被害状況も作業進捗も映像で即時に把握・情報共有。
クラウドカメラで厳しい雪国の高速道路の安全を守る

「NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)」の札幌管理事務所では、冬期間における除雪や雪庇除去などの雪氷対策の作業現場でウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」を活用中。カメラの存在が、業務の意思決定のスピードアップや作業の迅速化につながっているといいます。活用方法や導入効果についてお話を伺いました。

(取材:2022年10月)

導入の決め手

  • クラウド録画映像の振り返り視聴ができ映像編集も簡単
  • 1台で撮影、通話、クラウド自動保存ができる使い勝手の良さ
  • コンパクトで携帯しやすい
  • ウェアラブルでも固定でも使える汎用性の高さ
  • 映像が綺麗で見やすい

導入目的

  • 高速道路の雪氷対策作業(除雪や雪庇除去など)の効率化

導入した結果

  • ライブ映像で即時に情報共有でき、意思決定のスピードが速まった
  • 意思決定のスピードが速まったことで、現場作業の迅速化に寄与

東日本地域を走る高速道路の管理・建設を行い、暮らしやビジネスに不可欠な交通網を支えている「NEXCO東日本」。

札幌市内など重交通区間の降雪地帯などを管理する北海道支社 札幌管理事務所では、冬期間における除雪や雪庇除去などの雪氷対策作業の現場には、セーフィーのウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2(セーフィー ポケット ツー)」を導入いただいています。

今回は、撮影、通信、クラウド自動保存という3つの機能をオールインワンで備えたSafie Pocket2の活用方法や導入効果についてお話を伺いました。

遠隔臨場でSafieカメラの魅力を実感。雪氷対策作業にも活用

──はじめに、佐藤さんの業務について教えていただけますでしょうか。

佐藤さん:私が在籍する札幌管理事務所では、高速道路の管理、修繕、点検、料金収受、交通管理(パトロールカー)などの維持管理業務に当たっています。当事務所の高速道路は道央自動車道の札幌南IC~美唄IC間、札樽自動車道全線、2018年に開通した後志自動車道などがあり、全長約123kmにおよびます。

その中で私は工務担当課長として高速道路の道路保全工事に携わり、点検データをもとに修繕の検討や事業費管理、対外協議などを行っています。

担当している道路保全工事には冬場の除雪や雪庇除去などの雪氷対策作業、夏場のポットホール(アスファルト路面のくぼみやへこみなどの損傷)の路面補修工事といったものも含まれ、私が現場の監督を担うこともあります。

そのほか、自然災害で被害を受けた高速道路の復旧、異常降雨や地震時における防災業務実施要領の作成など、防災関連の業務も私たち工務担当が行っています。

北海道支社 札幌管理事務所で工務担当課長を務める佐藤さん

──除雪や雪庇崩落などの災害(雪害)現場で、ウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」をご利用いただいています。カメラ導入の経緯をお聞かせください。

佐藤さん:導入のきっかけは、国土交通省が推進する遠隔臨場でした。遠隔臨場の試行がスタートした2020年から、当社でもさまざまなICTツールを比較検討していたんです。その結果、ウェアラブルカメラはセーフィーが良いとの結論になり、まずは施工会社との遠隔臨場で利用し始めました。

一方で当社自身としては、試行段階でSafieカメラの良さを実感し用途範囲を拡大、冬場の除雪作業、雪庇崩落などの災害(雪害)現場の復旧や雪庇除去作業でも大いに活用させていただいています。

──ウェアラブルカメラの比較検討で、なぜセーフィーが良いと感じたのでしょうか?

佐藤さん:Safie Pocket2、ジンバル、ヘルメット装着型の3タイプのカメラを試したのですが、携行や操作の利便性が一番すぐれていると感じたのがSafie Pocket2でした。

また、パトロールカーの車内に簡単に固定できるのも良いですね。

軽くてコンパクトですし、ウェアラブルでも固定でも使えて汎用性が高い。また、1台で撮影も通信もできるオールインワン型で、操作もシンプルなのでとにかく使いやすいんです。

映像も、ライブ・録画の双方を簡単に視聴でき、編集しやすい点も魅力でした。

他社のカメラは映像編集や録画データダウンロードなどに手間のかかる仕様でしたが、Safieカメラはクリッピングやスナップショットのデータ保存がすごく手軽です。編集がラクだと、用途がさらに広がりそうだと思いました。

情報共有の手間と時間が減り、現場作業の迅速化(通行止め時間短縮)に寄与

──雪庇除去でSafie Pocket2を導入いただいた目的と、活用方法をお聞かせください。

佐藤さん:2021年7月の組織再編で降雪量の多いエリアが新たに札幌管理事務所の所掌となったこと、当該エリアは一昨年に記録的大雪があったことから、昨冬(2021年〜2022年)は雪氷関連の作業の大幅な増加が見込まれました。

そこで、限られた人員で多くの作業をこなしつつ、働き方改革、業務効率化を推進するにはICTツールの活用が不可欠と考え、情報共有をスムーズに行うためにSafieカメラを利用しました。

具体的には、雪庇崩落などの災害(雪害)が発生した際に、現場の復旧状況や雪庇除去作業の様子をSafie Pocket2で撮影し、事務所および北海道支社の防災対策室にライブ映像を共有するといった使い方をしています。

事務所および北海道支社の防災対策室のスタッフや関係するグループ会社の社員が、ライブ映像を見ながら対応や作業内容を検討、判断してその場で現場に伝えます。

三脚に固定したSafie Pocket2で雪庇崩落現場の復旧や雪庇除去作業の一部始終を撮影

──カメラを活用いただき、どのような効果がありましたでしょうか?

