効率よく効果的に。映像活用で臨店業務を最適化
営業品質改善による顧客体験価値の最大化に挑む
国内外に直営店・ライセンス店を含め200以上の飲食店および食品販売店を構える「株式会社エー・ピーホールディングス」。同社のブランド『塚田農場』では営業品質向上による顧客体験価値の最大化、売上拡大を目指し、店舗のオペレーション改善にSafieをご利用くださっています。
(取材:2023年8月)
導入の決め手
- 顧客の課題解決に取り組むセーフィーの姿勢
- 高画質で音声も聞こえ、現場にいないときも店舗の様子がわかる
- いつどこにいても映像視聴できる利便性
導入目的
- グループマネージャーの臨店業務の効率化のため
- 映像活用による営業品質(料理・接客)の向上のため
- 品質改善による顧客体験価値の向上のため
導入した結果
- 臨店の移動時間を軽減し、グループマネージャーの生産性が向上
- 各店舗の実情を把握でき、的確なマネジメントが可能に
- 映像を根拠とした改善指導で営業品質が向上
INDEX
2001年に創業した株式会社エー・ピーホールディングス(当時は株式会社エー・ピーカンパニー)。現在は『塚田農場』をはじめ200店舗以上を運営しています。「食のあるべき姿を追求する」というミッションを掲げ、一次産業に積極的にかかわり、生産者・販売者・消費者のALL-WINの達成に向け、「食」に関する産業全体の盛り上がりを視野に事業を展開しています。
同社では、『塚田農場』の営業品質向上に向けた店舗オペレーション改善施策でSafieを活用中。カメラ導入の背景や活用方法・効果などについてインタビューさせていただきました。
お答えくださったのは、今回の取り組みを統括する塚田農場カンパニー 営業品質改善室長の原中 泉さん。また、東関東エリア グループマネージャーの行方 公一郎さん、『塚田農場』水戸駅北口店 副店長の長山 未来さんのお2人には、映像を使った接遇改善に臨んだ現場の声を伺いました。
外食業界の厳しい状況を打開する施策の1つとして、
店舗のオペレーション改善に注力
──はじめに、御社が展開する飲食店ブランド『塚田農場』の特徴をお教えいただけますでしょうか。
原中さん:2007年に立ち上げた『塚田農場』は、生産者の思いが込められたおいしい食材を、心地よい接客でご提供する居酒屋ブランドです。一番の特徴は食材流通の中間マージンをなくし、生産から流通、販売までを一貫して手がける「生販直結モデル」の実践です。質の高い料理をリーズナブルにご提供し、生産者の利益にも寄与するこのスタイルは、2007年当時の居酒屋業界では画期的だったと自負しています。
──近年、『塚田農場』で力を入れていらっしゃる取り組みについてお聞かせください。
原中さん:『塚田農場』は、コロナ禍の影響もあって厳しい状況が続いていましたが、アフターコロナを迎え、業績は回復傾向となっています。ですが「中食の増加」「超低価格チェーン店の台頭」「飲み会の減少」など、『塚田農場』のような中間価格帯の居酒屋には、厳しい現状であるのも事実です。また、少子化や世界情勢を背景とした「人件費高騰」「食材価格の高騰」「水光熱費、家賃の上昇」と複数のコスト高要因が重なり外食業界は過去に例を見ないほどの逆風に見舞われています。そのため多角的なアプローチで収益のさらなる改善を図っているところです。
