保存期間を過ぎた防犯カメラ映像は復元できる?期間を延ばす方法とは

防犯カメラの保存期間 期間を延ばす方法とは?

防犯カメラを導入する際に気を付けたいのが、映像の保存期間です。製品やサービスによっては、保存期間を過ぎると自動で画像が上書きされて古い映像が消えるものもあるため、注意しましょう。

この記事では、防犯カメラの保存期間が決まる要素や延ばし方、設置場所別の保存期間の目安などについて詳しく解説します。

防犯カメラの保存期間を過ぎた映像はどうなる?

防犯カメラで録画した映像は、HDDやSDカードなど記録媒体の中に保存されます。そのため、防犯カメラの保存期間は、採用している記録媒体ごとに異なるのが特徴です。

HDDに保存する一般的な防犯カメラの場合、記録媒体に保存可能なデータ容量は最初から決まっています。そのため、保存できる容量に近づくと、新しく録画できるように古い映像から自動で削除する仕組みになっています。

記録媒体ごとの保存期間の目安は、以下のようになります。

種類保存期間の目安:画質フルHD・30fpsで録画と仮定
HDD1TBの場合:約75時間
SDカード128GBの場合:約15時間
SSD1TB:約75時間
クラウド契約日数分

なお、消えた録画データは原則復元ができません

保存期間が過ぎた映像を残しておきたい場合は、USBメモリなどにバックアップをとっておきましょう。

防犯カメラのレコーダーの種類とクラウド録画サービスとの違いについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

防犯カメラの保存期間の目安

ここでは、防犯カメラの設置場所ごとに保存期間の目安をご紹介します。

ただし、注意点として、防犯カメラで撮影した顔画像等は個人情報になる場合が多いです。そのような場合にはきちんと個人情報保護法を守らなければいけません。

個人情報保護法の観点から、防犯カメラの画像は長期間保管できないため注意が必要です。期間は一概に決まっているわけではありませんが、防犯カメラ映像については利用する必要最低限の期間にする必要があります。

自宅やマンションで使用する場合

自宅やマンションで防犯カメラを使用する目的としては、防犯・居住者間のトラブル防止、ゴミ捨て場周りのトラブル防止などが挙げられます。

そのため、特別な事態に迅速に気付く必要のある自宅やマンションでは、2週間〜1ヶ月程度が保存期間の目安です。

別荘や不在にすることが多い建物などでは、状況に応じて長めに設定するといいでしょう。

コンビニやスーパーなどで使用する場合

コンビニやスーパーの店舗では、防犯、万引き防止やクレーム対策などのセキュリティ確保などが重視されます。そのため、1ヶ月以上の保存期間を目安とするとよいでしょう。

また、スーパー併設のオフィス環境では、物品消失の把握までに時間がかかることも多いです。そのため、より長い録画期間の設定をおすすめします。

公共施設・街頭防犯カメラなどで使用する場合

公共施設や街頭カメラなどの防犯カメラは、主に防犯や施設内管理などの目的で設置されます。管轄する市区町村や自治体によって、運用の指針が決まっているのは一般的です。そのため、事前に市区町村に問い合わせて、確認するようにしましょう。

なお、警視庁では防犯カメラにて撮影された映像をサーバに録画し、厳格な管理のもと30日間保存しています(※1)。保存期限が過ぎたデータは、自動的に新たなデータが上書きされて消去される仕様です。

(※1)出典:”街頭防犯カメラシステム”.警視庁 生活安全総務課 生活安全カメラセンター.2023-04-04(参照2024-05-17

学校や病院で使用する場合

生徒や入院患者同士のトラブル防止、防犯などが目的となる学校や病院などの防犯カメラでは、映像をすぐに確認することが多いため、保存期間を長くする必要はありません。

保存期間の目安は、2週間から1ヶ月程度です。

工場で使用する場合

工場に設置する防犯カメラは、製造工程管理や安全管理、従業員管理などの目的以外にも、製品に問題があった場合の確認としても使われます。

そのため、製造した商品が市場に流通するまでの時間や商品の賞味・消費期限に応じて録画期間を検討しましょう。

異物混入などの事件が発覚することもあるため、保存期間は最低でも1年から2年を目安にするとよいでしょう。

防犯カメラの保存期間が決まる要素

ここでは、より具体的に防犯カメラの保存期間が決まる要素について解説します。

主な要素は、以下の4点です。

・記録媒体の容量
・録画画質
・フレームレート(FPS)
・カメラの台数

それぞれ詳しく見ていきましょう。

記録媒体の容量

保存期間を決める要素の1つが、記録媒体の容量です。

容量が大きいほど、保存期間が長くなる傾向にあります。

媒体には、HDD・SDカード・SSD・クラウドの4種類があり、各種類の特徴は以下の表のとおりです。

種類特徴
HDD【メリット】・コスパに優れている
【デメリット】:振動に弱く故障しやすい
SDカード【メリット】・価格が安い・着脱が可能なため持ち運びしやすい
【デメリット】・静電気や衝撃などで壊れやすい・長期利用には不向き・盗難リスクがある
SSD【メリット】・サイズがコンパクト・衝撃に強い・消費電力が少ない
【デメリット】・価格が高い
クラウド【メリット】・インターネット上のクラウドに保存する形式のためレコーダーが必要ないため、破壊や盗難などでデータが消失する心配がない・パソコンやスマートフォンなど、デバイスを選ばずいつでもアクセス可能
【デメリット】・インターネットへの接続が切れると映像は録画されない・Wi-Fi環境の整備が必要

