カスハラ(カスタマーハラスメント)とは?増加の背景や対策を紹介

カスタマーハラスメント 増加の背景や対策

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、顧客が企業に対して理不尽な言動を浴びせたり、嫌がらせをしたりすることです。近年はSNSの普及から、カスハラに関する動画の拡散などにより、カスハラが社会問題化しています。この記事では、カスハラの概要、クレームとの違い、企業がカスハラ対策に取り組む理由、具体的な対策法などを解説します。

カスハラとは

カスハラとは「カスタマーハラスメント」の略で、顧客が企業に対して理不尽な言動を浴びせる、要望する、嫌がらせをすることなどをさします。カスハラは「企業と顧客」という、顧客自らが優位になりやすい立場を利用して行われるケースが一般的です。

たとえば、店舗スタッフに対して何かしらの文句をつけて謝罪(土下座)させようとする、無料券などを要求する、「馬鹿」「クズ」などの暴言を吐いてカウンターを叩く、「インターネットに晒すぞ」などと脅迫する行為が該当します。昨今ではインターネットの普及から、実際のカスハラの様子が撮影された映像がSNS等で拡散され、多くの人の目に留まる機会が増えてきました。

クレームとの違い

カスハラとクレームは混同されやすいですが、両者は異なります。クレームは、顧客が企業に対しサービスや製品などの品質を改善してもらうために要求するものです。クレームを把握し対応することで、企業はサービスや製品をより良く改善できる可能性があります。

一方カスハラは、顧客自身の感情や怒りから、単に理不尽な言いがかりをつけたり嫌がらせをしたりするために行われます。どちらも企業や店舗などに対しての要求である点は共通していますが、「目的があるかどうか」が異なります。

カスハラが増えた背景

近年、カスハラという言葉を耳にする機会が多くなりました。その背景として考えられるのが、SNSの普及でしょう。SNSが一般的になり、誰でも簡単に情報を発信できるようになったことで、顧客の発言力が強くなったことは大きい変化といえます

具体的には、企業のことを名指しで批判したり、サービスや製品の悪い部分を映像で記録して投稿したりすることが、SNSでは容易にできます。企業側がそのような投稿にうまく対応できず、屈する形となってしまい、結果としてカスハラが起こりやすい社会になっているのも理由のひとつでしょう

また、社会がハラスメントに敏感になっていることも、カスハラが目立つようになった理由のひとつといえそうです。カスハラの行為自体は以前からあったものの、「カスハラ」という呼称が一般的ではないために、社会として多くの注目を集めることはありませんでした。しかし、近年では「〇〇ハラスメント」と、あらゆるハラスメントに注目が集まっており、そのひとつとしてカスハラの存在も身近になったといえるでしょう。

カスハラは犯罪になる可能性がある

カスハラは、顧客が企業に対してただ文句を言っているだけのように感じるかもしれませんが、場合によっては犯罪に該当する可能性があります。

たとえば、脅迫罪や恐喝罪に該当する可能性があるほか、カスハラによって業務に支障が出るようであれば威力業務妨害になる可能性もあります。犯罪行為に対して、企業側がそれを甘んじて受け入れる必要はないため、カスハラだと思われる行為に対しては毅然とした態度で対応することが大切です。

カスハラの例

カスハラの例として、以下のようなケースが挙げられます。

・店員を怒鳴りつける

・企業や店員を脅す

・担当者を長時間拘束する

店員を怒鳴るケースは、接客時に何かしらの不手際が発生した際に比較的発生しやすいです。ただ怒鳴りつけるだけのケースもあれば、店員に謝罪や土下座を要求するケースもあります。また、お詫びとして無料券などの提供を求める行為も、カスハラに該当すると考えられています。

怒鳴りつけることに加えて、「SNSで動画をアップするぞ」「上のヤツを呼べ」「迷惑料を支払え」などの脅迫をしてくるケースもあります。

また、実店舗でなくてもカスハラが発生するケースがあります。たとえば、電話口で顧客がカスタマーサポートの担当者を長時間拘束するなどです。その際、サービス品質や製品に関する文句を言ったり、企業に対する誹謗中傷や罵倒などをしたりします。

