PTZ(ピーティーゼット)カメラとは、遠隔からカメラを操作できる防犯カメラのことで、PTZとはPan(水平方向の動き)・Tilt(垂直方向の動き)・Zoom(拡大/縮小)の頭文字を組み合わせた略称です。
レンズの向きを変えることで1台で多方向を撮影でき、ズーム機能によって離れた場所も鮮明に映し出すことができます。店舗や工場、駐車場などへの設置だけでなく、自然災害発生時の確認にも有用です。
本記事では、PTZカメラの特徴と考慮したい点、設置におすすめの場所を解説します。また、おすすめのPTZカメラと導入事例も紹介していますので、参考にしてください。
目次
PTZ(ピーティーゼット)カメラとは?
PTZカメラとは、遠隔からカメラ操作ができる防犯カメラの一種です。PTZは、Pan・Tilt・Zoomの頭文字からきています。それぞれの意味は次のとおりです。
- P(パン):水平方向の動き
- T(チルト):垂直方向の動き
- Z(ズーム):拡大と縮小
このようにPTZカメラとは、パン・チルト・ズームを遠隔から操作できるカメラを指します。防犯カメラの形状にはいくつかの種類がありますが、PTZカメラは、全方向の動きに適した構造という点でドーム型が一般的です。
▼ドーム型防犯カメラの詳細は、こちらの記事で紹介しています。
PTZカメラの特徴と考慮したい点
PTZカメラにはいくつかの特徴と、導入する際に考慮したい点があります。それぞれの点について詳しく解説します。
PTZカメラの特徴
PTZカメラの特徴について見ていきましょう。
1台で多方向を順次カバーすることが可能
PTZカメラの大きな特徴は、カメラのレンズ角度を遠隔から自在に調整できるため、1台で様々な方向を切り替えてカバーできる点です。設置台数を最小限に抑えつつ、操作によって異なるエリアを効率的に確認することが可能です。
さらに、PTZカメラの多くはインターネット接続に対応しており、パソコンやスマートフォンからの操作や映像確認も簡単です。これにより、広範囲を見守りながらリアルタイムに映像を確認でき、問題発生時に迅速な対応が可能になります。
高度なズーム機能を搭載
PTZカメラには、「光学ズーム」と「デジタルズーム」の2種類のズーム方式があり、遠距離の対象物も鮮明に捉えることができます。
光学ズームは、レンズの焦点距離を物理的に変えることで、画質の劣化を最小限に抑えています。一方、デジタルズームは元の解像度のデータを拡大するため、高倍率になるほど画質が粗くなります。
光学ズームを搭載したPTZカメラであれば、離れた場所にある細かい情報まで正確に識別することが可能となり、セキュリティレベルの向上につながります。
PTZカメラの導入にあたり考慮したい点
PTZカメラを導入するにあたって考慮したい点を解説します。
運用時の死角対策が必要
PTZカメラは高機能である反面、運用上の課題として死角が生じやすいという点に注意が必要です。カメラのレンズを特定のポイントに向けると、それ以外の場所は画角から外れて確認できなくなるためです。
そのため、常時撮影が必要なエリアでの単独使用には適していません。この場合は広角カメラとPTZカメラを併用するか、複数のPTZカメラの設置が必要となります。
費用対効果を考慮した導入計画が必要
PTZカメラは高機能であるがゆえに、一般的な固定カメラよりも導入コストが高くなる傾向があります。価格は、カメラの可動域、ズーム倍率、画素数、防塵・防水機能などの仕様によって変動します。
とはいえ、1台で多方向を順次カバーでき、設置台数を減らせるため、設置場所や目的によっては高いコストパフォーマンスを得られる可能性もあります。
PTZカメラ設置におすすめの場所
PTZカメラの機能を活かすには、設置場所の検討が必要です。ここでは、PTZカメラの機能が役立つおすすめの設置場所を5つ解説します。
なお、人が写り込む画角での防犯カメラの設置・運用開始には、個人情報保護法等の関係法令の遵守に加え、写り込む人々、写り込む可能性のある人々のプライバシーへの配慮が求められます。
防犯カメラとプライバシーの関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
小売店や飲食店の店舗
PTZカメラの設置におすすめの場所として、小売店や飲食店などの店舗があります。これらの店舗では、広いフロア全体の確認が必要になるケースがあります。
たとえば、レジ周辺には固定カメラを設置してセキュリティを強化し、店舗の中央部や入口付近にPTZカメラを設置することで、さまざまな場所を必要に応じて確認できます。
医療現場
PTZカメラの設置場所として、医療現場もあります。遠隔での診療や手術のサポートにPTZカメラが使われています。カメラを操作することで、患部や術者の手元の詳細な確認が可能です。
製造現場や大規模プラント
製造現場や大規模プラントでは、PTZカメラの遠隔操作機能が特に威力を発揮します。高所作業や危険区域など、人が容易に近づけない場所の状況確認に活用でき、遠隔から詳細な映像を得ることで事故防止やヒューマンエラーの軽減につながります。
また、製造ラインの品質管理や施設内の安全対策にも有効です。従業員のプライバシーに配慮し、作業を監視する目的ではなく安全確保が目的であることを明確にした上で運用することが重要です。
設置の際は、粉塵・油煙・化学物質の飛散など、過酷な環境に耐えられる防塵・防水性能を備えたモデルを選定しましょう。
駐車場
