ウェアラブルクラウドカメラで地盤調査現場を遠隔臨場
安心・安全な社会インフラづくりや地域防災に貢献
土木事業や建築事業における調査・解析から、設計・施工・維持管理までをワンストップサービスで提供する「アサノ大成基礎エンジニアリング」。同社ではウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」をご活用いただいています。導入経緯や活用方法についてお話を伺いました。
(取材:2021年11月)
導入の決め手
- ウェアラブルカメラで、安全に現場撮影が可能
- 高画質な映像と通話機能、視聴の手軽さ
- 通信機能付き、バッテリー内蔵のオールインワン設計
導入目的
- 全社的なのDX施策の一環
- 遠隔臨場の実現による業務効率化・生産性向上
- 限られるベテラン社員のリソース活用の最適化
導入した結果
- ベテラン社員による現場訪問の回数が減った
- 移動時間が減ったことにより、業務の効率化につながった
- 遠隔から現場の品質管理や安全管理が可能になった
- 人材教育に録画映像・ライブ映像が活用できるようになった
INDEX
全国各地で発生する災害や、刻々と変化する社会環境に向き合いながら、地盤・地下水・建物に関する課題解決に取り組むアサノ大成基礎エンジニアリング。
同社では2020年秋にウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」を2台導入。その後も追加で導入いただき、現在は8台のSafie Pocket2をさまざまな現場でご活用いただいています。
今回は同社の中で最初にSafie Pocket2を導入いただいた、地盤技術事業部での活用方法を中心にお話を伺いました。
遠隔臨場に最適。小型軽量で通話もできるウェアラブルクラウドカメラでDXを推進
──まずは、御社の提供されているサービスについて教えてください。
立石さん:私たちは「社会インフラや地盤防災などのあらゆる課題を解決する総合エンジニアリング企業」として、土木分野では土壌や地下水の調査・解析を、建築分野では建物の調査・解析・施工・維持管理などをワンストップサービスで提供しています。
これまで培ってきた高度な専門技術と幅広い対応能力でお客さまの課題解決に貢献し、安心・安全で持続可能な社会の創造を目指しています。
──Safie Pocket2を導入いただいたきっかけは何だったのでしょうか?
新さん:国交省主導で建設業界のDX化が推進されているように、少子高齢化による働き手不足とそれに伴う遠隔臨場の実現、人件費の削減などは、時流もあり、当社でも考えなければいけない課題でした。
私が在籍するIT推進室で全社的な取り組みを企画・サポートしていく中で、地盤技術事業部から「遠隔臨場に適したツールが欲しい」という要望を受け、ネット検索でヒットしたのがSafie Pocket2でした。
Safie Pocket2は、電源や通信環境がない場所でも使え、リアルタイムで映像を共有したり通話もできる。現場業務にぴったりだと思い、すぐにセーフィーさんに問い合わせて貸出機を借り、地盤技術事業部で使い勝手を検証してもらったところ、「これはいい!」と2台導入しました。
その後、地盤技術事業部での活用方法を社内で共有したところ、他事業部からも「使ってみたい」との声が上がり、現在では計8台使用しています。
地盤の状態が確認できるほど高画質。現場の品質を落とさずに遠隔管理が可能に
──地盤技術事業部の業務内容を教えてください。
立石さん:当事業部では民間企業や行政より依頼を受け、地盤調査を行っています。道路などの公共インフラや建造物をつくる際は、事前に地盤の分布や強度、地下水の流れなどを調査することがとても重要です。土砂災害などの兆候を観測するなど、自然災害のリスク調査をすることもあります。
──地盤調査では、どのような場面でSafie Pocket2を活用しているのでしょう?
立石さん:地盤調査では孔を掘って土を採掘し、土質や地層の状態を調べるボーリング調査を実施することが多いのですが、調査時の現場の遠隔管理に活用しています。現場監督として現地に入る若手社員がSafie Pocket2を装着し、現地の様子を撮影。ベテラン社員が会社や自宅からPCで映像を確認し、通話機能を使って指示を出すという使い方です。現在は3台のSafie Pocket2を利用していて、ベテラン社員が気になる現場があれば若手社員にカメラを持っていってもらう、というフローが出来ています。
──Safie Pocket2を導入し、どのようなメリットを感じていらっしゃいますか?
