直営店の「モレスキン 横浜 (MOLESKINE Yokohama)」の店内

AI機能で入店者数をカウント、映像で属性分析。
効果的な売場づくりと販促施策にAIカメラを活用

「モレスキン 横浜」設置された「Safie One」の外観

ノートブック、手帳、バッグなどのプロダクトに多くのファンを持つ「モレスキン」。同社の日本法人「モレスキンジャパン株式会社」では、日本初の直営店にセーフィーのAIカメラを導入。販促の最適化や顧客分析にご活用いただいています。

(取材:2023年9月)

導入の決め手

  • コンパクトでブランドイメージを損なわないデザイン
  • 導入しやすいコスト設定

導入目的

  • 入店者数をカウントし、POSデータと合わせて購買率を測定するため

導入した結果

  • 入店経路を参考にした売場づくりで滞在時間などが増加(AI)
  • POSデータとのかけ合わせで購買率を可視化し、販促施策に活かす(AI)
  • 計測値をもとに施策の効果が可視化され、PDCAが高速化(AI)
  • 販売注力商品に興味を示した人の属性モニタリングができるようになった(映像)
  • 遠隔でも店舗の様子がわかり、接客向上などに貢献(映像)

ミラノに拠点を置き、ノートブック、手帳、バッグ、デジタルツールなどを製造販売する「モレスキン」。ロマンあふれるストーリーを持つプロダクトはシンプルで洗練されたデザインと品質の良さを兼ね備え、世界中のファンに愛されています。

同社の日本法人「モレスキンジャパン株式会社」は、本年5月に日本初の直営店を横浜に出店。セーフィーのAIカメラを導入し、入店者数カウントや顧客分析などに利活用くださっています。活用方法や導入効果について、キーアカウントエグゼクティブの廣部 直子さんにお話を伺いました。

日本初の直営店に、入店者数カウントツールとしてAIカメラを導入。
ブランドイメージを損なわないデザインが気に入った

モレスキンジャパン キーアカウントエグゼクティブの廣部 直子さん
キーアカウントエグゼクティブの廣部 直子さん

──はじめに、廣部さんのお仕事についてお教えいただけますでしょうか。

廣部さん:当社の販路はオンライン、オフラインの2つがありますが、私はオフラインの売上をサポートする役割を担っており、卸・直営ともに店舗での販促企画などに携わっています。

──本年5月、横浜駅直結の商業施設内に直営店をオープンされました。こちらの店舗の特徴をお聞かせください。

廣部さん:日本初の直営店ということで、ブランドの世界観を感じていただける店舗を目指して体験型スペースを設けるなどの工夫を凝らし、イベントにも力を入れています。商品も直営店限定アイテムをご用意しており、人気の定番から新作まで豊富な品揃えとなっています。

直営店の「モレスキン 横浜 (MOLESKINE Yokohama)」の外観
国内初の直営店「モレスキン 横浜 (MOLESKINE Yokohama)」

──セーフィーのAIカメラ「Safie One(セーフィー ワン)」と、入店者数カウントなどを行うオプション機能「AI-App 人数カウント」をご利用いただいています。導入の背景をお聞かせください。

廣部さん:店舗の集客や購買率などを把握するために、入店者数のデータが取れるデジタルツールを導入したいと考えていました。また、海外にあるモレスキンの直営店はいずれもデジタルツールで入店者数をカウントしており、日本の直営店でも導入するよう、イタリアの本部から指示があったことも背景の1つです。ですが、海外の直営店が使用しているものはイギリス製で日本国内でのサポートがなかったため、日本は独自にデジタルツールを探すことになりました。その結果、導入させていただいたのがSafieです。

──入店者数カウントを行うにあたり、Safieを選んでくださった理由をお教えください。

廣部さん:主な決め手はデザインとコストです。リサーチして複数社からお話を伺いましたが、入店者数カウントを行うツールはセンサー式が多く、設置する機器が大きくて悪目立ちしそうな印象を持ちました。その点、Safieはコンパクトで目立たず、店舗のブランドイメージを損なわないデザインです。機能もセンサー式より豊富ですし、ほかのツールに比べて安価、総合的に判断し導入を決めました。

「モレスキン 横浜」に設置された2台の「Safie One」
「Safie One」のブランドイメージを損なわないデザインを評価

店前交通量や入店者数をAIカメラで自動集計。
売場や施策の最適化、POSとは異なる属性分析に役立つ

──店舗では、Safieをどのようにご利用いただいていますか?

