
淀川左岸線(2期)事業の建設現場にSafieを導入
210台のカメラで万博会場への交通安全に貢献

大阪市で行われている淀川左岸線(2期)事業では、工事の安全・品質管理に向けてSafieを導入。また大阪・関西万博の開催期間中は、同事業の建設中区間を会場へのアクセスルートとして活用しており、Safieを大幅に増設して安全性の向上に役立てていらっしゃいます。
(取材:2025年8月)
導入の決め手
- 現地へ行かなくても、現場の様子がリアルタイムでわかる
- 過去映像の振り返りが容易
- 画角調整や拡大縮小ができる
- 夜間の映像も高画質
導入目的
- 工事進捗を遠隔でモニタリング
- 施工プロセスの振り返り
- 事故などの際の状況確認
- 万博アクセスルートの見守り
導入した結果
- <工事>
- ライブ映像で作業工程の進捗状況を把握
- 過去映像で施工のプロセスを丁寧に確認できる
- <万博アクセスルート>
- 交通の安全管理に活用(事故等の発見、原因分析など)
- 公共交通機関にイレギュラーが発生した際の影響をモニタリング
- 関係機関に対して映像の閲覧可能な環境の提供。インシデント対応の的確、迅速な判断に活用
- <共通>
- リアルタイムで現場状況を把握できる
- トラブル等の経緯や原因を正確に把握でき、再発防止策に活かせる
- 映像をエビデンスとして活用できる
INDEX
大阪圏の新たな環状道路建設の一環として進められている淀川左岸線(2期)事業では、工事の安全・品質管理にSafie(セーフィー)をご利用いただいています。
また、「2025年日本国際博覧会」(略称:大阪・関西万博。以下、万博)の開催期間は同事業の建設中区間を万博専用のアクセスルートとして活用。カメラを210台に増やし、警察や消防とも連携しながら交通の安全管理に活かしています。
2つのシーンにおけるSafieの活用状況や効果について、大阪市建設局の河島 拓矢さん、後藤 敏夫さんにお話を伺いました。
フレキシブルに画角調整でき、夜間も高画質
ライブ映像・過去映像、どちらも手軽に見られる点も良かった
──はじめに、淀川左岸線(2期)事業についてお教えください。

河島さん:淀川左岸線(2期)事業は大阪圏の新たな環状道路(大阪都市再生環状道路)の一部となる延長4.4kmを建設する事業で、大阪市と阪神高速の合併施行方式で実施しています。2032年度末の完成を目指し、此花区高見から北区豊崎にかけてトンネル構造の道路を建設しており、私と後藤は大阪市建設局で同事業の設計業務に携わっています。
──淀川左岸線(2期)事業でSafieを導入いただいた経緯をお聞かせください。

後藤さん:工事が始まると、現場監督などが所属する建設課のメンバーはほぼ毎日現場に足を運んで安全・品質・進捗管理に当たっています。しかし私たち設計課は、建設課と担当業務が異なりますから、頻繁に現場へ行くのが難しい状況です。もちろん進捗は定期共有されますが、レポートの体裁に文字情報が多く詳細な状況把握に限界があるのも正直なところです。
そのようななか、私たちには、「設計に携わった工事はできるだけ現場を自分の目でも確認したい」という強い気持ちがあり、何かいい方法はないか思案していました。そんなとき、別途委託会社から発注されている建設会社さんがSafieを活用しているのを見かけ、「これは便利だ」と感じ、導入させていただくことにしました。
──Safieのどんなところを便利だと思われたのでしょうか?
河島さん:まずSafieは、私たちが「絶対欲しい」と思っていた2つの要件を満たしていました。1つは工事範囲のみを写すフレキシブルな画角調整ができること。もう1つは照明がなくても夜間の映像が高画質で撮れること。夜中に明るい照明が必要になってしまうと、近隣のご迷惑になりかねないからです。

