自動化・効率化が急務!変革を進める物流業界の今

特集

物流に"目"を備えよ

物流業界は、2024年問題や市場環境の変化に伴い、急速にDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいます。国内物流市場は自動車業界などでの荷動きの回復や、3PL(サードパーティーロジスティクス)等の物流業種での復調がみられました。

また、EC(電子商取引)による輸送需要の高まりによって宅配便市場は、堅調に推移しています。しかし、人手不足は慢性化しており、倉庫内ピッキングスタッフやドライバーなどの確保に苦慮しています。

人手不足問題に対応しつつ、今や当たり前になった「即日配送」などの高品質かつ安定的な物流サービスの提供を実現する裏側の仕組みに迫ります。

EC市場拡大に対応するシームレスEC
プラットフォーム

佐川急便を中核とするSGホールディングスグループは、江東区新砂に次世代型大規模物流センター「Xフロンティア®」を新設し2021年3月に全面稼働を開始しました。

同社グループでロジスティクス事業を展開する佐川グローバルロジスティクス株式会社は、通販事業者向け「シームレスECプラットフォーム」サービスを提供し、複数のロボットの導入により高度に自動化されたオペレーションを展開しています。

顧客はこのサービスを利用することで、マテリアルハンドリングの初期投資やスペースなどの固定費をかけずに、大手通販事業者と同等の作業品質で通販ビジネスを開始することができます。

今回は、そのシームレスECプラットフォームの役割とSafieのカメラを導入いただいている千葉北営業所の担当者の方にEC需要への対応についてお話を伺いました。

“物量の波動”に即応するプラットフォーム

佐川グローバルロジスティクス株式会社 
物流ソリューション部 LE(ロジスティクスエンジニアリング)課 課長 中村 洋平 氏

シームレスECプラットフォームの役割は何でしょう?

中村氏:近年、toC(一般消費者向け)のEC需要が増えたことで、想定以上に個人宅への小物の発送が増えています。働き手が減っていく中で、安定した物流網を維持し続けるにはロボットの活用も欠かせません。

そこで、シームレスECプラットフォームでは、棚搬送機や商品を高密度で保管することできる自動立体倉庫など、様々なロボットを導入して作業を効率化しています。

クライアントのニーズはどのようなものがありますか?

中村氏: シームレスECプラットフォームの規模感・立地を評価いただき、ECで波動が大きいお客さまや初期投資を抑えて、すぐに入出荷のスキームを構築したいというお客さまにご利用いただいています。

また、多くのロボットを導入し、人とロボットが協働していることから、お客さまには先進的な取り組みとしても評価いただいています。

ECの場合、荷主様のプロモーションやインフルエンサーによる影響が非常に大きく、突然大量の発送が生じることがあります。荷物の量の変動を「物量波動」と呼ぶのですが、人がこの波動へ対応しようと思うと、作業人数を増やさなければなりません。ですがロボットであれば処理スピードを変えることで波動に対応することができます。

人とロボットの業務割合はどれぐらいですか?

中村氏:倉庫内には、ほとんど人がいないように見えると思いますが、実は人間と機械の業務割合は50:50になるように設計しています。

理由は、機械化を進めるほど定形業務はシステマティックでスピーディーになりますが、お客さまの要望に応じたカスタマイズができないことや、トラブルがあったときに代替策が打てなくなるからです。

そのため、機械で行っていることを人が手動でもできるように指導やトレーニングしています。機械で対応できない部分やトラブル、非常時には、やはり人が重要な役割を果たします。

ロボットは現状、効率的なピッキングおよび入出荷に重点を置いて設計されており、発生した物量の波動に対して素早く正確に対応するという点で価値を発揮しています。

複数拠点で物流の価値を創造する

シームレスECプラットフォームは、定形の仕組みに落とし込むことで「物量の波動」に合わせ、スピーディーに対応することが得意です。一方、個別対応が必要な作業要件が多いお客さまにはオーダーメイド対応が得意な倉庫をご提案しています。

次は、WMS(倉庫管理システム)とカメラを連携し効率化に成功した佐川グローバルロジスティクス株式会社千葉北営業所の事例をご紹介します。

WMSとSafieの連携で物流管理業務を効率化

千葉北営業所は、人力での検品が必要なものをより正確に行うことがミッションのひとつです。大口顧客の検品作業効率を向上させるために、30台のSafie One(セーフィー ワン)というカメラを導入していただきました。

Safie One は、WMS(倉庫管理システム)と連動することで、物流管理業務の効率を大幅に向上しています。ここでは、Safie(セーフィー)の導入経緯や導入後の効果について、担当のお二方にお話を伺いました。

物流ソリューション部LS課 課長 加賀 谷司 氏
千葉北営業所 主任 宮下 誠一 氏

今回、物流倉庫の検品作業でSafieのカメラを導入いただきましたが、その背景は?

