ドクターヘリ・ドクターカーの現場映像をSafieで共有
プレホスピタルとの連携強化、医療人材の教育に効果

兵庫県南西部で唯一の救命救急センターを有する「兵庫県立はりま姫路総合医療センター」。先進的な医療を実践しDXも推進している同院では、プレホスピタルの現場にSafieを導入。医療の質の向上や若手教育の強化を図っています。

(取材:2026年3月)

導入の決め手

  • ドクターヘリで使いやすいウェアラブルタイプ
  • 映像がクラウド伝送&自動削除され、個人情報の取り扱いリスクが低い
  • ライブ映像だけでなく、過去映像も手軽に視聴可能
  • 他社に比べてコストが安価

導入目的

  • プレホスピタルと受け入れ側の正確・迅速な情報共有
  • 医療安全・質のベースアップ
  • 医療人材の教育ツールへの映像活用

導入した結果

  • 事前情報が厚くなり、受け入れ準備の精度・スピードが向上
  • 共通認識を持つことで、チーム全体の連携が強化される
  • 振り返り視聴により、プレホスピタルの要所を効率的に確認できる
  • ベテランの動きを実際の映像で学べて若手教育が充実
  • 1対nの効率的な教育ができる

2022年に開院した「はりま姫路総合医療センター」は、兵庫県南西部に広がる播磨姫路医療圏(人口約80万人)で高度急性期医療や三次救急を担う基幹病院です。

診療では循環器、脳血管疾患、外傷などの幅広い領域で最先端の技術を取り入れ、ハイブリッドERやE-ICU、高機能の放射線治療装置や手術支援ロボットといった先進的な施設・設備も完備。医療人材の育成にも力をそそぎ、多様な症例に触れながら実践力を磨ける環境を整えています。

また、救命救急ではドクターヘリやドクターカーも運用しており、プレホスピタル(病院前診療)の現場でSafie(セーフィー)を活用中。導入の背景や効果について、救命救急センター副センター長の水田 宜良さん、救命救急センター初療・アンギオ室看護師の松本 梨沙さんに伺いました。

三次救急を担う基幹病院としてプレホスピタル医療を実施
Safieで受け入れ側との連携強化を図る

──はじめに、お2人が所属されている救命救急センターについてお教えください。

救命救急センター 副センター長 フライトドクターの水田 宜良さん

水田さん:当院の救命救急センターは「救急医療の最後の砦」といわれる三次救急に対応しており、最新鋭のハイブリッドERを有する救急初療室、24時間体制での診療・見守りを行うE-ICUや救急病棟といった施設・設備を整えています。スタッフも医師、看護師、コメディカル含めて100名以上の専従職員が配置され、24時間365日、多職種協働で地域の救急搬送を受け入れています。

──搬送前の初期診療を行うプレホスピタル医療にも力を入れていると伺いました。

水田さん:はい。担当エリアは山間部などアクセス至難な場所も多いため、兵庫県ドクターヘリ準基地病院としてドクターヘリを運用するほか、ドクターカーも用いています。広域搬送と早期の医療介入を実現し、集中治療までシームレスに行うことで重症患者さんの救命率向上を目指しています。

──ドクターヘリ、ドクターカーでウェアラブルクラウドカメラの「Safie Pocket2 Plus(セーフィー ポケット ツー プラス)」をご利用いただいています。導入にはどのような背景があったのでしょうか?

水田さん:主に2つの課題を映像で解決したいと考え、Safieを導入しました。まず1つ目は、プレホスピタルの現場と受け入れ側の情報共有です。導入前は電話中心だったので機微な部分が伝わりにくく、準備の質に影響してしまうことがありました。また、口頭での伝達は要点を絞っても3~4分かかってしまい、さらなる効率化の必要性を感じていました。

ドクターヘリやドクターカーによるプレホスピタル医療に注力している

2つ目は人材育成をめぐる課題感です。当院は、救急医療・高度医療の中核を担う医療人材の育成に力を入れていますが、現状、当院のドクターヘリ・ドクターカーの出動件数は合計で月間10~20件です。開院以来、着実に出動実績を積んでいるものの、若手が現場を経験する機会が多いとは言えず、育成のハードルを感じていました。

──カメラの中でSafieを選んでくださった理由をお聞かせください。

水田さん:プレホスピタルの場合、診療する場所は救急車内・ドクターヘリ機内、そして事故現場など多様で、それにあわせてスタッフが移動をしますので、ウェアラブルタイプであることは大切な要件でした。加えて、Safieは視聴の柔軟性が高くライブ映像も過去映像も手軽に見返せること、比較的導入しやすい価格帯だったことがアドバンテージになりました。

救命救急センター 初療・アンギオ室看護師 フライトナースの松本 梨沙さん

このほか、大事なポイントだったのが患者さんの個人情報保護の観点です。Safieは映像がクラウド伝送されて物理的な記録媒体に残らないので、個人情報の取り扱いに配慮した運用が可能です。クラウド保存された映像が契約日数に応じて自動削除される仕様も安心でき、導入を決めました。

医師が撮影する現場映像で、症状から切迫感まで共有
リアルな記録は若手教育にも有効

──現在、Safieはどのようにお使いいただいていますか?

