橋梁のメンテナンスにウェアラブルクラウドカメラを導入。
公共インフラの長寿命化に挑む

独自の工夫を重ね、全国平均を大きく上回るスピードで管轄の橋梁メンテナンスを進めている熊本県玉名市。同市の橋梁メンテナンスの現場では、セーフィーのウェアラブルクラウドカメラをご活用いただいています。カメラの用途や使用感、導入効果についてお話を伺いました。

(取材:2023年7月)

導入の決め手

  • コンパクトで持ち運びしやすい
  • 電源不要で屋外撮影にも適した設計
  • 映像がクラウドに自動保存される

導入目的

  • 橋梁メンテナンス現場への遠隔臨場
  • 記録映像の活用検討(資料、マニュアル等)
  • 映像を使った交通量調査の検証

導入した結果

  • 遠隔臨場により、限られた人数で効率的に業務を行える
  • 遠隔臨場により、上長や担当職員の現場への移動時間・移動回数を軽減
  • 撮影映像が報告や技術伝承の資料になる
  • 撮影映像をAI解析による交通量調査に活用

今から10年前の平成25年(2013年)、政府および国土交通省によって、道路や橋梁といった公共インフラの戦略的な維持管理、更新を進める方向性が示されました。高度経済成長期の「スクラップ&ビルド」から「ストック&メンテナンス」にトレンドが変わる中、全国の自治体の中でもずば抜けたスピードで橋梁メンテナンスを進めているのが熊本県玉名市です。

予算も人的リソースも限られる中、ICTツールの利活用によって、費用対効果の高い業務効率化を推進してきた同市役所の土木課橋梁メンテナンス係では、現在、ウェアラブルクラウドカメラの「Safie Pocket2(セーフィーポケットツー)」を活用いただいています。カメラの使用感や導入メリットなどについて、橋梁メンテナンス係の木下 義昭さん、前川 将輝さんにお話を伺いました。

独自の工夫でスピーディに計画進行。ICTツールも積極活用

玉名市役所にて左から前川さん、木下さん

──はじめに、お2人のお仕事についてお教えいただけますでしょうか。

木下さん:私たちは玉名市役所土木課に所属し、橋梁メンテナンス係として、市が管轄する橋梁の点検、メンテナンスに携わっています。対象の橋梁は2022年3月末時点で833橋にのぼり(歩道橋を含む)、インフラメンテナンスに関わる国の方向性を受けて策定した「玉名市橋梁長寿命化修繕計画」に沿って老朽化対策を進めています。

──玉名市の橋梁メンテナンスの現状をお聞かせください。

木下さん:橋梁メンテナンスは、まず「緊急措置段階」(判定区分Ⅳ)ならびに「早期措置段階」(判定区分Ⅲ)の橋梁に対する補修工事を済ませ、予防保全の施工を行うのですが、玉名市は、市区町村としては全国的に見てもスムーズに進んでいます。補修工事の着手率は全国平均(市区町村)48%に対し玉名市は100%、措置の完了率は全国平均(同)32%に対し玉名市は95%の状況です。(※2021年9月時点)。全国の市区町村では補修完了に至った橋梁が半数に満たない中、玉名市ではほとんど完了し、次の予防保全の段階に順次進めています。

──なぜ、玉名市の橋梁メンテナンスは、スムーズに進んでいるのでしょうか? 

木下さん:平成28年熊本地震のような災害時にも有効な現場力を身につけることを目的に、市職員が自らの手で橋梁補修を行う直営施工「橋梁補修DIY」を実践していること。そして、直営施工で得たノウハウを還元し、地域の建設業が橋梁補修を行う「分離発注」を推進していること。この2つの取り組みと、規定の点検時期を待たずに前倒しでメンテナンスを進めてきたことの相乗効果だと考えています。

ネックマウントを装着することで、作業しながら現場を撮影することが可能

──橋梁メンテナンスの現場では、ウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」をご利用いただいています。導入の経緯をお聞かせください。

木下さん:橋梁はほかの公共インフラ同様に高度経済成長期につくられたものが多く、玉名市でも、今後10年間で築50年越えの橋梁が加速度的に増えていくことが見込まれます。そこで私たち土木課では、増えていくメンテナンス業務をスムーズに遂行するため、省力化に有効なICTツールを積極的に取り入れてきました。