その一環として力を入れているのが、営業品質の向上を目的とした店舗のオペレーション改善です。『塚田農場』が強みとする「おいしい料理」「心地よい接客」の双方でお客様の満足度を高め、生産性も上げて売上を拡大しようという取り組みです。この取り組みの現場におけるマネジメントは、各エリアのグループマネージャー(以下、GM)が行います。GMは担当している複数店舗を臨店し、収益管理や料理・接客の品質管理を担うポジションで、今回の取り組みにも率先して臨んでもらっています。
映像モニタリングで臨店業務を効率化。
カメラを使った「ソリューションの提供」がセーフィーの魅力
──『塚田農場』の店舗にSafieを導入いただいています。導入の目的と、Safieに期待していらしたことをお教えください。
原中さん:セキュリティやインシデント発生時の事実確認など、防犯カメラとしての役割はベースで求めていました。けれどそれ以上に期待していたのは、GMの臨店業務の効率化でした。営業品質向上に向けてスタッフ教育を行うには、臨店が欠かせません。しかし、たいていは担当する店舗間に距離があり、移動時間の長さが課題の1つになっていました。当社の場合は店長がGMを兼任する場合もあり、自身も現場に入ることがあるため、思うように臨店できないという実態があります。そこで、カメラ映像を使って店舗の様子を見られるよう遠隔臨店の体制を構築しようと考えたのです。
Safieはクラウドカメラで映像を視聴するアプリケーションの環境も整っていますから、GMがいつどこにいても、手元のデバイスで店舗の映像を確認できます。さらに、高画質なので火入れ加減や盛り付けなどの料理品質もわかりますし、音声も聴けて接客内容も確認可能です。動きのあるシーンにフラグが立つなど映像視聴の効率性もすぐれていて、限られた人員で現場教育を拡充するにはうってつけのツールだと思いました。
何より魅力的だったのが、「クラウドカメラを提供しよう」ではなく、「クラウドカメラを使ったソリューションを提供しよう」というセーフィーさんのスタンスでした。ICTツールは性能もさることながら、どう使いこなすかがものすごく重要です。単にカメラを設置するだけの会社さんも少なくない中、セーフィーさんは私たちの課題に寄り添い、カメラ活用を具体的に提案してくださる。モノではなくソリューションを提供しようという姿勢が伝わってきて、非常に心強かったです。
接客を可視化し、スタッフのファインプレーを展開。
映像活用でフォローアップが厚くなり、施策の浸透効果もアップ
──『塚田農場』の店舗における、Safieの活用方法をお聞かせください。
原中さん:カメラを導入する際、私たち営業品質改善室からは、「目的は営業品質の向上であり、映像はスタッフのファインプレーの抽出および共有のみに使用する」ということを関係者全員にアナウンスしました。
導入後は、主に「試合日」と呼んでいるオペレーション改善施策でカメラを活用しています。「試合日」とは、定められた特定日時の担当店舗のカメラ映像をGMがモニタリングし、店長とともに営業品質向上のための目線合わせを行う施策です。「試合日」は週末夕刻などのピーク帯に2〜3時間ほど設定することが多く、原則として月に2回のスパンで実施します。ほか、習熟したスキルを持つスタッフの仕事ぶりを撮影した映像をムービークリップで切り出しダウンロードして、研修資料として使うこともあります。
──行方さんは東関東エリア5店舗のGMとして、担当店舗である水戸駅北口店の「試合日」を実施し、長山さんは水戸駅北口店の副店長として「試合日」に参加されています。おふたりは「試合日」にどのようなことをなさるのでしょうか?
