業界大手「カラオケ館」での
セーフィー活用方法と店舗運営の理想形とは
日本発祥の文化・娯楽として世界的に広まり、根付いているのがカラオケ。株式会社B&Vは全国で「カラオケ館」をチェーン展開しており、店舗数はおよそ300に及びます。
(取材:2019年6月)
導入の決め手
- 解像度が高いため
- リアルタイムで映像を確認できるため
- サービスの拡張性があると考えたため
導入目的
- 既設のカメラの解像度が低かったため、高いものに変更したかった
- 行政からカメラ設置の要請がある
- 管理機能を本社で一元化したかった
導入した結果
- 少人数での店舗オペレーション実現の可能性を感じた
2018年6月に当時業界2位の売上高を誇るシダックスのカラオケ事業を連結子会社化し、現在「カラオケ館」に看板替えを進めており店舗展開の勢いを拡大しています。業界トップクラスであるカラオケ事業の他に、インターネットカフェやダーツバー、ホテルなどエンターテインメントを提供する様々な事業を運営しています。
カラオケ事業の店舗展開は1980年代から始まり、そのかなり早い段階からエントランス・受付周辺へのカメラ設置がおこなわれてきました。すでに全店にカメラを設置済みですが、現在はそれらをセーフィーのウェブカメラへ順次切り替えていく作業が進んでいます。
カラオケ館直営チェーン本部SV・IT管理局の柿内康男局長が、その意図を教えてくださいました。
柿内さん:そもそも私たちの業態としては、どうしてもカメラ設置が必要となる側面を持っています。といいますのは、酒食を提供するビジネス形態なので、料金やサービスに関する問い合わせやトラブルがゼロになることは難しい現実があります。例えばフロントで事前にご説明がしてあっても、お支払い時に料金が高いんじゃないかといったお話をいただく場合があります。どうなっているのかと問われたときに、店の側としては事実をお示しせねばならない。もちろんPOSシステムなどで人数、滞在時間、サービス提供内容を確認できますが、さらに映像としての記録があれば、ご納得いただきやすいですよね。
セキュリティ面を考えて、またトラブル防止策の一環として、カラオケ業界ではカメラ導入がいち早く進んでいたのです。もちろん行政からの要請もあるとのこと。最近ではバイトテロといった新たなトラブルの抑止としてもカメラの設置はかかせません。
また、本部と各店舗の連携・業務管理の面からも、映像の活用は図られてきました。
「検証の正確性を高める」業界ならではの理由
柿内さん:伝票と入金額の大きな差異が生じたり、不自然な値引きがされていたりと、人為的なミスはどうしても起こり得ます。そうしたミスを解決したり防止するには、それらがなぜ起きたのか、原因追及をしなくてはいけません。聞き取りもおこないますが、カメラの映像を用いることで、検証の正確性を高めることができます。
本部が各店舗の業務を四六時中、細かくチェックして縛りをかけるというつもりはありません。ただ、各店舗の実態を正確に把握することが、さまざまな施策をするのに役立つはずと考えています。また、お客様商売でもありますから、従業員のなかに『見られている』という緊張感は、ある程度いつも必要ですしね。
すでにあったカメラをセーフィーのそれに置き換えていっているのは、「映像の解像度が高まる」「リアルタイムで映像を確認できる」「サービスの拡張性」を見込んでのことだといいます。
柿内さん:いま、ますます多店舗化が進んでおりまして、それぞれの店舗は本部との物理的距離がある。管理機能を本社でいかに一元化するかは大きな課題で、そう考えると各店舗に設置するカメラの存在は重要度が増しています。
セーフィーのウェブカメラであれば、リアルタイムで映像を確認できるのも大きいです。これまで店舗でトラブルなどがあった場合は、本社側が現場に行ってカメラの映像を確認しなければなりませんでした。すると時差ができてしまって、迅速な問題解決ができません。セーフィーなら、本部で即座に映像をチェックすることができます。
日常の業務として毎朝、各店舗のオープンチェックというものがあります。営業開始前にスタッフが来てPOSシステムを立ち上げ、本部でそのメッセージを把握するのですが、ときに何らかの事情でこれが定時になっても立ち上がっていないことがあります。担当者が通勤途中に交通機関の乱れに巻き込まれたり、急に病欠となったりして、遅れる旨を連絡しそびれる場合もあります。そんなときも、店舗のライブ映像を把握できれば、本部が事情をつかむのに大いに役立ってくれます。
導入のもうひとつの理由として挙げられた、「拡張性」が見込めるとはどういう点なのでしょうか。
柿内さん:今後はPOSシステムと映像を連動させることも検討しています。POSでルームごとのお客様人数、滞在時間などは逐一データ化されていきますが、大人数でのパーティー利用などになると特に、人の出入りが激しくなります。映像に顔認証機能などを組み合わせることも将来的にできていくと聞いておりますので、これをPOSデータとつなげてより正確にルーム稼働状況を把握したりすることに活用できたらと考えています。ですからまずは、全店へのセーフィー導入を早期に進めたいところですね。
実際に導入を始めるにあたって、難しかった点などについても伺いました。
柿内さん:まずは1店舗で実験期間を設けさせてもらったので、問題なく切り替えを始めることができました。スタッフのだれもが無理なく確認作業できる使いやすさは抜群です。
各店舗で時事刻々と映されていく映像を、本部ではどのように活用しているのでしょうか。
無人オペレーションがひとつの理想形
柿内さん:私たちIT管理部で監査の観点から使っているほかに、営業、スーパーバイジング、また人材教育などの部署でも活かしています。同じ映像でも、部門によって視点がかなり違ってきますね。営業ならお客様の流れを見たり、売り上げが伸び悩んでいる店で施した対策の効果をチェックしたりします。スーパーバイジングや人材教育では、研修をしたあとに日常の業務で指導内容が実行できているかどうか、カメラを通して定期的に見ることができます。今後データが積み重なっていけば、スタッフの動線や飲食の勧め方などの業務改善につながる情報が得られるだろうと期待しています。
最後に、カメラにこんな機能があればもっと有効活用できそうだというアイデア、要望はあるか尋ねると、次のように新たな活用方法を語ってくださいました。
柿内さん:店舗型の業態はどこでもそうでしょうけれど、いかに少人数で店舗のオペレーションをしていけるかが大きな関心事です。無人オペレーションがひとつの理想形ではありますが、セーフィーの拡張性の高さは、無人店舗に結びつく可能性を感じさせてくれますね。サービス提供にくわえてセキュリティ、決済などのシステムも、カメラ映像をもとに組み立てていけるようなら、セーフィーのサービスを軸に未来の店舗の『型』をつくっていくことが可能かもしれない。導入を進めながら、新たな活用法をともに考えていけたら何よりです。
※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2019年6月公開当時のものです。