ただ、積極導入とはいえ、限られた予算を有効活用するという文脈では、一石二鳥以上の活用効果を期待できるツールが理想です。その点、「Safie Pocket2」は電源不要でコンパクトなので、屋外の多様な撮影条件に対応できます。また、映像はクラウドに自動保存されて一定期間残るため、映像活用の幅も広がります。これならさまざまなシーンの業務効率化に役立つと考え、試験導入することになりました。

遠隔臨場で橋梁の劣化状況、補修後の経過観察やメンテナンス作業を確認。
録画映像を活用し技術伝承や報告資料にも

映像はリアルタイムや振り返りで視聴するほかダウンロードして報告書にも利用

──Safieの使用感はいかがでしょうか?

前川さん:画質が良く、映像もさくさく見られるので満足しています。拡大縮小も簡単で、細かいところまでしっかり確認できるのがいいですね。また、ウェアラブルで撮影するときはネックマウントを使用するのですが、首にかけてもあまり重さを感じず、使いやすいです。

──現在は「Safie Pocket2」をどのようにご活用いただいていますか?

木下さん:よく使うのは、現場への遠隔臨場です。橋梁の劣化状況やメンテナンス作業の様子などは、上長もできるだけ現場で確認するようにしています。ですが、出張や会議などで現場に行けないときもありますので、今はそのような場合に「Safie Pocket2」を使っています。上長は現場の職員が撮影したライブ映像をリアルタイムで見たり、時間が合わなければ振り返り視聴したりして、状況判断や指示出しを行います。

前川さん:撮影映像は作業の技術伝承にも利用しており、劣化状況などを報告する資料にも、クラウド録画映像のムービークリップやスナップショットを使っています。

Safie Pocket2を交通量調査に活用

木下さん:また、目下、検討しているのが交通量調査への活用です。過去には、国土交通省に補助金等を申請する際は、該当の橋梁の交通量を求められた事例もありました。特に大型車両などの交通量は、橋梁の劣化を助長させる重要な指標の1つです。私たちは、この交通量調査の効率化を目指し、映像のAI解析にも取り組んでいます。「Safie Pocket2」の撮影映像は解析に適したクオリティですので、今は、実用化への道筋を検証しているところです。

移動時間が削減され、進行もスムーズに。
映像活用によるさらなる効率化、コスト圧縮に期待

──導入で感じていらっしゃるメリットをお聞かせください。

木下さん:以前は、上長が1日に巡回できる現場数には限界があるため、現場に行けなかったときは日を改めて足を運ぶなどしていました。けれど「Safie Pocket2」の映像は現場の状況がよくわかるので、移動時間を軽減することができました。今まで以上に多くの現場を同時に進行することが可能となり、業務効率化につながっています。

ほか、魅力を実感しているのが、いろいろな場所で撮影できること、映像がクラウドに自動保存されることです。「Safie Pocket2」は電源不要でコンパクト、しかも防水・防塵ですから屋外の過酷な環境でも撮影可能な場所が多いのです。自動的にクラウドにアップされ、ムービークリップなどでダウンロードもできるので、今ままでなら難しかったシーンも映像で残せるようになりました。おかげで教育や情報共有、知見のストックを強化できています。

映像はスマートフォンでいつでもどこでも確認できる

──映像活用における今後の展望をお聞かせください。

木下さん:映像のAI解析等による交通量調査の効率化は、ぜひ実用化を目指したいです。交通量調査が必要な案件は多いですし、人が行う調査には多くの市職員が必要なので、うまくいけば大幅な効率化・コスト圧縮になると期待しています。また、「Safie Pocket2」は、災害時にも役立つのではないかと思っています。河川の水位の変化などをリアルタイムに遠隔で見守れますし、記録として映像を残せば、今後の災害対策にも生かせます。市民の皆様が安心・安全に生活できる公共インフラを維持できるよう、創意工夫してメンテナンス品質の向上と効率化の両立を図っていきたいと思います。

本市では、新しい機器や技術を活用することが若い職員の活躍機会を創出すると考えています。今後も若い職員が自らの力で活躍する機会を創出できるように、Safieの活用方法を工夫してほしいです。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。

お話を伺った方

玉名市役所
建設部
土木課


課長補佐/橋梁メンテナンス係長
木下 義昭さん


橋梁メンテナンス係
前川 将輝さん