既設カメラをSafieでクラウド化
巨大ロジセンターにおけるSafie Trail Station活用法とは

宅急便を中心とした物流サービスを担う「ヤマト運輸株式会社」。同社は既設カメラに繋ぐだけで映像をクラウドで確認できるSafie Trail Stationを導入し、複数拠点の遠隔管理を実現されています。今回は導入の背景や活用法について、詳しくお話を伺いました。

(取材:2025年5月)

導入の決め手

  • ネットワーク設定後、本体にLANケーブルを挿せば設定が完了する簡易さ
  • 導入がスピーディーなので、新拠点開設に間に合わせることができた
  • 既設カメラを利用できるため、初期投資と撤去時のコストダウンが可能

導入目的

  • 既設カメラのクラウド管理化
  • カメラ映像による業務効率アップ

導入した結果

  • 既設カメラを簡単にクラウド化でき、新規拠点の立ち上げがスムーズに
  • 設備の不具合発生時に映像での原因特定ができるようになった
  • 庫内放送と組み合わせて、遠隔で効率的な作業指示が可能に

宅急便を中心とした小口配送サービスに加えて、企業向け物流ソリューションの提供など、顧客のサプライチェーンの最適化に取り組む「ヤマト運輸株式会社」。

業務効率アップと課題解決に向けて「Safie Trail Station(セーフィー トレール ステーション)」を東京第二クールロジセンターに導入された同社に、導入の経緯と効果について、お話を伺いました。

映像データの有効活用が課題 
クラウド導入で新たな可能性を探る

──はじめに、「ヤマト運輸株式会社」様の事業内容についてお聞かせください。

東京第一及び第二クールロジセンターでセンター長を務める香川 太助さん

香川さん:ヤマト運輸は「宅急便」でご存知の方が多い会社ですが、現在は宅急便事業を基盤に法人ビジネスの拡大を図っています。

たとえば、全国に展開する法人物流拠点と宅急便ネットワークや法人輸配送ネットワークを活用し、企業のサプライチェーンの最適化を図る、コントラクト・ロジスティクス事業もその一つです。

お客さまの商品在庫の適正化や納品までのリードタイムの短縮、物流提案を通した新たな販売チャネルの創出など、サプライチェーン全体の最適化をご提案しています。

──今回は「GLP ALFALINK流山」内に新設されたセンターにお邪魔していますが、こちらはどのような役割の施設になりますか?

香川さん:「GLP ALFALINK流山」内の当社施設は、冷蔵・冷凍商品の保管・流通加工に対応できる物流センターです。当社は成長するクール市場に対応すべく、2024年4月に品川に冷蔵・冷凍に特化したコントラクト・ロジスティクス拠点「東京第一クールロジセンター」を開設。そして2025年の2月に、第二拠点としてこちらの施設を開設しました。

同施設では、他社の既設カメラが設置されていましたが、不足していたエリアにSafie(セーフィー)のカメラを追加で設置しました。

──Safie Trail Stationは既設のIPカメラをクラウドで一括管理できるサービスですが、どのようなきっかけで導入を決められたのでしょうか。

コントラクトロジスティクス部 マネージャーの吉森 孝明さん

吉森さん:東京第一クールロジセンターには100台を超える他社の既設カメラがあるのですが、データが重く、どんどん上書きされていくレコードタイプだったので、映像をうまく活用できていませんでした

「クラウドであればもっと映像を有効利用できるし、何か新しい取り組みができるのでは?」と漠然と考えていたときに、とある業界向けの展示会でSafie Trail Stationを知り、興味を持ったことが導入のきっかけです。

この展示会のすぐ後、東京第二クールロジセンターの開設が決定した2024年9月〜10月あたりに導入を決め、今年の2月から使用を開始しました。

決め手は低コストと導入のスピーディーさ 
安全・防犯・商品の管理に映像を活用

──Safie Trail Station導入の決め手となったのはどんな点ですか?

