既設カメラをSafieでクラウド化
複数の工場を一括管理し、品質管理と業務効率化を実現

ドレッシングやパスタソースでおなじみの「ピエトロ」。福岡に本社を置く同社では、食品製造工場にSafie Trail Stationを導入し、製造現場のリアルタイム可視化を実現。品質管理体制の強化と業務効率化を両立しています。導入の背景や活用方法について、詳しくお話を伺いました。

(取材:2025年10月)

導入の決め手

  • 既設カメラを活用し、素早く低コストでクラウド化を実現できた
  • インターネットに不慣れな担当者も安心だった
  • 現場と経営層のニーズがサービス内容と合致していた

導入目的

  • 製造作業の進捗状況確認・品質管理の効率化
  • 災害時における遠隔での現場確認の実現
  • 人員配置の最適化・業務効率向上のための現状把握  

導入した結果

  • 工場間の移動時間と労力が削減され業務効率が上がった
  • 業務改善のための作業分析が容易になった
  • 設備の状態把握がより正確になり、メンテナンスの効率が向上した
  • 複数の工場を一括で管理できるようになり、管理効率が向上した

レストラン生まれのドレッシング・パスタソースなどを製造・販売する株式会社ピエトロ。同社は工場を「大きな厨房」と捉え、福岡にある工場で、安全かつ高品質な商品づくりに取り組み、全国のお客さまへ届けています。今回は、Safie(セーフィー)導入の背景や導入後の効果について、詳しくお話を伺いました。

人手不足や自然災害対策などを目的にクラウド化の検討をスタート
数十社の中からスピーディーに始められるSafieを選択

──はじめに、お2人が所属されている部署について教えてください。

製造本部 製造サポートセンター 係長の今﨑 博史さん

今﨑さん:現在、ピエトロは、ドレッシングやパスタソースなどを3つの工場で製造しています。私たちがいる製造本部 製造サポートセンターはこれらの工場で働く方々をサポートする役割を担っており、工場の保守や業務改善を通して、楽しく働きやすい環境づくりを目指しています。


──「Safie Trail Station(セーフィー トレール ステーション)」は既設のIPカメラをクラウドで一括管理できるサービスですが、どのようなきっかけで導入されたのでしょうか。

今﨑さん:導入を考えた理由は大きく2つあります。1つは、これからさらに深刻化していくであろう、人手不足に備えるためです。限られた人員で品質を確保しながら製造業務を行うには、最適な人員配置を考える必要があります。そのために現場のカメラ映像で製造作業の確認・分析を行い、フィードバックしていくことで、業務の効率化につなげたいという想いがありました。

工場の事務所に設置されたSafie Trail Station

そして、もう1つが、近年頻発している自然災害への備えです。製造本部製造サポートセンターのなかには生産設備の保全を担当する部署があるのですが、万一、火災や自然災害などが起きた際、保全担当者がどこにいてもすぐに現場を確認し、対処できる体制を整えておく必要があると考えていました。

今までは、映像を確認するために3つの工場それぞれの事務所まで足を運ばなければならず、前述した目的を果たすには大きなハードルがありました。社内でも「クラウド化してほしい」という声が高まるなか、展示会でSafie Trail Stationを知ったことをきっかけに、クラウド化の第一歩として導入を決定しました。

──Safie Trail Station導入の決め手となったのはどんな点ですか?

鹿毛さん:カメラのクラウド化にあたっては複数社に問い合わせをして比較検討したのですが、Safie Trail Stationは、既設のカメラを活用できること、他社と比べて低コストで導入できることが大きな魅力でした。

製造本部 製造サポートセンター 鹿毛 凌哉さん

また、インターネットに詳しくない担当者でも扱いやすく、高いセキュリティ性も安心材料となりました

これらを踏まえ、スピーディーに始められたのが、Safieでした。実際に導入を決めてから約1カ月という短い期間で運用を開始できたので、本当に助かりました。

──導入にあたって、何かハードルはありましたか?

