グループホームの入居者とスタッフを守る「あんしんカメラ」
クラウドカメラが支える介護の現場

教育事業や人材事業など数多くの事業を手がけるヒューマングループ。その一翼を担う介護ビジネスを展開しているのがヒューマンライフケア株式会社。同社が運営するグループホームでは、ご入居者やそこで働くスタッフの「あんしん」のため、「QBiC CLOUD CC-2L」をご利用いただいています。

(取材:2021年7月)

導入の決め手

  • カメラが他社製に比べ威圧感がない、可愛らしい
  • 大がかりな設置工事が不要で取り付けが簡単
  • 導入コストが他社に比べ安価だった

導入目的

  • 入居者に安心して暮らしていただくため
  • 介護現場の共用部分の様子を記録するため
  • トラブルが起きた際に映像で確認するため

導入した結果

  • トラブルが起きた際に映像を確認できた

ヒューマンライフケア株式会社は、「人を育てる」事業と「人を社会に送り出す」事業を展開するヒューマングループの一員として、おもに介護・保育ビジネスを展開されています。スタッフの確保が困難といわれる介護業界において、同社は人材の育成と定着に注力。IoT化も積極的に推進しています。

今回、同社が手がけるグループホームにおいて、ご入居者様やスタッフの安心を支えるためにクラウドカメラ「QBiC CLOUD CC-2L」(以下、CC-2L)をご導入いただきました。導入の経緯やご利用状況について伺いました。

ご利用者様もスタッフも守るため、現場のありのままを記録したかった

──まずは、同社の事業内容と、カメラを設置されている施設について伺いました

田島さん: 当社は、介護ビジネスを主とし、保育園の運営なども行っている会社です。
介護分野では、施設にご利用者様が住まわれて、そこで介護サービスを受ける施設型と、ご利用者様のご自宅を起点として施設に通ったり、スタッフがご自宅に訪問したりして介護サービスを提供する在宅型の介護サービス等を行っています。

弊社が提供する介護サービスの種類は、日帰りでご利用いただき、レクリエーションや入浴・食事、認知症予防などのプログラムをご提供する「デイサービス」、通いだけでなく、訪問や宿泊を組み合わせて利用できる「小規模多機能型居宅介護」。居住するタイプでは「介護付有料老人ホーム」や認知症の症状がある方が少人数で生活する「グループホーム」等を運営しています。

今回、Safieカメラを導入させていただいたのはグループホームで、全36施設のうちすでに30の施設に設置しています。

──グループホームにおいて、どのような目的でSafieカメラをご導入されたのでしょうか?

田島さん: まず、カメラを設置している場所は、グループホーム内で食事をしたり、レクリエーションをしたりといった共用スペースになります。個室はプライバシーもありますので、設置していません。

カメラの導入は、「現場のありのままを残しておきたい」という考えからです。
小規模とはいえ複数の方々が生活を共にしていると、ご入居者様同士のトラブルはどうしても発生してしまいます。これまでは、トラブルがあった際、双方から聞き取りを行って対応する形でしたが、なかなか解決しにくい状況でした。
カメラで撮影することでトラブルの一部始終が映像と音声で残れば、状況を正しく把握することができます。
それは、すなわちご利用者様を守ることに繋がると考えました。

ご入居者様を守るという意味では、カメラで一部始終が撮影されていることで、スタッフも正しいケアを行う意識がより高まり、ケアの品質の向上にも繋がります。

また、ご入居者様だけでなく、スタッフのことも守れると考えています。
例えば、認知症を発症されていると、スタッフが正しいケアをしているにも関わらず「こんなことをされた」「○○してもらってない」と勘違いされてしまうこともあります。そういったときに映像と音声で正しく状況が把握できれば、スタッフを守ることができます。

そして、万一の事故への対応でもカメラの映像は役立つと考えています。
事故が起きた際の状況を把握できれば、原因の追求そして再発の防止につながります。これもご利用者様を守ることに繋がります。

数ある商品の中から比較検討。見た目の可愛らしさ、設置の手軽さが魅力

──数ある製品の中から、Safieカメラをお選びいただいた決め手は何だったのでしょう?