その上ですごくいいと思った点が、どこにいてもリアルタイムで現場を見られることでした。また、映像のクラウド保存も魅力でした。過去映像を見れば施工のプロセスをじっくり確認できますし、事故等の客観的な原因究明も可能になります。
後藤さん:映像のリアルタイム性については、BCP対策の観点でも有効だろうと思いました。現場が河川堤防沿いということもあり豪雨の際は不安となるのですが、Safieがあれば事務所や自宅にいながらにして被害の有無がわかります。ライブ映像でモニタリングすることで、「このあたりが危ない」といった危険予測も可能になると考えました。
建設中区間を万博アクセスルートとして活用
Safieの映像は警察、消防とも連携
──淀川左岸線(2期)事業における、Safieのご活用状況をお教えください。
河島さん:工事作業中は、事務所のモニターに現場のライブ映像を流して進捗を見守り、必要に応じてクラウド録画の過去映像を見返しています。足を運ぶ・電話をかけるといったことをしなくてもタイムリーに様子がわかりますし、現場と会話するときも映像を見ながらスムーズな打ち合わせができます。施工が進んだ箇所も過去映像をズームして丁寧に確認でき、大変助かっています。

後藤さん:現在は工事を一時中断し、建設中区間を万博アクセスルートとして活用中で、そちらの安全管理にもSafieを使っています。
このルートは大阪中心部と万博会場の夢洲を結ぶ主要なルートにも位置づけられており、開催期間のみ暫定的に利用されているものです。定時性を確保するため、通行車両は事前に許可を受けたシャトルバスやタクシー等に限定しており、会場へのアクセス時間短縮や市内の混雑緩和につなげています。
建設中区間を万博アクセスルートとして活用するに当たっては、事前に警察や消防の方々と共に安全管理に必要なカメラの台数をシミュレーションしました。その結果、50m間隔の設置が適切との判断に至り、計210台のSafieを設置しました。

──万博アクセスルートでは、Safieをどのように活用いただいているのでしょうか?
河島さん:万博アクセスルートの警備や監視を受注した委託業者にて、専用の監視ルームにSafieのライブ映像を映し出し、常時モニタリングしております。これは、走行の安全管理を目的として、車両の逆走や誤進入、禁止区域における停車車両の有無、ゲートのバーや壁との接触などの状況を確認しています。

事案発生の際には私たちもSafieの映像を確認し、事実確認や原因究明を行います。過去映像を見返して経緯や原因を突き止め、事実に基づいた再発防止策をスピーディーに講じることができました。
後藤さん:会場への地下鉄路線でトラブルが生じたときも、万博アクセスルートの交通に影響がないか、現地に行かずとも映像で確認できて助かりました。また、通行許可を得ていない車両が誤進入を繰り返す場合には、映像がエビデンスになるという頼もしさもあります。
なお、事故・災害時は場所の特定や規模の把握を迅速に行えるよう、Safieの映像は警察・消防に視聴できる環境を提供しています。この運用により、トンネル構造の道路のどこから入るか、どんな設備が要るか、どこの署が急行するかといったことを的確に判断できると喜ばれています。今のところ幸いにも消防が出動する事案は起きていませんが、関係者の方々は皆、Safieに感動していらっしゃいますね。「映像があると便利」「対応が効率的になる」と、非常に評価が高いです。
映像の有効活用など多角的なDXで、さらなる生産性向上へ
──Safieを導入し、感じていらっしゃるメリットをお聞かせください。
河島さん:やはり、リアルタイムで現場の様子がわかるメリットは大きいです。瞬時に多くの情報を得られ、認識の齟齬も生じにくいので業務品質が向上します。工事の安全・品質管理から万博アクセスルートの監視まで、さまざまなシーンでライブ映像の価値を感じています。
後藤さん:リアルタイムのスピード感もさることながら、クラウドの利便性が素晴らしいです。外出先でも自宅でも、夜間でも手元のパソコンやスマートフォンで現場を見ることができ、リスク管理やマネジメントの精度が上がります。
──映像活用における今後の展望をお聞かせください。

河島さん:万博終了後も引き続きSafieを活用し、工事の安全・品質管理を徹底していきます。政府が2029年度までに建設業の労働生産性を向上させるための指標を発表するなど、建設におけるDXの機運はますます高まっています。私たち大阪市も、カメラの活用をはじめとする多角的なDXで生産性を向上させ、安全・快適な都市の実現に努めたいと思います。
※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。
※カメラを通じて取得する映像は管理者および、映像閲覧が必要な担当者のみで閲覧しています。法令に基づく場合を除き、第三者提供は致しません。また、映像の活用は事前に特定した利用目的に必要な範囲で行い、被撮影者個人を追跡することは行いません。






