
介護施設の見守りにSafieを活用
訪室の要否判断、サービス品質向上に寄与

石川県羽咋市で介護老人保健施設を運営する「医療法人社団佳樹会」は、ICT活用推進の一環としてSafieを導入。施設内での事故防止や職員の負担軽減に活用しています。
(取材:2025年9月)
導入の決め手
- 1台で複数人の見守りができて効率的
- コストバランスが良い
- 通信環境があればどこにでも設置できる
- 操作が簡単
導入目的
- 遠隔で居室の状況を見守りと訪室の要否判断
- 事故原因の分析
- コミュニケーションの事実確認
導入した結果
- 映像による状況把握で訪室回数が減り、職員の移動負担が軽減
- 事故リスクを早期に発見し、未然に防げる
- 事故の経緯がわかり、事実に基づく的確な対策を打てる
- 利用者と認識の違いが生じた際、事実に基づいて対応できる
INDEX
石川県羽咋市の「医療法人社団佳樹会」は運営する介護老人保健施設「白鳥苑」にSafie(セーフィー)を導入し、施設内での事故防止や職員の負担軽減に役立てています。
導入の経緯やSafieを選んだ理由、活用効果などについて、同施設のICT推進委員長を務める山口 智也さん、ICT推進委員である介護職員の越前 仁博さんにお話を伺いました。
介護人材が不足する中、ICT活用による負担軽減は不可欠
生み出した時間で介護の質を高めたい
──はじめに、「医療法人社団佳樹会」についてお教えいただけますでしょうか。

山口さん:私たちは石川県羽咋市で唯一の介護老人保健施設である「白鳥苑」および隣接のクリニックを運営する医療法人です。介護老人保健施設、いわゆる「老健」は、要介護の高齢者の自立支援と在宅復帰を目指す施設です。退院後すぐにご自宅に帰るのが難しい方々が入所するケースが多く、「白鳥苑」では100床を備えて医療的ケアやリハビリテーション等のサポートを実施しています。また、日帰りで機能訓練などを提供する通所リハビリテーションも行っています。
──屋内向けカメラ「Safie One(セーフィー ワン)」をご利用いただいています。導入の背景をお聞かせください。
山口さん:慢性的な人材不足を背景に、今、介護業界では職員の業務負担を軽減するICT活用が進んでいます。テクノロジーの力を借りて働きやすい環境をつくると同時に、「人」でなければできないケアに注力して介護の質を向上させることが目的で、当施設でもさまざまなICT機器を検討・導入してきました。
越前さん:その1つが、利用者様の眠りの状態を可視化する睡眠計測センサーです。このセンサーは動きの検知や心拍数の計測などができるため、事故防止や健康管理に大変有効なツールです。しかし1床に1台必要なので、台数を増やすと多大なコストがかかるというハードルがありました。また、動きを検知して通知が来ても、何が起きているのか詳細がわからないという使いにくさもありました。結局、様子を見るために訪室が必要で、職員の負担軽減に直結しないことも多かったのです。

山口さん:その点カメラは、4人居室でしたら1台で4床の様子を目視でき、睡眠計測センサーよりも効率の良いコストで見守りを行えます。センサーの通知が来たときもライブ映像で状況がわかり、訪室の要否を適切に判断できると考えました。
ほか、カメラは転倒などの事故原因の確認・分析や、利用者様と職員のコミュニケーションで行き違いがあったときの事実確認、サービス品質のマネジメントなどにも活用できます。こうした多方面への効果にも期待を寄せ、導入を決めました。
──クラウドカメラの中で、なぜSafieをお選びくださったのでしょうか?
山口さん:無線LANがあればどこにでも取り付けられる設置の簡単さや、AIによる人検知などの先進機能に惹かれましたし、石川県の介護テクノロジー定着支援事業費補助金の対象(※1)でもあったので、コスト面も後押しになりました。他社製品も考えましたが、Safieは検討した中で使い勝手も一番良かったです。中でも、1台で4床を写せる画角の広さ、プライバシーマスク設定があって利用者様のプライバシーを守れることは介護の現場のニーズに非常に合致しており、導入の大きな決め手になりました。
※1 「Safie One」が、公益財団法人 テクノエイド協会が提供する「福祉用具情報システム(TAIS)」に登録され、「介護テクノロジー機器」マークを付与されました

