「止めない物流」の実現から新規ビジネス開発まで
Safieカメラで遠隔管理システムを高度化
エネルギー貯蔵タンクの設計・製造などを担うプラント事業および次世代エネルギー開発事業と、物流システムの提供を軸とした物流ソリューション事業を手がけるトーヨーカネツ株式会社。同社では物流ソリューション事業でSafieカメラをご活用いただいています。導入目的や効果についてお話を伺いました。
(取材:2022年9月)
導入の決め手
- 全国各地の映像を、いつでもどこでも視聴できるクラウドカメラの利便性
- 映像が鮮明で異常音などの音声も確認できる
- ライブ映像を見ながら通話ができる(Safie Pocket2)
- ウェアラブルでも固定でも使用できる汎用性の高さ(Safie Pocket2)
導入目的
- 物流システムで発生するトラブルの原因究明のため
- 若手技術者への遠隔支援のため
導入した結果
- 映像による遠隔臨場で安定稼働に導くための業務を効率化
- トラブルの発生を映像で捉えることができ、原因究明に役立った
- 熟練技術者による遠隔臨場をサポートし、移動時間を削減できた
INDEX
1941年の創業以来、先駆的な取り組みで数々のイノベーションを生み出してきたトーヨーカネツ株式会社。
LNG、LPG、原油といったエネルギーの貯蔵タンクのメンテナンスを担うプラント事業、次世代エネルギー向け貯蔵タンクの開発に取り組む次世代エネルギー開発事業、そして、物流システムの企画、設計、製作、施工、販売、およびメンテナンスを担う物流ソリューション事業を主体とし、革新的な技術と実行力で、社会課題を解決する「ソリューションイノベーター」として伸展を続けています。
このうち物流ソリューション事業では、営業、施工管理、保守サービスの3領域でSafieカメラ(セーフィーカメラ)を導入。営業ではクラウド録画カメラ「QBiC CC-2L」、施工管理と保守サービスではウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2(セーフィー ポケットツー)」をご利用いただいています。
それぞれの業務でどのようにカメラを活用いただいているのか、お話を伺いました。
急拡大する市場の人手不足と人材育成が課題
Safieカメラで遠隔サポートを実施
──はじめに、皆さまが所属されているソリューション事業本部について教えてください。
小林さん:ソリューション事業本部では、お客さまの物流センターで使用する物流システムの構築(企画・設計・製作・施工)という総合エンジニアリングサービスから、メンテナンスを含むオペレーションサポートまでワンストップで提供しています。
幅広い業種のお客さまから高いご支持をいただいており、特に空港手荷物搬送システムにおいては羽田空港をはじめ全国65空港に納入実績があり、80%以上のシェアとなっています。
──今回、ソリューション事業本部でSafieカメラを導入いただいた背景をお聞かせください。
小林さん:ここ数年、物流市場は急拡大を続け、カスタマーニーズや配送の多様性が増しており、物流システムにもさらなる高度化が求められています。
しかしながら、物流事業の足元を見ると、市場の急拡大による人材不足、システムの高度化に見合った人材教育の拡充といった課題があり、その解決に向けたサポートツールとしてSafieカメラを導入することにしました。
同時に、ゆくゆくはカメラを使ったサポートを当社のサービスの付加価値とし、新規ビジネス開拓につなげたいとの思いもあります。
──今回カメラを導入くださったソリューション営業部、施工管理部、サービス部の業務についてお教えください。
小林さん:ソリューション営業部は物流センターを持つお客さまの課題に対し、最適なソリューションとなる物流システムを提案するコンサルティング的な業務に当たっています。
また施工管理部は、製作した物流システム納品の最終フェーズを担い、お客さまの物流センターでの据え付け、調整、管理、試運転、稼働立会といったシステムの稼働開始までの現場管理を行います。
そして、サービス部は施工管理部から業務を引き継ぎ、お客さまと保守契約を結ぶ、あるいはお客さまの物流センターに常駐するなどして、当社で設計施工した物流システムの総合メンテナンスサービスを提供しています。
人的リソースを割かずにチョコ停の原因を究明
──ソリューション営業部では、固定型のクラウド録画カメラ「QBiC CC-2L」を導入いただいています。どのような目的があったのでしょうか?
長谷川さん:私たちソリューション営業部は、システム稼働後に何かトラブルがあった際の窓口的な役割も担っています。その際は施工管理や保守サービスに接続する前に、必要に応じてトラブルの現状確認を行います。
ただ、トラブルで多いのは設備が「ちょこっとの時間」停止する「チョコ停」といわれるもので、発生が突発的なんです。現状確認のために現場に行き、長時間にわたって設備を監視すると大きなタイムロスが生じるので、カメラで解決できればとQBiC CC-2Lを導入しました。
──現在は、Safieカメラをどのように活用していらっしゃいますか?