水田さん:Safieはドクターヘリ、ドクターカーの出動時に持ち出す物品一式の中に入れてあり、患者さんのプライバシーに十分配慮した運用体制のもと、原則として医師がクリップで衣類に装着してプレホスピタル医療の様子を撮影します。一方、受け入れ側の救命救急センターでは、撮影されているライブ映像をモニターやタブレットに映し出し、医師や看護師などの関係者が視聴して受け入れ準備を進めます

映像と音声で搬送する患者さんの状況をタイムリーに共有(再現イメージ写真)

──クラウド保存された映像を見返すこともあるのでしょうか?

松本さん:はい。ほかの患者さんの処置に当たっているとリアルタイムで映像を見られないスタッフもいます。そういう場合は映像を振り返り視聴して、患者さんの顔色や症状、外傷の程度などを確認しています。

水田さん:振り返りだと自分のタイミングで視聴できますし、診療面で要所となるシーンを優先的に見返せて非常にいいです。一刻を争う中でスピーディーに状況を把握でき、早期に適切な治療を行えます。

──プレホスピタルの情報共有以外でもSafieをご利用いただくことはありますか?

水田さん:導入時の想定通り、教育ツールとしても使っています。現場の様子や先輩医師の立ち回りを実際の映像で見られることは、若手にとって有意義だと感じています

松本さん:看護師も同様です。映像を見ながらレクチャーすると言葉や静止画では伝わりにくい症状や所作がとてもわかりやすくなります。

院内でも映像の価値を共有しプレホスピタルへの取り組みを強化

──カメラの使い勝手はいかがでしょうか?

水田さん:電源を入れると撮影がスタートするシンプル設計は手間がかからず、救急の現場で重宝します。あとは、権限設定の機能もいいですね。当院の場合、クラウド保存された映像のダウンロード権限は最小限の管理者に限定し、患者さんのプライバシー保護を担保しています。

Safieは医療安全・質のベースアップの確かな一助に
超広角カメラも活用し、後進育成・スキル標準化に拍車をかける

──Safieの導入効果をお聞かせください。

水田さん:Safieを活用することで、「事前の情報量が増える」「情報の正確性や伝達速度が上がる」といったメリットがありました。プレホスピタルを起点とした準備のスピード化・治療の最適化につながり、医療安全や医療の質をベースアップさせる一助となっています

映像と音声による迅速かつ正確な情報で治療の質の向上を図る

松本さん:私も、院内治療に入るまでの時間を短縮できている実感があります。スピーディーに共通認識を持てるのでチームとしての連携が強化されるのだと思います。ほか、「臨場感が伝わりスイッチが入る」「事前情報を得ることで経験の浅い人材も平常心で対応できる」といった効果も感じます。

水田さん:ベースアップという点では、手軽に振り返り視聴できることが想像以上に良かったです。「どのように痙攣していたか」などの初期症状を正確に確認でき、診療に欲しい情報の解像度が上がります。

あとは、教育面の効果ですね。現場の映像を見ることが経験の共有として機能し、若手はもちろん組織全体の成長に寄与します。一度に複数の若手にレクチャーできることも映像の利点で、知識・スキルの標準化が促進され、教える側の業務効率も上がります。

──映像活用に関する今後の展望をお聞かせください。

水田さん:ウェアラブルで超広角撮影が可能な「Safie Pocket2 Wide」の試験運用がスタートしたので、現場を俯瞰できることの良さをプレホスピタルとの連携に活かしたいです。

また、人材育成での映像活用も拡げたいですね。私たちの医療圏は都市部に比べて人材が不足傾向にあるため、若手のスキルを磨く教育はいっそう力を入れていく方針です。今後も高度な医療を安定的に提供していけるよう、後進の育成に尽力したいと思います。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は取材当時のものです。
※カメラを通じて取得する映像は管理者および、映像閲覧が必要な担当者のみで閲覧しています。法令に基づく場合を除き、第三者提供は致しません。また、映像の活用は事前に特定した利用目的に必要な範囲で行い、個人を追跡することは行いません。

お話を伺った方

兵庫県立はりま姫路総合医療センター
救命救急センター 副センター長 フライトドクター
水田 宜良さん


救命救急センター 初療・アンギオ室看護師 フライトナース
松本 梨沙さん