誇りを持って働ける環境をつくり、より良い介護サービスを。
施設のスタッフも、利用者も守るSafieカメラ
介護の現場にICTツールを積極導入し、スタッフが安心して働ける環境づくりを進める「株式会社メグラス」。同社運営の施設では、セーフィーのクラウド録画カメラをご利用いただいています。カメラ導入の背景や、カメラ活用に込めた介護業界への思いについてお話を伺いました。
(取材:2022年10月)
導入の決め手
- 映像視聴や運用管理の利便性が高いクラウドカメラ
- 無線LAN/有線LANのどちらも対応している
- PoE給電が可能で、インテリアを損なわない設置が可能
- 多くの導入実績があり、品質への安心感がある
導入目的
- 施設内で起きた転倒事故などの経緯確認のため
導入した結果
- インシデント発生経緯を映像に記録し、利用者さまやご家族に安心感を提供
- ケガの原因などを映像で正しく把握することで、適切な処置を実施。
- 適切な処置方法をスタッフに周知し、サービス品質の向上ができる
- 映像による事実確認で、スタッフに対する不信感を払拭できる
- インシデント発生時に経緯や事実確認が可能になり、スタッフが安心して働ける
2010年に創業した「株式会社メグラス」は、愛知県内で介護施設(住宅型有料老人ホーム、グループホーム等)や保育園を運営しており、「その方らしい人生づくり」や「その子らしい成長」をお手伝いしています。
「よいめぐりを世の中へ」という理念を掲げる同社は、介護ビジネスの成功モデルを社会に行き渡らせることを目指し、スタッフが幸せに働ける環境づくりを推進。ICTツールや独自の制度を積極的に導入するなど、多角的なアプローチで介護業界の課題に挑んでいます。
同社では、運営する介護施設で約60台のSafie(セーフィー)をご利用いただいています。
Safieは、同社の事業運営の中でどのような役割を果たしているのでしょうか? 導入目的や活用方法、今後の展望などを伺いました。
生産性アップとサービス品質向上を目指し、ICTを積極活用
──はじめに、お2人のお仕事についてお教えいただけますでしょうか。
安里さん:当社は最新テクノロジーを使ったICTツールを積極的に導入しており、私は、それらの運用管理を担うシステム部門に所属しています。日々のルーティンから中期的なミッションまで、システム周りの業務全般に携わっています。
三浦さん:私は現場の介護スタッフとして介護サービスをご提供しつつ、一緒に働くスタッフのマネジメントも行っています。経営層と連携し、業務の課題解決にも取り組んでいます。
──ICTツールの積極導入には、どのような背景があるのでしょうか?
三浦さん:当社は「よいめぐりを世の中へ」という企業理念を掲げており、ビジョンには、「まずはMegler(メグラスで働くスタッフの意味)がしあわせになり、そのしあわせをお客さまや社会へめぐらせます」という一文が盛り込まれています。
このビジョンに基づき、事業運営においてはスタッフが誇りを持って働ける環境づくりをとても大切にしています。
しかし運営施設が増えるにつれ、スタッフの人員不足やコミュニケーション不足といった課題も感じるようになっていました。
そこで業務効率化やコミュニケーション活性のサポートツールとして、居室内の異変をキャッチするICT見守りシステム、介護記録の入力アプリ、ビジネスチャットアプリなどを導入しました。
ICTツールの活用で生産性を高め、ナレッジ共有も充実させることで、利用者さまにより良い介護サービスをご提供できればと考えています。
安定した通信品質とLAN接続のフレキシビリティが導入の決め手に
──御社運営の介護施設ではSafieをご利用いただいています。カメラ導入の目的をお聞かせください。
三浦さん:目的は、インシデント発生時の客観的な状況把握です。
例えば利用者さまが施設内で転倒し、ケガをされた場合、適切な治療やご家族への説明を行うには転倒の経緯やぶつけた箇所などをきちんと把握する必要があります。
その際、居室内での事故についてはICT見守りシステムのセンサーで経緯を確認できますが、廊下やダイニングといった共用部にはセンサーやカメラがありませんでした。
そのため、共用部で起きた事故の状況も映像で正しく把握できるよう、カメラを導入することにしました。
──数あるカメラや録画サービスからSafieを選んだ理由や決め手は何だったのでしょうか?
