カメラ映像を通して現場を遠隔フォローし信頼の施工を
「正しい仕事」で建築業界の明日を変える
関西を中心に、ビルやマンション、公共施設などの屋上防水や外壁タイル補修、外壁塗装を手掛ける「関西マサル」。同社では、施工現場でSafieのクラウド録画カメラをご利用いただいています。導入に至った背景や活用法、効果などについてお話を伺いました。
(取材:2022年4月)
導入の決め手
- リアルタイムの作業現場手軽に確認できる
- どこにいてもパソコンやスマホで映像を見ることができる
- 他の製品では課題に対してマッチするものがなかった
導入目的
- 施工現場における「正しい仕事」の実現
- 遠隔での作業現場の状況確認や施工管理
- 業務の効率化
導入した結果
- 時間やコストの削減
- 正しい施工の実現
- ミスによるやり直しの減少
- お客様からのさらなる信頼の獲得
- 人材育成や教育への寄与
- 働き方改革への寄与
ビルやマンション、公共施設といった建物の、屋上防水や外壁タイル補修、外壁塗装工事という分野において、高い技術力と確かな品質で西日本を中心に多数の実績をもつ「関西マサル」。「専門職人集団の高い技術力で建物を守り、人を守る」のモットーのもと、さらなる品質の確保と業務効率化のため、施工現場に様々な種類のSafie(セーフィー)対応カメラを導入いただいています。導入に至る背景や活用法、効果などについて、社長の吉山順一さんにお話を伺いました。
工事のブラックボックス化を防ぎ、カメラを通して遠隔サポート
──はじめに御社の事業内容について教えてください。
吉山さん: 当社は建築業界において、新しく「建物をつくる」分野ではなく、主に「治す・リニューアルする」という分野の中でも外装に関する工事を行っており、屋上防水、外壁タイル補修、外壁塗装などを扱っています。
──具体的には、どのような現場があるのでしょうか?
吉山さん: 例えば、ゼネコン様からマンションの外壁塗装やタイルの張替え、エポキシ樹脂注入し剥落防止のご依頼を受けたりすることがあります。その場合は、外壁の周囲に足場を組んで作業を行ったり、ゴンドラを吊って作業を行います。ビルのオーナー様から屋上の防水のメンテナンスをご依頼いただくと、夏は炎天下で冬は吹きさらしの現場となることもあります。
作業規模としては、大掛かりなものだと建物全体におよび、数か月から1年以上かかる作業、ちょっとした補修など1日で終わる現場もあるといった状況です。
──そのような現場で、Safie対応カメラを導入いただいた背景には、どのような課題があったのでしょうか?
吉山さん: これは我々のリニューアル工事業界全体におけるお話なのですが、施工管理者が足りず現場での判断を職人さんに任せざるを得ないケースがあり、作業の本質が理解されないまま工事が行われてしまうことに、ずっと悩んでいました。
例えば外壁のタイルひび割れを修理するとします。割れているタイルを剥がし、新しいタイルを貼る。これが普通の工事だと思われるかもしれませんが、実は違うのです。
本来の正しい姿とは、「なぜタイルが割れたのか」という原因を探り、次に同じことにならないようにするにはどんな方法をとったらよいかを考えた上で、対応しなければならないのです。
ただし、そこまで見抜き、数ある選択肢から答えを出すには建築に関する知識や経験が必要です。さらに、コストとのバランスも考える必要があります。
一方で工事を行う職人さんは、「上手に直す」ことが仕事ですから、なかなかそこまで考えられる人は少ないです。我々の工事は、一度終えてしまうと中がわからないブラックボックスのようなものです。見た目では直っているけれど、本来の正しい姿ではない工事が行われてしまっている現状を、どうにかしたい。正しい工事をしなければならないと思い続けていました。
──こういった課題に対し、Safie対応カメラ以外で解決する方法は検討しましたか?
吉山さん: 最初は、職人さんや現場の方に写真を撮ってもらうこともやってみました。しかし、それでは作業の一部を切り取っただけであまり効果を感じられませんでした。
次に、ヘルメットに小さなカメラをつけて録画しようとも思いましたが、リアルタイムで見ることはできません。「ほかに何かいいものはないか?」といろいろ探していく中、セーフィーさんの製品を見つけ「これだ!」と感じたのです。
「胸を張って見せられる作業」への意識改革
──導入されたカメラは、どのようにご利用いただいているのでしょうか?
