100kmにおよぶ工事区域の立会検査をウェアラブルクラウドカメラで遠隔化
工期短縮だけではなく、人手不足解消にも

土木・建築、ガス、建設資材の3領域で、公共性の高い社会インフラを構築している「奥村組土木興業株式会社」。同社はウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2 Plus」を約100台導入し、現場で活用くださっています。多台数導入の背景や活用効果について伺いました。

(取材:2023年12月)

導入の決め手

  • 通信機器が不要。カメラ単体で撮影~クラウド自動保存まで可能
  • 建設業界内のシェアが高く、行政や発注者の間でも評判が良い

導入目的

  • 行政や発注者の遠隔臨場
  • 2024年問題に向けた働き方改革
  • 本支店による一括現場管理

導入した結果

  • 遠隔臨場により、外部の関係者の立会などをスムーズに行える
  • 社内でも現場を見る「人の目」が増え、安全や施工の管理品質が向上
  • 複数現場の状況がわかり、業務効率化、人手不足解消や残業時間削減につながる
  • 映像共有で、現場とのコミュニケーションが円滑に

大阪に本社を構え、2020年に創業100周年を迎えた「奥村組土木興業株式会社」。「土木・建築工事」「ガス工事・舗装復旧工事」「建設資材の製造販売・リサイクル」の3領域を軸に全国で事業展開し、社会基盤の整備に寄与している建設会社です。

同社の環境開発本部では土木工事における遠隔臨場のツールとして、セーフィーのウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2(セーフィー ポケットツー)」を活用。2023年には、遠隔臨場に役立つ機能がより充実した「Safie Pocket2 Plus(セーフィー ポケットツー プラス)」へのリプレースを行い、約100台を一斉導入くださいました。

「Safie Pocket シリーズ」はウェアラブルカメラですが、現状、同社の土木工事の現場では固定して撮影するケースもあるといいます。「Safie Pocket2 Plus」の利点を生かした活用術について、環境開発本部の髙辻 健二さん、中村 大介さん、山岸 修昭さん、楢原 康一さん、初木 勇哉さんにお話を伺いました。

カメラ単体で撮影も通信もできるシンプル仕様が決め手に
最新機種の全現場導入で意識を変え、DXに拍車をかける

──はじめに、カメラを活用いただいている環境開発本部と、みなさまのお仕事についてお教えください。

導入環境開発本部の副本部長の髙辻さん

髙辻さん:環境開発本部では高速道路などの社会インフラを構築する土木・建築工事を行っており、私は常務執行役員として環境開発本部の副本部長を務めています。

中村さん:環境開発本部の組織には各種検査や安全管理、現場支援を担う品質安全部があります。私はその品質安全部の部長を務め、山岸は同部内で現場支援を担当しています。また楢原は、同じく環境開発本部内の技術部に所属し、DX推進に携わっています。京都支店工事課に所属する初木は、工事主任として監理技術者を担当しています。

──環境開発本部の現場では、ウェアラブルクラウドカメラの「Safie Pocket2」をご利用いただいていました。どのような目的で導入くださったのでしょうか?

中村さん:「Safie Pocket2」は、ある高速道路の現場に導入したのが最初です。行政の方や発注者といった外部関係者の方が、検査や立会に遠隔で参加できるICTツールとして活用をスタートしました。

──「Safie Pocket2」を選んでくださった理由をお聞かせください。 

楢原さん:なんといっても、これ1台ですべてが完結するシンプルさ、手軽さです。比較検討した他社製品はクラウドサービスを利用する際、スマホなどの通信機器をカメラにつなぐ必要がありました。それでは現場で使う機器や配線が増えてしまい、作業の邪魔になって現実的ではないと感じました。

対して「Safie Pocket2」はカメラ単体でクラウドとつながり、遠隔にライブ映像を送ることができます。ビューアーアプリの見やすさ、使いやすさも頭ひとつ抜けていると感じました。画質も遠隔臨場には十分な品質ですし、実際の使い勝手をトータルに考えると「Safie Pocket2」がもっとも優れていました。

状況に応じてウェアラブルカメラとしても活用(初木さん)

──その後、最新機種の「Safie Pocket2 Plus」にリプレースし、約100台を一斉導入いただきました。リプレースの経緯をお教えいただけますでしょうか。

山岸さん:当社では2024年問題の対策として現場DXに取り組み、遠隔臨場などによる働き方改革を積極推進してきました。そして2024年が目前に迫った2023年、すべての現場にウェアラブルクラウドカメラを配付することにしました。タブレットやカメラといったICTツールを全現場に浸透させれば、レガシーな働き方に対する意識改革が一段と促され、DX推進に拍車がかかると考えたからです。

中村さん:ちょうど、最新機種の「Safie Pocket2 Plus」がリリースされたタイミングだったので、100台を一斉導入させていただきました。手ぶれ補正やスピーカー機能など、より便利な機能が搭載されていましたし、Safieはシェアが高く国土交通省や発注者にもよく知られ、「Safieなら安心」という雰囲気が建設業界内にあったことも後押しになりました。なお、100台という導入台数は、全現場に最低2台以上を配付する計算で算出しました。多台数ではありますが用途が広いカメラなので、多めに準備すればさまざまなシーンで有効活用できると考えました。

現場事務所で管轄している2拠点の現場映像を大型モニターに表示

現場を見守る「目」が増え、安全管理や人手不足解消にメリット
毎日の立会検査も遠隔化でき工期の短縮も

──「Safie Pocket2 Plus」は、どのように活用いただいているのでしょうか?

