
ガス供給施設の遠隔サポート・遠隔立会にカメラを活用
多くの若手を同時にサポートし、移動時間も大幅減

ガス、電気などの総合エネルギーサービス事業を展開する「北海道ガス株式会社」。同社は供給施設のメンテナンスやガス漏れ対応などの現場で、Safieを活用した遠隔サポートや遠隔立会を実施されています。業務効率化や人材育成におけるカメラの導入効果についてお話を伺いました。
(取材:2024年3月)
導入の決め手
- 操作がシンプルで使いやすい
- アタッチメントが豊富
- ライブ視聴・録画視聴・ダウンロードも可能で利便性が高い
導入目的
- 遠隔サポート、遠隔立会による移動時間の軽減
- 人材育成におけるベテラン社員の負担軽減(効率化)
- ガス供給施設のセキュリティ
導入した結果
- 現場への移動時間が大幅減
- ベテランが多くの若手を遠隔サポートでき現地対応を省人化
- 振り返り視聴のアフターフォローで若手のスキルアップを支援
- 撮影映像で動画マニュアルを作成し若手教育に活用
INDEX
「ガス」「電力」「エネルギーマネジメントサービス」の3本柱で総合エネルギーサービス事業を展開し、積雪寒冷地である北海道に適したエネルギー社会の形成に寄与する「北海道ガス株式会社」。同社では業務効率化や人材育成を推進するICTツールとして、Safie(セーフィー)のクラウドカメラを利活用くださっています。詳しいご活用状況について、供給保安部の松尾 圭佑さん、竹髙 裕喜さんにお話を伺いました。
現場への移動時間削減と、
若手が多い組織での効率的な教育を目指しSafieを導入

──はじめに、お2人のお仕事についてお教えいただけますでしょうか。
竹髙さん:私と松尾は供給保安部という同じ組織に所属しています。供給保安部は、ガス供給設備の維持管理や現場への指令を担う供給防災センターと、ガス漏れ対応を主に行う緊急保安グループで構成されています。その中で私は「供給防災センターの供給チーム」の一員として、ガスの供給施設や導管など、お客さまにガスを届けるインフラの維持管理に携わっています。
松尾さん:私はガス漏れなど緊急性の高い事案で現場に出動・対応を行う「緊急保安グループの保安チーム」に所属し、お客さまの安全を守る業務に当たっています。
──「供給チーム」「保安チーム」の双方で、ウェアラブルクラウドカメラの「Safie Pocket(セーフィー ポケット)シリーズ」をご活用いただいています。どのような目的で導入くださったのでしょうか?
竹髙さん:Safieは、私たち供給チームが先に導入させていただきました。背景として最も大きかったのは、供給施設の定期的なメンテナンス作業における移動時間と人員の課題です。メンテナンスの期間は2週間近くかかるものもあり、自社作業の場合は毎日、外注作業の場合も立会業務で頻繁に現場に行っていました。しかし、遠いところでは往復2時間ほどかかり、移動時間の負担はかなりのものでした。
人員面でも、基本的にはベテランまたは中堅1名と若手1名の2名で現場に赴く体制を取っているため、作業期間中は多くの人手が必要でした。さらに、組織的には若手が多く、ベテラン1人が4~5人の若手を教育する状況で、ベテランにとっては人材育成業務の負担が大きくなっていました。そこで、カメラを使って遠隔サポートや遠隔立会を実現すれば移動負担が軽減され、かつ、1人のベテランが多くの若手を同時にサポートできると考え、社内の他部署で導入していた「Safie Pocket2」のデモ機をお借りしました。
──デモ機のご利用から、本格導入に至った決め手をお教えください。
竹髙さん:カバー開閉のワンタッチで撮影のオン・オフができる使いやすさ、アタッチメントの多さ、ライブ映像・クラウド録画映像のどちらも手軽に見られる利便性などに魅力を感じて導入を決めました。またSafieは他部署で導入実績があり、既に当社が設定している厳しいセキュリティ要件をクリアしていたことも大きかったです。
松尾さん:その後、私たち保安チームも、供給チームの「Safie Pocket2」を試験的に使ってみました。その結果、保安現場の遠隔サポートに有効とわかり、今年に入ってから本格導入させていただきました。

──本格導入の社内承認などで、何かハードルはありましたか?
松尾さん:安全確保に対し更なる品質向上を図るものであり、社内調整含め導入はスムーズに実施できました。何より私たちガス会社は、お客さまに安全にガスを使っていただくことが非常に重要なミッションです。今回のカメラ導入は安全への投資としても前向きな理解が示されました。
若手の遠隔サポートやアフターフォロー、
外注作業の遠隔立会、動画マニュアル作成に映像を活用

