WMSとSafieカメラの連携で
物流管理業務の効率化を実現
佐川急便株式会社を中核とする「SGホールディングスグループ」の中で、ロジスティクス事業を担う「佐川グローバルロジスティクス株式会社」。同社は倉庫管理システム(S-WMS)とSafieの映像を連携させることで、物流管理の品質向上と業務効率化を実現されています。今回はSafie導入の背景や、物流業界における映像活用の可能性について、お話を伺いました。
(取材:2023年8月)
導入の決め手
- 自社WMSとカメラの相性が良く連携が容易だった
- ピンポイントで必要な映像にアクセスできる
- 映像の長期保管が可能
導入目的
- 検品作業を映像で保存し、荷主からの問い合わせに対応するため
- マニュアル通りに作業が行われているかの確認
導入した結果
- 荷主からの問い合わせ時に該当作業の映像をすぐに確認できるようになった
- 荷主からの問い合わせに対する回答のスピードが上がった
INDEX
流通加工サービス・物流センター・倉庫運営などを一括で請け負う3PLを提供する佐川グローバルロジスティクス株式会社。同社の千葉北営業所では、30台のSafie Oneを導入。WMS(Warehouse Management System)と連動させることで、物流管理業務の効率化を実現しています。今回は、導入の経緯や導入後の効果について、LS課(ロジスティクスシステム)課長の加賀谷司さんと、千葉北営業所主任の宮下誠一さんにお話を伺いました。
検品作業にSafieカメラを導入し
問い合わせのあった作業を迅速に振り返り、原因解明に活用
──はじめに、御社の事業内容について教えてください。
加賀谷さん:当社はSGホールディングスグループの一員として、物流コンサルティングやプラットフォーム物流、オーダーメイド物流、輸送チャーターといった3PL事業を展開している企業です。その中で私が所属するロジスティクスシステム課は、物流に関する課題を解決するためのWMSと、それに付帯するシステム構築を担当しています。
──今回、物流倉庫の検品作業でSafieを導入いただきました。導入にはどのような背景があったのでしょうか?
加賀谷さん:「荷物の中身が違う」、「入っているはずの荷物が入っていない」といった問い合わせがエンドユーザーから荷主さんのカスタマーセンターに入った場合、まずは弊社の検品作業を映像で振り返り、事実関係の確認を行います。
そのため以前から検品作業の映像をオンプレミス型のカメラで記録していたのですが、蓄積された映像データに検索性がなく、該当する検品作業の映像を見つけ出すのにかなりの時間を要していたのです。
さらに、映像の記録期間が30日くらいしかなかったので、それより前の業務を遡って確認することができないという課題もありました。この状況を改善するために注目したのがSafieカメラです。弊社のWMSと連携が可能で、長期間映像を保存できるところに魅力を感じました。
──WMSと連携するのはSafieカメラが初めてということですが、連携作業はいかがでしたか?