廣部さん:店舗に2台の「Safie One」を設置し、オプションの「AI-App 人数カウント」も導入して、「通過人数カウント」「立ち入りカウント」「立ち入り検知」の3つのAI機能を使っています。

入店者数や店前交通量を計測する「通過人数カウント」のSafie Viewerの設定画面
入店者数や店前交通量を計測する「通過人数カウント」の設定画面

──「AI-App 人数カウント」のAI機能を、どのようにお使いいただいているのでしょうか?

廣部さん:「通過人数カウント」機能では店舗入口と店前通路にカウント用のラインを設定し、入店者数と、店前交通量を自動集計しています。ただ、これだけですと、駅へのショートカットのために店内を通過しただけの方も入店カウントされてしまいます。そのため、「立ち入りカウント」機能を使って店内のメインエリアに一定時間滞在した人数もカウントし、入店者数データをチューニングしています。

設定したエリアに人が立ち入ったことを検知し、スマホなどに通知してくれる「立ち入り検知」機能は、販売注力商品の売場前で使っています。この機能は人が立ち入ったシーンをサムネイルで確認できるので、商品に興味を持ち、立ち止まってくださったお客様の属性モニタリングに活用できると考えました。POSにデータが残らない購買前でも年齢層、性別、立ち入り時間などを把握できるほか、最初に手にとってくださる商品もわかり、大変参考になります。

「立ち入り検知」機能で、立ち入ったシーンをサムネイル表示している画面
「立ち入り検知」機能を使って、立ち入ったシーンをサムネイルで確認している様子

──AI機能で得たデータの活用事例をお聞かせください。 

廣部さん:Safieで得たデータは、これまでに「売場のレイアウト変更」「販促施策の追加」「イベント日程の設定」などに生かしています。

まず売場のレイアウトですが、横浜の店舗は出入口が2か所あるので、メインとなる出入口からの流入を想定して売場を計画していました。しかしSafieでデータを取ってみると、2つの出入口を利用するお客様の数は大差ないことが判明したのです。そこで売場のレイアウトを再編し、商品体験スペースの場所も変えたところ、体験してくださるお客様が1.5倍ほどに増えました。

販売注力商品の売場についても、興味深いことがわかりました。立ち止まるお客様の入店経路が、2つの出入口のうち1つに偏っていたのです。そこでもう一方の出入口からも該当商品の売場が見えやすいレイアウトに変更したところ、商品前で立ち止まるお客様が増えました。さらに、立ち止まって見てくださっても購買に至るケースが多くないこともわかり、販促施策の追加を決定しました。

ほか、店前交通量のデータはイベント日程の参考にしています。通行人数が多い曜日や時間帯が細かくわかるので、より集客効果の高いスケジュールを組めるようになりました。

情報量の多さは映像ならではのメリット。
AI×映像で施策効果を見える化し、高速PDCAを実現

──入店者数カウントを第一目的として導入いただきましたが、映像も見られることのメリットはありましたでしょうか?

廣部さん:はい。実をいうと、当初は「カメラは念のための防犯対策」と捉えていて、大きな期待はしていませんでした。ところがカメラ映像から得られる情報は想像以上に多く、驚きました。購買前のお客様の属性分析を行えることなどは、映像が大いに役立つ好例です。店舗スタッフの動きもわかるので、接客や販促の向上にもつながっています。

設置したカメラの目線から店内を見渡しているようなイメージ画像
死角が生まれないよう、店舗内に2台のカメラを設置

──今後のSafieの活用に関する計画をお聞かせください。

廣部さん:他部門とも連携し、オフラインにおけるキャンペーンの効果測定を実施したいと考えています。「立ち入り検知」機能の用途も拡げ、VMDを変えたときの滞在時間の変化なども分析したいです。また、販売注力商品が売れた時間の映像をクリップし、お手本になる接客ムービーとして教育に使うことも考えています。Safieがあると多くの情報を得られて販促を最適化できますし、施策の効果も可視化され、PDCAの回し方が格段に速くなります。このメリットをさまざまなシーンで生かし、可能な施策は卸でも展開したいですね。

9月には神戸でも直営店をオープンしており、今後も増えていく予定です。Safieは音声も聞こえますから、店舗が増え、遠隔コミュニケーションが必要になったときにも心強い存在です。Safieの映像やデータで好事例を共有してより良いお店をつくり、日常を豊かにするプロダクトを多くの方にご利用いただきたいと思っています。

モレスキンジャパンのオフィスにあるショールームの展示品と廣部さん

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。

お話を伺った方

モレスキンジャパン キーアカウントエグゼクティブの廣部 直子さん

モレスキンジャパン株式会社
キーアカウントエグゼクティブ
廣部 直子さん