長谷川さん:現在は約60台のSafieカメラを導入しており、お客さまの物流センターに納品したシステムの中でチョコ停の原因になりそうなところを撮影し、異常があったときにクラウド録画映像を振り返り視聴しています。
トラブル発生のシーンは、物流システムの異常発報の記録と映像のタイムスタンプを照合する、あるいは、Safieカメラのモーション検知機能(動きのあるシーンにフラグが立つ機能)を使って確認し、原因の究明に役立てています。
──カメラ導入で感じていらっしゃるメリットをお聞かせください。
長谷川さん:トラブルが起きても、現地に急行したり、人が張り付いたりする必要がなくなり、人的リソースを有効活用できるようになりました。
クラウドカメラですから、会社でも出先でも全カメラの映像を見られますし、現場に回収に行かずとも映像のクリッピングやダウンロードが可能な点もいいですね。
何より、映像はありのままの事実なので、人の主観によるバイアスがかかりません。おかげで的確かつスピーディーな事実確認と原因究明を実現できています。
ベテラン技術者が若手を遠隔サポート
移動コストを大幅に削減し業務効率化にも貢献
──施工管理部、サービス部では、ウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」を活用いただいています。カメラ導入に至った経緯を教えていただけますか。
戸島さん:Safie Pocket2を最初に導入したのは、私の所属するサービス部でした。目的は、熟練の技術者による若手技術者の遠隔サポートです。
遠隔サポートは以前からスマホやオンライン会議ツールなどを連携して実施していましたが、手がふさがって危険だったり、ケーブルが邪魔だったり使い勝手が気になっていました。そこで、現場で使えそうなウェアラブルカメラを探していたところ、Safie Pocket2を紹介されたんです。
映像は鮮明で、通話もでき、ウェアラブルなのでハンズフリー。さらには、三脚などに付ければ固定カメラとして使うこともできる。
活用範囲が広い仕様に魅力を感じて本格導入を決め、現在はサービス部だけで全国10拠点に約90台導入しています。
葛原さん:私たち施工管理部では、納品した物流システムの稼働初期段階のサポートを受け持っています。
物流システムのトラブル発生時の状況確認や原因究明を遠隔臨場で実施したく、そのためのツールを検討していたところ、サービス部からSafie Pocket2の使用感を聞いて導入を決め、現在は約60台を管理している現場に手配しています。
──現在は、Safie Pocket2をどのように活用していらっしゃいますか?
戸島さん:サービス部では現場の若手技術者がSafie Pocket2を身につけるなどして作業の様子を撮影し、遠隔から熟練の技術者が視聴することが多いです。通話もできるので、熟練の技術者が遠隔からリアルタイムで映像を確認して指示出しができますし、いつでも状況を確認できることが安全管理にもつながっています。
ほかにも、営業車で移動する前に車内でアルコールチェックの様子を撮影・記録したり、カメラをマグネットなどで固定すれば人が近寄りにくい設備を撮影できたりと、Safie Pocket2はさまざまな用途で活用できると感じます。
また、トラブル発生時はリアルタイムだけでなくクラウドに記録された録画映像を繰り返し見ることで原因究明にも活用しています。
葛原さん:施工管理部では、基本的にSafie Pocket2を物流システム周辺に固定して撮影し、トラブルの瞬間を映像で振り返り視聴しています。映像だけでなく異常音なども一緒に確認できるので、原因究明の一助になっています。
──導入して感じたメリットをお聞かせください。
戸島さん:現場の状況を遠隔で把握することができるようになり、技術者の現場間の移動時間が大幅に削減されました。業務効率化にも繋がっていると思います。
葛原さん:トラブル発生時の初動が早くなりましたし、目視による見逃しなどがない分、原因究明における正確性も増しました。
さらに、現場の人員計画もスムーズになりました。稼働初期段階にトラブルがあると、その確認のために現場にとどまらなくてはならず、次の現場の人員計画に影響が出ていました。今はSafie Pocket2が代わりにシステムを見守ってくれるので、私たちはスケジュール通りに次の現場へ移れます。
お客さまに対しても、「納品した物流システムの品質管理をカメラで担保する」という安心感をご提供でき、非常に良かったと思っています。
物流システムの付加価値として
クラウドカメラを用いた遠隔管理システムを実現したい
──最後に、今後のカメラ活用の展望をお聞かせください。
長谷川さん:ソリューション営業部としては、当社の物流システムの稼働・メンテナンスをより高い品質で実現するための付加価値として、Safieカメラの設置をお客さまにご案内できたらと考えています。何かあれば映像を介して迅速・的確に対応させていただく安心感と利便性をご提供したいですね。
葛原さん:私たち施工管理部が手がける工事は、現場に専任の監理技術者を配置しなくてはなりません。しかし監理技術者になるのは非常にハードルが高く、現状では社内の有資格者数が限られています。
そのため専任配置の確保には日頃から頭を悩ませていますが、今、国交省でICTツールを活用した遠隔臨場を条件に、専任配置を緩和する動きが出ています。今後はそうした動きも見据えて、Safieカメラの活用範囲を広げていきたいです。
戸島さん:私たちサービス部は引き続き、スタッフの技術・知識向上に尽力したいと考えていますので、Safieカメラで撮影した映像データを教育ツールとしても積極利用したいと考えています。
小林さん:Safieカメラは用途が非常に豊富な、すぐれたプロダクトだと感じます。映像の可能性を最大限に引き出し、もう一段上のDX実現に向けてチャレンジを続けていきたいと思っています。
お話を伺った方
トーヨーカネツ株式会社
ソリューション事業本部
事業本部長
専務執行役員
小林康紀さん
ソリューション営業部
営業第1グループ 兼 開発営業グループ
グループマネジャー
長谷川淳さん
サービス部 テクニカルセンター
センター長
戸島浩文さん
施工管理部 施工管理グループ
チームリーダー
葛原崇さん