──「供給チーム」「保安チーム」、それぞれの「Safie Pocket シリーズ」活用方法をお教えください。
竹髙さん:「供給チーム」では三脚などを使い、現場のメンテナンス作業を定点撮影することが多いです。カメラは現場に赴く当社社員が携行、あるいは、外注作業の場合は作業前ミーティングの際に現場監督に渡すなどして撮影をお願いしています。
主な活用シーンは、若手作業員への遠隔サポート、外注作業の遠隔立会、若手向けの動画マニュアル作成です。映像は「供給チーム」の全員と、作業方針の最終決定権を持つ本部の供給防災センターで視聴でき、適宜、遠隔サポートや遠隔立会を行っています。
若手向けの動画マニュアルは、クラウド録画の映像から必要なシーンをムービークリップで切り出し、若手メンバーが主体となって作成しています。普段の撮影映像を編集すればいいので、マニュアル撮影のために作業の手を止める必要がなく、効率的であると実感しております。
松尾さん:私たち「保安チーム」はお客さまからの通報で突発的に出動しますので、ガス漏れなど緊急性の高い事案は現場到着前にカメラの電源を入れ、一部始終を撮影するルールとしています。撮影方法は三脚やクリップ、三角コーンなどを使って定点撮影したり、中堅社員が装着してウェアラブルで撮影したりと、現場によってフレキシブルに変えています。

撮影映像は管理職、リーダークラス、および本社ビル内にあり保安受付から現場指令まで行う「供給防災センター」が視聴可能な設定にしており、振り返り視聴により、ベテランが若手をアフターフォローし、スキルアップを図っています。また、現場に向かうのは中堅と若手、あるいは若手のみの2名体制ですので、状況によっては供給防災センターがライブ映像を見ながら、リアルタイムで遠隔サポートすることもあります。ほか、実際の現場ではない訓練の様子を撮影した映像で、動画マニュアルの作成も進めています。

──「供給チーム」では、セーフィーの固定カメラもご利用いただいています。こちらはどのように活用なさっているのでしょうか?
竹髙さん:固定カメラは屋外のガス供給施設に複数台を設置しており、防犯と遠隔立会に活用しています。防犯用は施設全体をくまなく撮影できるように設置し、遠隔立会用は立会が必要な作業を行うスポットの付近に、遠隔操作できるPTZカメラを設置しています。いずれも指定エリアでヒトを検知したら通知が来る機能も使い、不審な侵入などにも備えています。こちらの映像も供給防災センターに共有しており、安全管理の精度が上がると好評です。

──防爆対応は、どのようなオペレーションにしていらっしゃいますか?
松尾さん:私たちが使う設備機器は防爆仕様のものですが、非防爆仕様の機器を使用する際は必ずガス検知器とセットで使用し、ガス濃度が高いところでは使わない運用を徹底しています。これにより、Safieを含む防爆仕様ではない機器も安全に利用できています。
移動時間を大幅に削減、省人化など多くのメリットを享受
Safieがあれば、ベテラン1人で多くの若手をサポート可能

──Safieを導入いただき、良かった点をお聞かせください。
竹髙さん:「供給チーム」で感じているメリットは、「現場への移動時間が減った」「作業品質を落とさずに、現場に赴く人員を省人化できた」「遠隔でも状況把握がしやすくなり、1人のベテランが多くの若手をサポートできるようになった」の3点です。
中でも、遠隔サポート・遠隔立会による移動時間削減と省人化は、業務効率化に大きなインパクトがありました。例えば往復2時間の現場で営業日10日間ほどのメンテナンス作業でしたら、移動時間だけで20時間削減。さらに遠隔立会なら、現地滞在時間約4時間×10日の40時間をほかの業務を並行して進められ、効率面で大きく差がつきます。
松尾さん:「保安チーム」は本格導入して日が浅いですが、現場の映像を見られることで情報共有の厚みが増し、人材育成の内容も充実したと感じます。
──最後に、カメラ活用の今後の展望をお聞かせください。
松尾さん:現場の計器やモニターをSafieで撮影して供給防災センターでも同時に確認できるようにしたり、会議の議事録代わりに撮影したり、活用範囲を拡げて業務効率化に役立てていきたいです。

竹髙さん:供給施設では高所作業もありますので、ドローンを活用した撮影にもチャレンジしたいと考えています。どのような環境下でも効率的でより安全な作業の実現を目指し、維持管理業務の高度化に取り組んでいきたいです。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は取材当時のものです。
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