無人店舗運営におけるクラウドカメラ活用術
防犯だけでなく、遠隔接客や顧客層の把握も

「広島レンタカー株式会社」では、24時間365日車の貸出・返却が可能な無人店舗を、広島県内に12ヵ所展開。無人店舗の運営にセーフィーのクラウド録画カメラ「QBiC CLOUD CC-2L」「AXIS M2025-LE」をご利用いただいています。導入に至った背景や活用法などについてお話を伺いました。

(取材:2022年8月)

導入の決め手

  • クラウドで映像データが保存できること
  • 初期費用が安価で済んだこと
  • 場所やデバイスに縛りがなく映像を確認できること

導入目的

  • 無人店舗の防犯の用途で屋内外に設置
  • 何かあったときに証拠として提出するため

導入した結果

  • 従業員が誰でも視聴できるので、臨機応変に対応ができる
  • 困っているお客様がいたら遠隔サポートができる
  • 車が間違った場所に駐車された際、すぐに対応ができる

24時間365日、いつでも利用可能な無人レンタカーサービスを展開する「広島レンタカー株式会社」。広島県内の主要駅周辺などで12ヵ所、無人店舗(一部有人店舗併設)を運営しています。

10年ほど前から一般向けのレンタカー事業を開始した同社では、お客様の利便性を高めるため、24時間受付・利用が可能な無人店舗をスタートしました。無人店舗を立ち上げるにあたっては、防犯の目的でSafieカメラを導入。利用する中で、カメラの用途が広がってきたといいます。

無人店舗の立ち上げの過程やSafieカメラがどう活用されているか、専務取締役 下岡さんと観音営業所副店長 山下さんにお話を伺いました。

24時間365日利用可能な無人レンタカーを展開
遠隔でも確認できる防犯カメラが必要だった

──はじめに、御社の事業内容について教えてください。

下岡さん: 当社はネッツトヨタ広島を母体としたグループ会社の1つで、10年前にレンタカー事業から始まり、カーリース事業、新車・中古車販売を行っています。レンタカー事業では、現在広島県内に12店舗を展開しており、すべての店舗で24時間の無人での貸出が可能です。

レンタカー事業立ち上げ当初は、有人店舗のみでビジネスの代車需要に力を入れると同時に、一般客にも貸出をしていました。ただ本来は、一般客は県をまたいだレジャー客をターゲットにするものですが、我々は後発だったため知名度もなく、県外客の市場が取りにくい状況にあったんです。

そうした中、世の中には会員になれば、24時間どこでも15分単位の短時間からで安く借りることができるカーシェアの流れがきました。近隣のスーパーなどへ重いものを買いにいくのに徒歩や自転車だとつらいというような、1〜3時間以内の利用の需要が確かにあったんです。そうした中で、オーナーからカーシェア事業ができないかと打診がありました。

ただ、カーシェアするとなるとランニングコストが高くなるので、今までの有人店舗では採算が合わないと思いました。だから、それに変わるものを考え、レンタカーの貸出/返却を無人で24時間対応する今のスタイルができました。

──無人店舗の運用を開始するのに必要なシステムやツールはどういったものがありましたでしょうか?

山下さん: 有人店舗における人の代替として、自動販売機のような機械でカーシェアの受付対応ができるシステムやWebの予約システムを導入しました。

他に、防犯の用途でカメラを設置しました。稀にレンタカーが犯罪に利用されることがあるため、無人店舗を運用するうえでは安全策として必要だったんです。なにかあった時、警察に映像を提供することも考慮して、2週間分の録画機能が備わっている防犯カメラを、各店舗の室内と屋外に2〜3個つけて、敷地内の出入りを全部録画することにしました。

データをクラウドで保存できることが第一条件。初期費用の安さが決め手に

──Safieカメラを導入されたきっかけはどのようなことでしたか?

