ネットワークカメラのグローバルIPとは？通信の仕組み用語を解説

ネットワークカメラを使用する際、グローバルIPや固定IP、ポート開放といった用語の意味がわからない方もいるでしょう。本記事では、グローバルIPアドレスを始めとしたネットワークカメラの設定時に必要なネットワーク用語について解説します。

ネットワークカメラの通信の仕組み

ネットワークカメラ（IPカメラ・Webカメラ）とは、有線や無線LANで構築されたネットワークを介して、動画・音声データの通信を行うカメラのことです。

ネットワークカメラは、映像をデジタル信号に変換し、インターネットプロトコル（IP）を用いてデータを送信します。そのため、スマートフォンやパソコン、タブレットと同様に、ネットワークカメラもそれぞれ「IPアドレス（インターネット通信に必要な住所）」を持っています。

映像は、カメラ内部でデジタルデータに変換され、インターネットやWi-Fiなどを通じて、ローカルネットワークまたはインターネット上の特定の受信機やサーバーに送られます。これによりユーザーは遠隔からリアルタイムで視聴したり、保存した映像を視聴したりすることができるのです。

ネットワークカメラの接続に必要なものは？

ネットワークカメラの導入には、「視聴するためのデバイス」、「録画データの保管場所」、「固定IPアドレス・ダイナミックDNSサーバー」が必要です。

視聴するためのデバイス

ネットワークカメラ導入時には、録画データの視聴に使用するスマートフォンやパソコンなどのデバイスが必要です。

映像を確認するには、ソフトウェアやアプリケーションが必要ですが、古いモデルでは非対応の場合があるため、デバイスの互換性を確認しておきましょう。

録画データの保管場所

録画データを保管する場所は、ローカルストレージ（HDD、SSD、SDカードなど）とクラウドサービスがあり、リモートアクセスや大量のデータを扱う場合は、クラウドサービスの利用がおすすめです。

IPアドレス、ダイナミックDNSサーバー

実際にカメラを設置する場所を決めた後は、IPアドレスかダイナミックDNSサーバーを準備する必要があります。

IPアドレスは、「XXX.XXX.XXX.XXX」（Xは数字）で表記されます。

IPアドレスやダイナミックDNSサーバーについて、次項で解説します。

ネットワークカメラにおけるグローバルIPアドレス・ローカルIPアドレスとは

インターネット接続に必要なIPアドレスは、主に「グローバルIPアドレス」と「ローカルIPアドレス」の2つに分けられます。

グローバルIPアドレス

グローバルIPアドレスは、インターネット通信に使われる「住所」の様なもので、インターネットに接続するために必要です。

基本的には、インターネットプロバイダーがグローバルIPアドレスを一括で管理しています。データの送受信などを間違えないようにするため、グローバルIPアドレスは重複のないユニークなIPアドレスになります。

ローカルIPアドレス

一方、ローカルIPアドレス（プライベートIPアドレス）は、社内ネットワークなどローカルネットワークのデバイスに割り当てられるIPアドレスです。マンションなどの集合住宅で例えると「部屋番号」になります。

グローバルIPアドレスで受け取ったデータを、それぞれのデバイスに送る際の宛先として、ローカルIPアドレス（プライベートIPアドレス）が使われます。それぞれ表記方法が同じため混同しやすいですが、役割が異なります。

一般的に、グローバルIPアドレスは変動するため、セキュリティの高い環境でインターネットを利用するためには、固定IPアドレスを取得するか、DNSサーバーを活用する必要があります。

固定IPアドレスとは？

先述のとおり、グローバルIPアドレスは、基本的に動的なIPアドレスです。

この場合、社内ネットワークなど、特定のIPアドレスしかアクセスできない設定を行っている場合は、アドレスが変化するたびにアクセスができなくなります。

そこで必要なのが「固定IPアドレス」です。

固定IPアドレスは、ルーターの再起動などに影響されず、常に同じアドレスを保ちます。グローバルIPアドレスに固定IPアドレス使用する場合は、取得に費用がかかりますが、防犯カメラのように外部からのアクセスが必要なネットワークを構築する場合には取得を検討しましょう。

ダイナミックDNSサーバーとは

ダイナミックDNSサーバー（Dynamic Domain Name System：DDNS）とは、IPアドレスが変わった場合でも固定のホスト名でインターネットを利用できるサービスです。

モニターを遠隔で監視する際などに利用され、一般的に、固定IPアドレスよりもコストを抑えることが可能です。IPアドレスが変更されるたびにDNSサーバーに通知され、ホスト名の更新を自動的に行います。

ネットワークカメラのポート開放とは？

ネットワークカメラについて調べていると、「ポート開放」という用語を目にする機会があります。ネットワークにおけるポートとは、いわゆる「扉」の役割を担う接続口です。

コンピューターには、複数のポートがついており、データの種類によって使われるポートが変わります。このポートは、セキュリティの観点から閉じた状態になっていることが一般的ですが、強制的にポートを開くことを「ポート開放」と呼びます。

ポート開放を実施することで、外部からアクセスできるようになり、遠隔からネットワークカメラを操作できるようになります。

ネットワークカメラのポート開放を行う際の注意点

ネットワークカメラを設置するにあたってポート開放を行う際は、セキュリティのリスクが増加する点に注意しましょう。

通常、ポートは不正なアクセスを防止するために閉じた状態になっています。しかし、ポートを解放すると外部からの通信が可能になるため、悪意のあるユーザーに不正アクセスされるリスクが高まります。

ファイアウォールなどのセキュリティ対策を講じたり、アプリやソフトウェアを最新バージョンにアップデートしておくことなどが大切です。

まとめ

ネットワークカメラにおける通信の仕組み、グローバルIPアドレスやローカルIPアドレスなどについて解説しました。

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