佐藤さん:災害(雪害)現場からの報告の負担が大幅に軽減され、意思決定のスピードもぐっと速くなりました。

これまで災害(雪害)現場は、雪庇被害発見~除去作業~通行止め解除までの各段階で、その都度、事務所の防災対策室などに状況を報告し、判断や指示を仰いでいました。また、情報共有のツールが電話や写真だったので、関係者全員の合意を得るには手間や時間がかかっていたんです。

Safie Pocket2があればライブ映像で一目瞭然ですから、情報共有が正確かつスムーズで、映像を見ている関係者もその場で判断できます。

しかも、複数の関係者が同時に確認できるので、後追いの指示による手戻りも非常に少ない。関係者への情報共有や判断待ちで現場の作業がストップすることがほぼなくなり、現場作業の迅速化、業務効率化に大きな効果がありました。

立会から会議の社内共有まで、どんどん広がるカメラ映像の用途

高速道路のパトロールにもSafie Pocket2を活用

──災害(雪害)現場での活用のほかでは、どのような場面でSafie Pocket2を活用いただいていますか?

佐藤さん:大雪や吹雪などで高速道路が通行止めになった際に、高速道路の通行止め解除に向けた高速道路交通警察隊(以下、「高速隊」)との除雪作業後の合同巡回(以下、「パトロール」という。)の際にSafie Pocket2を活用しています。

通行止めの解除には高速隊の判断が必要になり、高速隊と当社のパトロールカーとで通行止め対象区間を巡回し合同で確認するのですが、追加で除雪作業が必要な箇所を除雪部隊に伝える時に撮影した映像が役に立っています。

高速隊からの追加作業の指摘は、合同巡回が終わったあとに口頭で伝えられることも多いです。以前は、口頭で指摘された箇所を確認するのに時間を要していたのですが、Safie Pocket2をパトロールカーに車載し巡回中に撮影しておくことによって、指摘された箇所をタイムライン映像で確認し、位置と一緒にスナップショットの画像を除雪部隊に送ることで迅速に対応できるようになりました。

そのほかの用途として、新型コロナ感染拡大対策として、説明会や会議などにおけるライブ映像の視聴でのリモート参加、参加できなかった方があとから閲覧できるように、クリップまたはダウンロードしたものを共有するなどして活用しています。

Safie Pocket2をパトロールカーのフロントガラスに取り付け撮影(取材時は見やすい位置に設置)

──本当にさまざまなシーンでお使いいただいていますが、使用感はいかがでしょうか。

佐藤さん:使い勝手は抜群です。車載するときは吸盤でフロントガラスに接着、会議や作業の様子を撮るときは三脚にセット、細かいところを見たいときは胸ポケットにつける……などなど、ウェアラブルとしても固定カメラとしても使えて、携行性に非常にすぐれた製品だと思います。

映像も、長い動画はタイムラプス、部分的に欲しいときはクリッピング、というように、用途に合わせて保存形式を選べて無駄がありません。

それから、とても便利に使わせていただいているのが、カメラがどこにあるか地図上に表示されるマップビューアーです。

おかげで、以前は2名で実施していた夏場の夜間工事通行止めの解除時におけるクリア確認(工事器材や材料などの残置物のチェック)なども1名でできるようになりました。事務所ではマップビューアーを見ながら走行場所の確認をしつつ、ライブ映像を視聴しながら残置物のチェックをしています。

マップビューアーを使えばカメラの位置情報から映像にアクセスが可能

──最後に、今後、セーフィーに期待することがございましたらお聞かせください。

佐藤さん:除雪車に乗務するオペレーター不足を、映像で解決できたらうれしいです。

例えば、除雪車1台に2名乗務すれば1人は運転、1人は周囲の安全確認といった役割分担ができるのですが、1台につき1名乗務だと、タイムリーな安全確認が難しくなってしまいます。

ですから、車両のセンサーと映像の画像認識をかけ合わせて危険を察知し、アラートを出すようなサービスが実現されたら非常にありがたいですね。

ライブ映像は、仕事の質を落とさずに人手不足を解消する大きな可能性を秘めていると感じます。Safieカメラのさらなる進化を楽しみにしながら、これからも創意工夫して現場DXを推し進めたいと思います。

お話を伺った方

NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)
北海道支社
札幌管理事務所


工務担当課長
佐藤 旬さん