
ウェアラブルクラウドカメラを使用し、遠隔でダブルチェック。
作業員の不安をその場で解消、ミスがゼロに

土木工事における品質確認や土壌や水質汚染の調査まで、土木に関するすべてに携わる「株式会社土木管理総合試験所」。社内いくつかの部署でSafieのカメラを導入されています。その中でもよく活用いただいているのがGEOコンサルタント部。導入の背景や、改善されたポイントについて伺いました。
(取材:2024年12月)
導入の決め手
- ベテラン調査員も難なく使いこなせるシンプルな操作性
- 電源を入れるだけでネットに接続。通話もできる
- 雨や雪に強く、屋外使用への耐久性がある
導入目的
- 区画間違いなどのミス削減
- 地盤調査における現場把握と遠隔管理
- 作業実施内容のエビデンス
導入した結果
- 地盤調査で区画の間違いがほぼゼロになった
- スクリューウエイト貫入試験の調査測点位置を共に確認、ずれを発見できる
- 作業を記録し、トラブル時には証拠として活用できる
- 地盤改良工事前の現場確認を遠隔化。移動時間とコストが削減された
- スナップショットをお客様への説得感ある説明資料として活用
INDEX
長野県千曲市に長野本社を置く「株式会社土木管理総合試験所」は、社会インフラに活用される技術の品質確認及び向上をサポート。また、土壌・水質汚染などの調査から対策まで、生活環境の安心安全に関わるあらゆる問題を確かな技術で支える建設コンサルタント会社です。
同社のGEOコンサルタント部 G&D課では、地盤調査時の遠隔臨場のツールとしてSafie(セーフィー)のウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2(セーフィー ポケットツー)」を3台導入いただきました。
「Safie Pocket2」の活用法のほか、導入後に感じたメリットなどについても、GEOコンサルタント部のM.Kさんにお話を伺いました。
電源を入れるだけ、のシンプル操作でスムーズな導入が実現。
単独調査でもリアルタイムでのダブルチェックが可能に
──まず、カメラを活用されているGEOコンサルタント部 G&D課の仕事内容について教えてください。

M.Kさん:当社は土木建設に関わるさまざまな調査、試験や分析を行う会社です。私が所属するGEOコンサルタント部 G&D課では、主に住宅や平屋建て店舗程度の規模の敷地の地盤調査をしています。
──地盤調査とは、具体的にどのように行うのでしょうか?
M.Kさん:建物を建てる場合に、その場所が重さに耐えうる固い地盤かどうかを調べるスクリューウエイト貫入試験を行います。その際、位置出しまではご依頼いただいた工務店や建築会社などにご担当いただいています。当社では平面図と位置出ししていただいた位置が合っているかを確認し、調査を行い、データを確認、解析したうえで納品という流れになります。
――現場での調査は、M.K.さんがされているのですか?
M.Kさん:現場での調査業務は協力業者の調査員が行っております。エリアとしては長野県内および近県となりますが、そのほとんどを3名の調査員で対応しており、私自身が現場に行くことはめったにありません。私の業務としては、調査業務に入る前に依頼会社様と日程や現場状況などを確認する打合わせ、調査当日は調査員のフォローをしています。
――3台の「Safie Pocket2」を導入されています。何かきっかけがあったのでしょうか。
M.Kさん:実は、調査がスムーズに進まないことが続いた時期があったんです。スクリューウエイト貫入試験での調査測点位置のずれもそうですが、調べる敷地そのものが間違っていたということもありました。昔と違い、コンパクトな敷地をさらにいくつかの区画に分けるような分譲地が増えています。敷地の形が似ていますから別の区画と勘違いしても気がつきにくいという問題がありました。データは当日中に上がってきますが、業務上私たちが確認するのは翌朝ですので、遠隔でもタイムリーに現場状況を把握できる改善策を早急に講じなければということになりました。
――それで、カメラの導入を決められたのですね。
M.Kさん:はい。まず、複数の人数での確認が必須ということは明らかですが、現地に行く人数を増やすことはコスト的にも時間的にも非現実的です。ならば遠隔臨場がよいと考えましたが、当時は協力会社が調査員に対して支給している携帯がいわゆるガラケーだったため、画質的な問題で撮影することも難しい状況でした。そんなとき、他部署でSafieのカメラを使用していると聞き、それはこちらの改善策としても使えるのではと、すぐに導入を決めました。現在はウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」を、3人の調査員に1台ずつ持っていただいています。
――ベテランの調査員さんが多いと伺いました。すぐに使いこなすことができたようでしたか?
M.Kさん:操作に関してはタッチパネルではなく物理的にボタンがあることが、スマートフォンを普段使わない方でも抵抗なく使用できたポイントでもあるようです。なにより、電源を入れるだけで接続できる、そのまま通話もできるという点が手軽で便利だと実感していただけたので、導入はとてもスムーズに進みました。また「Safie Pocket2」は現場用に開発されているので、雪が多いこの地域での屋外使用でもタフに使えることも安心感があります。