立石さん:土質の調査では現地踏査である程度のアタリをつけられるのですが、それなりの経験値が必要です。そのため、これまでは若手とベテランが2~3人で現地に行っていました。しかし、私たちが在籍する本社のサービス提供エリアは関東全域と広範囲で、現場との往復の移動だけで半日ほどかかることも多く、遠隔臨場の仕組みを導入するのは至上命題でした。
そこで、IT推進室から紹介されたSafie Pocket2の貸出機を試すことになったのですが、正直いうと最初は「画質は期待できないだろう」と思っていました(笑)。
それが、いざ使い始めてみると映像の鮮明さにビックリ。
遠隔から映像を見るだけで土質のアタリがつけられるほど高画質。土質の目視判断だけでなく、若手社員に指示を出しながら気になるところを映してもらえば、現場の技術管理も出来ます。また、画角が広いので交通量の多い現場では安全面のチェックもでき、監督者側としても安心して遠隔業務が可能になりました。
Safie Pocket2があれば、現場に行くのは若手1名で十分。ベテラン社員は現場と繋ぐ時間だけ遠隔で待機していれば良くなり、現場に赴く人員の圧縮や移動コストの削減につながるなど、業務の効率化に役立っています。
操作も簡単、カメラひとつで映像を共有できるSafie Pocket2は土木現場に最適
──鏡さんは現在入社2年目と伺いました。カメラで撮影する側として実際に使用してみていかがですか?
鏡さん:入社してすぐSafie Pocket2を使っての業務が始まりましたが、Safie Pocket2なしでの業務は考えられません(笑)。私と上司ではまだまだ経験値の差があるので、1人で現場に行くと不安なことも多いのですが、カメラがあれば経験豊富な上司の的確な判断を仰げますし、現地の映像を共有しながら通話もできるので、一緒にいるような安心感があります。
立石さん:これは遠隔からサポートしてみてわかった気づきなのですが、もし一緒に現地にいたら自分の目で確認して終わってしまうことも、カメラの向きを指示しながら同じものを見ることで、ベテラン社員が何を見て判断しているかを自然と共有できます。これは思わぬ副産物でしたね。
──遠隔臨場にあたっては、Safieカメラ以外のツールも検討されましたか?
立石さん:はい。スマホやPCのビデオ通話機能を試しましたが、画角が安定しない・両手が塞がる・悪天候の場合使用しづらいなど、現場のニーズにはマッチしませんでした。
その点、Safie Pocket2はウェアラブルカメラなので両手が空き、業務の邪魔になりません。また、当事業部の現場は1、2日から長くても2週間以内に終わることが多く、電源や通信設備を用意することがないため、カメラ一つで完結するのは現場にぴったりだと思いました。インターネットに接続するだけで、特別なソフトを入れなくても手元の端末から映像が見られるSafie Viewerも便利です。
鏡さん:操作もシンプルで使いやすいです。カメラの電源を入れるだけで録画が始まりますから、誰でも簡単に使用できると思います。
新入社員の教育や採用活動にも。遠隔臨場にとどまらない映像活用の可能性
──ここまで地盤技術事業部における活用方法を教えていただきましたが、ほかの事業部ではどのように使われているのでしょう?
新さん:建設事業部では、現場の盗難防止として、Safie GO 180を設置して24時間録画しています。駅舎点検などをおこなうインフラ事業部、土壌や地下水の汚染を調べる土壌環境事業部では、地盤技術事業部と同様に遠隔臨場でSafie Pocket2を使用しています。他には、お客さまから「現場を見たい」とのご要望があったときに、制限したアカウントを共有してSafie Viewerで映像をご覧いただくこともあります。
全く別の活用シーンとして、採用活動があります。
毎年、インターンシップや採用説明会で現場訪問をしているのですが、コロナ禍で出来なくなってしまったこともあり、現地の様子をSafie Pocket2を使ってライブ配信しました。質疑応答もカメラを繋ぎながらやったので、写真や口頭だけで説明するよりも、現場にいるような臨場感があったと思います。
立石さん:地盤技術事業部では新入社員研修に使用しました。大人数を連れて行けない現場だったので。基本的にはリアルタイムで活用しますが、安全管理などで注意喚起をする場合や珍しい案件があった場合は、ダウンロード機能を活用して録画映像を社内共有しています。
──最後に、Safieカメラの活用における今後の展開を教えてください。
立石さん:地盤技術事業部では、Safieカメラの活用方法を検討・検証するチームを立ち上げました。今後まず検証したいのは、災害のリスク把握で設置している計測器のモニタリングですね。遠隔地に設置した複数の計測器をSafie カメラで撮影しオフィスなどから確認できれば現地に行く手間も省け効率化が図れるので、ぜひ試してみたいと思っています。
新さん:他事業部でも、活用方法にはまだまだ伸びしろがあると感じています。Safieカメラで生産性とサービス品質のさらなる向上を目指し、安心・安全で豊かな社会の創造に向け、お客さまの課題解決や新たな価値の創出に尽力していきたいですね。
※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2021年11月公開当時のものです。
お話を伺った方
地盤技術事業部 事業部長
立石 亮さん
同
鏡 雄一郎さん
経営管理本部 IT推進室 室長
新 浩之さん