倉庫内の作業工程における業務効率化、
バース管理の最適化、生産性の向上を実現
倉庫業をはじめとする総合物流サービスをワンストップで提供し、多くの有力企業から厚い信頼を得ている「澁澤倉庫株式会社」。同社では業務の生産性アップを目的に、さまざまなシーンでSafieを利活用くださっています。
(取材:2023年8月)
導入の決め手
- 高画質
- クラウドカメラで、映像の視聴・保存・編集の利便性が高い
- クラウドのセキュリティレベルが高い
- ポータブルで、定点撮影も可能(Safie Pocket2)
導入目的
- 協力会社の倉庫や離れた作業場の遠隔確認
- 加工作業のバックログ(作業待ち製品)把握による工程管理
- 動画マニュアル作成
- トラックバース管理における事務所と現場間の情報共有
導入した結果
- 離れた作業場の管理を遠隔化することで業務効率向上
- 作業進捗を映像で「見える化」することで生産性向上
- 動画を作業マニュアルに流用することで作業品質平準化
- バースの遠隔管理でトラックの待機時間の削減
INDEX
1897年、日本の資本主義の生みの親といわれる渋沢栄一が創業した「澁澤倉庫株式会社」。国内外の倉庫業を中心に陸上運送や海上・航空輸送、通関まで幅広く手がけ、120余年の確かな実績で多くの有力企業の信頼を得ています。
近年は倉庫における流通加工や輸送手配もワンストップで提供するなど、クライアントのニーズに応える多機能な物流ネットワークを積極に展開。その現場には、生産性向上を目的にSafieが導入されています。
物流業におけるSafieの活用効果について、本社のイノベーション推進室で全社のDX推進をサポートする中川 剛さん、金成 秀樹さんと、福岡営業所でSafieを利活用されている工藤 健一郎さんにお話を伺いました。
導入のきっかけは現場の声から
生産性の可視化、業務効率化のサポートツールとして採用
──はじめに、中川さんと金成さんが所属されているイノベーション推進室についてお教えいただけますでしょうか。
中川さん:イノベーション推進室は先進的な技術やソリューションをリサーチ&導入し、全国の営業所のDXをアシストする部署です。当社の取扱貨物は飲料・雑貨・アパレル・化粧品など多岐にわたりますが、品目ごとにICTツールの最適解は異なっており、全ての営業所にその知見があるわけではありません。そこで私たちが情報を集約し、社内での水平展開を推進しています。
──現在、イノベーション推進室が最優先で取り組んでいる課題についてお聞かせください。
中川さん:物流業界において人員不足は深刻化しており、解決すべき大きな課題となっております。また、急激に伸びたECビジネスなどの対応にも、業務効率化は喫緊で対応しなければなりません。そこで、私たちはその取り組みの一環として、生産性を可視化・向上させるICTツールや、省人化・無人化を図る作業ロボットの投入などを積極的に進めています。
──複数の営業所でSafieを利活用いただいています。導入のきっかけをお教えください。
中川さん:ある営業所から、「協力会社の倉庫を遠隔確認するためにSafieを使いたいが、どう思うか?」と相談され、Safieをリサーチしたことが導入のきっかけになりました。
それまでのオンプレ運用の防犯カメラだと社外の協力会社に設置するのは困難ですが、クラウドカメラで移設も容易なSafieなら実現可能です。ちょうど、各種ツールのクラウドサービスへの切り替えを進めていたタイミングでしたし、Safieのクラウドは非常に高セキュリティで安心できたので、ぜひ使ってみようということになりました。それ以来、防犯カメラの新規導入・リプレースを行う現場や、映像で業務効率化を実現できそうな現場にはSafieを推奨しています。
【福岡営業所】
バース管理や生産性向上、スタッフ教育など
さまざまな業務で映像を活用
──工藤さんが所長を務めていらっしゃる福岡営業所では、どのような経緯でSafieを導入なさったのでしょうか。
工藤さん:福岡営業所は、ここ1年で検品、梱包といった流通加工業務を必要とするお客様の商品が増加し、倉庫内での付帯作業が大幅に増えました。同時に作業スタッフも飛躍的に増え、日々の入れ替わりも激しいこともあり、個々人の作業品質を高いレベルで平準化し、生産性を高めることを目的に、教育サポートツールとして、ウェアラブルクラウドカメラの「SafiePocket2(セーフィーポケットツー)」を導入することにしました。
また、トラックが商品の積み下ろしを行うバースにはセキュリティ目的でオンプレ運用のカメラを設置していましたが、遠隔管理に適したクラウドカメラで稼働状況もモニタリングしたいと考え、Safieカメラにリプレースしました。
──「Safie Pocket2」の活用方法と、導入効果についてお聞かせください。
