし「Ailytics(SF)」が検知・通知してくれることで注意喚起が可能になり、検知件数は徐々に減少していきました。現在では重機への不必要な近接はほぼなくなっています。

係員(建築)の小林 紀行さん

小林さん:正直なところ、私はAIの検知能力に半信半疑な部分もありました。しかし実際に運用してみると、私たちが見逃していた吊り荷下への立ち入りなども検知でき、改善につなげることができました。その結果、検知件数は肌感覚で半分程度まで減ったと感じています。また、映像という客観的な根拠をもとに注意喚起でき、作業員さんにも納得感を持って受け止めてもらえるようになったこともうれしい変化でした。

森永さん:導入を通じ、私たち自身の意識も変わりましたね。海外の現地法人では映像のAI分析が現場で標準的に活用されていると知り、施工管理の手法が今後さらに変わっていくことを実感しました。こうした新たな技術を積極的に活用しながら、自分たちもスキルアップしていく必要があると感じています。

また、これはカメラそのものの効果ですが、カメラを最上階に設置していたため、地上にいながら上層階の状況を把握できたことも良かったです。多い人では1日に10回以上もあったフロア間の移動が激減し、現場管理の効率化につながっています。現場の進捗や設備状況を確認できる点も、とても便利でした。

「Ailytics(SF)」は、大規模現場の安全強化に期待大
労働災害の芽をしっかり摘んでいく体制を

──「Ailytics(SF)」の今後の活用イメージについてお聞かせください。

小林さん:今回のPoCで、私たちが見守りきれない大規模な現場では、「Ailytics(SF)」はより効果を発揮するだろうと感じました。

森永さん:同感です。複数台のカメラでくまなくモニタリングすれば安全管理はいちだんと充実するでしょう。検知する不安全行動については、作業シーンに合わせていろいろ試してみたいです。走る・ハンドポケット等、ついやりがちな不安全行動も検知できるようになったらなお良いと思います。

平井さん:将来的には職人さんとコミュニケーションするチャットツールと「Ailytics(SF)」が連携したら理想的ですね。PoCでは当社職員がシステムを確認後、現場の職長さんを介して、対象の作業員さんへ注意喚起してもらう運用でしたが、チャット連携が実現すればリアルタイムに直接注意喚起できるので、災害を未然に防ぐ効果がより高まると思います。今後、不安全行動を認識するAIの学習がいっそう進み、労働災害の芽を事前にしっかり摘むことができればと願っています。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。
※カメラを通じて取得する映像は管理者及び映像閲覧が必要な担当者のみで閲覧しています。法令に基づく場合を除き、第三者提供は致しません。また、映像の活用は事前に特定した利用目的に必要な範囲で行い、個人を追跡することは行いません。

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お話を伺った方

株式会社大林組
建築本部 本部長室
デジタル・テクノ企画部 次世代技術推進課
課長
平井 智也さん


大林組・鉄建建設・仙建工業・深松組共同企業体
仙台市役所建築JV工事事務所
工事課長(建築)
森永 泰大さん


係員(建築)
小林 紀行さん