効果的な防犯カメラ保存期間・録画時間の設定方法

カメラの録画期間は自由に選ぶ

防犯カメラの保存期間は、2023年現在で具体的な法律やマナーはありません。しかし、自治体や企業の防犯カメラの運用は、適切な保存期間を運用規定で定めておくことが、各自治体のガイドラインにて推奨されています。録画機能付きの防犯カメラを設置するときの参考として保存期間の目安や、業種や施設によって異なる具体的な保存期間について解説します。

特にクラウド録画サービスは、適切な保存期間を選びやすく、管理コストを抑えながら適正な運用につながるため、これから導入する防犯カメラにおすすめです。

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防犯カメラの保存期間は定めておいた方がいい?

防犯カメラの保存期間は、法的な定めや一般的なルールは存在しないため、各自治体や企業が自由に録画期間を定めても問題ありません。ただし、長期間の映像データ保存は、情報の漏えいや映像の目的外利用などの管理リスクも関連する問題です。

総務省が提供する「カメラ画像利活用 ガイドブック」でも、以下のように防犯カメラの保存期間を定めることを推奨しています。

カメラ画像の利活用を開始するに当たっては、情報の漏えい、滅失、又は毀損(以下、「漏えい等」という。)や不用意な伝播・利用目的外の利用を防ぐため、取得したカメラ画像・当該カメラ画像から生成又は抽出等したデータについての取得項目・利用範囲・アクセス権・保存期間等を適切に定めて運用する。

出典元:“カメラ画像利活用ガイドブックver3.0”.IoT 推進コンソーシアム 総務省 経済産業省.2022-3-30,p-42.(参照 2024−10−15)

このような背景から、防犯カメラの保存期間は運用規定で明確に定めて、映像データが自動的に削除される仕組みを活用することが重要です。

防犯カメラの保存期間の目安は?

防犯カメラの保存期間の目安は、施設や業種によって異なります。発生したトラブルを認知するまでの期間やリスクの重大性、来訪者の多さなどによって、映像を残しておくべき期間は異なるからです。

ここでは、一般的な防犯カメラの保存期間を表にまとめてご紹介します。ただし、ここに記載する保存期間はあくまで目安のひとつでしかなく、最適な保存期間はそれぞれの環境や施設によって異なる点はご留意ください。

建物・施設の種類保存期間の目安理由
一戸建て(個人宅)1週間程度すぐに異変に気づきやすいため、保存期間を短めに設定する方が多い
アパート・マンション(集合住宅)1週間〜1ヶ月程度多くの来訪者があるため、保存期間を少し長めに設定する方が多い
飲食店・小売店1週間〜1ヶ月程度多くの来訪者があるため、保存期間を少し長めに設定する方が多い
金融機関6ヶ月〜1年程度高いセキュリティ性能が求められるため、保存期間を長めに設定する場合が多い

防犯カメラの映像データは保存期間が長ければ長いほど、万が一のトラブルに備えることができます。

ただし、保存期間を長く保つには、HDDやSDカード、クラウドストレージなどの容量を増やすために高額なコストがかかるデメリットもあります。また、撮影した映像について、管理責任者として正しく管理する必要性も生じてしまうでしょう。

そのため、保存期間が長ければ適切な運用ができるわけではなく、設置場所や目的に応じた最適な保存期間を選ぶことが重要です。適切なプランを提案することもできますので、ぜひお気軽にご相談ください。

官公庁が設置する防犯カメラは、管理者によって保存期間が異なる

警察や自治体などの官公庁が設置する防犯カメラは、それぞれの地域や組織によってガイドラインがあり、具体的な保存期間を明記していることがほとんどです。そのため、官公庁の保存期間を参考にして、防犯カメラの保存期間の目安にすることもできます。

ここでは一例として、警視庁、千葉県八掛市、兵庫県神戸市の保存期間を表にまとめます。

管理者設置場所保存期間
警視庁街頭、繁華街など30日間
千葉県八街市道路・公園など原則14日間
兵庫県神戸市駅周辺・繁華街など原則2週間

なかには、保存期間について明示していない自治体もありますが、お住まいの地域にあわせて保存期間を定める方もいらっしゃいます。

保存期間を決めたら、最適な保存先を選ぼう

防犯カメラの保存先は、ストレージの違いによりさまざまな種類があります。ストレージの容量によって記録できる期間は異なりますが、おおよその記憶容量の目安と費用、メリット・デメリットについて以下の表にまとめます。

