ライブ映像・録画視聴の両輪で、ガス工事の安全品質を向上。
定点撮影もできる2WAY仕様のウェアラブルクラウドカメラ
東京ガスグループのエネルギーエンジニアリング企業である「株式会社キャプティ」。同社では建物にガスを届ける配管工事などの現場で、ウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」をご利用いただいています。「働き方が劇的に変わった」という同社のカメラ活用法を伺いました。
(取材:2023年1月)
導入の決め手
- リアルタイム視聴、クラウド録画映像の振り返り視聴、どちらも容易
- コンパクトで持ち運びしやすい
- 定点、ウェアラブル、どちらの使い方もできて汎用性が高い
導入目的
- 現場監督の、現場への移動負担軽減
- 安全品質の確保と業務効率化の両立
導入した結果
- ウェアラブルも固定の定点撮影も可能で用途が広く、導入部署が増加
- 遠隔管理により、安全品質を確保しながら現場監督の移動負担を軽減
- 該当部署では休みを取り易くなった(代休の完全取得)
- 録画映像の振り返り視聴により、工事品質が高まった
INDEX
ガス設備工事、空調設備(GHP)工事、給排水衛生設備工事等の設計・施工・メンテナンス・運用支援など、ガスまわりを中心としたエンジニアリング&ソリューションを提供する「株式会社キャプティ」。都市ガス事業者やゼネコン、デベロッパー、ハウスメーカーなどから厚い信頼を得ており、サービス提供範囲は全国に及ぶ東京ガスグループのエネルギーエンジニアリング企業です。
同社ではガスの供給管工事でセーフィーのウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2(セーフィー ポケットツー)」を使い始め、ほかの工事現場でも続々と導入していただいています。
「働き方が劇的に変わる一因になった」というカメラの導入効果について、ガス設備工事部の沢田 浩一さん、雨宮 基行さん、ガス設備計画部の中西 勉さんにお話を伺いました。
100件を超える日々の工事の安全担保と、事業性のバランスが課題だった
──はじめに、Safieをご利用くださっているガス設備工事部についてお教えください。
沢田さん:私たちガス設備工事部は、当社のメイン事業であるガスの供給管工事、内管工事の施工に携わっています。
「供給管」とは、道路下に埋設されたガスの本支管から敷地内にガスを引き込む配管で、「内管」は敷地内のガス配管のことです。いずれも建物にガスを供給する設備ですので、戸建てやマンションといった住宅から、学校、病院、商業ビルまで、さまざまな現場で工事を行っています。
──セーフィーのウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」の導入に至った背景と目的をお聞かせください。
沢田さん:工事でもっとも重視しているのは安全の確保です。作業員の安全はもちろん、ガス供給管工事は道路での作業ですから、公衆災害を起こさないための安全対策にも万全を期しています。
しかし、私たちの部で行われる工事は毎日100〜200件と物件数が多く、安全対策に多くの人員を配すると事業性が下がってしまうのも事実です。そのため、安全確保と事業性のバランスをどう取るかは働き方改革の観点からも重要テーマの1つで、とくに課題を感じていたのが現場監督者の負担でした。
例えば現場で何かが起きたら、状況を見るために監督が急行するケースが少なくありません。そのような場合、カメラの映像でリアルタイムに遠隔確認できれば、工事の安全品質を落とさずに監督者の負担を軽減できると考えました。
──導入するカメラは、どのようにリサーチされましたか?
中西さん:複数社のカメラを扱う販売店さんに、ライブ映像、録画映像のどちらも視聴できるカメラが欲しいとご相談したところ、紹介いただいた候補の中にセーフィーさんのウェアラブルクラウドカメラがありました。当時は2018年でSafie Pocket2の前身タイプでしたが、使い勝手が良さそうだと感じ、トライアルで導入することにしたのです。
ウェアラブルも定点撮影もOK。
用途の広さ・使い勝手の良さで、導入部署が増加
──導入時、複数の候補の中からSafieを選んでいただいた理由をお聞かせください。
中西さん:候補のカメラは固定で設置するタイプがほとんどですが、Safie Pocket2は「持ち運びが容易」「ウェアラブル、固定の2WAYで使える」という仕様だったので、目に留まりました。
トライアルを実施したのは供給管工事の現場で、全体的な進捗確認のときは三脚で固定して定点撮影、注視したいスポットがあれば作業員が身につけて該当箇所を撮影していました。フレキシブルに使えて非常に便利だったので本格導入を決め、アップグレードしたSafie Pocket2が発売されたときもすぐにリプレースしました。
また、DXツールに関する社内会議でもSafie Pocket2の魅力を情報共有したところ、ほかの現場からも「導入したい」との声が上がり、どんどん拡がっていきました。現在は19台のSafie Pocket2を、供給管・検満・内管・戸建て用のTES(給湯、床暖房などをまかなう温水システム)の工事で利用しています。
──各工事の現場では、Safie Pocket2でどのように撮影を行っていますか?