山下さん: 無人店舗を始めた当初は、当時の上司がインターネットで海外のサーバーにつながるカメラを買ってきて使っていました。それが場所によって、サーバーにアクセスできないことがわかり、新店舗立ち上げのときに新しいカメラを探し始めました。店舗は完全に無人になるので、クラウド上にデータを保存できるものが第一条件でしたね。そこで、セーフィーさんに出会ったんです。

当時使っていた防犯カメラと比較すると、初期費用が安いのと、クラウドの利用料も想定内でした。カメラには室内用と屋外用の両方があって、特に室内用のカメラにはマイクがついていて、音が拾えるのも魅力でしたね。その点で、以前使っていたカメラよりは断然Safieカメラがいいなと思いました。

ネットワークだけあれば利用できることも決め手でしたね。カメラを取り付ける工事自体は無人店舗を設置する際にできるので、LANだけ準備しておくようにお願いして、カメラをつなぐだけで簡単に設置できました。

カメラの映像で現場の状況を確認、遠隔でも迅速な顧客サポートが可能に

──Safieカメラをどのように活用していますか?

山下さん: 無人店舗では、24時間車を借りることができます。基本的に予約優先ですが、車が空いていれば予約がなくても、夜中に来て借りることができます。こうした夜中に利用して朝返却されるケースの場合、なんらかのトラブルがあって警察から問い合わせが来ることも少なくありません。

お客様は免許証とクレジットカードを使って本人確認をするので、ある程度与信は取れていますが、そこに防犯カメラの映像が加わることで様子を知ることができます。警察からも映像データがほしいと言われ、提出することはありますね。

──カメラの映像はどのようなタイミングで確認しているのでしょうか。

山下さん: カメラ自体は常に見ていますね。たとえば、予約の時間に車が出発していなければ、まずお客様が店舗に来ているかどうかを映像で確認します。店舗に来ているのであれば、カメラの映像と音声でなぜ出発していないのかがわかるので、こちらからお客様に電話してサポートします。

ビューアーを見るときは、予約の1つ1つを追いかけているわけではなく、予約システムから通知が来たものを確認します。たとえば、予約時間から3時間以上出発していなかったら、「出発していないので確認してください」と通知が来る設定にしています。

屋外に設置したカメラでは、正しい駐車スペースに返却されているかを確認しています。

万が一弊社で借りているスペース以外に駐車されている場合は、すぐに現地に行って車を駐車し直します。カメラがなければ、返却時に間違った場所に止めていてもすぐに確認することができません。防犯だけでなく、こうした使い方ができる点でも助かっています。

Safieカメラだと、どの端末からでもブラウザやアプリで自由に映像を見られるのも利点です。以前のカメラは決まったモニターでなければ映像が見られなかったので、閲覧権限を与えているスタッフであれば誰でも見られるようになったのはメリットでした。

ユーザー層の把握など、防犯以外にも用途が広がる

──実際に活用してみて、防犯用途だけでなく新たな活用方法が広がっていますね。

山下さん: こうした活用方法は、当初は想定していませんでした。朝来たらまずビューアーを立ち上げて、常に各店舗の映像が見られる状態にしています。始めは営業時間内の出発予定時間前後を中心に確認しているだけでしたが、そこでお客様が困っていたときに自然と電話してサポートするようになったんです。

下岡さん: ほかにも、映像があるとユーザー層がわかりますよね。男性、女性、年齢層、あるいは運転初心者など。予約時にもある程度情報はありますが、そこまでデータは見ていません。ですが、映像ならパッとみて感覚的にわかります。そうした活用の仕方もできています。

──Safieカメラへの期待や要望があれば教えてください。

山下さん: ビューアーはリアルタイムで更新されますし、大変使いやすいです。あとは、リアルタイムで音声のやり取りができるレベルになるといいですね。電話をせずとも、カメラのマイクを通して現地にいる従業員とやり取りができると助かります。お客様サポートもマイクとスピーカーを通してできるといいですね。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2022年12月公開当時のものです。

お話を伺った方

広島レンタカー株式会社
専務取締役 下岡俊治さん
観音営業所副店長 山下廣基さん