遠隔から映像で若手現場監督をサポート
カメラがベテランの眼の代わりになり業務効率化を実現

「外張り断熱」による高気密・高断熱で快適な木造住宅を提供しているアエラホームは、創業60年を超える老舗住宅メーカー。現在、現場監督業務の効率化のため、「Safie Pocket2」を導入されています。今回は、Safie導入の目的や活用法、今後の展望についてお聞きしました。

(取材:2023年10月)

導入の決め手

  • 施工現場の状況をライブ映像で確認できる
  • 映像が記録として残り共有できる
  • 定点撮影でもウェアラブルでも使える汎用性

導入目的

  • 現場監督業務の効率化
  • 若手監督のサポートや教育
  • 上棟後の施工現場の確認

導入した結果

  • 監督業務の効率化や品質の保持に役立った
  • ベテランが遠隔から若手監督を支援することが可能に
  • 経験の浅い若手監督の心理的な不安を軽減できた

1963年に山梨県で創業、今年で60周年を迎えた「アエラホーム株式会社」は、全国に30拠点と9社のフランチャイズネットワークをもつ住宅メーカーです。地球環境に適合する「環境設計の家」を追求し続け、10年連続ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジーを受賞するなど、高い評価を得ています。とりわけ「外張り断熱」による高気密・高断熱住宅は、冷暖房のロスや室内の気温差が少なく、一年中快適で健康な暮らしを実現しています。

人材不足が著しい建設業界において、同社も例外ではなく、限られた人員の中で現場監督業務の品質の担保をすることへ、高い課題意識を持っています。

今回、現場監督業務の効率化と若手現場監督の育成・サポートにウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2(セーフィーポケットツー)」をご活用いただいています。カメラの活用状況や今後の展望について、生産本部本部長の永原 大孝さん、課長の増子 進さん、監督の橋本 魁翔さんにお話を伺いました。

監督業務の効率化や人材教育の一助に
Safie Pocket2の汎用性の高さが決め手

──はじめに、みなさんが担当されている業務について教えていただけますでしょうか。

生産本部 本部長 兼 工事部部長の永原さん

永原さん:当社では営業本部、管理本部、生産本部という3つの組織があり、私は家づくりに関わる業務を行う生産本部を統括しています。主に品質の保証や生産に関しての仕組みづくりを行っています。また、工事部長を兼任しており現場監督のマネジメントも仕事の1つです。増子は、エリアマネージャーとして主に東日本の現場を担当し、橋本は福島店に所属して、周辺の現場の監督業務に従事しています。

福島店 監督の橋本さん(左)と工事部 課長の増子さん(右)

──ウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」の導入の背景について教えてください。

永原さん:監督ひとりあたりの現場数が多く、負荷が大きくなっているという課題がありました。業界全般に言えることですが、人員不足や労務管理という問題です。「限られた現場監督の人数で、すべての現場をしっかりと見られる方法はないのか?」と考えたときに、監督業務の省力化・効率化は必須です。たとえば、移動をしないで現場の状況の判断ができれば、時間のロスを減らせます。

また、現場監督の育成も大きな課題の1つです。私は入社以来、人材教育の仕組みづくりに取り組んできました。若手が早く成長できるツール、教える側のベテランにとっても負担の少ないツールがないかと探していたところ、出会ったのがセーフィーさんの製品でした。

現場の監督業務は多岐に渡り、省力化・効率化の必要性を感じていた

──そのような課題を解決するツールとして、Safie Pocket2をお選びいただいた決め手は何だったのでしょうか?

永原さん:以前は、現場を外側から撮影する定点カメラを設置していました。しかし、足場が組まれてしまうと、それ以降は入退室や天候確認程度の概況しかわからず、「見たいところが撮れない」という情報不足の状況でした。

Safie Pocket2を選んだ理由は、汎用性の高さです。定点で使うこともできるし、持ち運んで見たいところを撮れる。さらに、複数の関係者に共有し同時視聴でき、映像が記録として残せるという点が良いと思って導入しました。

若手監督からの相談をベテランが遠隔確認
業務効率化と品質の維持に寄与

──現在、10台のSafie Pocket2を導入いただいていますが、どのような使い方をされているのでしょうか?

