防犯カメラを屋外に設置したい場合、カメラの電力確保はひとつの課題です。「ソーラー充電式」の防犯カメラは電源確保が不要であるため、これまで電源がないことを理由に断念していた方にもおすすめです。今回はソーラー充電式防犯カメラのメリット・デメリットや、選ぶ際のポイントを解説します。
目次
ソーラー充電式防犯カメラとは?
ソーラー充電式防犯カメラは、太陽光を利用して発電できるソーラーパネルを搭載した防犯カメラです。ソーラー充電式防犯カメラの特徴や活用シーンについて紹介します。
ソーラー充電式防犯カメラの特徴
ソーラー充電式防犯カメラは太陽光から発電できるため、コンセントから電力を供給したり電池を使ったりする必要はありません。従来の防犯カメラは作動中にバッテリー切れや停電が起こると撮影できない問題がありましたが、ソーラー充電式防犯カメラであれば、そのような心配がなく継続して撮影ができます。電源の確保が難しい場所や、電池の交換が難しい場所であっても問題ありません。
太陽光は無料で利用できるため、電気代や電池などのランニングコストを抑えられるメリットもあります。
ソーラー充電式防犯カメラの活用シーン
ソーラー充電式防犯カメラの活用シーンの一例を紹介します。
【活用シーンの一例】
- 畑や農園:動物や人の侵入を防ぎ、農作物を守りたい場合
- 建設現場:深夜の侵入防止、資材の盗難防止として
- イベントや祭事:期間限定のイベントなどで長期的な設置が必要ない場合
屋外に防犯カメラを設置する際は近くに電源がないことが多いため、電源を引くための電気工事が必要です。一方ソーラー充電式であれば、電源の制限なく自由に設置できます。また電気工事を行わないため、自宅や倉庫など建物の壁に穴を開けたくない場合や、臨時的なイベントにも手軽に導入できます。
ソーラー充電式防犯カメラのメリット
ソーラー充電式防犯カメラは、以下のような多くのメリットがあります。
設置周囲に電源がなくても設置ができる
ソーラー充電式防犯カメラの最大のメリットは、電源がなくても設置できる点です。カメラ単独で稼働できるため、電源工事や電源ケーブルの敷設が不要なため周囲の電源環境に左右されることはありません。屋外に防犯カメラを設置したい場合に、ソーラー充電は選択肢のひとつになります。
手軽に導入ができる
通信方法については後述しますが、無線接続の通信方法を選んだ場合は配線工事も不要となるため、設置工事のみで導入できます。また、工事の費用を省ける点もメリットであり導入費用を抑えることにつながります。
災害時など停電が起きたときの影響がない
従来の防犯カメラは災害などで停電が起こった場合、撮影やデータの保存ができないといった問題がありました。しかし、ソーラー充電式防犯カメラは停電の影響を受けることがないため、災害時のトラブルにも強いといえます。何かあった場合に映像を記録し続けられる点は、ソーラー充電式の強みです。
電気代が発生しない
ソーラー充電式は、一度設置すればその後の電気代は発生しません。ランニングコストを抑えられる点もソーラー充電式防犯カメラの大きなメリットです。
ソーラー充電式防犯カメラのデメリット
ソーラー充電式防犯カメラは従来の防犯カメラが抱えていた課題を解決できる製品ですが、以下のようなデメリットとなる部分もあります。
天候や環境の影響を受けやすい
ソーラー充電式防犯カメラは屋外に設置するため、天候や環境の影響を受けやすい点がデメリットです。悪天候による日照不足や積雪でソーラーパネルが覆われた場合など、十分に発電できずバッテリー不足になることがあります。そのため、電力の消費を抑える目的で、何か動くものがあった場合にのみ記録する「動体検知」機能などの設計がされている製品が多いです。
しかし、動体検知機能は反応があった場合のみ撮影するため、必要な映像が記録されていなかったという事態も起こります。ソーラー充電式防犯カメラを選ぶときは、撮影方法が動体検知か常時撮影かを確認し、天候不良時は何日間の撮影が可能か、何日分のデータを保存できるのかに注意して選ぶとよいでしょう。
定期的なメンテナンスが必要になる
ソーラー充電式防犯カメラは、定期的なメンテナンスが必要です。ソーラーパネル上の汚れを取り除き、人感センサー機能があるタイプは感知機能が働くようセンサー部分の清掃が必要です。
またソーラー充電の減りが早くなったら、バッテリー交換もしなければなりません。しかし定期メンテナンスはソーラー充電式防犯カメラに限ったことではなく、通常の防犯カメラでも必要なため、大きなデメリットとはならないでしょう。
防犯カメラ機器そのものの盗難リスクがある
ソーラー充電式防犯カメラは簡単に設置できる一方、取り外しも簡単にできることが多く盗難の被害に遭うリスクがあります。盗難防止の対策として、アラーム音やセンサーライトで警告できるように動体検知機能や威嚇機能が備わっていると安心です。