ライブ映像で様子がわかり、訪室回数が減少
見守り強化で事故防止、原因分析の精度もアップ
──導入に当たり、何かハードルはありましたでしょうか?
山口さん:「見られているようで気になる」と懸念する職員もいましたので、利用者様をお守りすると共に、職員の負担軽減、働きやすい環境づくりのためのカメラであることを丁寧に伝えました。また、利用者様やそのご家族様にも目的をしっかりと説明し、ご理解いただいた上で同意書を交わしています。実際に活用がスタートしてからは利便性を実感してもらえることが増え、現在は職員の間でもカメラ活用が浸透しつつあります。他方、カメラのハード面については全く問題なかったです。設置も操作も簡単なシンプル設計で、スムーズに始められました。
──現在、カメラはどのようにご活用いただいているのでしょうか?
越前さん:現在設置しているカメラは9台です。設置しているのはいずれも認知症の為、手厚い見守りが必要な利用者様の居室で、4人居室につき1台を設置しています。
映像は管理者や現場の職員が手元のスマートフォンなどで見られますし、職員が待機するナースステーションの大画面モニターにも常時映し出しています。

──映像をご覧になるのはどんなときですか?
越前さん:注意深い見守りが必要な利用者様が対象ですので、現場の職員は随時映像を見ています。また、そうした利用者様は睡眠計測センサー、センサーマットなどのセンサー類も利用しています。ナースステーションの大画面モニターには睡眠計測センサーの管理画面とSafieの映像を同時に映し出しています。そしてセンサーの通知が来たら映像で何が起きているかを確認し、対応を判断します。このほか、事故発生時に原因分析を行う、管理者が定期的に業務を振り返ってマネジメントの参考にする、といった使い方もしています。
──Safieを導入いただき、感じていらっしゃるメリットをお聞かせください。
越前さん:センサーの通知が来た際、ライブ映像を見て訪室の必要性を判断できることは大きなメリットです。おかげで「行ってみたけれど問題なかった」という不要な訪室が減りました。100床規模ですと館内は広いですから、移動負担の軽減効果は大きいと捉えています。

見守りが強化され、介助が必要なタイミングをリアルタイムで把握できるのもメリットの1つで、このことは事故防止にもつながっています。例えば、体調が不安定な利用者様が自ら動こうとするのはリスキーなのですが、今は離れた場所にいてもカメラで発見し、事故を未然に防げるケースが増えています。事故が発生してしまったときも映像で経緯を確認でき、これまでのような仮説に基づく対策ではなく、事実に基づいた再発防止策を打てるようになりました。
山口さん:利用者様とのコミュニケーションの記録が残り、行き違いがあったときに「言った・言わない」の水掛け論を回避できるようになったことも心強いです。サービス品質に対する職員の意識も、いちだんと高まっているように感じます。

今後はカメラ台数を増やして見守り強化
職員の働きやすさと、利用者の安全・安心の両立を目指す
──今後の映像活用について展望をお聞かせください。
越前さん:介護用のICT機器は実に細やかで精度の高いものが揃っています。Safieもモーション検知などは非常に精度が高いですが、より進化して介護仕様になれば映像もセンサー類もSafieに一本化でき、業務効率化に拍車がかかるのではないかと期待しています。

山口さん:当面はカメラの台数を増やして居室内の見守りや事故防止を強化したいです。共用部にもカメラを設置すれば、廊下での転倒や認知症の方のひとり歩きの対策に生かせると考えています。今後もほかのICT機器と併用しながら職員が働きやすい環境を整えつつ、利用者様の安全・安心をしっかりと守っていきたいと考えています。
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