永原さん:現状、主に経験の浅い若手の教育用と、現場の数が多い事業所で活用しています。各エリアマネージャーが判断して、スタッフや事業所に配分するといった運用です。

増子さん:福島店では、1台は遠方など特定の現場を定点撮影で確認するために使用、もう1台は橋本が持ち歩き、随時各現場の様子を撮影するために使っています。

定点での利用は、現場の端材などを使って設置し、主に入口方向を撮影しています。予定通りの時刻に予定の業者さんが来ているかなど、主に関係者の出入り状況を遠隔から確認するのが目的です。

入口方向をSafie Pocket2で撮影することで出入りする関係者が確認できる

橋本さん:定点カメラは、お客様との打ち合わせの記録用としても活用しています。もちろんメモはとっているのですが、お客様の要望を正しく職人さんに伝えるために、後で聞き直したりもします。

自分に配備されているものは、基本的には首から下げて使っています。上棟の際は、タブレットの図面と照らし合わせながら、おさまりや高さが合っているかメジャーで検査するときに記録として撮影しています。足場に上る際は、ヘルメットに装着して使うこともあります。

Safie Pocket2は別売りのアタッチメントでヘルメットにも装着可能

──Safie Pocket2の使用感はいかがでしょうか?

増子さん:何といっても、映像でリアルタイムに現場の状況を確認できる便利さが大きいです。たとえば、橋本から相談があったときも、これまでは電話でのやりとりでした。言葉のみだと、伝えるほうも上手く伝えられなかったり、受けるほうも正しく状況がつかめなかったりします。しかし、映像であれば素早く正しい情報がわかる。特定の箇所の撮影を指示したりしながら、アドバイスをすることもあります。

また、リアルタイムでの確認だけでなく、録画した映像を後から確認したり、共有ができることも非常に便利です。

どこからでも手元のタブレットで現場の状況を確認し遠隔サポートができる

──Safie Pocket2導入で感じていらっしゃるメリットについて教えてください。

永原さん:まず、「Safie Pocket2がある」という安心感があります。カメラが人の眼の代わりになってくれることは、大きなメリットです。現場の状況をリアルタイムに確認し指示ができることは、移動時間や待ち時間といったタイムロスを防げるだけでなく、随時的確な指示ができ、品質の担保にも繋がっていると感じています。

また、経験の浅い若手監督にとってもたくさんのメリットがあります。自分だけの判断でなくベテランに気軽に相談できることで、「自分の判断は正しいのか?」「すべての現場で正しく確認ができるだろうか?」といった心理的な不安を解消することにも役立っています。

カメラが人の眼の代わりになってくれる安心感、タイムロスの減少などさまざまなメリットを感じている

検査記録の映像での保持や
お客様の遠隔臨場も視野に

──最後に、映像活用における今後の展望についてお聞かせください。

増子さん:今後カメラの台数が増やし、すべての現場に設置できるようになれば、ますます効率化が図れると思います。時には、その場にいる職人さんにカメラで状況を伝えてもらうことも可能かもしれません。

また、現在は画像で行っている各種検査の記録も、映像で残せると、より詳しい状況が記録できると思います。

カメラの活用をさらに広げ、現場業務のさらなる効率化を目指す

永原さん:お客様に家が出来上がっていく様子をご覧いただいたり、遠隔立ち合いといったこともできるのではないかと思っています。

将来的には、すべての現場での作業の様子が記録されるというのが理想です。現場の効率化、確かな品質の確保はもとより、映像で現場のリアルが残せると、これまでの「事例」や「知」が共有できることになります。そうすることで、培ってきた技術や問題点の解決も伝承していけるのではないでしょうか。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。

お話を伺った方

アエラホーム株式会社


生産本部 本部長 兼 工事部部長
永原 大孝さん


工事部 課長
増子 進さん


福島店 監督
橋本 魁翔さん