そのほか、防犯カメラとアプリを連動させることで不審者を検知したらスマートフォンに通知してくれる機能や、アプリ上で操作してアラート音を鳴らしたり声を掛けたりできる機能などもあります。購入前に盗難を防止できる性能や、使用方法を事前にチェックしておくとよいでしょう。
ソーラー充電式防犯カメラの通信方法
ソーラー充電式防犯カメラの通信は、いくつか方法があります。
有線接続と無線接続
ソーラー充電式防犯カメラの通信方法が、有線か無線かによって配線工事の有無が変わります。
有線接続の場合
LAN配線の工事が必要となり導入のハードルが上がるものの、通信が安定するメリットがあります。
無線接続の場合
配線工事は必要ないためより気軽に導入できる方法ですが、通信が不安定になる可能性があります。
無線LAN接続とSIM接続
無線接続の場合は、無線LAN接続かSIM接続のどちらかを利用する方法があります。
無線LAN接続
無線LANの電波が届く範囲内に設置する必要があり、建物の壁や近隣の電波が障害となることもあるため、注意が必要です。また、接続可能なデバイスの台数に限りがあることが多く、すでに使用しているデバイス数や、設置する防犯カメラ数なども考慮する必要があります。
SIM接続
NTTドコモやau、ソフトバンクなど、エリアに対応したキャリアの通信網を使って接続する方法です。スマートフォンの仕組みと似ており、SIMカードを防犯カメラ機器に挿せば通信できます。回線が引けない場所や、無線LAN接続ができない環境でも使用が可能です。
ソーラー充電式防犯カメラを選ぶ際のポイント
防犯カメラは多くの製品が登場しているため、最適なものを選べるようポイントを紹介します。
防水防塵機能の有無をチェックする
ソーラー充電式防犯カメラなど屋外に設置するカメラは、防水防塵の性能が必須です。屋内専用の防犯カメラとは異なり、雨風やホコリなどを防ぐ必要があります。
防水防塵の性能の有無は「IPコード」で確認できます。IPコードとは国際規格「IEC」に規定される等級のことで、電気製品の防水・防塵の保護性能を表しており、IPの数値が高いほど、防塵防水の性能が優れていることを意味します。
屋外に設置するソーラー充電式防犯カメラは、防水・防塵ともにIP規格「6」以上をひとつの基準として選ぶことをおすすめします。
▼防水・防塵性能についてはこちらの記事で詳しく解説しています
サイズや持ち運びのしやすさをチェックする
ソーラー充電式防犯カメラは、ソーラーパネルと防犯カメラが一体型になっているタイプや、別途ソーラーパネルを設置するタイプもあります。カスタマイズ性の高いタイプを選べば、カメラやソーラーパネルをそれぞれ最適な場所や角度で設置できます。
またソーラーパネルのサイズも豊富にあるため、省スペースで設置したいケースでも自由に選択可能です。防犯カメラを設置する用途や目的に合わせ、サイズ感や持ち運びのしやすさなどを確認するとよいでしょう。
広角映像を確認できるかをチェックする
広角映像の撮影が可能な防犯カメラであれば、広範囲に録画できます。機種によっては360℃撮影が可能なタイプもあり、死角なく全方位を捉えられます。スマートフォンと連動させて見たい角度に操作できる機能もあるため、広角映像の記録が必要な場合は確認してみましょう。
夜間の映像記録の性能をチェックする
夜間の撮影が鮮明に記録できるかどうかは、必ずチェックしておきたいポイントです。暗い場所もしっかり映像を記録するため、以下のような性能が備わっているものを選びましょう。
【夜間の映像記録に有効な性能】
- 「赤外線カメラ」:暗い場所でも撮影でき、白黒映像で記録できます。
- 「暗視カメラ」:暗視補正機能によって、わずかな明かりさえあればカラー撮影が可能です。
- 「逆光補正」:映像の逆光を抑制します。
- 「ノイズリダクション」:映像のノイズを低減できる機能です。
- 「オートゲインコントロール」:映像信号の明るさを自動で制御し、暗い場所でも画像品質を最適化します。
- 「ワイドダイナミックレンジ」:明るい部分と暗い部分を別に記録し、あとから合成する機能です。どちらの映像も鮮明に記録できます。
まとめ
防犯カメラを屋外に設置する際に悩みとなる電源供給は、ソーラー充電式の防犯カメラが解決してくれます。農業スペースや建設現場などの電源がない場所、大掛かりな電気工事を省いて設置したい場合は、ソーラー充電式防犯カメラがひとつの選択肢となるでしょう。最適な防犯カメラを選択できるようぜひ参考にしてください。
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