工藤さん:教育活用では、動画作成ツールと「Safie Pocket2」を連携させて動画マニュアルをつくっています。静止画よりも作業内容を理解してもらいやすく、作業品質の平準化に役立っています。
また、大きな効果を感じているのが作業工程の見える化による生産性向上です。現在の付帯作業はライン生産方式でおこなっているため工程ごとに作業場が分かれているのですが、どこかの工程で作業が滞ると後工程のスタッフが稼働できずに、全体の生産性が著しく低下します。そこで「Safie Pocket2」で各工程の作業を撮影し、スタッフ全員が見られるモニターに映像を映し可視化しました。これによって、作業スタッフは自分たちの前工程のバックログ(未処理分)などがひと目でわかるようになりました。おかげで状況判断がスピーディーになり、スタックしている作業場に応援スタッフを送るなど臨機応変に対応できるようになり、全体の生産性アップに繋がっています。
「Safie Pocket2」を使った遠隔管理も実施しています。事務所から離れた棟の作業の様子を、事務所にいる管理者が映像でモニタリングし、進捗に合わせて人員配置や貨物の運び込みなどを指示します。この運用で離れた棟まで足を運んでいた管理者の移動時間が大きく削減されました。
──バースに設置している固定カメラの活用効果はいかがでしょうか?
工藤さん:各バースのカメラ映像は、事務所スタッフが常にモニタリングできるようにしています。事務所にいてもバースの空き状況や積み下ろしの進捗がわかるので適切なオペレーションができ、バースの稼働率が上がり、トラックの待機時間も削減されました。
保管状況のモニタリングや安全パトロールにも
オープンツールとしての活用を広げSafieを次世代の物流ソリューションへ
──福岡営業所以外のカメラ導入拠点では、どのような活用をされているのでしょうか?
中川さん:多いのは、荷主様と営業担当者のコミュニケーションにおける映像活用です。例えばお客様とのオンラインミーティングなどで、「Safie Pocket2」で撮影した倉庫の様子を配信することで、施設やサービスの状況を簡潔にご理解いただけること、また、実際の映像でご確認いただけるため、より安心感を持ってもらえます。またECのお客様からは、梱包作業状況を確認したいとのご要望が多く、その対応にも映像を活用しております。
金成さん:遠隔管理に「Safie Pocket2」を活用している営業所も多くなっております。先述のように協力会社さんの倉庫に設置させていただき、保管状況をモニタリングするなどに活用しています。その他には、お客様の商品を搬入する前の保管場所の状況や、商品の搬出入状況を詳細に報告できるエビデンスとして撮影することもあります。
──「Safie Pocket2」の使用感はいかがでしょうか?
中川さん:ウェアラブルなので軽量コンパクトで、電源や通信配線がないところでも撮影できますし、三脚などで固定して定点撮影することもできて利便性は高く感じております。
工藤さん:操作もシンプルでいいですね。撮りたいときにパッと撮影でき、クラウドからダウンロードすればさまざまな用途で使えます。動きのあったシーンにフラグが立つモーション検知など、効率的に視聴できる機能も充実していると思います。
──最後に、映像活用の今後の展望をお聞かせください。
工藤さん:チャレンジしてみたいのは個々人のスキルの見える化です。福岡営業所では作業スタッフの生産性を数値化するICTツールを活用していますが、生産性の優劣は測れますが、その背景はわかりません。映像で作業工程を確認することでその違いなどが可視化され、ナレッジに生かせるのではないかと考えています。
また、オープンツールとしての活用もしていきたいですね。
例えば、ドライバーさんに場外待機場の空き状況を共有することで、スケジュールの調整が安易になると思いますし、お客様に作業状況や保管状況をリアルタイムで確認いただくことで、サービスの充実にも繋がると思います。
金成さん:「Safie Pocket2」はポータブルでどこにでも携行できますから、遠隔の安全パトロールにも活用してみたいですね。
中川さん:全社的には当社のWMSとSafieの連携を検討しています。効果は検証段階ですが、ICTツールを効果的に組み合わせて各現場のソリューションの最適解をアシストし、快適な社会の発展に貢献する物流サービスを磨いていきたいと思います。
※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。
お話を伺った方
澁澤倉庫株式会社
イノベーション推進室
室長 中川 剛さん
室長代理 金成 秀樹さん
中国・九州支店 福岡営業所 所長
工藤 健一郎さん