防犯カメラのPoC給電とは?メリットや他の給電方法との違いも

PoC給電の防犯カメラ

今回の記事では、配線がシンプルな防犯カメラのPoC給電について説明します。

防犯カメラ選びは、電源のとり方や映像の伝送方法などの違いに注意することもひとつのポイントです。メリットやデメリット、PoE給電やワイヤレスカメラとの違いなど、詳しく解説します。

防犯カメラのPoC給電とは?

PoC(Power over Coax)とは、同軸ケーブル1本で電源供給と信号伝送ができる仕組みのことをいいます。電源と信号は本来、それぞれ別のケーブルを接続する必要がありましたが、PoCという技術により電源と信号のケーブルの1本化が可能となりました。PoC給電ができるカメラは、別名「ワンケーブルカメラ」とも呼ばれます。

一般的な防犯カメラとの違い

一般的な防犯カメラは、電源用のケーブルと映像用のケーブルの2本ケーブルが必要です。PoCが「ワンケーブルカメラ」と呼ばれることに対して、一般的な防犯カメラは「ツーケーブルカメラ」と呼ばれています。

ケーブル1本で済むPoCと比較すると価格が安い傾向にあり、接続する機器との相性に左右されない点がメリットです。一方、防犯カメラを設置する際、電源用のケーブルと映像用のケーブルをそれぞれ配線するため、手間がかかる点と機器周辺にケーブルが多くなり見た目がスッキリしないといった点がデメリットです。

ワイヤレスカメラとの違い

ワイヤレスカメラ(無線カメラ)とは、LANケーブルを繋がず電波を利用してデータを送受信できるカメラです。Wi-FiやLTE回線などの通信環境を利用するため、防犯カメラとレコーダー、モニターをLANケーブルで繋ぐ必要がなく、通信のための配線工事が不要となる点がメリットです。

一方で、PoC給電の防犯カメラや従来の防犯カメラのような有線での接続が必要なものと比べると、コンクリート構造や地下室など建物の影響により波環境が悪くなることもあります。

防犯カメラのPoCとPoEの違い

防犯カメラは、PoC給電のほかにPoE給電があります。PoE(Power over Ethernet)は、LANケーブルを使って電力供給と信号伝送を共有する方法で、ネットワーク接続と同時に電力も供給する仕組みです。PoEとPoCはどちらも同じく1本のケーブルのみで電源と映像を送れる点は共通していますが、PoEの場合はネットワークに接続されるという点に違いがあります。

防犯カメラの近くに電源がない場合や、Wi-Fiルーターとの距離があり通信環境に不安があるケースで便利な給電方法です。

【PoC給電とPoE給電の比較】

PoC給電の防犯カメラPoE給電の防犯カメラ
ケーブル同軸ケーブルLANケーブル
ネットワーク接続なしあり

▼PoEについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

防犯カメラのPoC給電の特徴

PoC給電タイプの防犯カメラの特徴は、防犯カメラとレコーダーのあいだに「電源ユニット」を繋ぐ点です。電源ユニットを設置するため、電源ユニットの本体費用と設置スペースの確保が必要です。

一般的な(ツーケーブルタイプ)防犯カメラは、防犯カメラとレコーダーのあいだはケーブル配線のみですが、PoC給電の防犯カメラは「電源ユニット」を経由させて繋がなければなりません。しかし、本来は防犯カメラの台数分の電源プラグが必要となるところを、電源ユニットを経由することで複数の電源プラグが不要となり、同軸ケーブル1本にまとめられるという仕組みです。

防犯カメラのPoC給電のメリット

PoC給電の防犯カメラは大きく3つのメリットがあります。

配線にかかる工数を減らせる

防犯カメラのPoC給電ができるメリットは、配線工事の工数を大きく減らせる点です。一般的な(ツーケーブルタイプ)防犯カメラと比較すると、ケーブルの本数は半分ですみます。そのため、防犯カメラの設置工事の工数を削減でき、工事費用を抑えられるメリットがあります。防犯カメラの設置台数が多いほど、配線にかかる工数削減のメリットを多く享受できます。

配線周りが整理される

1本の同軸ケーブルですむPoC給電の防犯カメラは、配線周りがすっきりと整理されます。煩雑な配線の状態だと、商業施設などでは整理されていないというイメージを与えてしまいます。小さな子どもが過ごすような施設では、配線に引っかかるといったトラブルも考えられます。

また、一般的な(ツーケーブルタイプ)防犯カメラでは、複数台の防犯カメラを設置しようとすると、防犯カメラの数だけ電源をタコ足配線で繋がなければなりません。何本も束ねられたケーブルや電源プラグの差し込み口にホコリがたまってしまい、危険な事故を起こす可能性もあります。

一方、PoC給電の防犯カメラはシンプルな配線となるため、危険な事故を防止し配線周りの悩みを解決できます。

長距離配線が可能になる

PoC給電の防犯カメラの場合、長距離配線にも対応できる点もメリットです。PoC給電のケーブルの長さは最長で500mほどであり、一般的なツーケーブルタイプの防犯カメラよりも長く作られています。そのため、マンションやビルなど規模の大きい施設で使用する防犯カメラとして導入しやすいです。

防犯カメラのPoC給電のデメリット

PoC給電のデメリットとして挙げられる点は「電源ユニット」が必要となるため、機器の導入コストが上がることです。しかし、長距離の配線が必要となる規模が大きい施設の場合は、PoC給電の防犯カメラのほうが工事費用を抑えやすくなります。電源ユニットの機器コストが追加されても、トータルの費用でみると結果的に安く抑えられるケースもあります。

まとめ

今回は、防犯カメラのPoC給電について解説しました。PoC給電の防犯カメラは一般的な防犯カメラに比べると配線がシンプルなため、工事の工数などを減らし配線周りを整理できます。また、長距離配線も可能なため、大きな施設に防犯カメラを設置したいケースにも向いています。

防犯カメラはさまざまなタイプが登場しており、設置方法や配線などの工事にも違いがあります。とくに複数台の設置が必要な場合や大規模な施設の場合などは、電源の供給や映像を送信するためのケーブルについても十分に検討しなければなりません。そのため、導入を検討される際は防犯カメラを豊富に扱っているメーカーへの相談がおすすめです。

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