行方さん:GMである私は「試合日」の終了後に該当のカメラ映像をPCで見返し、スタッフのファインプレーをピックアップしていきます。次に、店長へのフィードバックの時間を設け、店長と一緒に「試合日」の映像を見ながら、「ここの対応は良かったから、みんなにも展開しよう」「こういう接客を増やそう」と、店舗内で水平展開したいナレッジポイントの打ち合わせを行います。その後、店長へのフィードバックの様子をカメラで撮影した録画映像を添え、結果と今後の方向性を経営層にエスカレーションします。
長山さん:「試合日」当日は、私は店舗で業務に当たっている日もあれば、シフトで休みの日もあります。どちらの場合も私が在籍する水戸駅北口店では、行方GMからのフィードバックは副店長の私が受けています。フィードバック後はアルバイト含む店舗の各スタッフに対し、これからさらに伸ばしていくべき「良かった動き」を共有し、接客品質のブラッシュアップを図ります。
──カメラを使ったオペレーション改善施策で、感じていらっしゃる効果をお聞かせください。
原中さん:1つ目はGMの移動時間の軽減です。今まで臨店の移動に使っていた時間を店舗運営業務に当てることができ、生産性アップにつながっています。2つ目は店舗の実情を把握でき、マネジメントがより的確になったことです。先述の「試合日」は、店舗のアルバイトスタッフには実施日を伝えていないので妙に構えることがなく、実態を踏まえたマネジメントができます。
3つ目はGMと店長のコミュニケーションの機会が増え、店長たちの帰属意識が高まったことです。各店舗でのアルバイトスタッフへの働きかけが、以前よりも積極的になったと感じます。
とあるGMは、いままでは自身の店舗での店長業務が忙しく、各店舗に月に1度しか臨店できず店長やアルバイトスタッフとのコミュニケーションも希薄でした。ですが、遠隔臨店ができるようになってから自分の持っているノウハウをエリア全体のアルバイトスタッフへ発信するなど、コミュニケーションの質や姿勢が変わったんです。映像を使った遠隔臨店についてまだ取り組み始めたばかりですが、他のGMや店長にも好意的に受け入れられていると実感しています。
行方さん:「試合日」は、そのときどきで注力すべき特定業務が設定されています。例えば現在は「入店対応」にフォーカスし、お客様に対するファーストタッチまでの時間を測定するなど、映像をもとに接客を数値化しています。このように、映像は目標とする動きができた回数やスピードを計測・数値化できるので、説得力が増し、教育効果が高まりました。推移も出せるので、スタッフ自身も「これだけできている/伸びている」と実感してモチベーションが上がり、接客が磨かれます。
また、GMと店長の面談の中身も変わりました。一緒に映像を見返すことで、迅速かつ齟齬なく現状の共通認識を持てるので、多くを割いていたヒアリングの時間が圧縮されたのです。これまでは1時間の面談でヒアリング40分、レクチャー20分だったものが、録画映像を事前に確認することで今はヒアリング10分、レクチャ―50分と生産性の高い話が厚くなり、改善効果が高まりました。
長山さん:GMとの面談で映像を見ると一目瞭然でわかりやすいですし、現場で目が行き届かなかったシーンも発見できるのがいいですね。『塚田農場』はもともと「ほめて伸ばす」というカルチャーがありますが、カメラ導入後はアルバイトスタッフの成長をより多く発見できてほめる機会も増え、店舗全体の雰囲気がポジティブになっています。
多店舗展開の飲食店における映像の利用価値は大きい。
特に、オペレーショナル・エクセレンスを志向する会社にハマる
──今回の取り組みを通じ、外食業界における映像活用の可能性について、どのような印象を持たれたかお聞かせください。
行方さん:『塚田農場』のように多店舗展開する飲食店はアルバイトスタッフが多く、私たちマネジメント側が各担当店舗の状況に目を行き届かせることは不可能に近いです。カメラ映像は、そういった人の目が届かないところを補う理想的なツールで、活用シーンは幅広いと感じます。
原中さん:映像活用は、現場のオペレーションの質と効率を両方磨き込むことで顧客満足度を上げ、業績も上げることを目指す──即ち、オペレーショナル・エクセレンスを志向する会社、そのために人を育てる意識が高い会社にマッチすると思います。
私たちの事業を取り巻く環境は楽観できるものではありませんが、その流れに飲まれてしまうと、関わってくださっている一次産業、二次産業の方々も苦しくなってしまいます。だからこそ私たちは、飲食業の新しい勝ち方をつくる使命があると考えています。ようやくアフターコロナの時代になり、「外食っていいね」と再認識した方も多いのではないでしょうか。そう感じてくださる方々のためにも、テクノロジーの力で高い顧客体験価値を効率的に創出し、愛すべき外食業界を健全に進化させていきたいと思います。
※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。
お話を伺った方
株式会社エー・ピーカンパニー
塚田農場カンパニー 営業品質改善室 室長
原中 泉さん
塚田農場カンパニー 統括グループマネージャー
行方 公一郎さん
塚田農場 水戸駅北口店 副店長
長山 未来さん