このようなカスハラをする顧客の中には、単にストレス発散や、商品券を無料で得ることを目的に行う人もいるでしょう。暴言を長時間吐き続けられれば、担当者は大きな負担となり、精神的に疲弊してしまうことは明白です。

企業がカスハラ対策に取り組むべき理由

企業は以下のような理由から、カスハラに対して毅然とした態度で対応することが必要です。

・生産性低下を防ぐため

・離職者や休職者を発生させないため

・社会的評価を下げないため

顧客からの理不尽な言動は従業員のモチベーション低下を招くだけでなく、業務がなかなか進められない事態にもつながるため、生産性低下を引き起こす恐れがあります。

また、カスハラによるストレスで仕事ができなくなってしまう、その職場が嫌になってしまう人が出てくる可能性も想定しておく必要があります。離職者や休職者が増えれば、新たな人員を補充しなければならず、企業は採用コストの負担を強いられることになるでしょう。

カスハラが撮影された動画や画像などがSNS上に投稿されれば、それが企業にとって理不尽な言動であったとしてもネガティブな評判が出回る可能性があり、企業の社会的評価の低下につながるかもしれません。

このような事態を発生させないため、企業はカスハラへの対処法を知っておくことが大切です。

カスハラの対策方法

どのようにカスハラ対策をすればいいのか解説します。企業としてできることはなにか、ぜひチェックしてみてください。

従業員1人に対応させない

カスハラに対して従業員1人で対応させようとすると、その従業員の負担が大きくなり、場合によっては大きなストレスを抱えることになります。そのため、1人ではなく複数人で対応できるようにしておきましょう。すぐに上司・先輩社員・責任者などが駆けつけて一緒に対応する形を取れば、相手もそれ以上強く出にくくなる可能性があります。

マニュアルを準備する

カスハラ発生時の対応方法を具体的にマニュアル化することも大切です。たとえば、カスハラが発生した際のトークスクリプトを用意してマニュアルに載せておけば、対応の流れや話す内容などが明確になります。あたふたしてしまうと相手が余計に強気になる可能性があるため、マニュアル化して事前に社内で周知し、冷静に対応できるようにしておきましょう。

証拠を残せるようにする

証拠を残せるようにすれば、カスハラが発生した後に警察などに提示しやすくなります。たとえば、書面で取り決めを残しておく、防犯カメラで記録しておくなどです。顧客の視界に入る位置に防犯カメラを設置するだけで、カスハラの抑制にもなるでしょう

カスハラ対策に役立つ防犯カメラ

カスハラ対策には防犯カメラの活用が効果的です。映像や音声で記録を残せることに加え、遠隔地からでもカメラ映像を確認できればトラブルが発生した際に早く対応できます。

実際、お好み焼「千房」を展開する千房株式会社では、直営店全店でカスハラ対策とオペレーション改善を目的としてセーフィーの防犯カメラを導入しています

従来の店舗運営では、従業員に対する指摘や文句などが発生しても、事実確認ができないために従業員を守ることができませんでした。防犯カメラがあれば事実確認ができるようになり、従業員を守ることができると考え、カメラの導入を決断したそうです。

セーフィーのカメラは管理画面の使いやすさやデザインが優れていた点も、導入の決め手だったとのこと。カメラ導入後は、カスハラ対策としての活用はもちろん、朝礼や営業中の様子の確認にも役立っており、オペレーションの改善にもつながっているそうです。

まとめ

カスハラは、サービスや製品の改善を目的として要求するクレームとは違い、理不尽な言いがかりや嫌がらせだけに留まる点が特徴です。カスハラを放置すると生産性が低下するだけでなく、従業員の離職・休職の増加、社会的評価の低下を招く恐れがあります。カスハラ対策としておすすめなのは、防犯カメラの活用です。カスハラ対策はもちろん、従業員の教育などにも活用できるため、気になる方はぜひお気軽にお問合せください。

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