今﨑さん:ピエトロには新しい取り組みを後押しする社風や、挑戦を支援する仕組みがあります。ですから、特にハードルはなかったですね。Safieのサービスと現場・経営の求めていることが一致していたこともあって、「すぐにやろう」と実現に向けて動き出しました。

製造作業の進捗確認から、品質管理、機器の保全まで
工場のさまざまなシーンでクラウドカメラを活用中

──具体的にはどのようにクラウドカメラを活用されていますか?

今﨑さん:現在は既設カメラのうち30台ほどをクラウド化して、追加でSafieのカメラも数台設置しています。優先度の高い製造ラインに取り付けており、映像の活用方法は担当部署によってさまざまです。

オンプレ型の既設カメラをSafie Trail Stationでクラウド化

例えば私たち保全担当者は、設備の状態をより正確に把握する際に映像を活用しています。点検後には、設備が問題なく稼働していることを映像で確認しています。

製造責任者は、作業の進捗確認にSafieの映像を活用しています。商品の品質や味の安定性を保つため、 製造工程を映像で振り返るなど、いわゆるトレーサビリティにも役立てています。他にも、業務改善担当者は、作業中の映像をもとに人員配置の最適化を検討しています。

鹿毛さん:品質管理部門が検査を行うために検査品となる商品を取りに行くのですが、商品が仕上がるタイミングを映像で確認し、効率的に検査を行っています。あとは終業時の退館状況や電気の消し忘れの確認など、日常的な管理業務にもカメラ映像を活用しています。

リアルタイム映像を活用して様々な部署が業務効率化を実現

──よく利用する機能はありますか?

今﨑さん:動きがあった際にフラグが立つモーション検知をよく利用しています。これを見れば製造ラインで何時から何時まで作業していたかが分かるので、適切な人員配置ができているかを判断する材料になっています。

鹿毛さん:あとは、ズーム機能もよく利用しています。作業中の手元をズームで確認できるようになり、作業内容や手順をこれまで以上に細かく可視化できるようになりました。

現場に足を運ぶ頻度が減ったおかげで
移動時間が削減でき、管理業務効率がアップした

──導入後の効果について教えてください。

鹿毛さん:これまでは、対応が必要な問題が発生したとき、現場に電話をかけたり、直接足を運ぶ必要がありました。しかし、カメラをクラウド化したいまは、どこにいてもパソコンやスマホで現場の状況を確認することができます。おかげでこれまで1日あたり2〜3回現場に足を運んでいたところが、1回で済むようになりました。

今﨑さん:現場は常に多くの作業が進んでいるため、私たちも現場に確認に行くタイミングを工夫する必要がありました。それだけに、工場に足を運ぶ機会が減ったことは、我々にとっても現場にとっても、業務効率アップにつながっていると感じています。

──今後、Safieをどのように活用していきたいとお考えですか?

今﨑さん:会議室と現場をリアルタイムで繋ぎ、手元の映像をモニターで共有しながら会話できる仕組みを構築したいと考えています。製造業務にしても保全業務にしても、現場にはまだ経験が浅い人が少なからずいますから、映像を見ながら経験者が未経験者を指導できるようになれば、人員不足対策や業務効率のさらなる向上にもつながると期待しています。

鹿毛さん:ピエトロでは、創業時から続く”おいしさ”を守るため、レストランの厨房でつくるように、手づくりの工程を多く残して、工場で働くひとりひとりが丁寧に心を込めてつくっています。その一方で業務効率化も進めていますが、“おいしさ”に関わる部分では手間を惜しまず、変わらない”おいしさ”を追求し続けています。そのためにも、Safieをうまく活用していきたいと考えています。

※本記事に掲載している企業情報、所属およびインタビュー内容は取材当時のものです。
※カメラを通じて取得する映像は管理者および、映像閲覧が必要な担当者のみで閲覧しています。法令に基づく場合を除き、第三者提供は致しません。また、映像の活用は事前に特定した利用目的に必要な範囲で行い、お客様個人を追跡することは行いません。

お話を伺った方

株式会社ピエトロ
製造本部 製造サポートセンター 係長
今﨑 博史さん


株式会社ピエトロ
製造本部 製造サポートセンター
鹿毛 凌哉さん