安里さん:初めてSafieを導入した当初、カメラ選定における必須要件は、クラウドカメラであることでした。「現地に行かないと確認できない」といったローカルカメラのような運用の煩わしさが無く、どこにいても手元のデバイスで映像視聴や保存などの作業ができることを求めていたからです。その要件を満たしていた為、Safieを導入しました。画質も良好で、一定範囲の音声も問題なく聴き取れ、使い勝手には満足していました。
ただ、初回導入から時間が経ち、他社サービスも増えていましたので、2022年11月にオープンした新施設では改めて他社のクラウドカメラと比較検討しました。
その結果、再びSafieを導入することになりましたが、選んだ決め手は「有線LAN接続が可能」「PoE給電が可能」の2点でした。
比較検討した他社サービスは無線LANのみの対応で、有線LANと比較するとどうしても通信の安定性に欠けていました。それにより、クラウド録画がされておらず過去の映像が観れないという事が多々ありました。通信の問題による録画データの消失は絶対に避けたかったため、有線LAN接続ができて、社内で運用実績もあるSafieの方が安心できると考えました。
また、当社の運営施設は住み心地の良い空間づくりにもこだわっていますので、PoE給電が可能で、インテリアの雰囲気を損なわずに設置できる点も魅力でした。
介護スタッフをハラスメントから守り、誇りを持って働ける業界へ
──現在は、Safieで録画した映像をどのようにご活用されていますか?
安里さん:私を含むシステム部門の2名が映像の視聴権限を持っていますが、インシデント発生時の状況確認が目的ですから、普段は録画映像を見ることはありません。
介護スタッフから依頼があった場合に限り、私たちが録画映像で該当部分のムービークリップ作成し、依頼者に共有しています。必要に応じて映像を利用者さまのご家族にご覧いただくこともあります。
三浦さん:ほか、映像確認の過程で、ケア方法の注意点などが見えてきた場合はスタッフに周知し、サービス品質の向上に活かしたりもしています。
──Safieを導入いただき、感じていらっしゃるメリットをお聞かせください。
安里さん:何が起きたか映像で客観的に確認できるようになり、利用者さまとそのご家族に安心感を提供できたことが非常に良かったと思っています。
三浦さん:同時に、スタッフの安心を得られたことも大きなメリットだと思います。
施設側の不適切なケアや高齢者虐待事件はメディアで大きく報道されます。おそらくはその影響もあって、何かが発生した際にスタッフに対する不信感をあらわにするご家族もいらっしゃいます。そのようなときに映像で説明できる体制が整っていれば、利用者さまやご家族の安心にもなりますし、スタッフの安心や働きやすさにも繋がります。
──最後に、映像活用における今後の展望をお聞かせください。
安里さん:ゆくゆくはセーフィーさんのエッジAI搭載カメラやAPI連携サービスの活用を検討してみたいです。スタッフの動きなどをAI分析し、業務効率化に活かすことができるかもしれないと考えています。
三浦さん:私は、介護業界の課題に対し、映像が果たす役割も大きいのではないかと期待しています。例えば利用者さまやご家族によるスタッフへのハラスメントは業界全体の課題の1つで、ハラスメントを受けたスタッフの精神的苦痛やモチベーションの低下は計り知れません。
当社ではハラスメントからスタッフを守り、誇りを持って働ける業界にしていくことで、質の高いサービスの提供、介護職を希望する人材の増加といった「よいめぐり」を生み出したいと考えています。
その足掛かりとして2021年には、正当な指摘とハラスメントを区別するガイドラインなどを定めた独自の制度「スタッフプロテクション制度」を導入しました。この制度の運用において、カメラ映像はエビデンスの1つになり得ると思います。
また、まったく別のベクトルでは、カメラ映像は利用者さまの身体機能向上を把握するツールとしても有効だと感じます。
プライバシーに配慮し慎重に検討すべきことではありますが、映像を介して嬉しい変化(つかまりながらであれば立ち上がることができる等)をキャッチできれば、ケアプランを見直してさらなるQOL(生活の質)向上を目指すことも可能です。
超高齢化が加速する日本で、介護スタッフがポジティブに働ける環境づくりや、高齢者のQOLを高めるケア体制の構築は急務です。映像の有効活用で、明るい希望を持てる社会を実現できたら素敵だと考えます。
お話を伺った方
株式会社メグラス
システムG
安里 直人さん
管理者
三浦 由稀さん