加賀谷さん:WMS上に記録されている検品の開始時刻情報を元に連携することができたので、非常にスムーズでした。Safie側と弊社のサービスの相性が良かったのだと思います。おかげで開発費用を大幅に抑えることができました。
──Safieを導入いただいた結果、どのような効果があったかお聞かせください。
加賀谷さん:以前は荷主さんから問い合わせがあった際、必要な映像がなかなか見つけられなかったのですが、今はピンポイントで映像をピックアップして確認し、すぐに荷主さんに状況を報告できるようになりました。ときにはエビデンスとして、映像を荷主さんに提供することもあります。Safie導入はサービス向上にもつながりましたし、お客様の満足度も上がっていると思います。
1時間かかっていた映像確認作業が
1分に短縮し、業務効率がアップ
──Safieを導入いただいている千葉北営業所の特徴を教えてください。
宮下さん:千葉北営業所はアーティスト関連のお客様とのお取引をメインとしており、アーティストのCDやDVDとノベルティを梱包したボックスを発送するのが主な業務です。
対応件数が多いのが特徴で、1つのタイトルに対して3万~5万個のボックスを発送しています。最も多いときには、2週間で20万個のボックスを発送したこともありました。
──千葉北営業所では検品作業でSafieカメラを活用していただいていますが、もともとどんな課題がおありだったのでしょうか。
宮下さん:ここ数年で取り扱う物量が急速に伸び、物流管理を強化したいという課題がありました。エンドユーザーからの問い合わせが頻繁に荷主さんのカスタマーセンターに入るようになったため、こちらの検品作業を映像として残す必要が出てきたのです。
──Safie導入前は別のカメラを使用されていたそうですね。
宮下さん:はい。以前はオンプレミス型のカメラを入れていたのですが、問い合わせがあったときにピンポイントで該当する映像を見つけ出すのが難しいという課題を抱えていました。
作業時間のログを確認したうえで「何時何分から何時何分ぐらいかな」と少しずつ映像を再生しながら該当箇所を探していたのですが、ようやく見つけても画角がずれていて十分な確認が取れないなど、問題がありました。
そんな中セーフィーさんからお話をいただき、必要な検品映像を一発検索できるよう、WMSと映像とを紐づける仕組みを作っていただくことになりました。
──どのような経緯でSafieを導入することになったのでしょうか。
宮下さん:先に当社の南船橋営業所がSafieカメラを導入していて、その評判を耳にしたことがきっかけです。そこで本社と共にWMSに紐づけて必要な映像を一発で引き出せるような仕組みをつくり、30台のカメラを検品エリアに導入することになりました。
──SafieカメラをどのようにWMSと連携されているか教えてください。
宮下さん:まず検品作業を完了した段階で、伝票のバーコードを読み取った時間がWMS上にタイムスタンプとして登録されます。映像を確認したい場合は、WMSの画面上で該当する作業のタイムスタンプをクリックすると、検品作業をしている手元部分の映像が表示される仕組みです。この映像を確認することで、必要な荷物を正しく入れているかをチェックすることができます。
──Safieを導入いただいた結果、どのような効果があったかお聞かせください。
宮下さん:以前は問い合わせ1件あたりの対応に1時間ほどかかっていたのですが、Safieカメラ導入後は1〜2分で対応できるようになりました。業務効率化にもつながりましたし、お客様にも短時間で回答できるようになりました。
また、作業の様子をチェックして、マニュアル通りの手順が守られているかを確認するという使い方もしています。その場に行かなくても作業の手元を見ることができるのは、非常に便利です。
梱包作業にもカメラ導入を検討
映像活用の幅を広げていきたい
──Safieカメラに対する評価はいかがですか?
加賀谷さん:弊社のインフラとも相性が良いですし、使い勝手はとても良いと思います。Safieカメラを導入したおかげで、ミスの原因や責任の所在もより明確にできるようになりました。短時間・低コストで導入できた点も良かったと思っています。
宮本さん:驚くほどエラーも少ないですし、画角も問題ありません。以前のカメラは1・2カ月しか映像が保存されなかったのですが、現在セーフィーさんとは180日で契約させていただいており、半年くらい前の作業までさかのぼって確認できるので非常に助かっています。
──今後、Safieカメラを使って実現したいことはありますか?
加賀谷さん:今後は弊社のネットワークにSafieカメラを組み込んで、WMSとカメラの連携を各現場にも広めていけたらいいですね。現場はいろいろなアイディアを持っていますので、映像を活用する幅も広がっていくのではないかと思います。
宮本さん:今は検品のブロックと梱包のブロックが分かれているのですが、これを一体化して、1人で作業を完結できる流れにできないかという検討を始めています。これに伴い、検品・梱包という入口から出口までを1つの映像に収めることができるようになれば、より利用価値が高まるのではないかと考えています。
※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。
お話を伺った方
佐川グローバルロジスティクス株式会社
物流ソリューション部
LS課(ロジスティクスシステム)課長
加賀谷司さん
佐川グローバルロジスティクス株式会社
東関東エリア
千葉北営業所 主任
宮下誠一さん