臨店とは?意味・目的、裁量臨店との違いなど。負担減のヒントも

臨店:店舗巡回の目的、成果向上のヒント

フランチャイズや多数の店舗を運営している企業にとって、店舗を訪問する臨店は、本部の方針を店舗に伝え、統一した顧客体験を提供するための重要な施策です。金融機関で行われる裁量臨店は検査、指導の目的が強いのに対し、店舗の臨店は店長や店舗スタッフに寄り添ったコミュニケーションによるモチベーション向上という効果もあります。

しかし、臨店は移動の時間とコストが掛かるため、頻度高く行うことが難しいという課題があります。そこで、その解決策となる「遠隔臨店」についても紹介します。

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臨店とは、企業本部が店舗を訪問すること

臨店とは、企業本部の担当者が担当エリアの店舗を訪問して、店舗の運営状況を監督し、業績を向上させるために行う様々な活動です。臨店は、家電量販店、薬局・ドラッグストア、化粧品・美容、コンビニエンスストア、飲食店、介護施設など様々な小売店、フランチャイズで行われています。

臨店を行うのは、主に本部のエリアマネージャーや、スーパーバイザー(SV)と呼ばれる職種の人達です。企業によっては経営者が直接臨店をすることもあれば、店舗運営のコンサルティング企業が行うこともあります。

エリアマネージャーやスーパーバイザーは、それぞれ担当のエリアが決まっており、複数の店舗を定期的に巡回訪問するため、移動や店舗内のチェック、指導、コミュニケーションなどに、時間がかかるという課題があります。

「店舗巡回」(ラウンダー)とほぼ同義で使われるケースも

業種によっては、店舗巡回(ラウンダー)という言葉を使うケースもあります。これは臨店とほぼ同義で、文字通り店舗を巡回して、店舗のパフォーマンスを上げ、複数店舗で一貫性のある顧客体験を提供するために行われます。本部での決定事項を店舗に伝え、販促活動の指示や店舗運営の監督を行います。

金融業界に特有の「裁量臨店」「臨店検査」

臨店という言葉は共通しますが、金融業界で行われる裁量臨店、臨店検査は、検査・指導の目的で行われることが多く、小売店やフランチャイズでの臨店と意味合いが異なります。裁量臨店、臨店検査は、金融機関による顧客への融資を確認し、コンプライアンスの確認、与信リスクの特定、および品質管理の実施のために行われるものです。

裁量臨店は、金融機関内部の監査部門の担当者が銀行を訪れ、顧客サービスや業務の実行を監視および評価します。実際の店舗での融資状況や顧客対応を観察し、不適切な融資や与信判断があれば、必要に応じて改善策を提案します。通常は、事前通告して1-2週間の準備期間を経てから実施されます。

臨店検査は、金融庁や日本銀行が、金融機関全体のリスク管理、コンプライアンス、および業務プロセスの検査、指導のために訪問することを指します。

臨店の目的は、本部と店舗の橋渡し

臨店を行う目的は複数あります。最も重要なことは、エリアマネージャーやスーパーバイザーが管轄するエリア内の店舗を定期的に訪問し、本部での決定事項を伝え、本部と店舗の橋渡しをすることです。

企業本部の方針を伝える

企業本部で販促や店舗運営の方針が決まったら、エリアマネージャーやスーパーバイザーは現場に赴いて具体的に指示します。

例えば、次のような情報を伝え、統一した顧客体験ができるようにします。また、期日までに店舗づくりができているかを確認しに再訪します。

・販売戦略

季節やイベントにあわせた陳列やデコレーション、販売強化する商品、特売やセールの計画など、店舗全体で販促効果をあげられるようにします。プロモーションのディスプレイやPOPは売り場に適切に配置できるように指示します。

・マニュアルのアップデート

店舗運営に関するマニュアルや利用しているシステムなどにアップデートがあった場合、口頭や文書で伝えて、周知徹底します。

・運営状況の確認と指導

従業員の接客や身だしなみ、店舗内の清掃や整頓、商品の陳列や棚割り、在庫状況などを確認し、改善点があれば伝えます。

・目標管理とアクションの確認

店舗の目標と進捗状況を確認し達成のためのアクションを決めることで、スタッフが目標を意識して店舗運営するようになります。

・顧客フィードバック

顧客からのフィードバック(苦情や感謝)があれば、共有します。

店長や現場スタッフとの関係を築く

臨店では、本部の方針を指示するだけでなく、店長や店舗スタッフと良好なコミュニケーションを通して、双方が信頼できるパートナーとなることが必要です。スムーズな意思疎通ができるように、普段から次のような目的でコミュニケーションをとります。

