ウェアラブルカメラで、難所や1人の作業でも
複数人で確認・検討が可能に。保守維持管理の効率が劇的に向上

鉄道事業から不動産事業、阪神甲子園球場の運営をはじめとするスポーツ・レジャー事業など幅広く展開する「阪神電気鉄道株式会社」。鉄道事業の電気に関する保守維持管理においてSafieのカメラをご利用いただいています。導入の目的や活用法についてお話を伺いました。

(取材:2025年3月)

導入の決め手

  • ハンズフリーで使用可能
  • 即時に映像を共有し、通話もできる
  • 他の機器が必要なく、1台で撮影、通信ができる

導入目的

  • 災害や事故時における正確・迅速な対応
  • 高所や閉所での作業効率を向上
  • 部署間の情報連携と教育や資料の活用

導入した結果

  • 作業員が撮影、共有することで高所などでの確認作業が容易になった
  • 多人数でのダブルチェックが可能になった
  • 容量などを気にせず長時間の定点観測ができる
  • 部署間の情報連携が進んだ
  • 映像や画像を活用し、教育や訓練、社内発表に役立てられる
  • 作業のプロセスを記録し、正当性を主張できる

阪神電車と呼ばれ親しまれている「阪神電気鉄道株式会社」。鉄道やバスなどの交通のみならず、レジャー施設や暮らしのサービスなど、私たちの生活を快適・豊かにするさまざまな事業をグループで展開しています。

鉄道の電気設備に関わる都市交通事業本部 電気部では、災害や事故時の状況把握や、日常の保守維持管理のためSafie Pocket2 Plus(セーフィー ポケット ツー プラス)をご活用いただいています。

導入の目的や、導入後新たに発見された利便性などについて、技術課の中村さん、電力課の北野さんと大西さんにお話を伺いました。

災害などインシデント時の情報共有目的で導入 
平時の業務でも積極的に活用し、DXを推進

──御社ではSafie Pocket2 Plusを3台導入されています。まず、導入された部署はどのような業務を担っているのか教えてください。

都市交通事業本部 電気部 技術課 課長補佐 中村 梨緒さん

中村さん:鉄道やバスに関する事業を担当する都市交通事業本部の中でも、電車を動かす電力の供給や、安全運行のために信号や踏切などの制御をおこなうために必要な設備を設計・施工管理・保守を担当する電気部で取り入れました。現在は電力設備の保守を担う電力管理事務所と、信号設備や通信設備の保守を担う通信管理事務所で1台ずつ使用しています。加えて、災害や事故が起きた場合に備え追加で1台配備しています。

──ウェアラブルカメラの導入を検討されたのはなぜですか? 

中村さん:一番大きな理由は、大規模災害や事故時の情報伝達に活用するためです。 また、いざというときスムーズに使いこなせるようにしておくために、日常の保守点検業務で生かせないかと考えました。

というのも、それまでの保守維持管理業務は口頭報告が基本で、それも作業員から責任者へ、責任者から上司へ、と伝言ゲームのように1対1のコミュニケーションを繰り返さなくてはなりませんでした。この方法でトラブルがあったというわけではないのですが、一度で複数の人に情報共有したい、さらに映像で情報を伝達したいというニーズは感じており、何か便利なツールがあれば取り入れようと探していました。

──実際にSafieをご利用いただくことになった決め手をお聞かせください。 

中村さん:ハンズフリーで作業できるウェアラブルカメラであること、即時共有するための通信機能が備わっていることです。通話が必要になった際にすぐ開始できる点もとてもよいと思いました。また、Safie Pocket2 Plusは単体で撮影、記録、共有ができますし、操作が簡単ということもポイントでした。それまでにさまざまな手段も試していたのですが、ボタン一つで電源が入り、使用するための準備が手軽で気負うことなく撮影、通信できるSafie Pocket2 Plusが最良と感じ、導入しました。

──導入後、現在はどのように活用されているのでしょうか?

都市交通事業本部 電気部 電力課 電力管理事務所 所長 北野 純一さん

北野さん:幸い、自然災害などのインシデントは頻繁に起こるわけではありませんが、そのとき実際に使えないと意味がありません。そのため、当初から平時の作業にも積極的に取り入れたいと考えていました。

使用感がよいので活用法は日々広がっており、特に効果を感じているのは高所作業ですね。作業場所は高所だけでなく、1人しか入れないような狭所も多いため、両手を空けられることは絶対条件でした。電力管理事務所が担う作業時は、ネックストラップを使用し主に胸部で撮影しています。ポケットに入れるよりも、映像のブレが少なく便利です。