4階オフィスのモニター下部に設置されたSafie Trail Station

吉森さん:既設カメラをそのまま使い、クラウドでいつでもどこでもセンター内の映像を見られることが大きな決め手でした。また、今までのカメラシステムは、導入、ネットワーク設定、機器の設置にかなり時間がかかったのですが、それと比べてSafie Trail Stationは、基本的に他の機器は不要で、事前にネットワーク設定さえすれば、本体にLANケーブルを挿すだけで設定が完了する簡易さに驚きました。Safie Trail Stationから直接モニターに出力できるため、閲覧用のパソコンは不要ですし、プランや設定の煩雑さがなく、スピーディーに映像システムを構築できる点も魅力でしたね。

物流市場はどんどん拡大しており、2〜3カ月といった短期間で新たな拠点を立ち上げることも少なくありません。そのため、導入スピードが早いということは必須条件でした。

また、既設カメラをそのまま活用できるため工事が不要で、その分、初期コストと、もし退去する場合に必要な原状回復にかかるコストを抑えられることもメリットでした

──導入にあたって、何かハードルはありましたか?

吉森さん:Safieは当社の別の部門が利用していたという実績もあり、コストメリットをしっかりと訴求できたので、特にハードルはありませんでした。

──物流拠点では、どのようにカメラを活用されているのでしょうか。

香川さん:大きく分けると、「安全」・「防犯」・「商品管理」の3つに活用しています。具体的には、従業員の作業が安全に行われているかの確認、入退室チェック、荷物の入出庫確認、お客さまからお預かりしている資産の定点管理などです。

また、在庫数が合わないときや、不測の事態が起きたときなどに、原因を探る材料として映像を活用することもあります。このようなとき、私と吉森さんや関係者で映像を確認する必要があるのですが、クラウドならどこからでも確認できるので、とても助かっています。

冷蔵庫内で作業している様子

──ビューアーの使い勝手はいかがですか?

香川さん:画面の一部を拡大して見たいときはそこをダブルクリックして画面を大きくできますし、直感的に使えるので便利だと思います。特に何か知識が必要というわけでもなく、ユーザーフレンドリーな仕様だと感じています。

最大のメリットはリモートで映像を確認できること 
設備不具合の際の原因究明も可能に

──Safie Trail Stationを導入していただいた結果、どのような効果がありましたか?

香川さん:Safie Trail Stationの導入で既設カメラの一括管理が可能となり、現場の映像をクラウドで確認できるようになったことで、業務の効率化を図ることができました。

従来は倉庫で何かがあったとき、4階のオフィスから1階の倉庫まで見に行く必要がありましたが、現場スタッフが1階の映像を4階で確認して、庫内放送で作業指示を出しているのを見て、誰に言われるでもなくカメラを活用しているということは、使い勝手が良いのだろうと改めて実感しました。

リアルタイム映像で倉庫状況を把握することで、適切な指示が可能に

吉森さん:これも一例ですが、先日、設備に異常が出た際、原因を調べるためにセーフィーさんにご協力いただき、画像を切り出していただいたことがありました。映像を確認した結果、原因をすぐに究明することができました。何か不具合が発生したときに、迅速に映像で事実確認ができることも、大きな成果の一つだと思っています。

──映像の活用について今後の展望などがありましたら教えてください。

吉森さん:当社はEC物流も手がけていますが、商品のお届け後に梱包内容などに関する確認のお問い合わせをいただくことがあります。その際、映像で注文通りに梱包されているかどうかが確認できますので、今後はSafieと自社のWMSを連携させ、受注情報と該当作業映像を紐づけることで、あとからすぐに確認できるようなオプションも、お客さまにご提案していきたいと考えています。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。
※映像の活用は、閲覧が必要な担当者が事前に特定した利用目的に必要な範囲で行い、映像に写り込んだ個人を特定、追跡することは行いません。


お話を伺った方

ヤマト運輸株式会社
コントラクトロジスティクス部
マネージャー
吉森 孝明さん


ヤマト運輸株式会社
東京第二クールロジセンター
センター長
香川 太助さん