・モチベーション向上

エリアマネージャーやSVは、店舗運営や店舗スタッフの活動で優れた点があれば高く評価していることを伝え、スタッフのモチベーションを高めます。またスタッフに新しいスキルや知識を伝え、成長をサポートします。

・問題の早期発見と解決

店長や店舗スタッフがエリアマネージャーに店舗や人材の問題を相談できるような関係を構築することで、課題の早期発見、早期対応ができます。

・ブランド一貫性の確保

コミュニケーションを通じて、エリアマネージャーはブランド価値観や基準を共有し、ブランドの一貫性を維持するための手法を伝えます。これにより、店舗によらず統一されたサービスと顧客体験を提供できます。

・店舗の成功事例の収集

エリアマネージャーやスーパーバイザーは、店長やスタッフの声を傾聴することも重要です。店舗で効果をあげている施策や接客方法、売れ行きがよい商品などを教えてもらいます。

・他店舗の成功事例の展開

一人のエリアマネージャーが複数の店舗を臨店するメリットは、ある店舗での成功事例を他の店舗にも伝えて展開できることです。これにより、店舗全体の顧客体験のレベルを上げることができます。

・競合分析の共有

エリアマネージャーは競合店舗や市場トレンドに関する情報を収集し、店舗に伝えます。これにより、店舗は対策したり、競合店舗の優れている点を取り入れることができます。

臨店の成果を上げるためのヒント

右肩上がりのグラフ

このように、エリアマネージャーやスーパーバイザーが店舗を直接訪問する臨店は、本部の方針を全店舗に通達し、店舗スタッフとの関係構築に役立ちます。

何より大切なのは、現場のスタッフの声を聞き寄り添うこと

現場のスタッフに寄り添い、日々の改善や課題に気づき、的確なフィードバックをすることは、臨店の大きな価値です。優れた取り組みには、称賛し感謝の気持ちを伝えて、他店舗にも展開する、課題があれば解決策を共に考え、励ましの言葉をかける。それは、店舗スタッフのモチベーションをあげ、活気ある店舗作りにつながります。

エリアマネージャーが「たまに来る本部の人」ではなく「いつも共にいる仲間」であるという意識を育むことは、現場とエリアマネージャー双方にとって店舗運営をよりよくすることにつながります。

しかし、店舗の訪問は時間もコストもかかるのも事実。臨店で直接店舗で話すことが重要と知りつつも、時間と距離の制約から「たまにしか行けない」状況をもどかしく感じているというエリアマネージャー、スーパーバイザーもいるでしょう。

そこでクラウドカメラを導入して移動の負担をできるだけ減らして、売り場改善やコミュニケーションのために注力することが、働き方改革の一環として注目されています。

大切なことに時間を割くため、「遠隔臨店」を行う企業が増加中

なかなか臨店の回数が増やせないけれど、もっと現場との信頼関係を築きたい、臨店業務で成果を上げたいという場合におすすめなのが、クラウドカメラを使ったリモートでの臨店(遠隔臨店、Web臨店)です。

クラウドカメラの活用は、臨店の訪問回数、出張回数を削減できるので、移動の時間やコストを抑え、労働環境の改善につながることも注目されています。

ここで、リモートでの臨店を導入したことで、スタッフのリソースを圧縮しつつ、サポート体制をより手厚くすることに成功した事例を紹介しましょう。

全国にネイルサロンをフランチャイズ展開する株式会社ティエヌは、新店舗の運営サポートにクラウド録画カメラを使って、リアルタイムに店舗の状況を確認し、遠隔から店舗運営のサポートができるようになりました。サポートスタッフの出張が大幅に減り、店舗の運営サポートを少人数で対応するための効率的な仕組みづくりができるようになりました。

遠隔臨店で「いつも寄り添える」環境を

高画質のカメラ(目)に加え、マイクとスピーカー(耳と口)を内蔵したセーフィーのクラウドカメラであれば、遠隔からでも、現場に寄り添ったコミュニケーションを実現できます。時間と距離の制約から「たまにしか行けない」状況を刷新し、すべての店舗に「いつも寄り添える」環境をつくってみてはいかがでしょうか。
※機種によって、マイク・スピーカー機能が搭載されていない場合があります

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