「カメラに向かってスマイル」
シェアオフィスLIFORKでは、カメラは「楽しいもの」として使われる

NTT都市開発が運営するワークプレイス事業「LIFORK」では、手がける7拠点でセーフィー対応カメラを導入いただいています。セキュリティや監視ではなく、「楽しい」カメラを。LIFORKが大切にする哲学が、ユニークなカメラの活用を可能にしています。

(取材:2019年4月)

導入の決め手

  • 映像の美しさ、価格、クラウド対応であったこと
  • ベンチャー企業(新しい挑戦をしている会社)であったから

導入目的

  • 少人数で運営したいため
  • 導線設計の改善のため

導入した結果

  • カメラを起点としたコミュニケーションを取れるようになった

NTT都市開発が運営する「LIFORK」は、どんな場所も、その街の歴史や生活する人々に合わせて、もっと楽しく働く場所に変えていくブランドです。Work for a better lifeが根本にあり、より良い人生のために働く場の創出を目指しています。

LIFORKが特徴的なのは、商業事業本部が運営している点。多くのシェアオフィスやコワーキングスペースはオフィスビルを手がけている部署が担当することが多いのですが、NTT都市開発では「商業施設の発想」で、シェアオフィス等をつくっています。

たとえば、商業施設との連携。秋葉原UDXビルに入居する、LIFORK秋葉原では同ビル内のレストランや駐車場、大型カンファレンスルームの割引特典がついてきます。また、各会議室も工夫が施されており、ランチミーティングをする際にキッチン付スペースで焼き肉を焼きながらMTGができたり、別の会議室では筋トレ用のグッズが置いてあることも。秋葉原UDX内に店舗を構える東京都羽村市を拠点とするスーパーマーケット「福島屋」とも提携しており、会員専用ラウンジでは、美味しいオーガニックコーヒーを用意しています。

このように「働く楽しさ」や「人生のウェルビーイング」を重視しながら体験の設計を行なっているのは、NTT都市開発 商業事業本部 商業事業部 LIFORK担当 担当課長の金子昌徳さんです。「私たちは、建物をつくって終わりではなく、常にお客様のニーズや流行りを汲み取りながら、商業施設運営のノウハウを生かし、働く場所を企画・提案していきたいと考えています」と、金子さんは話します。

LIFORK 秋葉原ではセーフィー対応カメラの使い方も「楽しさ」を重視しています。そのユニークな活用方法について金子さんに伺いました。

「ベンチャーだから」がセーフィー対応カメラ導入のきっかけに

シェアオフィス事業の担当になる前から、商業事業本部として秋葉原UDXを10年以上にわたって担当してきた金子さん。約3年前には商業ゾーンのカメラの入れ替え業務にも携わり、様々なカメラを比較検討して、施設として最終的に170台近いカメラの導入を行なったそうです。その時から刷新し、セーフィー対応カメラを導入した理由を次のように語ります。

金子さん:以前、展示会でセーフィーのカメラが展示されているブースに足を運んだことがあり、その場で導入を決めさせてもらいました。映像の美しさ、価格、クラウド対応など、いくつか決め手になったポイントがあるのですが、ベンチャーであることも大きな要因のひとつです。ベンチャーを支援するLIFORKに導入するのだから、新しい挑戦をして世の中を変えていこうとしている会社や製品を使わなくてはいけない。6社くらいみましたが、セーフィー一択でしたね。

「LIFORKの考え方に合うか」金子さんはこの点を大切にしています。「LIFORKはコンセプトを大事にしているため、机も椅子もケーブルも、なにもかも購入の際には目を通しているんです」と金子さんは語ります。

LIFORKでは少人数での運営を行なうためにセーフィー対応カメラのほかに、スマートロックAkerunなども導入しています。

金子さん:一般的なシェアオフィスにはコンシェルジュのような方がいて、荷物の受け取りや、空調や電気の管理をしていると思います。でも、わたしたちは少人数で運営したいと考えています。一番最後にLIFORKを出たのに電気を消し忘れた入居者の方がいれば、映像をチェックして次の日に話にいきます。光熱費などを節約した分、オーガニックコーヒーや遊び道具などを導入して、入居者の皆さんに還元しています。

「世の中を変えたい、社会的意義のある仕事に取り組みたいと考えているはずなのに、空調や電気を消さないという姿勢はないですよね」と、金子さんは言葉を続けます。こういった金子さんの想いがお客様に伝わっているからか、LIFORKの運営が始まって一年が経つなかで、一度もトラブルが起きなかったそうです。

「見られる」から「楽しい」カメラへの価値転換

LIFORKでのセーフィー対応カメラの使い方がユニークなのは、セキュリティや監視ではなくカメラを起点としたコミュニケーションを誘発している点にあります。

金子さん:一般的にカメラが設置されていると「見られている」と感じるかもしれませんが、わたしたちはLIFORK内に「カメラがあるから笑って」というPOPを掲示しています。セキュリティカメラという認識ではなく、それに対してピースして笑顔になってもらいたいんです。

それはセーフィー対応カメラと一緒に活用しているスマートロックでも同じだといいます。セキュリティのためのカギではなく、カギを開けたことが運営スタッフに通知されることで「その人が元気に出社している」ことがわかるための仕組みなのだとか。カギを開けた履歴がないときには「最近来てないけど大丈夫?」と入居者とコミュニケーションを取ることもあるそうです。

他にも商業施設の視点から導線設計の改善にもセーフィー対応カメラを活用していると、金子さんは語ります。

金子さん:「たとえばA,B,C,Dとブースが並んでいるときに、なぜかBやCだけが利用されるケースがあります。その様子を映像でチェックし、理由を会員さんにヒアリングしにいくと『入って一番手前にあるAは使いにくい』というコメントをもらったことがありました。その声をもとにAのブースに座りたくなる仕掛けをつくるわけです。

また、金子さんは「あえてカメラに映る位置」に座るようにしているといいます。

金子さん:LIFORKは7拠点あるので、各拠点のスタッフは、わたしがどこにいるかをカメラでチェックしています。なので、あえてカメラに映る場所に座りますし、電話がかかってきて「いま◯◯にいますよね」と言われます(笑)。

最後に、今後セーフィー対応カメラに期待することも伺いました。

金子さん:入居者の方々と何かしらのイベントを開催したときに、集合写真を撮りたいのですが、誰かが撮影担当になると全員が映ることは難しいじゃないですか。せっかく各部屋にセーフィー対応カメラを設置しているので、そのカメラが撮影してくれたら嬉しいですよね。それはセキュリティカメラに『見られている』という状態ではなく、セーフィー対応カメラがみんなの安全も守るし、記念撮影もしてくれる存在という視点の転換だと思うんです。そんな視点でユニークな使い方が増えていくと面白いですよね。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2019年4月公開当時のものです。

お話を伺った方

NTT都市開発 商業事業本部 商業事業部 LIFORK担当 担当課長 金子昌徳さん