遠隔臨場から人材育成まで映像を幅広く活用
Safieカメラで建築業界の課題に挑む
岡山に本社を置く「ライフデザイン・カバヤ」は中四国を中心に、戸建住宅販売など、幅広い事業を展開する住宅メーカーです。現在、事業エリアを拡大中の同社では、現場監督の業務効率化にクラウドカメラを活用。導入目的や効果についてお話を伺いました。
(取材:2022年6月)
導入の決め手
- 定点撮影(俯瞰・PTZ)、ポータブルと用途に応じてカメラの選択が可能
- リアルタイム視聴、録画視聴の双方が可能な利便性の高さ
- 撮影・通信・通話機能がオールインワンで備わっていること(Pocket2)
導入目的
- 映像を活用した遠隔サポートによる現場監督の業務効率化
導入した結果
- 現場に行かずとも、リアルタイムで現場の様子を把握できた
- クラウド録画映像の振り返り視聴で、効率よく情報共有できた
- 現場監督が現場に赴く頻度が下がり、移動時間を大幅に圧縮
- 映像を使った遠隔サポートにより、現場監督の人員配置を効率化
- ベテランの目線で監督業務を撮影し、若手教育に活用
INDEX
乳製品メーカーのオハヨー乳業、お菓子メーカーのカバヤ食品を中核に、住宅、ゴルフ場運営、教育などの事業会社13社の経営管理を担う、「日本カバヤ・オハヨーホールディングス」。
同ホールディングスのグループ企業である「ライフデザイン・カバヤ」は、人にやさしい「木」の特徴を活かした戸建住宅の販売をはじめ、リフォーム事業、不動産事業、特建事業、新建材CLTを活用したFC事業などを幅広く展開する住宅メーカーです。
中四国エリアで高いシェアを誇る同社は2022年12月に設立50周年を迎え、事業エリアを拡大中。DX化も精力的に推進しており、業務効率を上げるツールとしてクラウドカメラを導入いただいています。
現在は、屋外対応の定点カメラ「Safie GO(セーフィー ゴー) 180」と「Safie GO PTZ(セーフィー ゴー ピーティーゼット)」、ウェアラブルカメラの「Safie Pocket2(セーフィー ポケットツー)」と複数機種のSafieカメラを活用。その背景や感じている映像活用のメリット、今後の展望についてお話を伺いました。
カメラのクラウド録画機能で、遠隔臨場のメリットを最大化
──御社では、屋外対応の定点カメラ「Safie GO」とウェアラブルカメラの「Safie Pocket2」を導入いただいています。まずは導入の背景をお聞かせください。
山岡さん:当社は中四国エリアを中心に事業を行ってきましたが、全国展開を見据え、現在は九州、沖縄までエリアを拡大し、拠点数も増やしています。これに伴い現場監督(施工管理者)が現場を訪問する案件も増えたため、DXによる現場監督の業務効率化は喫緊の課題となっていました。
現場監督は3名で1チームのチーム体制を採っており、誰かが休みの日でも仕事が回るようにしています。
しかし現状では、9チーム総勢27名の現場監督で平均1000棟の現場を回しており、監督の負担が膨らんでいました。中でも、拠点から1~2時間かかる現場が少なくないので移動時間が大きな負担となっていて、映像による遠隔臨場で解決しようとSafieカメラを導入しました。
──スマホのビデオ通話も遠隔臨場のツールになり得ると思いますが、なぜ、スマホではなくSafieカメラを選んでくださったのでしょうか?
山岡さん:実をいうと当初は、スマホのビデオ通話で事足りると思ったのですが、それは大きな誤りでした。
ビデオ通話の場合、基本的にリアルタイムで映像を視聴するので、現場の作業員とのスケジュール調整の負荷が発生します。また現場にしてみれば、アポイントの時間まで作業着手を待つといったタイムロスが生じることもあり、効率化に最適なツールではないと感じました。
その点、Safieカメラはクラウド録画されますから、リアルタイムはもちろんのこと、振り返りの映像視聴も可能です。現場監督は都合のよいときに録画映像を視聴すればOKで、この利便性の高さが導入の決め手になりました。
1〜2名分の役割を果たすSafieカメラは建築業界の課題解消に期待大
──現在はSafieカメラをどのように活用されていますか?
