バリフォーカルレンズとは?メリットや活用シーンについて解説

バリフォーカルレンズとは? メリットと活用シーン

防犯カメラではさまざまな種類のレンズが使われていますが、その中でも「バリフォーカルレンズ」は聞き馴染みがなく、その意味やどのような特徴があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。バリフォーカルレンズは、焦点距離を変更できるレンズを意味し、単焦点レンズやデジタルズームとは明らかな違いがあります。

レンズの違いによる撮影範囲やメリットは、防犯カメラ購入時にもぜひ参考にしてください。

バリフォーカルレンズとは

バリフォーカルレンズは、ズームアップ(拡大)やズームバック(縮小)などの焦点距離を変更できるレンズの総称です。可変焦点レンズやズームレンズとも呼ばれます。

このレンズの特徴は、ズーム時にピントを再調整する必要がある点です。手動式と電動式での違いこそありますが、なんらかの方法でピントを調整しなければなりません。

一方で、ズーミング時に連続的にピントを合わせるレンズを「パーフォーカルレンズ」と呼びます。ピントの調整が必要ないことから動画撮影に優れたレンズです。しかし、構造が複雑であるため、価格が高くなりやすく、重量も重くなる特徴があります。

そのため、パーフォーカルレンズを利用する機会はとても少なく、一般的にバリフォーカルレンズを指してズームレンズと呼ぶ場合がほとんどです。また、ズームができないレンズについては「単焦点レンズ」と呼びます。

レンズの種類概要
バリフォーカルレンズ焦点距離を変えられるレンズ。手動もしくは電動で、その都度ピント調整が必要。
パーフォーカルレンズ焦点距離を変えられるレンズ。連続的に合わせるため、ピント調整は必要ない。
ズームレンズ焦点距離を変えられるレンズの総称。
単焦点レンズ焦点距離を変えられないレンズの総称。画角は単一になる。

バリフォーカルレンズの種類

バリフォーカルレンズには、「手動式」と「電動式」の2種類があります。特にピント調整機能に限った場合、「マニュアルフォーカス(MF)」「オートフォーカス(AF)」と呼ばれることもあります。

手動式

手動式のバリフォーカルレンズは、レンズ本体のズームリングやピントリングを手で直接さわって画角やピントを調整します。昔ながらのレンズに採用されており、構造がシンプルで製造コストを抑えながら作ることができます。ピント機能を意味する場合は、マニュアル・フォーカスとも呼ばれます。

電動式

電動式のバリフォーカルレンズは、カメラ本体の操作ボタンやダイヤルを操作することでズームやピントを調整します。オートフォーカス機能があり、操作者の技術レベルに依存することなく簡単にピントを合わせられます。また、機種によっては遠隔操作でズーム機能を使うことも可能です。

バリフォーカルレンズのメリット

バリフォーカルレンズはシンプルなズーム機能を搭載することで、「高画質でのズームアップ」「設置後の画角変更」「優れたコストパフォーマンス」などのメリットがあります。

画質が劣化しない光学ズーム

バリフォーカルレンズは光学ズームを利用し、画像データを拡大するデジタルズームのような画質の低下を避けられます。デジタルズームによる拡大では画素数が減少しますが、光学ズームでは画素数を維持しながら拡大できます。

設置後でも変えられる画角

単焦点レンズは光学ズームができないため、防犯カメラ設置後の画角変更が難しくなります。例えば、レンズ交換や設置場所の変更など、大幅な修正をしなければなりません。

一方で、バリフォーカルレンズは、設置後の画角イメージが異なる場合でも、微調整を加えることが可能です。また、機種によっては遠隔操作でズームを行えるものもあります。

優れたコストパフォーマンス

機能性に優れたパーフォーカルレンズに比べて、低コストで製造できるバリフォーカルレンズはさまざまな場所で採用されています。ピント調整機能こそパーフォーカルレンズに劣りますが、オートフォーカス機能を搭載したレンズであればピントの自動調整も可能です。

最近ではオートフォーカス機能を搭載したバリフォーカルレンズが一般的になっており、コスト面ではパーフォーカルレンズに比べてはるかに優れています。

デジタルズームや単焦点レンズとの違い

バリフォーカルレンズは、デジタルズームや単焦点レンズと明確な違いがあります。

デジタルズームとの違い

デジタルズームは、撮影した映像データを拡大表示する方法です。ズームアップによる画像の劣化は避けられません。一方で、バリフォーカルレンズは光学ズームを利用するため、拡大しても画素数は維持されます。そのため、光学ズームで拡大した画像をさらにデジタルズームで拡大する使い方も可能です。

単焦点レンズとの違い

単焦点レンズ(固定レンズ)とは、焦点距離が固定されたレンズを意味します。スマートフォンに搭載したカメラのように、複数のレンズがなければ光学ズームはできません。単焦点レンズでもデジタルズームは可能ですが、画質の劣化は避けられません。

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活用シーン

バリフォーカルレンズの具体的な活用シーンについて解説します。

レジ上などの限られた撮影範囲の拡大

防犯カメラは、設置後の画角変更が難しい場合もあります。例えば、手元をズームアップしてレジ精算での金銭の受け渡しを記録したい場合、単焦点レンズでは決められた焦点距離から変更できません。バリフォーカルレンズであれば、設置後の微細な調整にも柔軟に対応できるため、設置後に画角調整が必要な場所に最適です。

出入り口など人が集まりやすい場所

店舗やオフィスで来訪者を記録する場合、出入り口は人が通るルートが限定されるため、広角レンズでなくても問題ありません。また、デジタルズームでは映像拡大により来訪者の顔の特徴や輪郭がボヤけてしまう危険性もあります。そのため、人通りが1点に集中する出入り口などは光学ズームのできるバリフォーカルレンズが適しています

バリフォーカルレンズはズームアップに適している

単焦点レンズやデジタルズームでは、映像の詳細まで確認することが難しい場合があります。また、防犯カメラの設置計画で、正確な焦点距離を割り出すことが求められるでしょう。

バリフォーカルレンズは、光学ズームで柔軟に画角調整ができるため、このようなリスクを低減できます。防犯カメラに広い視野が求められない場所では、高画質で映像をズームアップできるバリフォーカルレンズがおすすめです。

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