ポータブルクラウドカメラ×オリジナル治具で現場を守る
現場DXの業界トップランナーを目指す
ガスを中心にこの国のインフラを支える総合設備会社、株式会社協和日成。ガス供給のための導管の敷設・改修といった工事現場で、Safie Pocket2を約30台ご導入いただいています。導入の経緯や活用法についてお話を伺いました。
(取材:2021年5月)
導入の決め手
- 充電式で電源が不要でコンパクト
- 通信も内蔵、クラウドで保存できる
- 持ち運び可能でコンパクト
導入目的
- 現場監督、現場管理者の業務の効率化
- 作業の安全確保
導入した結果
- 遠隔で工事の状況が確認できるようになった
- タイムリーに確認、指示やアドバイスができるようになり、業務効率が向上した
- 遠隔で安全面の確認を行えるようになった
INDEX
株式会社協和日成は、私達の暮らしに必要不可欠なガスを供給するための導管の敷設・改修、それに伴う道路工事を中心に、ガス設備の施工、上下水道、空調などの設備施工、都市の地下電源や上下水道を整備する電設土木などを手がける総合設備会社です。
中でも事業の中核をなすガス導管事業の工事現場において、昨年12月より約30台のSafie カメラをご活用いただいています。
導入の目的や経緯、活用法についてお話を伺いました。
現場監督業務の効率化と工事の安全のためにSafie Pokcet2を導入
浅賀さん:
我々が所属するガス導管部は、道路の下に張り巡らされているガス導管の新規埋設工事や、入れ替え工事、メンテナンス、それに伴う道路舗装工事を担当している部署です。その工事の現場で、Safie Pokcet2を使わせていただいています。
我々の仕事は、道路を掘り起こし、ガス管を埋設・入れ替えを行い、土を埋め戻して再び舗装をするといった工事の現場監督が主な業務です。作業の間は、現場に立ち会わねばなりませんし、その後も事務仕事などがあり、長時間労働になりがちな仕事です。それをなんとか効率化させたいという思いがありました。カメラが人の目の代わりになれば、現場にいる時間を削減できるのではないかと考えたのがきっかけです。
それ以外にも、現場の安全管理にも使えるのではないか?使っていくうちに新たな活用法もみつかるのではないか?ということで、カメラの導入に踏み切りました。
──業務効率化や安全の確保のためにカメラをご導入されるにあたり、数ある製品の中からSafieカメラをお選びいただいた決め手は何だったのでしょう?
浅賀さん:
導入にあたっては、展示会に行ったり、インターネットでいろいろな製品をリサーチしてみました。実際に他社の製品を試したこともあります。それは、定点で撮影するカメラでしたが、AC電源が必要な製品であったり、現場で使うにはちょっと大きすぎたりと、我々の業務にはあまり向かないものでした。そのような状況の中で出会ったのが、セーフィーさんのSafie Pocket2です。
Safie Pocket2は電源が充電式であるということ。通信機能も内蔵されていて、映像はクラウドに保存されること。定点だけでなく移動式でも使え、さらにコンパクトという、我々の理想にマッチした製品でした。
重機に1台、定点撮影用に1台、計2台のカメラで作業現場を撮影
──導管工事の現場では、Safie Pocket2をどのようにご活用いただいているのでしょう?
浅賀さん:
導管事業を担当している事業所に3台ずつ配布しています。それぞれの事業所がいくつもの現場を同時に抱えているので、ローテーションしながら使っています。
導入当初は、三脚にカメラを固定し、定点で工事の様子を撮影するといった使い方でした。その後、重機に取り付け、掘っている様子を撮影したり、現場監督が胸につけてウェアラブルで撮影したりという使い方もしています。いろいろ試してみると、現場からは、「全体の様子を定点で撮影するのに1台、重機に取り付け掘っている様子を撮るのに1台、少なくとも1つの現場に2台は必要だ」という声が上がってきています。
──重機にも取り付けて、撮影をされているとのことですが、作業状況の記録といった目的なのでしょうか?