カメラを使い始めてからは、離れた場所でも作業の見守りや仕上がりの確認ができ、効率が上がりました。例えば、以前は地上から8~9mという高所での作業だと、確認のために作業終了後に責任者が高所に上がって直視する、カメラやスマートフォンで撮影し、デバイスを物理的に下にいる人たちに渡すなどの労力が必要だったんです。

首元にウェアラブルカメラを装着することで作業をしながら撮影が可能

中村さん:私たち管理側は本社事務所で働いていることが多いのですが、現場での判断が難しい場合などに現場から映像を共有してもらい、対応を皆で考えることもできるようになりました。以前はその作業の関係者のみで情報共有されていましたが、今では部署の垣根を越え多くの人が同時に映像を見られることで気づきも多くなり、問題解決に役立っています。

大西さん:作業中は映像共有と通話が同時にできることも便利ですね。あたかもその場に全員が揃っているのと同じように作業ができます。

中村さん:電車や線路内で事故や異常があると、素早く正確な状況を把握し、一刻も早く運行再開できるように対処することが求められますので、現場と本社がダイレクトにやり取りできることが役立っています。

都市交通事業本部 電気部 電力課 電力管理事務所 大西 博之さん

手軽で高画質だからこそ導入後にも広がる活用シーン 
保守点検業務だけでなく、訓練や教育にも

──平時の活用で高い効果を上げられているのですね。高所作業以外での活用シーンがありましたらお聞かせください。

大西さん:起きた異常の原因を探ったり、長期間の定点観測に使ったりしています。クラウドなので映像データの保存容量オーバーや電池切れの心配がないのが安心ですね。鉄道は観測する場所が多く、どうしても無人対応しなくてはならない場所が数多くあります。そのため夜通し記録しておいて、事務所で確認し、必要な部分を保存できる点が便利です。また、観測する場所が小さな箱の中という場合などもあるのですが、カメラを置けばOKという手軽さはありがたいです。暗い場所で問題なく撮影できる点も助かっていますね。

高所や狭所だけでなく、多数の観測地点もリアルタイムかつ遠隔から確認が可能に

北野さん:保守維持管理作業の教育や訓練にも活用しています。若い作業員に着けてもらえば、離れた場所で指導ができます。やはり気軽に撮れて、記録に残せるというのが大きいですね。

新任の係員が社用車の運転練習を行う際にも、運転手の後ろにカメラを設置して運転手の挙動を記録し振り返りに使用することがあります。実際は乗れる人数に限りがありますが、事務所でなら映像を皆で確認できますから。

中村さん:ほか、 ムービークリップ機能を使い、撮影した素材を報告書や社内での事例発表会といった場面でも活用しています。Safie Pocket2 Plusは時速100kmを超えるスピードでの撮影も問題なくできます。また、先ほどの暗所での撮影についてもそうですが、画質がよく、ムービークリップの解像度が高い点も魅力です。別にデジタルカメラなどを用意しなくても、とりあえず映像を押さえておけば、映像としてだけでなく、画像としても資料などに使えるので、利便性を実感して、ますます気軽に撮影するようになりました。

また、管理者の視点からですと、情報共有の際にアカウント毎に権限の設定を変えられることが便利ですね。共有の対象を必要なメンバーだけに絞ることで、議論も進みやすいと感じています。

撮影した映像を教育や資料など様々なシーンで活用

災害や事故時、最大限に活用するためにも平時の利用が大切 
他部署間の連携も促進し、効率化や省力化に繋げる

──これからのSafie Pocket2 Plusの活用法についてお教えください。

中村さん:大人数での情報共有が可能になりましたので、これからは他部署との連携なども進めていきたいと考えています。不具合は電気設備だけでなく、他の部署が担う設備と複合的にダメージを負っている場合も多くあります。情報を連携することで、他の部門の対応の迅速化に貢献できたという事例が少しずつ出てきました。

北野さん:これまでは駅間で起きたトラブルの情報を知ることが非常に難しかったのですが、ウェアラブルカメラの活用によって得られやすくなりました。今後もさまざまな業務に生かして活用シーンを増やし、安心で快適な交通を提供したいです。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。
※カメラを通じて取得する映像は管理者および、映像閲覧が必要な担当者のみで閲覧しています。法令に基づく場合を除き、第三者提供は致しません。また、映像の活用は事前に特定した利用目的に必要な範囲で行い、お客様個人を追跡することは行いません。

お話を伺った方

阪神電気鉄道株式会社
都市交通事業本部 電気部 技術課
課長補佐
中村 梨緒さん


阪神電気鉄道株式会社
都市交通事業本部 電気部 電力課 電力管理事務所
所長
北野 純一さん


阪神電気鉄道株式会社
都市交通事業本部 電気部 電力課 電力管理事務所
大西 博之さん