AIカメラで店頭キャンペーンの集客効果を可視化。
マーケティング施策の効率的なPDCA実現へ

カー&バイク用品のリユース専門店「アップガレージ」などを運営する「株式会社アップガレージグループ」。同社は直営店の一部にセーフィーのAIカメラ「Safie One」を導入し、AI画像解析による来店者数データをマーケティングに活用していらっしゃいます。

(取材:2023年5月)

導入の決め手

  • エッジAI搭載で、精度の高い来店者数データを取得可能

導入目的

  • 店舗への来店者数を計測するため
  • 店頭キャンペーンなど集客効果の検証のため

導入した結果

  • 人的リソースを割かずに来店者数データを得られる
  • 売上データとのかけ合わせでレジ通過率(購買率)がわかる
  • キャンペーン効果の解像度が上がり、効率的にPDCAを回せる

カー&バイク用品の買取・販売を行うリユース専門店「アップガレージ」の運営を中心に、新品タイヤ専門ブランド「タイヤ流通センター」、世界中をつなぐECサイト「croooober.com」など、さまざまな事業を展開する「株式会社アップガレージグループ」。

中古カー&バイク用品専門店としては全国シェアNo.1を誇り、店舗数は直営、FC合わせて全国に210店舗以上。2022年3月には自転車専門リユース事業「アップガレージサイクルズ」をスタートさせるなど、「豊かなカー&バイクライフを世界中の人々に提供する」というブランドビジョンに向けて挑戦を続けています。

同社はリアル店舗のマーケティングにおいて、セーフィーのAIカメラ「Safie One(セーフィーワン)」を活用していらっしゃいます。導入の背景や使用感、活用方法などについて、マーケティング部 部長の張 琳イさんにお話を伺いました。

取材に伺った「アップガレージ 横浜町田総本店」

AIカメラで来店者数をカウントし、
「集客数」「レジ通過率」でキャンペーンの効果を可視化

──はじめに、張さんが部長を務めていらっしゃるマーケティング部のお仕事についてお教えいただけますでしょうか。

張さん:私たちマーケティング部はオンライン、オフラインの双方で、全社のビジネスの集客サポートを行っています。担当業務は広告の運用、キャンペーンの企画、SNSアカウントおよびサイトの運営管理まで、多岐にわたります。

マーケティング部 部長 張 琳イさん

──直営店の一部にエッジAIを搭載したクラウドカメラ「Safie One」を導入いただいています。導入の背景をお聞かせください。

張さん:当社がリアル店舗で行う店頭キャンペーンは、各店が独自に行うものと全店共通の2パターンがあります。このうち、全店共通のものは私たちマーケティング部が主導しており、企画・実施にあたっては売上推移をはじめとする各店の現状把握や、キャンペーン実施後の効果測定を非常に重視しています。

けれど、サイト訪問者などの数値から効果測定をしやすいオンライン施策と異なり、店舗などのオフラインは、人的リソースを割かずに集客効果を測定するのが難しいというハードルがありました。そのため、これまではPOSの売上データでキャンペーンの効果測定を行っていたのですが、「来店者数」「レジ通過率(来店者数を母数とした購買率)」の2つも欲しいと考えていました。この2つの指標がわかると、そもそも集客が弱いのか、来店後の接客体制にネックがあるのか等の課題が見えやすくなり、定量的なデータに基づいた仮説からPDCAを回すことができるようになります。

そこで、来店者数を可視化するツールとして、セーフィーさんの屋内向けクラウドカメラ「QBiC CLOUD CC-2L(キュービッククラウドシーシーツーエル)」と、人を検知する「Safie AI People Count」を導入し、1年弱ほど利用させていただきました。その後、より精度の高い検知が可能なAIカメラ「Safie One」と、店舗ビジネス向けアプリケーション「AI-App 人数カウント」がリリースされたため、直営の一部店舗に導入することにしたのです。

