在宅介護スタッフの遠隔アシスト、情報共有にSafieを活用
移動負担が減り、サービスの標準化にも効果

在宅介護における「定期巡回・随時対応サービス」の先駆者である「株式会社エイプレイス」。同社は介護サービスの現場でSafieのウェアラブルクラウドカメラを活用中。業務の効率化やサービス品質の標準化に手応えを感じています。

(取材:2025年8月)

導入の決め手

  • リアルタイムで映像を視聴でき、通話も可能
  • 軽くてコンパクト
  • 高画質で現場の状況がわかりやすい
  • 悪天候時の外出や、介護サービスの動きに耐える頑丈さ
  • 幅広い世代が使えるシンプルな操作性

導入目的

  • 新人スタッフの教育、遠隔アシスト
  • 模範的サービスの共有

導入した結果

  • 指導スタッフの移動回数、移動時間を大幅に削減
  • カメラを介したサポートで新人スタッフの安心感を担保
  • 映像による情報共有で、手順書の作成負担が減った
  • 模範的サービスや新規サービスを映像で周知。品質の標準化を促進
  • 利用者と認識齟齬が生じた際の事実確認に活用
  • カメラによるサポート、記録保管の安心感が採用優位につながる

在宅介護における「定期巡回・随時対応サービス」をいち早くスタートし、多くの利用者に支持されている「株式会社エイプレイス」。東京・中野に本社を置き、計5つの事業所で地域の介護福祉サービスを支えています。

同社は在宅介護サービスの現場にウェアラブル型の「Safie Pocket2 Plus(セーフィー ポケット ツー プラス)」を携行し、業務の遠隔アシストなどに活用しています。導入背景や活用効果について、社内のDX推進を担う川窪 諒さんと、業務でSafieを活用中の秦 拓也さんにお話を伺いました。

同行訪問の移動負担と指導内容のばらつきに課題感
Safieはリアルタイムで視聴・通話ができ、役立つと直感

──御社の在宅介護サービスの特徴と、お2人のお仕事についてお教えいただけますでしょうか。

エイプレイス中野 管理者 秦 拓也さん、ホームケア事業本部 事業運営企画部 川窪 諒さん

川窪さん:当社がご提供している「定期巡回・随時対応サービス」は、お一人おひとりに合わせた訪問回数・訪問時間で柔軟な在宅ケアを行うきめ細やかなサポートを特徴としています。電話による相談援助や医療機関への通報といったサービスも24時間対応しており、「自宅で過ごしたい」というお気持ちに応え、かつ、ご家族の負担軽減に寄与することを目指しています。

その中で私は事業の運営、企画、人事・労務などのマネジメントに当たっています。「ICTツールの活用で介護業界の一番を目指したい」という社の方針に沿ってICTの活用推進も担っており、Safie(セーフィー)の導入にも携わりました。

秦さん:私は事業所の1つであり、現在Safieを活用している「エイプレイス中野」の管理者をしています。業務の運営、人事、サービス品質の管理など、事業所全体のマネジメントを行っています。

──2025年の春よりSafieをご活用いただいています。導入の背景をお聞かせください。

川窪さん:当社では、新人スタッフが入ったときや新規の利用者様のお宅へ行くときなどに、経験豊富なスタッフと新人スタッフの2名体制で伺う「同行訪問」を実施しています。このシステムは指導面で大きな効果がありますが、指導するスタッフの移動負担が増えることについては課題感もありました。私たちがご提供する介護サービスは1日複数回の訪問を行うことが多いので、往復30分の移動を10回行えば1日に5時間も移動していることになります。業界全体で人手不足が続く中、何らかの方法で効率化を図れないだろうかとの思いがありました

そのほか、カメラ導入の背景には情報共有における課題もありました。指導するスタッフには経験値のばらつきがあり、教える内容が統一されていないケースがあったのです。また、スタッフ間の引継ぎなどで使用するため、利用者様ごとに介護サービスの手順書があるのですが、文章では細かな部分が伝わりにくく、新人スタッフが不安を感じる一因になっていました

そこで、これらを解消するツールとして思い当たったのがカメラです。新人スタッフのサービスを映像で確認すれば指導スタッフの移動負担が減ります。情報共有においても、映像なら伝えたいコツや症状などが齟齬なく伝わり、サービス品質の標準化に役立つのではないかと考えました

サービスの様子を映像で確認して指導スタッフの移動負担を減少

──カメラ選定では他社製品も検討されたのでしょうか?

