クラウドカメラで夜間の資材盗難現場をリアルに撮影。
防犯・監視だけでなく採用や育成にも映像活用を

株式会社今西組は創業120年目の総合建築業、いわゆるゼネコン会社です。

銀行、老人ホームなど不特定多数の方が利用される、
地域に必要とされる施設を多く設計・施工されています。

しっかりとした実績と歴史を持ち、官公庁の仕事も多数請け負っています。

導入の決め手

  • 3ヶ月ほどの試用期間で新しい活用方法が見つかった。
  • 建築業界でどうすれば役に立てるか一緒に考える姿勢が嬉しかった。

導入目的

  • 現場での防犯(盗難防止)
  • 人手不足に伴う現場の生産性管理

導入した結果

  • 盗難犯罪時の犯人と車両が写っている映像を警察に提出することができた
  • 就職説明会でタイムラプス映像の活用や実際の現場とのコニュニケーションをLIVEでとることで会社や建築業界に興味を持ってもらえるなど新たな効果があった
  • 工事初日からの映像をムービークリップ機能で教材として研修に利用できた

銀行などデリケートな分野施工も実績多数の「今西組」

セーフィーのボックスカメラ(写真右)と、今西組の現場

今西組は大阪に本社、東京に支店を構えており、現在社員は70名。

施工可能エリアは近畿全般、関東は都心部・埼玉・千葉・神奈川近辺までとなり、常に動いている新築工事は10現場弱ほどあります。

大きな工事から小さな工事まで、細かい改修工事を合わせると年間400件もの数を手がけるとのこと。

建築会社の中でも長い歴史があるということで官公庁の仕事が約5割と半数を占めており、その品質と実績から銀行の金庫室など図面を開示できない現場の担当をすることも多くあるそうです。

「1現場1犯罪」施錠できない建築現場ならではの問題に向き合う

今年4月に起こった盗難事件の際に警察に提出した、セーフィー対応のクラウドカメラで撮影した証拠映像のキャプチャ

「盗難防止」と「監視」の目的で導入したセーフィー対応カメラを、実際の建築現場ではどのように使っているのでしょうか。

大きな現場で特に多いのが盗難犯罪で、最近起こった盗難被害は約150万円の電線。レッカーを使うなどプロの犯行になると500〜600万円の被害になることもあるそうです。

今西専務:今まではダミーカメラなどで啓蒙してしてたんですけど、すぐにバレますよね。

先月実際に盗難事件が起きたんですけど、セーフィー対応カメラにうろうろしている3人組がばっちりカメラに映っていて警察に証拠映像として提出しました。

犯人の背丈などで十分に証拠になりますし、車もナンバープレートまでは分からなくても車種は明らかに特定出来ました。

カメラは可能性を感じる「おもちゃ」のような感覚

出張や移動中もiPadで映像確認しているとのこと

今西専務:現場をどこでもライブで観れることで、防犯だけでなく施工の生産性を上げる可能性を感じています。

毎日どういう使い方をしようかと楽しみに考えています。

現場では見られる・監視される状況に慣れておらず落ち着かないようなので、映像を確認することが出来るメンバーを現場関係者に限定しました。

監視が現場の権限や裁量性を下げるといった副作用を生むと意味がないので、カメラを生かして生産性を上げる方法を現場スタッフに考えてもらっています。

自ら発見することでカメラがある環境にワクワクしてもらおうと考えています。

撮影映像で「現場の魅力をありのまま」好評だった会社説明会

実際にセーフィー対応カメラで現場とライブ中継。学生と現場を映像と音声で繋ぎ、より現場感が伝わる会社説明会に。

今西専務:建築業界は人手不足に困っています。

昨年ある建築専門学校の会社説明会で、現場の工事過程をセーフィーのタイムラプス機能を使って早送りで映像を見てもらいました。

そこで思いがけなかったのですが、学生もですが、教授全員がブースにきてくれて、リアルな映像教材として関心を持って頂けました。学生にはレゴとか模型のような感じで実際の現場をイメージしてもらうことで業界に興味を持ってもらえたのではないかと思います。

さらにその場でLIVE映像を利用し、現場スタッフに学生が質問できる環境をつくってみたのですが、音声も取得できるカメラを使っていたため、建築現場ならではのノイズの中での試みは「リアルが分かって良かった」と感想を頂きました。

建築現場の雰囲気を理解してもらえたのは、大きな成果の1つと考えています。

1現場に1台設置、セーフィーを使い続ける理由

今西専務:国交省の制度で「i-Construction(アイコンストラクション)推進コンソーシアム」という制度があります。

ICTの全面的な活用などの施策を建築現場に導入することで、会社の総合評価が上がり入札が取れやすくなったりするのですが、将来的にセーフィー対応カメラをNETIS登録することによって加点されるんです。

政府推奨の流れの中で現場管理がしっかりしている会社として、受注環境にはプラスです。

以前に話題になった杭打ちデータ偽装問題耐震偽装問題などがあることから、国交省では発注元にも監視を促しているようですね。

実際に今西組の現場に設置されているセーフィー対応カメラ

建築業界全体のリーディングカンパニーへ

今西専務:建築業界ではICTやIoTの活用が遅れているように思えます。

カメラ=監視で終わると勿体ないですし、セーフィー対応カメラだけでなくインターネットを駆使したもので、仕事時間の短縮を目指す環境が出てくると業界も変化していくはず。

過去の事例と比較することはとても大事ですが、その考え方だけでは、未来と向き合いにくい。業界全体が経験型で今まで仕事をしてきているので、リーディングカンパニーがない。

人材不足など必ずやってくる未来に向き合って突破していく一人になりたいです。業界が常に時代に合うように進めないといけない、それが使命だと感じています。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2017年5月公開当時のものです。

お話を伺った方

株式会社今西組 専務取締役 今西良介さん