全国の施工現場を同一画面で確認
三井住友建設によるセーフィー対応カメラ活用術

東京都中央区に本社を置くゼネコンの「三井住友建設」。現在、同社では全国各地にある施工現場で、約80台のセーフィー対応カメラが導入されており、各支店からその様子を映像で確認できる体制を整えています。稼働状況や自然災害時における状況把握といった目的のためのカメラ活用について訊きました。

導入の決め手

  • コンパクトでスリム、設置が簡単で手軽
  • ダッシュボード機能があり、画面の切り替え手間など不要
  • 全国の現場が一画面で一覧表示できる

導入目的

  • 施工状況や災害時における状況把握

導入した結果

  • 現場へ行かずに指導するため活用
  • 移動時間の短縮ができた
  • 台風の際、被害が出ていないか確認できた
  • 内勤の社員が現場の映像をチェックすることで一体感を覚えて業務に取り組めるという声があった

映像表示画面をカスタマイズ、「ダッシュボード機能」を活用

三井住友建設ではセーフィー対応カメラの導入以前、防犯や施工状況の把握といった目的で現場ごとにカメラを導入していました。しかし導入されている製品が統一されておらず、各支店において稼働現場の状況を一括で把握できなかったと、和田さんはその課題を振り返ります。

和田さんがセーフィー対応カメラを知ったきっかけは、日本建設業連合会で配布されたパンフレットでした。カメラ導入の決め手となったエピソードを次のように話します。

和田さん:防犯カメラと聞くと大掛かりなイメージがありますが、セーフィー対応カメラは比較的コンパクトで形状もスリムです。電源を差せば設置できる等、その手軽さも魅力でした。導入の決め手となったのは、ダッシュボード機能です。80台のカメラを一括導入するにあたり、画面切り替えなどが不要で、すべてを同一画面上で確認できるのはセーフィーのみでした。

セーフィー対応カメラの導入過程では、すでに現場に設置している機材との入れ替え等が多少負担になったものの、これまで使用していたカメラと併用するか、すべてをリニューアルするかは各施工現場に判断を任せながら設置を進めていったそうです。

「セーフィーのカメラは使い方も簡単で、導入はスムーズでした。カメラを手配し、各現場に直接送ってもらいました。ただ、社内のセキュリティ環境の都合で、アカウント発行に手間がかかったというハードルはありました」と、和田さんは導入のプロセスを振り返ります。

セーフィー対応カメラを設置する際に気をつけたのは、設置場所の選択でした。

和田さん:設置依頼をするときに『稼働状況が確認できる場所に設置してください』と現場に伝えました。例えば、施工現場の最上階や全景が見える位置などです。細かな状況はわからずとも大まかな状況把握ができる場所に設置しないと、カメラを置く効果がなくなってしまうので、そこは気をつけました。

「移動時間の短縮」に映像が貢献

三井住友建設におけるセーフィー対応カメラの導入目的は、現場の稼働状況の確認、将来的には自然災害時のBCP対応を迅速に行なうための環境整備です。その日々の運用方法について、和田さんは次のように話します。

和田さん:大まかな稼働状況の確認に映像を活用しています。例えば、タワーマンションの最上階で作業員から状況を確認して欲しいという要望があれば、確認のために一階から最上階まで上がらなくてはなりません。しかし、映像の確認と電話で済む場合もありますので、移動時間の短縮という点で大きな効果があります。ただ、細かいところまでは見えなかったり、設置角度によっては映らない部分があったりと、そういう問題は存在しています。

また、台風の発生時も効果を発揮したと言葉を続けます。

和田さん:台風のときに被害が出ていないかどうか、内勤の施工部門の社員がセーフィー対応カメラで状況確認をしました。現場からも都度報告をもらっているのですが、2019年に発生した台風の際は、大きな足場の倒壊等がないかを逐一確認できたのはよかったと思います。
現在は、各支店に設置されているモニタに現場の映像を映し、気になる現場があったタイミングや自然災害時等に映像を確認するという体制です。専属で映像を確認する担当者はいません。支店の社員がずっと映像を確認すれば、現場で働いている作業員のプレッシャーになってしまう。それに確認のための人的コストもかかりますから、あえて運用をしていません。

ただ、セーフィー対応カメラを導入することで意外な効果もあったと和田さんは話します。

和田さん:映像を確認するのは主に本支店の幹部社員なのですが、意外だったのは支店の内勤社員が映像をチェックしていること。事務部門の社員からは、現場に行く機会が少ないため映像を通じて現場の様子がわかり、一体感を覚えながら業務に取り組めるという声もありました。現場に見学に行くとなると現場も構えてしまったり、対応が必要になったりするので、映像で確認できるのはよいですね。

危険を察知するアラート機能が、施工現場を安全にする?

最後に、今後の利用計画についても話してくれました。

和田さん:カメラに関して言えば、進捗状況をチェックしたり、ズームや首振り機能のついたカメラの導入であったり、現在の導入目的を補完する機能があれば更に良いと考えています。また、映っている映像のなかで社員や作業員がイレギュラーな行動をしていたらシグナルが出る機能があると嬉しいですね。現場の社員が映像を確認し、危険な行動を指摘できるとよいかなと思っています。

お話を伺った方

三井住友建設株式会社 建築本部 ICT・BIM推進室 ICT推進 深谷学さん 和田章宏さん 山岸茉結さん