川窪さん:はい。グラス型のカメラを検討しましたが、カメラ本体の重さやコストの高さがネックとなって見送りました。その後、リサーチする中で見つけたのが「Safie Pocket2 Plus」です。

最初にいいなと思ったのはコンパクトで軽いこと、リアルタイムで映像を見られて通話もできることでした。バッテリー持続時間の長さや画質の良さ、雨天時の訪問移動や介護サービスの動きに耐える頑丈さも魅力的でしたし、ICTツールに馴染みのないスタッフもすぐに使えるシンプルな操作性も高く評価しました。

文字では伝わらないことも映像なら伝わる
移動時間が減り、情報共有もスピーディーに

──導入に当たり留意なさったことなどはありましたでしょうか?

川窪さん:利用者様のお宅で撮影するのでプライバシーへの配慮は不可欠です。弁護士と共に個人情報保護法に則した運用規定を策定するなど、コンプライアンス体制を整えてから活用をスタートしました。具体的には、通常の契約時の同意書とは別に、カメラ活用に関する同意書を作成し、利用者様とご家族に事前に説明を行い許諾を得ました。

──現在の、カメラのご活用状況をお教えください。

秦さん:Safieは中野の事業所で管理しており、パートさんを指導する社員スタッフと、事業所の管理者である私がカメラ映像を視聴できるようにしています。また、全体を管理する川窪も視聴可能な設定となっています。

──どのようなとき、利用者様のお宅にカメラを持っていくのでしょうか?

秦さん:主に2つのパターンがあり、同行訪問に代わる指導方法として運用しています。1つは「新人スタッフが訪問するとき」で、ネックマウントでカメラを装着し、サービスの提供中のみ撮影します。撮影したクラウド録画映像はサービス終了後に私がパソコンなどで見返し、必要に応じてアドバイスを行います。ただ、訪問中に不明点が生じることもありますので、その場合はカメラの通話機能を使い、ライブ映像を見ながらリアルタイムでアシストします。

撮影した映像はパソコンで見返してスタッフにアドバイスしている

もう1つのパターンは「新規の利用者様宅に訪問するとき」で、この場合はまず私が訪問してサービスの様子を撮影します。その後、映像を模範的サービスとしてスタッフに共有し、引継ぎなどを行います。これら2つの運用のおかげで、指導スタッフの移動時間は大幅に減りました

Safie Pocket2 Plusをネックマウントで装着している様子

──移動時間削減のほかにも、感じていらっしゃる魅力やメリットがありましたらお聞かせください。 

秦さん:映像の魅力は、文字では伝えきれない細かな動きや手順も映像なら伝わる点です。例えば「水分補給」といってもトロミの有無、摂取方法などはお体の状態によって異なり、文章で説明するのは難しいものです。けれど映像なら一発でわかるので、文章ベースの手順書作成や模範的サービスの周知といった負担が軽減されました。新人指導はもちろん昼夜の担当者間の引継ぎもスムーズになるなど、情報共有や管理面にもたらす効果は大きいです。

川窪さん:カメラがあるとスタッフの意識が高まりますし、映像共有で複数人の視点が加わりケア方法をブラッシュアップできるなど、サービス品質の向上・標準化にもつながっています

映像で模範的サービスを学べてわかりやすい、現場で困ったときはカメラを介して相談できる、利用者様との間で誤解が生じた際はカメラで事実確認ができる──これらの安心感が新人スタッフの不安解消に役立ったことも大きなメリットです。求職者にも好印象を与え、採用面でもプラスの効果を感じています。

サービス品質の向上を図りつつ、
外国人材の教育や社外アピールへの活用も

──今後の映像活用の展望をお聞かせください。

秦さん:引き続き、新人指導や模範的サービスの共有などでカメラを大いに活用し、事業所全体のサービス品質を高めたいと思っています。

川窪さん:映像は言葉の壁にも強いので、今後見込まれる外国人材の教育にも役立つと期待しています。営業面では、ケアマネージャーをはじめとする関係者の方々に当社のサービスを知っていただく紹介資料としての活用を考えています。今後は、中野以外の事業所にもSafieを横展開し、サービス品質をさらに高めていきたいと考えています。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容はページ公開当時のものです。
※カメラを通じて取得する映像は管理者および、映像閲覧が必要な担当者のみで閲覧しています。法令に基づく場合を除き、第三者提供は致しません。また、映像の活用は事前に特定した利用目的に必要な範囲で行い、お客様個人を追跡することは行いません。

お話を伺った方

株式会社エイプレイス
ホームケア事業本部
事業運営企画部
次長
川窪 諒さん


エイプレイス中野
管理者
秦 拓也さん