中村さん:平均2~3台のカメラを、映像を映し出す大型モニターとセットで全現場に配付しています。「Safie Pocket2 Plus」はウェアラブルですが、現状、私たち環境開発本部の現場ではクリップなどで足場の単管につける、あるいは三脚でどこかに置くなど、カメラを固定しての定点撮影をメインにしています。基本は作業の様子を撮っていますが、現場によっては夜間に給電しながら防犯カメラとして使うこともあります。

本社でも常に大型モニターでリアルタイム映像を表示

初木さん:当工事では、全長100キロの工事区間の中で複数個所同時に工事を進めています。これらの各現場で作業箇所や要所となる場所にSafie Pocket2シリーズを設置して、不安全行動がないか、品質的に問題がないかを事務所で常に映像を映して確認しています。
さらに、24時間の防犯録画で1台設置し、もう1台で現場横の細い道での作業確認や大型車の入場時に誘導員がいるかなどを見て、全11台で現場の安全に努めています。その他、発注者に提出する施工記録もSafie Pocket2シリーズのスナップショット(CALS対応)を使って作成しています。

現場では作業の不安全行動を確認

──固定して定点撮影するケースが多いとのことですが、使い勝手はいかがでしょうか? 

中村さん:コンパクトで配線も不要なので、作業内容や進捗に合わせ、見たいところへフレキシブルに設置できて大変便利です。人が撮影するのは難しい作業や場所で固定撮影できることも大きなメリットです。さらに、「Safie Pocket2 Plus」は手ぶれ補正機能もあるので、作業中の重機に取り付ける場合も見やすい映像を撮ることができます。遠隔から現場全体に呼び掛けできるスピーカー機能も搭載されており、ますます用途が広がりそうです。

──現場の反応はいかがでしょうか?

中村さん:最初は「見られている」という抵抗感があったようです。けれど実際に使う中で映像が残る安心感や遠隔コミュニケーションの利便性を実感し、今では理解を示して活用してくれています。

──「Safie Pocket2 Plus」を導入し、良かったことをお聞かせください。

髙辻さん:本社視点でもっとも大きなメリットは、現場を見守る人の目が増え、スピーディーな対応が可能になったことです。最小限の人員で現場の安全や施工品質を担保でき、人出不足の解消にもつながっています。

山岸さん:所長からも、遠隔で現場の様子がわかるので電話の回数が減った、コミュニケーションが円滑になった、作業進捗に合わせてベストタイミングで現場に赴くことができるようになった等、ポジティブな声が多く上がっています。

初木さん:この現場では、工事に使用する資材が4,900本以上あり、その長さや本数を確認する検査を発注者様の立会で毎日行う必要がありました。施工前に協議を行い、Safie Pocket2を活用した遠隔検査が可能になったことで、立会人の片道1時間の移動時間がなくなり、外部関係者の方々の業務負担も軽減されただけではなく、現場の待ち時間が削減されて工期短縮にも寄与しています。また、現場のことで発注者様からお問い合わせがあった際も映像で事実確認できるので、対応がスムーズになりました。さらに、不安全行動時の動画を周知会や安全教育で使用し、作業員全員への安全意識向上にも役立てています。

中村さん:カメラで撮影していることで、現場に良い緊張感を醸成され、より安全に作業するような意識の変化がありました。そのおかげか、2年間事故ゼロを実現しています。

Safie Pocket2 Plusを活用した遠隔検査

活用法を積極的にアップデートし、
施工品質の向上と人手不足解消を両立させていきたい

──今後の映像活用の展望をお聞かせください。

環境開発本部で品質安全部の部長を務める中村さん

中村さん:現在、これまでのカメラ映像を使い、工事種別に若手向けの教育用動画をつくっています。写真や文字だけで技術を伝えるのは難しく、教育には動画が一番いいと思うので完成が楽しみです。

髙辻さん:現在は固定撮影がメインですが、今後は作業員が装着するウェアラブルな使い方も普及させていきたいです。活用法をどんどんアップデートしながら社内に水平展開し、安全・施工品質の向上と人出不足解消を両立させたいと思います。

※本記事に掲載している企業情報、所属およびインタビュー内容はページ公開当時のものです。

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遠隔業務を変えていく屋外カメラ

こんな方におすすめ

  • 防犯カメラを設置したいが屋外のため回線の用意が難しい
  • 工事現場で使えるクラウドカメラを探している
  • 遠隔臨場で現場業務の効率化をしたい

お話を伺った方

奥村組土木興業株式会社


環境開発本部
常務執行役員
副本部長
髙辻 健二さん


環境開発本部
品質安全部
(検査室・安全課・現場支援課)
部長
中村 大介さん


環境開発本部
品質安全部
現場支援課
課長
山岸 修昭さん


環境開発本部
技術部
DX推進グループ
マネジャー
楢原 康一さん


環境開発本部
京都支店工事課
工事主任
初木 勇哉さん