浅賀さん:
重機には安全を守るためのバーがあり、そこにクリップでSafie Pocket2を取り付けて、重機が掘っている様子を撮影しています。
道路下の地中には、ガス導管だけでなく、電気や水道、通信などさまざまなものが埋設されています。工事の際は、あらかじめ図面で位置を把握・道路にマーキングして、掘っていくのですが、掘ってみると図面とは状況が違っているということがあります。細心の注意を払っての作業となりますが、その状況を遠隔からベテラン管理者がカメラの映像と通して見守ることで、リアルタイムにアドバイスをおくることができ、事故を防ぐといった活用を考えています。また、万一不測の事態が起こった際は、作業の様子がリアルな映像で残ることで、再発防止に役立てられると考えています。
現場で安心してカメラを使えるよう、オリジナルの治具を作成
──現在、定点で工事の様子を撮影する際に、ある工夫をされたと伺っていますが、それはどのようなものなのですか?
浅賀さん:
カラーコーンの先端に、Safie Pocket2を収めて使っています。導入当初は、三脚にカメラを固定して撮影していました。ただ、三脚は普段我々の現場にはないもので、違和感がありましたし、倒れやすいという懸念点もありました。実際に三脚が倒れてしまったこともあります。
何かいいアイデアはないかと思案していたところ、現場に当たり前にあるカラーコーンが使えるのではないかと思いついたのです。
そこで、塩ビ管の側面を撮影用にカットし、カラーコーンの先端にはめ込み、その中にカメラを収めたのです。
これであれば少々の雨もカバーできますし、倒れる心配もない。使い勝手がいいと評判です。費用も、手作りなので数千円で済みました。次は、透明な素材でつくり、全天候型にしてみようと考えています。
──映像は、どのような方が、どのようなタイミングでご覧いただいているのでしょうか?
浅賀さん:
映像は現場監督、各事業所にいるベテラン管理者、そして本社にいる品質管理の担当者が見ています。
古矢さん:
普段、我々現場管理者は、これまでさまざまな現場を巡回して工事の状況をチェックしていました。作業の状況、確認すべき内容によって頻度や滞在時間も変わってくるのですが、移動だけでもかなりの時間を費やしていました。現在では、デスクワークをしながら映像をつけっぱなしにして、要所要所で確認をしたり、ある現場にいながら他の現場をチェックしたり、車の中でチェックすることもあります。
移動時間や、現場にいる時間を減らして、他の業務に充てる時間を確保できるようにしていきたいと思っています。
葉山さん:
カメラが導入されてから、若い現場監督からの問い合わせや相談、応援要請にもタイムリーに対応できるようになりました。これまでは、現場の状況を電話で伝えてもらっていたので、イメージの共有が難しいことがありました。そのため、現場に駆けつけることもあったのです。それがSafie Pocket2で現場の様子を撮ってもらい、それを見ながら指示を出したりアドバイスできることで、時間のロスも防げるようになりました。
教育やノウハウの継承、品質管理など。
Safieカメラを活用し導管工事の現場を変えていきたい
──カメラの活用で、現場の状況がリアルタイムに分かるようになり、業務効率のアップに役立っていることがわかりました。今後、どのような活用をされていきたいとお考えでしょうか?
浅賀さん:
現在、工事の映像をタイムラプス映像に加工して、教育・研修、技術継承に活用したいと考えています。一連の流れが、映像で見られることは、リアルな教材として役立つと考えています。
実際に、ガス事業者の新工法の研修時に撮影して、タイムラプス映像に加工してみましたが、手応えを感じています。
また、品質管理や監査でも活用できると考えています。各現場には、工事のクオリティーを担保するため、適宜、品質管理担当者の監査が入ります。また元請けであるガス事業者からも検査員が訪れます。映像をエビデンスとして使うことができれば、手間なく、より正確にチェックすることができるようになるのではないかと考えています。
我々の現場ではこれまで、昔ながらの方法で作業をすることが、最も安全性が高いのだとされてきました。その仕事のやり方が、カメラの登場で変わろうとしていると感じています。
現場がカメラで撮影されている状況が当たり前となり、協和日成がICTで業務効率と安全性を飛躍的に向上させているトップランナーなのだと言われるようになりたいと思っています。
そのために、カメラの活用の場を広げられるよう、声を拾い集め、現場の役に立つような使い方を提案をしていきたいと考えています。
※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2021年5月公開当時のものです。
お話を伺った方
パイプライン事業本部 ガス導管部 導管工事管理課 浅賀 俊介 さん
東京西事業所 施工管理マネージャー 古矢 晋 さん
神奈川事業所 施工管理マネージャー 葉山 幸樹 さん