店舗によるレジ通過率の違いや、曜日ごとの来店傾向など
スタッフの感覚値とは異なる実態が明らかに

店舗の入口が撮影できる位置の天井に「Safie One」を設置

──「Safie One」のご利用状況をお聞かせください。

張さん:現在は比較的、規模の大きな直営店11店舗に1台ずつ「Safie One」を導入し、「AI-App 人数カウント」機能のひとつ「通過人数カウント」を利用し来店者数を計測しています。入店する人を検知するため、カメラはいずれも店舗出入口の天井部に設置しました。映像やデータの視聴権限は、マーケティング部および店舗の売上支援に関わる部署のメンバーに付与しています。

入口を通過する来店者を「通過人数カウント」機能で計測

──「Safie One」のデータは、どのように活用されていますか?

張さん:週に1回のスパンで私たちマーケティング部がデータをダウンロードし、昨対比などキャンペーン以外の切り口でも検証できるよう、集客推移のデータを蓄積しています。導入のきっかけとなったキャンペーンの効果測定については、まだ導入後に大きなキャンペーンの実績がないため、集計はこれからになります。その際は「Safie One」で取得した来店者数データとPOSデータを活用し、「来店者数データ」「レジ通過率」を取っていく予定です。

取得したデータは管理者向けアプリケーション「Safie Viewer」で確認

──現在は導入いただいて間もない段階ではありますが、「Safie One」のデータで得られた新たな発見などはありましたでしょうか?

張さん:はい。すでにいくつか、取得したデータから初めてわかったことがあります。例えば、これまでお客様が少ないと感じていた曜日があったのですが、実は、別の曜日がもっとも集客できていないことがわかりました。ほか、同規模の店舗同士でも、レジ通過率にかなりの差があることなども見えてきました。私たちの肌感覚と異なる結果に、早くもAIカメラの意義を実感しています。

精度の高い効果測定でマーケティングのPDCAを効率化。
さらなるデータ収集でオフラインならではの価値提供を磨く

──マーケティングにおける「Safie One」の活用効果について感想をお聞かせください。

張さん:マーケティングの仕事は、信頼できるデータを十分に収集し、実態把握や施策の効果検証を行うことが非常に重要です。例えば、オンラインの場合は、PV数や購入数・クリック数などの定量的なデータを正確に取得することができるので、高速でPDCAを回すことができます。それに対してオフラインとなる実店舗では、指標の来店者数などの正確なデータを取るのが難しく、効果測定は売上データだけで判断しており、解像度が高いとはいえない状態でした。

それが、「Safie One」の導入で来店者数やレジ通過率(購買率)を可視化できる体制となったのは、非常に大きな変化で素晴らしいメリットです。
「Safie One」のAI解析は精度が高く、信頼できるデータを得られますから、今後は今まで以上に施策の磨き込みがスピーディーになり、PDCAサイクルを効率良く回せると考えています。

──最後に、カメラ活用に関する今後の展望をお聞かせください。

張さん:FC店舗にも「Safie One」を導入できる体制を整え、より多くのデータを集めて効果的なキャンペーン施策を練り上げていきたいです。また、レジ通過率の傾向把握が一段落したら、キャンペーン棚を設置しているエリアの集客数をカウントするなど、店内のレイアウトや動線に生かせるデータも取りたいです。

私は、店舗というオフラインでBtoCの事業を展開するにあたり、もっとも重視すべきは接客の質向上だと思っています。接客による価値提供は、ECやフリマサイトといったオンラインサービスと大きく差別化できるポイントだからです。今後、接客を向上させる上で、改善のヒントが潜むデータを多角的に収集できるAIカメラは非常に頼りになるツールです。「Safie One」のポテンシャルを生かし、お客様に良好な体験をしていただける店舗運営に努めたいと思います。

お話を伺った方

株式会社アップガレージグループ
執行役員
マーケティング事業本部
マーケティング部
部長

張 琳イさん