雨宮さん:供給管工事では、作業を行う協力会社さんにSafie Pocket2と三脚をお渡しして定点撮影をお願いしつつ、必要に応じてカメラを携帯し、見たい場所を撮影しています。
ガスメーターの取替を行う検満工事も協力会社さんにカメラをお渡ししますが、こちらは至近で手元を見たいので、ネックマウントを使い、作業員さんが首からカメラをぶら下げる形で撮影していただいています。また戸建てTESの工事でも、活用を開始しました。
内管工事は工事場所が床下、天井など多岐にわたるので、今は社内施工班が現場にカメラを持ち込み、撮影スタイルを検証しているところです。最適な撮影法が見えてきたら、いずれは協力会社さんにもカメラをお渡しし、撮影をお願いしたいと思っています。
──視聴するビューアー側は、どのように運用されていますか?
雨宮さん:どの工事も、現場の撮影映像は、担当の現場監督や管理者が各自のパソコンやスマホで視聴できる設定にしています。現場監督が視聴可能なときはリアルタイム、時間が合わないときは録画映像の振り返り視聴で、決められた手順通りに作業が進んでいるかを確認。ほか、工事スタート前に工事内容や安全確認を行うミーティングに遠隔参加する、現場で何かあったときに遠隔でライブ映像を見て対応を指示する、といった使い方もしています。
──使い勝手はいかがでしょうか?
沢田さん:想像以上に良かったのは、クラウド録画の映像をスマホなどですぐに見返せることです。訪問できなかった現場の進捗もその日のうちにわかりますし、何より、各自が自分の都合のいい時間に視聴すればいいので効率的に仕事ができ、非常に助かっています。
働き方が変わり、休日出勤した時の代休取得が100%可能に。工事品質アップにも寄与
──カメラを導入し、感じているメリットをお聞かせください。
沢田さん:最大のメリットは、効率的に安全品質を確保でき、加えて、働き方改革が大きく前進したことです。遠隔でも適切な状況把握や指示ができるので、現場監督の移動が大幅に減りました。
現場は土曜日も稼働するので、以前は監督者が土曜日に出勤した場合、代休を取得できないことが多かったのですが、現在では100%代休を取得することが出来るようになりました。働き方改革の多角的な取り組みが功を奏した結果ですが、カメラの効果は相当インパクトがあったと捉えています。
また、工事品質への寄与も大きいと感じます。現場巡視した後、事務所でクラウド録画映像を見返すと、現場では気づかなかった発見が多々ありました。このように管理の精度が上がり、工事品質向上につながっています。ほか、万が一のインシデントに対しても「エビデンスになる映像がある」という安心感を得ることができました。
──カメラや映像の活用における今後の展望をお聞かせください。
沢田さん:ひとつは教育、情報共有の強化です。現場に行く機会が少ない設計者や営業担当者に、工事の映像を見てもらうと知見が深まり、提案力がさらに向上するのではないかと思います。
関係各所と協力し、中長期的に取り組んでみたいのはAIを絡めた活用です。映像とAIで作業手順を確認したり、アラートを出したりするシステムができれば、今以上に効率的かつ、確実な工事ができるのではないかと期待しています。
Safieは、供給管工事の現場で使用し導入効果を社内共有することで、検満・内管・戸建てTESなどに次々と拡がっていきました。これからも活用法をブラッシュアップして積極的に水平展開し、高い安全品質と生産性向上の実現に向けたDXを全社で推進したいと思います。
お話を伺った方
株式会社キャプティ
ガス設備事業本部
ガス設備工事部
部長 沢田 浩一さん
特殊施工管理グループ
グループマネージャー 雨宮 基行さん
業務管理グループ 中西 勉さん