山岡さん:Safie GOは大型分譲団地などで全体を俯瞰できる屋外に設置しています。広角撮影なので現場監督は一気に複数棟を管理できます。
Safie Pocket2は戸建住宅の現場で上棟した後に内部に置き、定点カメラとして使っています。ほか、Safie Pocket2はウェアラブルですから現場の作業員が身につけて撮影し、映像を見ながら現場監督が遠隔で指示を出すといった使い方もしています。
さらに、これらの撮影映像は人材育成の資料にも活用しています。現状では大きく分けてこの3パターンの使い方が多いですね。
──映像活用で感じていらっしゃるメリットをお聞かせください。
山岡さん:やはり現場監督の業務効率化へのインパクトは大きいです。Safieカメラは画質がとてもいいですし音声もあるので、工事の進捗から現場の安全管理までを遠隔でしっかり確認できます。おかげで監督が現場に行く頻度がぐっと下がり、移動時間を大幅削減できました。
特に、リアルタイム視聴と録画映像の振り返り視聴、どちらもできることは大きいですね。
例えば、風が強い日に足場が心配だと思ったら、カメラ映像でリアルタイムに確認できます。またクラウド録画映像は現場監督が自分のスケジュールに合わせて振り返り視聴できるので、効率よく情報共有できています。
山岡さん:Safieカメラは、こうした日々の業務の効率化だけでなく、建築業界の共通課題にアプローチする可能性も秘めていると感じます。
当社の沖縄の拠点では社員大工が現場監督を兼任し、福岡や岡山のベテラン社員が遠隔で監督業務をサポートする体制を取っています。その際、撮影も通話も可能なSafie Pocket2があれば、ベテラン社員が現場にいるかのような臨場感でコミュニケーションができるんです。
定点およびポータブル型のSafieカメラを目的に合わせて使い分ければ、カメラが1人工、2人工ものの働きをしてくれるように思います。
これは就業人員が減少傾向にある建築業界においてはすごく大きなメリットで、投資の観点でも人員を増やすより低コストです。少子化で今後の大幅な人員増が望みにくい状況だからこそ、Safieカメラの可能性には大いに期待しているところです。
プロジェクトリーダーを中心に創意工夫し、映像活用で業界を変えるチャレンジを
──人材育成では、どのようにカメラを活用されていますか?
山岡さん:映像は教育シーンでも貴重な材料で、若手社員がSafie Pocket2で撮影した映像を上司が分析して指導したり、逆に各種施工検査などで上司が撮影した映像を若手に見せながら指導したりと、広く活用しています。
とりわけ上司が現場を移動しながら撮影した映像は、ベテランの目線を視覚的に共有できて重宝しています。口頭で伝えるのには限界がありますが、映像なら、どこをどのように見ているか齟齬なく伝わります。
──最後に、DX推進についてのお考えをお聞かせください。
山岡さん:私たちの業界は、まだまだDX化の余地があると思います。けれど、単に新しいツールに飛びつくだけでは真価を発揮できないだろうと考えています。
当社では「ICTツールを業務にどのように取り込んでいくか」、具体的にはオペレーションに関するアナログのルールづくりを重視しています。
Safieカメラを導入する際も、どんな場面で、誰がどの機種を使って何を撮るか、あるいはどんなときに必ず映像を確認するかといったルールを事細かに決めました。そうすることで運用の幅が広がりますし、継続的なツール活用が実現できると思います。
もちろん壁にぶつかることもありますが、ツール運用のプロジェクトリーダーを決め、「成功させるんだ」という気運を高めれば乗り越えていけるのではないでしょうか。
私は、人員減少の影響もあって、就業環境にさまざまな課題を抱えるこの業界を変えていきたいと思っています。そのためにDX推進は不可欠で、カメラはDX推進、ひいては業界の伸展に多くの可能性をもたらしてくれると感じます。引き続き、今はまだ想像もし得ないような新しい使い方の創造にチャレンジし、活用効果の最大化を目指したいと思っています。
お話を伺った方
執行役員 工事部 工事本部長
山岡嘉彦さん