田島さん: セーフィーさんの商品は、インターネットで「防犯カメラ」を検索していく中で見つけました。
他社製品も比較したのですが、カメラ然として、ものものしさを感じてしまう製品が多かったのです。我々としては、映像は記録しておきたいけれども、監視されているという印象を与えたくない、カメラで撮っていることに気づかないくらいのものがよいと思っていました。その点、CC-2Lはコンパクトな卵型で威圧感もなく、可愛らしい感じでした。

また、設置の手軽さというのも大きいです。設置のために大がかりな工事がいらず、置いてもいいしDIYで簡単に設置できるというのも魅力でした。

もちろん、価格面が他社と比べて魅力的だったことも決め手のひとつになりました。

介護施設は全国に約10万事業所ほどあると言われていますが、その大半は小規模施設です。CC-2Lの導入のしやすさやクラウドの利用料を含めたコスト感は介護業界のニーズにマッチしているのではないかと思います。

映像を見られるのは数名のみ。万一のための「あんしんカメラ」

──記録された映像は、どなたがご覧になり、ご活用されているのでしょうか?

田島さん: 映像を見られるのは、本当にごく一部の限られた関係者のみ、それも映像を確認する必要性が発生した場合のみに限定しています。
各施設のスタッフはもちろん、施設長も自由に映像を確認することはできません。
カメラの管理をしているのは私ですが、私が映像を確認することもありません。必要なときに責任者から私に連絡をもらい、都度IDを付与して、必要最低限の関係者で確認してもらうという形にしています。

すでに何件か、IDを付与し映像が確認できたという報告はもらっていますので、映像を活用し何らかのトラブルを解決した一助にはなっていると思いますが、私はその内容を把握していませんし、今後も把握をすることはないと思います。
私はあくまでもカメラの管理者であり、映像の利用も関係各署の一部で「必要な場合のみ」とする運用です。

このような運用は、カメラの存在自体を「いつも見ているぞ」という監視ではなく、「何かあったときのため」の見守りなのだということを徹底するためです。このことはスタッフにも伝えてあり、ご入居者様やご家族様には施設ごとにケースバイケースで伝えています。

我々はこのカメラを「何かあったときの安心のためのカメラ」という意味で、「あんしんカメラ」と呼んでいます。

──今後のカメラの活用についてどのようにお考えでしょうか?

田島さん: 現在のカメラの活用は、何かあったときのための記録という使い方なので、例えばケアの様子を撮影してそれを教材とするといったような、別な用途での活用は考えていません。

介護の本来の仕事・役割というのは、ご入居者様に寄り添っていかにご入居者様の尊厳を取り戻すか、快適な毎日を送っていただくかということだと思っています。
しかし、実情は書類作成や事務作業が多く発生し、スタッフの業務が過多に陥ることがあります。そのため、さまざまなIoTを活用することで、業務の効率化を図っています。

カメラの活用もその1つとして捉えています。
例えば、今後カメラ映像とAIを組み合わせ、介護の現場の映像から笑顔の割合を数値で表せたりするようになれば、笑顔の多い施設、笑顔の多いプログラムがわかるようになります。
そうすると、そのやり方を水平展開し、会社全体の品質向上につなげることができるようになるかもしれません。

ご入居者様の尊厳を支え安心して楽しく暮らせる、スタッフも生き生きと充実して働ける、「あそこに入居したい」「ここで働きたい」と思える施設になれるよう、カメラの新たな活用を模索するとともに、新たなサービスの登場に期待しています。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2021年7月公開当時のものです。

お話を伺った方

ヒューマンライフケア株式会社
IT推進室 田島室長