全現場にSafie導入し遠隔管理と安全管理を強化。
現場の負荷を削減し、業務効率化をはかる

超高層ビルから歴史的建造物まで、幅広い建築物の建設を手がける総合建設会社「戸田建設」では、現在は安全管理と遠隔管理を目的とし、全国の建設現場にクラウド録画サービス「Safie」を導入していただいています。

(取材:2022年12月)

導入の決め手

  • 他社のカメラサービスと比較し優れていた
  • カメラの画質が非常に良い
  • 通信量が少なく帯域に負荷をかけない
  • さまざまな要望に応えてくれる

導入目的

  • 監督しにくい現場での安全管理の実現
  • 遠隔管理の推進と業務効率化
  • 建設現場で利用するカメラサービスの標準化

導入した結果

  • 建設現場の品質工程が遠隔から可能になった
  • 現場巡回に要する時間を削減できた
  • 全国の現場の映像を社内ポータルや本支店社で視聴可能になった
  • 別システムと連携することで映像から不安全行動の検出が可能になった

総合建設会社として、大手町・丸の内・有楽町エリアの超高層ビルから医療関係・学校関係の施設、歴史的建造物まで、幅広い建築物の建設に携わってきた「戸田建設」。

全国の建設現場で屋外対応の定点カメラ「Safie GO(セーフィー ゴー)」とウェアラブルカメラ「Safie Pocket2(セーフィー ポケット ツー)」を導入していただいており、工事の安全管理・遠隔管理に役立てていただいています。

2024年の完成に向けて、東京・京橋に新たな本社ビルを建設中の同社に伺い、建築工務部の池端 裕之さんと、同社の新たな本社ビル建設に携わる下田 典大さんに、カメラ導入の背景や効果、今後の展望について聞きました。

監督が難しい工事の遠隔管理をSafieカメラで実現

建築工務部生産システム推進1課の池端さん

──はじめに池端さんが所属されている建設工事統轄部について教えてください。

池端さん:建築工事統轄部は国内の建築工事を司る部門で、その中でも私が所属している建築工務部は、人員の配置とコストを管理する部署です。私の課では、ICT技術やクラウドサービスなどを駆使して効率的な人員配置を各現場に提案したり、ルールを定めて各現場に導入するなどの業務などを行っています。

──御社で「Safie」を導入された背景について教えてください。

池端さん:Safieを導入したきっかけのひとつに、立体駐車場やエレベーター工事などにおいて、遮蔽され閉ざされたスペースでの作業を監督することが難しいという課題を解決したい、ということがありました。

最初は現地と現場事務所を映像で繋いで確認するだけだったので、現場ごとにWebカメラを手配して使用していたのですが、Webカメラの導入現場数が増え一元管理する必要が出てきたため、クラウド録画機能を備えたSafieのカメラの導入をスタート、2016年には立体駐車場やエレベーター工事でのSafieカメラ設置をルール化しました。

建設中の新TODAビル(新本社屋)に設置された「Safie GO」

──いまでは全国の建設現場でSafieを活用しているとのことですが、その理由について教えてください。

池端さん:当時はWebカメラサービスの会社が乱立しており、現場ごとに利用するサービスを選定していました。しかし、セーフィーさんの製品・サービスが他社とくらべて使い勝手がよかったので、2019年に現場で使用するクラウドカメラサービスをすべてSafieに統一。さらに、現場ごとに最低1台の「Safie GO」を設置するようルール化しています。

それに伴い、各現場のカメラ映像を社内ポータルサイトや本支店社屋に設置された大型モニターなどで確認できるようにしたほか、社員の携帯やタブレット、PCからもビューアーで確認できるようにしました。

なお、各現場でのカメラの設置工事や設定、本支店社屋での視聴環境やポータルサイトの構築は「ICTサポートセンター」で一括対応し、現場は建築工事に注力できる体制にしています。

執務エリアごとに現場の映像を映したモニターを数箇所に設置

現場と事務所の距離をカメラで縮めることに成功

──Safieの導入でどんな効果がありましたか?

池端さん:いままで現地に行かなければできなかった現場状況の確認ができるようになったこと、あとは試験運用中ではありますが、AIを使って画像解析をすることで不安全行動などを抽出できるようになったことが大きいですね。そして、業務の効率化に繋がっています。

これは、建設業界の「2024年問題」などと言われる、時間外労働の上限規制に対応するためにも非常に重要なことだと思っています。

Safie上の映像を元に不安全行動を自動検出するAIシステムの画面(提供:戸田建設)

池端さん:また弊社では「Safie Pocket2」を現場巡回する若い社員に持たせて、その映像を現場事務所にいる上司が確認することで、作業エリアと現場事務所の距離が縮まったことも大きなメリットだと感じています。

下田さん:私が携わっている「新TODAビル」の建設現場では、現在8台のSafieカメラを導入しています。うち5台がSafie GO、3台がSafie Pocket2なのですが、動画を撮影することで、写真よりも確実に不安全行動をチェックすることができるようになりました。あとは不安全行動を見つけて共有するという作業を繰り返すことで、作業員の皆さんの安全に対する意識もさらに高まったと感じています。

新TODAビルの建設現場内に設置されたSafie GO

──現場におけるSafieカメラの具体的な活用事例があれば教えてください。

下田さん:基本的には数カ所に固定カメラを設置して事務所から工事の進行状況を確認できるようにしているほか、入退場ゲートや現場の裏口、事務所の裏口などにも設置しています。

新TODAビル建築現場事務所の下田さん

下田さん:あと変わったところでいうと、下水道に流した地下水量の算出にカメラ映像を活用しています。地下を掘削する際、循環しきれない地下水は下水道に流す必要があるのですが、流した水量は水道局への報告義務があるため、ノッチタンクが見える位置に設置したカメラの映像をもとに時間当たりの水量✕流した時間で総水量を算出しています。

カメラ映像とデジタルツイン技術でさらなる効率化を

Safie GOは作業の進捗状況などが確認できるよう適宜移設しながら活用

──Safieに最も価値を感じられているところはどこでしょうか?

池端さん:やはりSafieは映像システムとして非常に優秀だと思うんです。たとえば建設現場は毎日変化していくわけですが、そのなかで必要な映像だけを切り出すことができるムービークリップ機能などは非常に便利です。画質も良いですし、通信量が少なく、通信帯域への負荷が少ない点も非常にありがたいですね。あと、当社からの要望にもいろいろ応えていただいているので、とても助かっています。

──最後に、Safieカメラを使った今後の展望を教えてください。

池端さん:今後はカメラ映像を建設現場とデジタルツイン(※)の間の橋渡しに使っていきたいと思っています。

たとえば、建設現場の映像を解析しBIMデータと照合することによって、工程管理をしたり出来高を算出したりすることを検討していますが、そのためには現場内を巡回し映像撮影するロボットなどが必要となってきます。「どのようにして映像情報を取得するか」ということが、私たちの課題となってきているので、将来的にそこにSafieのカメラ映像を活用できるようになれば面白いですよね。

※デジタルツイン:リアル空間にある情報をIoTなどで集め、送信されたデータを元にサイバー(仮想)空間でリアル空間を再現する技術

お話を伺った方

戸田建設株式会社
建築工事統轄部
建築工務部 生産システム推進1課 課長 池端 裕之さん
新TODAビル計画新築工事 副所長 下田 典大さん