PTZカメラの設置場所として、駐車場もおすすめです。カメラのレンズを特定のポイントに向けられるため、広い敷地全体を効率的に確認できます。とくに出入り口やゲート付近、支払い機周辺などのエリアのチェックに有用です。
また、ズーム機能により、万一の事故や車両破損時には状況確認に役立ちます。駐車場への設置には、夜間でも鮮明に撮影できる暗視機能やデイナイト機能を備えたモデルが良いでしょう。
自然災害が発生した際の状況把握
PTZカメラは、自然災害が発生した際の状況把握にも重宝します。台風や地震が発生した場合、人が立ち入るには危険な被災地域も、安全な場所からカメラを通じて状況を確認できます。
また、河川の水位変化や建物の損傷状況など、細部まで拡大して確認することも可能です。
おすすめのPTZカメラは「Safie」
Safie(セーフィー)とは、インターネットを通してカメラ映像がクラウド上に録画される「クラウド録画サービス」です。Safieのカメラをインターネットに接続するだけで、スマートフォンやパソコンから、リアルタイムで映像を確認できます。
Safieは「映像がきれい」「設定が簡単」「使いやすい」のも特徴です。HD画質と最大30fpsで、きれいでなめらかな映像を確認できます。強固なセキュリティレベルも維持しており、Safieのクラウドに保存されるお客様の録画データは、最新の暗号化技術によって守られています。
ここでは、おすすめのカメラを紹介します。
屋外向け:Safie GO シリーズ
Safie GO(セーフィー ゴー) シリーズは、屋外で利用できるLTE搭載のカメラです。モバイルルーターが内蔵されており、電源にさすだけで撮影や視聴が可能です。
Safie GO シリーズにはいくつかの製品がありますが、PTZ機能が搭載されたモデルは次の3つです。
- Safie GO PTZ(セーフィーゴーピーティーゼット)
- Safie GO PTZ Plus(セーフィーゴーピーティーゼットプラス)
- Safie GO PTZ AI(セーフィーゴーピーティーゼットエーアイ)
いずれも防塵・防水機能を備えており、屋外の厳しい環境下でも利用可能であるほか、光学10倍ズームも備えています。これらの製品はGPS機能やエッジAI搭載の有無により機種が異なります。



屋内向け:AXIS M5074 PTZ
AXIS M5074 PTZは、PTZ機能を備えた屋内向け防犯カメラです。5倍光学ズームと12倍デジタルズームを備えているほか、被写体に自動でピントを合わせる「オートフォーカス機能」も搭載されており、全体の様子を確認した後で、気になるエリアを拡大して見るといった使い方が可能です。
また、明るい場所と暗い場所が混在するときの撮影に役立つ「WDR(ワイド・ダイナミック・レンジ)機能」も搭載されています。

AXIS
M5074 PTZ
レンズの向きを操作できる光学5倍ズーム搭載の高性能カメラ
¥131,230 (税込)
外形 | Ø130 x 63 mm |
重さ | 380 g |
防水性能 | IP51 |
ネットワーク接続 | 有線LAN |
PoE給電 | 対応 |
画角 | ⽔平14°‒71° 垂直8°‒40° |
ズーム | 光学ズーム 5倍 |
マイク(音声入力) | あり |
スピーカー(音声出力) | なし |
暗所撮影 | – |
SafieのPTZカメラを導入した事例
SafieのPTZカメラを導入した事例を紹介します。
※事例内容はいずれも取材当時のものです。
株式会社きらぼし銀行の事例
株式会社きらぼし銀行は、運営するインキュベーション施設の防犯や経営層による運営状況の把握を目的に、SafieのPTZカメラを導入しました。導入の決め手は、高画質で見やすく、防犯カメラとして高性能であること、また映像視聴の利便性でした。
PTZ機能により、遠隔でも施設内の状況を鮮明に確認できる点が大きなメリットとのことです。また、本部の経営層が頻繁に足を運ぶことが難しい施設についても、「映像を通して情報共有ができるため、大いに役立っている」と話されていました。
株式会社TBSテレビの事例
株式会社TBSテレビは、朝の情報番組で日本各地のライブ映像をつなぐ中継コーナーに、Safie GO PTZを導入しました。同社は、技術・コスト面での導入のしやすさ、高い画質、いつでもどこでも映像を視聴できるといった点をメリットに感じ、導入に至ったとのことです。
同カメラのPTZ機能により、「雲が邪魔だからちょっと画角を振ろう」といった調整ができ、使いやすいとのこと。専門スタッフでなくても簡単に使える操作性や、録画映像の振り返りが容易な点も、便利に感じているとのことでした。
SafieのPTZカメラをセキュリティ強化に活用しよう
PTZカメラは、レンズ角度の遠隔操作とズーム機能を備えた高機能な防犯カメラです。レンズの向きを変えることで様々な方向を順次確認でき、ズーム機能で離れた場所の詳細も鮮明に捉えられる特徴がある一方、死角対策や費用対効果の検討も必要です。
PTZカメラの導入を検討しているなら、Safieがおすすめです。簡単な設定で高画質の映像を確保でき、スマートフォンやパソコンからいつでもどこでも確認できる利便性が魅力です。防犯対策やトラブル対応にも最適なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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