広大な現場をカメラで網羅し安全管理を徹底
迅速で的確な情報共有により現場を事故から守る
建設業界のDX先進企業である「清水建設株式会社」。新東名高速道路の川西工事では発注者とともに最先端のICT活用に取り組み、最重要課題の1つである安全管理にSafieを利活用くださっています。安全管理の品質と効率の両立に、Safieがもたらすメリットを伺いました。
(取材:2023年10月)
導入の決め手
- SIM搭載のため通信ケーブルの敷設が不要で、移設も容易
- ズーム・画角変更を遠隔操作できるPTZ機能
- 遠くの対象物にズームしても詳細まで見える画質の良さ
導入目的
- 施工現場や重機による作業時の安全管理
- 河川の監視や災害時の現場確認
- 施工区域全体の防犯
導入した結果
- 広大な現場でも、PTZ機能の遠隔操作で見たい箇所を確認できる
- 現場に行けない日も、映像で安全管理が可能
- 映像活用で、注意したい事例を齟齬なくスピーディーに共有できる
- 安全面での好事例も即時共有でき、安全品質が向上
- 災害対策などを効率的に行えて、現場への急行回数が大幅減
INDEX
経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」に2021年から3年連続で選定されるなど、建設業界のDX先進企業として高い評価を得ている「清水建設株式会社」。中でも、同社が手がける新東名高速道路 川西工事は先進性がとりわけ高い現場の1つで、発注者との協業で取り組む全方位的なICT活用が注目されています。
その川西工事の施工現場では、同社の全社標準ツールであるSafieの屋外用固定カメラをご利用いただいており、特に安全面での効果を感じてくださっているとのこと。「建設業における安全管理は、工事品質と並ぶ最重要課題」と語る新東名高速道路 川西工事特定建設JV 副所長の檜 一茂さんに、安全管理をめぐるSafieの導入効果を伺いました。
ズームや画角の遠隔操作ができ、しかも高画質。
「これなら遠隔の安全管理を実現できる」
──はじめに、新東名高速道路 川西工事の概要と、檜さんのお仕事についてお教えいただけますでしょうか。
檜さん:新東名高速道路川西工事は、静岡との県境に位置する神奈川県山北町区域に総延長2.6kmの高速道路を新設する工事です。清水建設・岩田地崎建設JV(ジョイントベンチャー)で施工しており、私は副所長として作業所の運営や施工管理などに携わっています。
ここでは主に大量の土を運び込んで盛り土する「土工事」が行われ、総土量は約320万立米と、東京近郊の土工事ではかなり大規模といえます。工区が広大で地形の高低差があることも特徴で、ドローンを用いた3次元起工測量や3次元設計データの活用など、効率的な施工・品質管理に寄与するICTも多数運用しています。
──施工現場でSafieの屋外向け固定カメラをご利用いただいています。導入の経緯をお聞かせください。
檜さん:当現場では主にPTZ機能付きカメラを使っていますが、導入のきっかけは、当社のすべての現場で必ず導入するICT標準ツールとして、セーフィーさんのカメラが採用されていることでした。
いくつかあるカメラの中でもPTZ機能付きカメラを選んだ理由は、ズームや画角の遠隔操作ができ、川西工事のような広大な現場で特定のスポットを確認するのに適していると感じたことです。しかもこのカメラはズーム映像の詳細度や画質がすぐれていたので、これなら遠隔からの安全管理に活用できるのではないかと直感しました。当時はコロナ禍で人との接触が難しい時期だったため、カメラで現場の詳細情報を得られる、つまり、非接触で安全管理ができることに大きな価値を感じたのです。
映像で現場、本部とスピーディーに情報共有。
齟齬なく共通認識を形成でき、安全管理の速度・確度がアップ
──現在、施工現場ではSafieをどのように活用いただいているのでしょうか?
檜さん:現場の管理職やリーダー職は、進捗管理やイレギュラー有無のモニタリングで日常的にSafieの映像を見ています。私もその1人で、メインPCのすぐ横のサブPCにSafieのライブ映像を映し出し、いつでも見られるようにしています。
私の視聴目的は安全管理がメインで、リアルタイム・振り返りの双方でモニタリングしています。特に、「吊荷」「高所」「重機と作業員の距離が近い」など、いつも以上に安全を注視したい作業はクラウド録画映像でしっかりと確認します。まず、30倍速で作業全容をチェックしてから気になったシーンをゆっくり視聴し、必要に応じてスナップショットを撮って関係者に共有します。共有は即時性を重視して、スマホで見られるビジネスチャットでクイックに展開します。その際は注意喚起の対象だけでなく良い例も取り上げ、安全品質の高い作業方法のさらなる浸透を目指しています。
また、大型クレーンなど特殊な作業があるときは、本部の安全管理部門に初日のライブ映像を遠隔で見てもらい、注意点などを聞いています。本部は全カメラ映像を視聴できますが、多数の現場のスケジュールを細かく把握するのは非現実的なので、特殊作業があるときはこちらから事前に伝え、タイミングを合わせて見てもらう運用としています。
ほか、安全管理以外では防犯や災害時の状況確認に使っており、豪雨の河川の見守りなどを行っています。
──Safieの使用感はいかがでしょうか?
檜さん:第一に、通信ケーブルがなくても現場で動画が撮れてクラウド保存できることが素晴らしいです。太陽光と連動すれば電源がなくても設置できますから、見たいところへの設置・移設が容易で、屋外用としては理想的ではないでしょうか。また、気になるスポットがあったら遠隔で画角を変え、高画質な映像でしっかり拡大できる点も魅力です。当現場は数百m単位の相当な奥行きがあるため、画角やズームを遠隔操作できるカメラはとても使い勝手がいいです。
──Safieの導入効果をお聞かせください。
檜さん:移動時間のタイムロスが減ったこともメリットですが、安全管理の観点からは、毎日現場を確認できることが一番のメリットです。出張などで現場に行けない日も、カメラ映像で管理のモレを防げて安全品質が向上したと思います。
現場の作業員や遠隔の本部との、安全に関するコミュニケーションでも効果を感じます。Safieの映像とビジネスチャットの併用で情報共有がスムーズになり、現場への反映、行動是正などが迅速化しました。実際の作業員の動きを伝える上で、口頭や静止画像でのコミュニケーションは情報不足で誤解を招いてしまうことがありますが、映像ならそのリスクがほぼないこともメリットです。認識のズレを防げる分、安全性向上の確度も上がっていると思います。
もちろん安全以外の効果も感じています。やはり、現場への急行回数が激減したのは大きなメリットです。休暇中の悪天候時など、以前なら現場に赴いていた状況でも、今は自宅で気象情報とSafieの映像をリアルタイムで確認し、管理者同士が連絡をとり合って急行の要否などを協議・判断できるようになりました。
Safieは安全管理のすぐれたツール。
有効活用で事故のない建設現場の実現へ
──今後、Safieに期待することがございましたらお聞かせください。
檜さん:安全性向上に役立つシーンをライブ映像・クラウド録画映像の双方でしっかりキャッチアップできるSafieは、安全管理を徹底するうえで非常にすぐれたツールだと思っています。安全管理は品質と並ぶ建設業の最重要課題ですので、Safieをさらに有効活用し災害のない施工現場を実現していきたいと思います。
※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。
お話を伺った方
清水建設株式会社
副所長 監理技術者 檜 一茂さん