データの保存先保存期間の目安費用の目安メリットデメリット
SDカード(カメラ本体に記録)30時間(256GB)約5,000円(256GB)・追加のレコーダーは不要・記録容量は少ない
・盗難のリスクがある
SSD(レコーダーに記録)2週間(1TB)約20,000円(1TB)・高速で高画質に録画できる・レコーダーが別途必要
HDD(レコーダーに記録)1ヶ月(2TB)約10,000円(2TB)・大容量でも価格は安い・レコーダーが別途必要・記録速度は遅い
クラウド(クラウドへ保存)
※Safieの場合
最長365日(10TB以上)月々1,320〜7,700円(保存期間により変動)・レコーダーが不要かつ保存期間がもっとも長い
・スマホでの映像確認
・ネットワーク環境が必要
・通信費が別途必要

おすすめする保存先は、クラウドへの保存です。まず、HDDやSDカードのような物理ディスクに比べて、仮想ディスクであるクラウドは最長365日という長期間の保存を実現することができます。

長期保存を必要としない場合にも、保存先の残量を気にせずに利用できる点もメリットです。物理ディスクでは、定期的にデータを削除もしくは新しいものへ交換するために、レコーダーを設置した現場での作業が必要です。

さらに、専用モニターやレコーダーが不要のため初期費用が安く、スマホやパソコンを使っていつでもどこでも映像のチェックが可能です。また、物理ディスクのようにデータストレージそのものを盗まれる心配もありません。

録画時間の目安

防犯カメラの録画時間の目安をご紹介します。

録画時間はHDDレコーダーの容量によって決まる

防犯カメラの録画時間は、保存するHDDなどのレコーダー容量によって左右されます。
一例として、30FPS/100万画素/H.264という設定で、1台の防犯カメラの映像を録画した場合の、必要なHDDレコーダーの保存容量は下記の通りです。

■7日間録画したいとき
500GB以上の容量があるHDDレコーダー

■30日間録画したいとき
2TB以上の容量があるHDDレコーダー

■60日間録画したいとき
4TB以上の容量があるHDDレコーダー

録画設定が変わると、必要な保存容量も変わってくるため、こちらはあくまでも目安となります。

防犯カメラの録画時間を左右する3つの要素

7日間の録画を行うには、500GBの容量を持ったレコーダーが必要です。
しかし、録画する設定や環境によって保存容量が変動し、録画時間が左右されることがあります。

録画時間が左右する要素として、下記の3点が挙げられます。

(1)FPSの設定

FPS(frames per second)とは、一秒間の映像が何枚の画像で構成されているかを示す単位で、フレームレートとも呼ばれます。
数字が大きければ大きいほど動画は滑らかになり、綺麗な映像を写すことができる反面、記録するデータ量が増えます。

(2)カメラの解像度

画像を表示する際の画素の密度を示している数値です。
画像は点の集合体であり、この点の数が多ければ多いほどより美しい画像となります。
解像度が高い程、データ量が増えます。

(3)レコーダーの圧縮方式

現在主流となっている、国際規格であるH.264の録画形式か、それ以外かで2倍以上録画できる時間が変わってきます。

さらに環境要素として、「レコーダーに接続するカメラ台数」によっても録画時間は変動します。
1つのHDDレコーダーに対して複数のカメラを接続すると、複数台分の録画データが保存されます。

録画時間の長さに応じてかかるコストは?

録画したい時間に対して、いくらコストがかかるのか?その一例をご紹介していきます。

それぞれ、HDDレコーダー録画タイプ、クラウド録画タイプで解説していきますので、ご自分の録画形式に合わせて確認してください。

HDDレコーダー録画タイプの場合

7日間録画するために、500GBのHDDレコーダーを50,000円で購入したとします。
HDDレコーダーの寿命は3年程度となっているため、3年分にあたる36カ月利用した場合、1カ月当たりのコストは1,390円です。

クラウド録画タイプの場合

サービス会社にもよりますが、たとえば弊社セーフィーが提供するクラウド料金は、7日間録画で1ヵ月1,200円(税抜)、1ヵ月当たりのコストは税込1,320円です。

若干ではあるものの、HDDレコーダー録画タイプよりも、クラウド録画タイプのほうがコスパが良い結果となりました。

HDDレコーダーの寿命問題を解決できる、また、専用モニターや複雑な配線が不要で手間を削減できる点を考慮すると、これから防犯カメラを導入する場合は、クラウド録画タイプをおすすめします。

Safieのクラウドカメラの保存期間と費用

クラウド録画サービスシェアNo.1(※1)のSafieは、月額費用が保存期間に応じて変動します。

※1 テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2023)」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(54.1%)

契約の途中であっても保存期間の長さを変更できるため、防犯カメラ本体やストレージを買い換える必要はありません。自治体や企業で定めた運用規定を変更する場合でも、契約期間を変更することで保存期間も変更されるので、柔軟に対応することが可能です。

