「防犯カメラ」が犯罪抑止や証拠以外にも役立つことを知っていますか?実は防犯カメラの「映像データ」は、ビジネスの成長につながる可能性を秘めているのです。たとえば、現場の遠隔確認、接遇改善、来店数の分析など、さまざまな経営課題の解決を効率化できます。
本記事では、防犯カメラ映像の活用方法やメリット、具体的な成功事例について解説いたします。
目次
防犯カメラが役立つのは「防犯」だけじゃない
一般的には防犯カメラとは、犯罪の抑止や証拠収集のために映像を記録する設備です。しかし、最新の防犯カメラでは、デジタル技術と掛け合わせることで新たな価値を生み出し、ビジネスの成果向上に貢献できる設備となっています。
たとえば、AI技術を活用した解析やクラウド技術を活用したネットワーク化により、防犯カメラの機能や利便性の大幅な向上。無人店舗で遠隔地からの映像確認、来店率や購買率などのデータ分析を駆使した戦略立案など、ビジネスをサポートする活用方法が実現されています。
つまり、現在の防犯カメラは「映像の記録」という今までの用途ではなく、「映像の活用」に注目されています。
映像×デジタル技術で実現できること
クラウドやAI技術などを駆使した防犯カメラ映像の活用により、次のような先進的な取り組みを実現できます。
クラウドを用いた映像データの一元管理
クラウドベースの映像活用により、映像データはオンラインで一元管理できるようになりました。これにより、遠隔地からの映像確認や映像データのシームレスな共有が実現できます。
たとえば、経営者やマネージャーが実際に店舗を訪れる時間がなくても遠隔での臨店、インシデント発生時にリアルタイムでの映像共有など、映像を業務に用いることで経営課題の解決に期待できます。
AI技術を用いた映像データの解析
AIを搭載した防犯カメラを用いることで、来店者数のカウントや混雑状況のリアルタイムモニタリングが実現可能です。これまで勘や予測に頼らざるをえなかった情報を具体的な数値にでき、店舗運営の戦略立案に役立てられます。
人物や異音を自動検知してアラート通知
クラウド型防犯カメラの一部サービスには人物や異音、映像内の動きなどを検知し、管理者のスマートフォンに通知するアラート機能を搭載したものがあります。たとえば、侵入禁止エリアに人が立ち入ったり、異音がした場合にAIが自動検知し、異常が発生したことを管理者へリアルタイムで通知します。
そのまま遠隔で映像データの確認もできるので、店舗やオフィスが万が一にも被害を受けた場合、近隣の警察署への通報や現場のスタッフへの迅速な指示出しにもつながるでしょう。
オペレーションの改善
作業現場での安全性や効率の向上にも、防犯カメラの映像が活用されています。たとえば、高所作業や高圧電流作業のような危険を伴う作業において、映像を介して遠隔でのフィードバックや作業状況のモニタリングも実現できます。
マニュアル化できない技術伝承
伝統的な技術やノウハウの継承においても映像データに記録することが可能です。マニュアルでは説明しきれない繊細な技術を次の世代に伝承することに役立てられます。
業界ごとの防犯カメラ映像の活用事例
防犯カメラ映像の活用はさまざまな業界で採用され、多種多様な業務効率化の成功事例があります。ここでは、クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」を実際に導入した企業の成功事例について紹介します。
飲食店の「衛生管理」に映像を活用
導入業界:飲食業界
導入目的:セキュリティ強化、衛生管理
導入効果:上長の臨店回数の削減、バイキングの衛生チェックの効率化
外食事業を展開する「アールアンドケーフードサービス株式会社」では、セキュリティの強化と衛生管理に防犯カメラ映像を活用しています。
防犯カメラを導入後、クラウドで場所と日付を指定したピンポイントの映像確認により、上長の臨店回数の削減に成功しています。また、タブレットで映像を確認する仕組みの構築により、人気のサラダバーに異物が混入されていないかバックヤードからでも確認できるようになり、セキュリティと衛生管理の効率化を実現しました。
小売店での接遇改善や店舗運営の効率化
導入業界:小売業界
導入目的:セキュリティ強化、接遇改善、運営効率化
導入効果:店前交通量と来店率の解析、接客技術の共有・向上
バングラディシュの貧困問題の解決を目指し、革製品の製造・販売ビジネスを展開している「BUSINESS LEATHER FACTORY」では、セキュリティ強化と同時に接遇改善や店舗運営の効率化に防犯カメラの映像を活用しています。
AIを搭載した防犯カメラを導入し、POSデータでは判明できない客観的なデータを具体的な数値で表すことができるようになりました。たとえば、店前交通量によって異なる来店率や来店者の購入率など、AIカメラの分析データによって顧客の動きや購買行動などの見える化の実現に成功しています。また、接客の様子をグループ内で映像共有し、スタッフの接客スキルアップやサービス向上の取り組みにもつながりました。
建設業界での遠隔確認による業務効率化
導入業界:建築業界
導入目的:工事現場の遠隔チェック、安全品質向上
導入効果:監督者の現地訪問の回数削減、作業の品質向上
ガス関連のエンジニアリング&ソリューションを提供する「株式会社キャプティ」では、工事の安全品質を落とさずに監督者の負担を軽減できるツールとして、防犯カメラの映像を活用しています。
防犯カメラ導入後、監督者が現地の映像を遠隔で確認できるようになり、作業手順の確認や指示出しなどを現地に訪れなくてもできるようになりました。その結果、休日出勤した際の代休取得が大幅に向上し、取得率が100%に達するほどの効率アップに成功しています。
また、作業者の不正行為や依頼者からの苦情に対しても、エビデンスとなる映像が残ることにより、安心感を得られるようになりました。
防犯カメラの映像活用の将来性
防犯カメラの映像活用は、これまでの防犯対策とはまったく異なる新しいアプローチといえます。単なる犯罪防止ではなく、ビジネスの成長や業務改革をうながす革新的なツールとして期待されているためです。
しかし、その価値については、ほとんどの企業でいまだに理解されていないのが現状です。今までの防犯カメラの主な用途は、犯罪の記録や予防に限られていました。社会のデジタル化が進むなかで、アナリティクスやビッグデータの活用など、単なる映像の記録ではない、特別な役割を防犯カメラが持つようになってきたのです。
ZoomやTeamsのようなWEB会議ツールなど、ITと映像データの活用は日々進化しており、防犯カメラもその機能性を拡張し続けています。防犯カメラの映像データは、経営戦略や業務プロセスの最適化、さらには無人店舗など新しいビジネスの創出にも寄与するでしょう。
今後、セキュリティ強化と経営効率の向上にむけて、防犯カメラの映像活用の重要性が増していくと予想されます。多くの企業がこの最新技術を導入するようになり、映像を活用したDX化の概念がスタンダードとなる日もそう遠くないかもしれません。
防犯カメラの役割は「映像の活用」へ
映像を記録するだけでなく、「映像の活用」へ、防犯カメラの用途はすでに広がっています。しかし、「映像の活用による業務効率化」というアプローチは、まだ世間に浸透していません。
AI解析、映像の遠隔チェックなど、今までの防犯設備では考えられなかった活用が実現され、経営課題の解決に貢献しています。もし経営課題でお悩みであれば、業務改善における防犯カメラの映像活用についてぜひご相談ください。
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