録画画質

記録媒体の録画画質(解像度)でも保存期間が変わることには、注意が必要です。解像度が高く鮮明な画質ほどデータ容量が増え、保存期間が短くなる傾向にあります。

逆に画質を落とせば保存期間は長くなりますが、その分画質も悪くなります。

結果的に画像確認が必要なときに画像を確認しにくい可能性もあるため、保存期間とのバランスをあらかじめチェックするようにしましょう。クラウドの場合、画質による保存期間への影響はありません

フレームレート(FPS)

保存期間を長くしたいのであれば、フレームレート(FPS)にも配慮しましょう。フレームレートとは、1秒間の動画に画像が何枚連続で撮影されているかを示す数値のことです。

動画は、連続で撮影した画像を合体したもののため、画像の枚数が多くなればなるほど滑らかな映像になります。1秒間に連続撮影する画像枚数も増加してフレームレートが高くなると、映像データの容量も大きくなるため、保存期間も短くなってしまいます。

防犯カメラの場合は、3〜5fpsに設定されることが一般的です。データを長期間保存したいのであれば、fpsを落として防犯カメラの映像を保存するようにしましょう。

フレームレートについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

カメラの台数

1つのレコーダーに対して防犯カメラを複数台接続している場合も、接続している台数分、保存期間が少なくなるため注意は必要です。

保存期間を長くしたいのであれば、1つのレコーダーに対して接続する防犯カメラの数を減らすか、別途レコーダーを用意してそちらに接続するとよいでしょう。

防犯カメラの保存期間を延ばす方法

防犯カメラの保存期間を延ばす方法についても確認しておきましょう。

主な方法は、以下の3つです。

・画質やフレームレートを落として録画する
・録画する時間を絞る
・記録媒体の容量を増やす

画質やフレームレートを落として録画する

防犯カメラの保存期間を左右する要素である画像やフレームレートを落とせば、録画の容量が少なくなり、保存期間を延ばせます。画質やフレームレートは、カメラの設定を変更するだけで可能です。

機材を変更する必要がなく、手間と費用を抑えて保存期間を手軽に延ばせるのはメリットといえます。

ただし、保存期間を延ばしたいがために、設定を落としすぎるのはやめましょう。低画質だと、窃盗犯の服装や人相な、車のナンバーなどを特定しにくくなり、防犯上の問題が発生する恐れはあります。

必要以上に画質やフレームレートを落としすぎず、最低限の情報が確認できる程度に調整しておくことがおすすめです。

録画する時間を絞る

防犯カメラの稼働時間(録画時間)を減らすことでも、データの保存期間を延ばせます。防犯カメラで24時間録画しておく必要がないときは、この方法がおすすめです。録画する必要のない時間は、録画を止めることも選択肢に入れましょう。

たとえば、空き巣目的で自宅に防犯カメラを設置しているのであれば、家にいる時間は防犯カメラを稼働させないのも一案です。

車の盗難防止目的で防犯カメラを設置しているのであれば、車使用時は稼働させないなどの工夫をすることで防犯カメラの保存期間を延ばせます。

記録媒体の容量を増やす

レコーダーを利用してHDDやSSDなどの記録媒体に保存している場合は、容量の大きい記録媒体に買い替えるにも1つの方法です。容量が大きくなれば、保存できるデータ量が増えるため、映像の保存期間を延ばせます。

クラウドサービスを利用して保存している場合は、より上位のプランに変更することで保存できる容量を増やるでしょう。

保存期間を増やすならクラウドサービスがおすすめ

防犯カメラの保存期間は、採用している記録媒体ごとに異なります。保存期間を延ばしたいのであれば、容量を増やしたり、画質やフレームレートを落としたりするなどの工夫が必要です。

防犯カメラを使用する場所によっても求められる保存期間が異なります。適切な画質やフレームレートと必要な保存期間のバランスを考慮し、防犯カメラの設定を行いましょう。

また、防犯カメラの保存期間を増やしたいのであれば、クラウドサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

Safie(セーフィー)のクラウド録画サービスでは、プランごとに録画期間が決まっています。そのため、利用目的や設置場所に併せて保存期間が7日〜365日まで自由に選べる点が大きなメリットです。

選べる保存期間

さらに、録画期間を変更する際にもプランを変更するだけで済み、録画の画質を落とすことなく保存期間も増やせます。防犯カメラの保存期間でお困りの方は、クラウド録画サービス「Safie」をぜひご検討ください。

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