導入後も新たな活用方法を発見、他部署とも連携し効率アップ。
録画機能が大切な調査員を守る証拠となることも
──では、「Safie Pocket2」が現場でどのように使用されているのかを教えてください。調査では必ず撮影するのですか?
M.Kさん:すべての現場でではありません。周りに似たような区画がある場合など、ミスが起きそうな環境だと判断したときには、「Safie Pocket2」で該当の区画を撮影してもらいながら一緒に区画の位置などを確認します。また、調査員から「現場に思わぬ障害物などがあり、調査の実施や継続が難しい」と連絡が来ることもあります。その場合も撮影してもらうことで迅速な判断が可能になりました。「Safie Pocket2」は調査員の視点そのままにこちらからも現場を見ることができますし、撮影しながら通話ができるので、まるで私自身もその場にいるかのように対応できるのがいいですね。

――従来は現場で不安が出ても調査員ひとりで対応しなくてはならなかったのが、遠隔で映像が見られることで不安をしっかり払しょくできるようになったのですね。
M.Kさん:実際に、この1年は区画違いのミスがゼロになりました。画面を確認していたところ違和感があり、位置出しの基準点の間違いに調査前に気づけたこともあったんですよ。再調査のためにあらためて現場に伺うのにも時間やコストがかかりますから、ミスなく作業できる環境が整えられたことは、調査員にとっても私たちにとっても安心感に繋がりました。
――他に導入したことで得られた利点はありましたか?
M.Kさん:作業に対してクレームが入ることもごく稀にあります。導入後、調査員が撮影した現場の様子によってこちらに非がないことを証明できました。
また、パソコンの苦手なお客様に現場の状況を説明する必要がある際は、現場の映像をスナップショットで画像化して資料にまとめて説明しています。口頭だけで説明するよりも納得いただきやすいので助かっています。
――現場で作業する調査員さんたちを守ることもできたのですね。では、社内、部署間などでの活用はいかがですか?
M.Kさん:調査後に地盤改良工事が必要になった場合、従来はキャタピラーが入れるかなど担当部署が下見に行かなければなりませんでした。しかし、現在はムービークリップ機能を使い、調査員が撮影した素材から周辺環境がわかる部分を抜き出して担当部署に回しています。社内で確認、また機材手配の判断も事前にできるようになりましたので、大きな効率改善になりました。

理解を深めるためだけでなく、時間やコストの削減も見込める。
録画素材は、新人教育におけるベストな教材
──現在は主に現場でタイムリーな対応をするためにカメラを活用されています。今後、活用の幅を広げる展望はありますか?
M.Kさん:教育の教材として活用できないかと考えているところです。これまでは私が新人を現場に連れて行き、見学という形をとっていました。現場まで移動に1時間半かかるなんてこともよくあることですので、通常業務が滞ってしまうという問題がありました。一度録画すれば、新人をその都度連れて行く手間が省けますから、それが解消できると思っています。

――それは新たな効率化に繋がりそうですね。新人教育という観点から、録画を利用するからこそのメリットは何でしょうか?
M.Kさん:繰り返し見られるということだと思います。例えば協力会社でも当社でも、そもそもスクリューウエイト貫入試験を知らない新人が入社することもあります。見学では一度見て終わりですが、それで「わからないところを質問して」と言っても、わからないところがわからないという状況で終わってしまうこともあるだろうというのは、容易に想像できますよね。録画したものを見てもらうようにすれば、説明しながら途中で停止したり巻き戻したりもできるので、より理解が深まるのではと期待しています。
※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。
※カメラを通じて取得する映像は管理者および、映像閲覧が必要な担当者のみで閲覧しています。法令に基づく場合を除き、第三者提供は致しません。また、映像活用において、作業区画の近隣住民をはじめとする生活者個人を特定、追跡することはございません。