物流や倉庫作業は、倉庫内における事故や人手不足、長時間労働などが課題ですが、倉庫にAIカメラを導入することで、これらの課題を解決に導くことができます。
物流や倉庫作業における課題と、AIカメラの活用による解決方法を解説します。
目次
物流や倉庫作業における課題
物流や倉庫作業における課題は数多くありますが、ここでは代表的な5つの課題を紹介します。
倉庫内での事故
倉庫における課題として挙げられるのが「倉庫内での事故」です。
高所から作業員が転落したり、フォークリフト同士で衝突したりする可能性があります。
厚生労働省の資料によると、平成26年~令和2年の7年間で下記の事故が報告されています。
事故の種類 | 件数 |
---|---|
転倒 | 122件 |
動作の反動・無理な動作 | 91件 |
墜落・転落 | 89件 |
はさまれ・巻き込まれ | 62件 |
このように、倉庫内でさまざまな事故が多発していることが課題として挙げられます。
参考:倉庫・物流センターで労働災害が発生しています!|厚生労働省
人手不足や長時間労働
次に、物流や倉庫作業で課題視されているのが「人手不足や長時間労働」です。
EC市場の拡大と少子高齢化の進行により、生産年齢人口の減少と労働力不足が深刻化している中、物流業界も人手不足に直面しています。この状況は、労働人口の縮小と密接に関連しており、業界全体での課題です。
さらに、人手不足にも関わらず、物流への需要は依然として高まっており、結果的に現従業員の労働時間が長くなっている状態です。2024年4月に働き方改革関連法が改革され、1年間の拘束時間が現行の3,516時間から原則3,300時間になるなど、従業員の長時間労働を改善する必要があり、企業には対策が求められています。
窃盗被害
「倉庫内における商品の窃盗被害」も物流業界が直面している課題の一つです。
倉庫内には、商品や資材などが保管されていますが、大量に保管されているため、盗難に気付けない可能性があります。実際に、大手インターネット通販サイトの倉庫内で、総額1,000万円にもおよぶ高額商品が盗まれたという事件もありました。
倉庫内の商品が盗難されないよう、防犯カメラなどを設置して対策する必要があります。
ヒューマンエラーの発生
倉庫内における検品や仕分けなど作業の際に、作業ミスが発生する可能性があります。
例えば、在庫の過不足や出荷漏れ、出荷内容の間違い、宛先ミス、伝票のつけ忘れなどです。ミスが発覚した場合は、発生原因を分析するなどして対策を取ることが重要です。
在庫の過不足の発生
在庫の過不足が発生する理由としては、需要予測の誤りや在庫管理の不備、天災などによる供給の遅延などが挙げられます。
過剰な在庫は、不要な保管コストを発生させ、在庫不足は、顧客のニーズに応えられず、販売機会や顧客満足度向上の機会を失ってしまう可能性があります。
物流や倉庫作業におけるAIカメラを導入するメリット
AIカメラを導入するメリットを4つ紹介します。
事故を未然に防ぐことができる
倉庫内で起こる事故の一つに、フォークリフトに起因する事故があります。
AIカメラは、リアルタイムで環境を撮影し、人検知機能や物体検知機能により、人や周囲の障害物への接近を検知することができます。衝突の可能性を検知し警報用ブザーなどで警告を発するなどすることで、事故を未然に防ぐことが可能となります。
倉庫作業の安全対策については、以下の記事も併せてご確認ください。
業務を効率化できる
AIカメラの人検知機能で適切な人員数を判断したり、動線を分析する機能で特定の作業における非効率な動きなどを分析したりできます。
その結果、最適な人数の把握や、非効率な動きが改善され、業務効率化につながるのです。
盗難の発見と抑止ができる
盗難が発生した場合、証拠として映像データを活用できるだけでなく、人物や盗難されたモノを識別することができます。
また、不審な動きを検知した際に通知が来るように設定しておけば、盗難を未然に防ぐことも可能になるでしょう。さらに、このような高性能なカメラが設置されていることを周知すれば、盗難の抑止にもつながります。
検品ミスを改善することができる
倉庫業務における検品作業は、丁寧な作業が求められるため、多くの時間を要するほか、作業ミスが生じることも少なくありません。
しかし、AIカメラを活用することによって、作業ミスが発生した際にも映像を振り返ることでミスが発生した作業の特定が可能なほか、映像をもとに原因分析を実施することで再発防止に繋げることができます。
物流や倉庫にAIカメラを導入するときのポイント
物流や倉庫にAIカメラを導入するときのポイントを3つ紹介します。
物体検知の精度が高いカメラを選ぶ
防犯や在庫確認、需要予測など、倉庫にAIカメラを導入する目的はさまざまですが、物体検知の機能はあらゆる用途に役立つため、精度の高いものを選ぶと良いでしょう。
基本的に、物体認識には「一般物体認識」と「特定物体認識」の2種類があります。
一般物体認識は、画面に映ったものが何かを認識するもので、倉庫内に入荷されたさまざまな商品を自動で分類することが可能。一方、特定物体認識は、事前に登録した物体を認識するもので、特定の商品の在庫確認を行うことができます。
AIカメラの設置目的に合った物体検知機能をもつ製品を選びましょう。
広範囲を撮影することができるカメラを選ぶ
倉庫の規模にもよりますが、多くの製品や資材を保管する場合、広範囲をカバーできる製品を選びましょう。
盗難対策でAIカメラを導入したにも関わらず、広範囲をカバーできずに死角ができてしまっては意味がありません。カメラの画角を確認し、死角ができないような機種選定とカメラ配置をしましょう。
長時間の録画や遠隔監視ができるカメラを選ぶ
録画データをどれくらい保存できるかをチェックしましょう。
盗難事件が起きた際に、長時間録画できるカメラであると、過去の映像を長く遡って確認することができるため、必要な証拠が得られる可能性が高まります。
加えて、倉庫内の様子をパソコンやスマートフォンなどから見ることができるとトラブルが発生した際もすぐに映像で状況を確認することができます。
まとめ
物流や倉庫作業における課題や、AIカメラを導入するメリット、AIカメラを導入するときのポイントなどを解説しました。
人手不足や長時間労働、事故、窃盗被害など、物流や倉庫作業はさまざまな課題を抱えています。しかし、AIカメラの導入が、そのような課題を解決する助けとなるでしょう。
セーフィーでは、物流や倉庫作業の課題改善に役立つAIカメラやサービスを取り扱っています。物流・倉庫に関わる課題をお抱えの方は、物流・倉庫向けにクラウドカメラの活用方法をまとめた以下のページも併せてご確認ください。
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