料金は、「7日間録画プラン」の月額1,320円(税込)〜の低価格で利用できるため、ランニングコストをおさえることができます。データの保存期間は、7日間録画プランの場合に本日からさかのぼって7日前までの映像をいつでも振り返りが可能です。たとえば1月8日10:00の場合、1月1日10:00の映像まで振り返ることができ、それ以前の映像はどんどん新しい映像に書き換えられていきます。

料金プランの詳細はこちらをご確認ください。

ただし、トラブルなどの重大なシーンは残しておきたいでしょう。Safieでは、「ムービークリップ機能」を使うことで、残しておきたい重要なシーンを録画プランの保存期間にかかわらずクラウド上に保存しておけます。

タイムラプス機能を利用して圧縮して保存することも可能なため、建設現場の進捗管理など全体の流れを把握したい用途にもご利用いただいています。

カメラごとに期間を選び、コストもリスクも最小限に

設置場所ごとの録画期間

店内の異なる場所に設置された防犯カメラでは、必要な録画期間が変わることがあります。たとえば、レジ上は30日間〜60日間録画プランが適しているのに対し、出入り口やカウンターには、7日間の録画プランで充分かもしれません。このように設置場所により録画の期間を選ぶことができます。

セーフィーのクラウド録画サービスは、同じ店舗でもカメラごとに異なる録画プランを選択できます。トラブルを認知した時にはすでにデータが上書きされていた、といった問題が起きないように録画期間を選ぶようにしましょう。「どれくらいの期間が最適か」と迷っている方は、最適なプランをご提案しますので、お気軽にお問い合わせください!

人気の保存期間は?

7日・30日録画プランを利用される企業さまが特に多いです。

その理由は、何かあった時にすぐ気づき、映像のダウンロードやクリップを残すことができるというパターンと、何かあったことが30日くらいたたないとわからないというパターンでお選びいただく期間が変わるためです。

夜間に店舗内へ不審者が入ったり、接客時のトラブルがあった場合、多くは7日以内に気づくため、7日間の録画で充分です。しかし、月末の会計締め時にレジの金額が合わないことを発見した場合、1ヶ月まるまる振り返ることができる30日間の録画が役立ちます。

クラウドカメラの注意点は?

Safie以外にもクラウドカメラがありますが、性能やセキュリティ面などまったく同じサービスはありません。そのため、サービスを契約する前に次のポイントを確認することが大切です。

バックアップデータの汎用性

クラウドを利用した防犯カメラでは、データのバックアップ方法をチェックすることが重要です。たとえば、警察に映像データを提供する際にUSBやSDカードなどにエクスポートが必要なケースもあります。

映像の出力が困難であったり、一般的なファイル形式に非対応であった場合、映像の提出が難しくなる可能性があります。また、ストレージの故障により、重大な映像が削除されてしまったというトラブルにも注意が必要です。

セキュリティ面の対策

クラウド録画カメラの映像は、厳重なセキュリティに守られたデータセンターに保管されます。そのため、クラウド内のデータへの不正アクセスは難しいものですが、インターネット回線を介してデータ転送する際については、不備や脆弱性によるリスクが考えられます。

防犯カメラのアクセス制限、VPNの利用、通信の暗号化といったセキュリティ対策に優れたサービスを選び抜く必要があります。

プライバシーへの配慮

防犯カメラのデータ保存期間と撮影範囲は、プライバシー保護と深く関連しています。むやみに撮影範囲を広げたり保存期間を長くしたりするのもリスクを増加させる危険性があるのです。特に、プライベート空間の撮影や撮影目的の通知は、慎重に取り扱う必要があります。プライバシーマスク機能などにより、映像の一部を隠しておくこともひとつの手段です。

適切に選ぶことで、クラウド防犯カメラはバックアップデータを保護し、セキュリティ対策が堅牢で、プライバシーの配慮にも適したサービスを見つけることができます。

クラウドカメラの利用例

小売店での活用

GooDayの防犯カメラ活用

POSデータだけではわからない「どんなお客様が何を購入したか」「お客様がどんな様子だったか」を映像で振り返ることで、新たな気づきを得られています。さらに接客したスタッフにヒアリングをすると、「こういう商品があれば良いと言っていた」などの情報を得られることもあり、よりご満足いただけるような品揃えを考えるヒントにも貢献しているそうです。

飲食店での活用

焼肉ライクの防犯カメラ活用

オペレーション徹底や接客内容の改善のためや、クレームの事実確認に利用。また、会議で「3分提供」ができているかどうか、接客トークに抜け漏れがないかといった点の確認にも活用され、複数店舗を運営する中でもブランド維持に貢献しています。

まとめ

映像技術の進捗とともに、クラウドカメラの活用方法は、ますます多様化しています。録画映像の保存期間は、用途に応じて最適なプランを選択しましょう。録画プランだけでなく、適切なクラウドカメラなど導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

Safieサービス紹介
いつでもどこでも映像が見られるクラウドカメラ
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※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
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