加賀谷氏:エンドユーザーから出荷した商品に関する問い合わせが荷主のカスタマーセンターに入ることがあります。その場合、まずは当社の検品作業を映像で振り返り、事実関係の確認を行います。

そのため、以前から検品作業の映像をオンプレミス型のカメラで記録していたのですが、蓄積された映像データに検索性がなく、該当する検品作業の映像を見つけ出すのにかなりの時間を要していました。

さらに、映像の記録期間が30日程しかなかったため、それ以前の業務をさかのぼって確認することができないという課題がありました。この状況を改善するために注目したのがSafieです。当社のWMSと連携が可能で、長期間映像を保存できるところに魅力を感じました。

―WMSと連携するのはSafieのカメラが初めてだそうですが、連携作業はいかがでしたか?

加賀谷氏:WMS上に記録されている検品の開始時刻の情報をもとに連携することができたので、非常にスムーズでした。Safieと私どものサービスの相性が良かったのだと思います。おかげで開発費用を大幅に抑えることができました。

─Safieのカメラを導入した結果、どのような効果があったかお聞かせください。

加賀谷氏:以前は荷主から問い合わせがあった際、必要な映像がなかなか見つけられなかったのですが、今はピンポイントで映像をピックアップして確認し、すぐに状況を報告できるようになりました。

ときには映像をエビデンスとして提供することもあります。サービスの向上にもつながり、お客さまの満足度も上がっていると思います。

確認作業を60分から1分に短縮

―Safie導入前は別のカメラを使用されていたとのことですが何が課題でしたか?

宮下氏:以前はオンプレミス型のカメラを入れていたのですが、問い合わせがあったときにピンポイントで該当する映像を見つけ出すのが難しいという課題を抱えていました。

作業時間のログを確認したうえで「何時何分から何時何分ぐらいかな」と少しずつ映像を再生しながら該当箇所を探し、ようやく見つけても画角がずれていて十分な確認が取れないなどの問題がありました。

―SafieのカメラをどのようにWMSと連携されているか教えてください。

宮下氏:まず検品作業を完了した段階で、伝票のバーコードを読み取った時間がWMS上にタイムスタンプとして登録されます。映像を確認したい場合は、WMSの画面上で該当する作業のタイムスタンプをクリックすると、検品作業をしている手元部分の映像が表示される仕組みです。この映像を確認することで、必要な荷物を正しく入れているかをチェックすることができます。

─Safieを導入いただいた結果、どのような効果があったかお聞かせください。

宮下氏:以前は問い合わせ1件あたりの対応に1時間ほどかかっていたのですが、Safieカメラ導入後は1〜2分で対応できるようになりました。大幅な業務効率化にもつながりましたし、お客さまにも短時間で回答できるようになりました。

また、作業の様子をチェックして、マニュアル通りの手順が守られているかを確認するという使い方もしています。その場に行かなくても作業の手元を見ることができるのは、非常に便利です。

人とシステムの連携が業務効率化や顧客体験向上への鍵

取材を通して感じたのは、注文から出荷までがシームレスにつながっていくこと、出荷量が増えても品質を担保できることが、シームレスECプラットフォームなら可能だと言う点です。

単にロボットによる自動化をするだけではなく、そこに人が50%介在することでカスタマイズや万一のトラブルにも柔軟に対応できるというのは、これから自動化を進めようと考えている物流事業者にとって示唆となるでしょう。

また、千葉北営業所ではSafieのカメラとWMSを組み合わせることで、大口顧客の荷物の検品作業効率が大幅に向上し、ミスが減っています。

すべての倉庫を同じ能力にするのではなく、シームレスECプラットフォームでは定型の作業をスピーディーに、千葉北営業所では人力での検品をより正確にというように、システムと人力作業の最適化を可能にしています。

一拠点をどうするかではなく、複数拠点、エリア全体でどのような価値を発揮していくかという考え方は、業務効率化と顧客体験向上の鍵になるのではないでしょうか。

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