吉山さん: Safie Pocket2は、主に作業の状況を撮影しています。現場監督が身につけたり、作業をする職人さんに装着してもらったりしています。リアルタイムで作業の状況がわかるので、事務所など遠隔から映像を見ながらフォローをしたり指示を出したりしています。また、現場からも確認の依頼が入ることもあります。
※現場の作業員と通話しながら指示をしている様子
さらに、お客様と工事の打ち合わせをする際に、今の現場の状況を撮影することにも使っています。社員がお客様と打ち合わせた内容が正しいかどうか、あとから録画データを確認したり、CADで図面を描く担当者が映像をみることもあります。
実は、Safie Pocket2の映像は、お客様にも公開しています。「今、こんな状況です」といった形でスマホやパソコンでお客様にも見ていただくこともあるんです。作業の状況を隠すことなくオープンにすることで、お客様からも信頼を得られていると思います。
キヤノンシステムアンドサポートさんから購入した屋外対応カメラ「VisualStage GOシリーズ」については、現場全体を俯瞰で見る目的で、ゴンドラに取り付けたり屋上に設置したりしています。QBiC CC-2Lは現場に設置しているプレハブ倉庫のセキュリティー用で利用しています。
──導入に際して、現場の反発などはなかったのでしょうか?
吉山さん: 導入当初は、難色を示す職人さんもいました。監視されているという気持ちや信用されていないのか?という思いがあったのかもしれません。「皆さんも車にドライブレコーダーをつけているでしょう?あれと同じで何かあったときのためのものです」「いつもどおりきちんとした作業をしていれば、何の問題もないんです。むしろ胸を張って見せられるくらいの作業にしましょう」と丁寧に説明をしました。さらに、第三者の目があることで、安全面も向上することなど、メリットを伝えました。
いまでは「社長、ちょっとこれ見てください」と連絡が入るくらいに活用されています。
遠隔からの確認で時間・コストが効率化
働き方改革や人材不足解消へも期待
──導入の効果について教えてください。
吉山さん: まずは、コストが削減できていると感じています。カメラの映像は、いつでもどこでも確認できます。先日も私が京都にいながら神戸の現場の状況を見て、指示を出したことがありました。これまででしたら、作業が止まってしまったり、私が出向かねばならなかったでしょう。作業が停まってロスしてしまう時間やコスト、出張費などのコストはかなり削減できています。
また、安全面や品質の確保にも役立っています。例えばゴンドラを使った高所作業は、基本的に1人で作業を行います。ビルの階数によっては、作業場までの往復に1時間かかってしまうこともあり、作業の確認や管理者のチェックに時間を要していました。今ではリアルタイムに撮影した映像を見られるので第三者が安全面を確認できますし、品質のチェックも効率よく行うことが出来るようになりました。
さらに、無駄なやり直しが減っていると感じています。映像で確認できるのでミスを減らせているというのもあるのでしょうが、見られているから正しい作業をするという意識が働いているのも大きいと感じています。
わからないことをその場で解決することで、工期を守ることや業務効率化にも繋がり、本来の目的である「正しい工事をしたい」ということが実現できています。
──最後に、今後の活用についての期待や展望について教えてください。
吉山さん: 現在の使い方は、現場に出ている作業員と別な場所にいる管理者とのやりとりが主なものです。それを、作業員同士、職人さん同士のコミュニケーションにも使えないか?と考えています。例えば、現場の職人さんが作業の方法を別な職人さんに相談してアドバイスをもらうような使い方です。また、作業の映像を事例として共有することができれば、技術の向上にもつながります。
我々の業界は、常に人材不足で、若手の育成も難しい状況です。しかし、こういったツールの力を使えば、不安が解消されたり知識の習得も早くなります。仕事の効率化やコストが削減できていけば、賃上げや働き方改革にもつながっていくと思います。
Safie対応カメラの利用で、効率化や安全性の向上はもとより、「本来あるべき正しい仕事」をすることで、お客様に喜んでいただき、信頼を得られていると感じています。そしてこの動きが、業界全体へと広がっていってほしいと感じています。
お話を伺った方
代表取締役社長 吉山 順一さん