二次災害の予兆を見逃さない。
被災現場を24時間見守るSafieカメラ

2022年8月の記録的大雨により、河川氾濫などの甚大な被害が発生した福井県。「奥越土木事務所」では、担当している復旧工事の現場でSafieカメラをご利用いただいています。災害の現場でカメラが果たす役割や、感じている導入効果についてお話を伺いました。

(取材:2022年11月)

導入の決め手

  • 風雨に耐える屋外対応のクラウドカメラ
  • スタンドアローンで設置可能
  • リアルタイムで現場の映像を確認できる
  • 常時録画なので、被害発生の瞬間を確実に記録できる

導入目的

  • 被災現場の二次災害の有無を迅速に確認するため

導入した結果

  • 二次災害の有無をリアルタイムで確認できる安心感を得られた
  • いつ、どこにいても現場の様子がすぐわかり、迅速な対応が可能
  • 急行すべき場所を判断しやすくなり、パトロールの人員計画がスムーズになった

2022年8月3日から東北、北陸で断続的に降り続いた記録的大雨は、福井県・奥越地方にも甚大な被害をもたらしました。

被災した河川の1つであり、現在、復旧工事が進められている福井県勝山市の暮見川(くれみがわ)には、セーフィーの屋外向けカメラ「Safie GO 180」が設置されています。

災害の現場でカメラはどのような役割を果たすのか、暮見川の復旧工事に携わる「奥越土木事務所」の榊原さん、時岡さんにお話を伺いました。

大規模災害で、現地パトロールの人員が不足

課長の榊原さん(右)、企画主査の時岡さん(左)

──はじめにお2人の業務内容と、現在携わっていらっしゃる復旧工事について教えてください。

榊原さん:道路、河川、海岸等の管理を行う土木事務所は福井県内に6つあり、奥越土木事務所は大野市、勝山市を管轄しています。その中で私たち大野道路課は、大野市内の道路のメンテナンス、改装工事などを担っていますが、災害等の緊急時は関係各所と連携し、担当業務の枠を超えて対応に当たることもあります。

8月の記録的大雨では、大野市内の道路の被害は幸い小規模でした。しかし勝山市内を流れる暮見川の護岸(堤防等を水の浸食から守るコンクリートブロックや石などの設備)には多くの被害が発生し、同市の河川担当だけでは対応しきれない状況でした。そのため、通常は大野市の道路を管轄している私たちも、暮見川の護岸復旧工事の応援に携わることになったのです。

──災害の復旧工事はどのように進められるのでしょうか?

時岡さん:まずは各部署がそれぞれの管内を現地パトロールして被害状況を確認し、護岸崩壊等の被害があれば、土嚢を積むなどの応急処置を早急に行っていきます。ただ、今回のように大規模な災害では、本格的な復旧工事は国の災害査定を経てから着工することになります。現在は関係省庁の視察および査定が終わり、順次、復旧工事に入っている段階です。

──みなさまが担当されている暮見川の被災現場には、屋外向けのクラウドカメラ「Safie GO 180(セーフィー ゴー ワンエイティ)」を設置いただいています。カメラを導入した背景をお聞かせください。 

堤防が被害を受け、浸水被害が発生した暮見川の様子

榊原さん:土木事務所内に災害対応の専門部署はなく、災害が起これば、その対応は私たちが行います。

つまり、私たちは通常業務に加え復旧工事を進めていきます。それも、一日も早い復旧を目指し迅速に進めなくてはならないので、どうしても人員に余裕がない状態になってしまいます。

加えて、今回は護岸など公共施設があちこちで崩壊しました。そのような場所は応急処置を施しますが、再び雨が降ったときにはいつも以上に入念な現地パトロールが必要で、パトロール人員の不足をに直面することになりました。

そこで、限られた人員で効率的に現地パトロールを行うために、被災現場の状況をリアルタイムで遠隔確認できるカメラを導入することにしました。

真夜中の雨でも、スマホですぐに「被災現場の今」を見られる

──カメラに求めていた要件と、Safieカメラをお選びくださった理由についてお聞かせください。

榊原さん:被災現場を24時間撮影し、いつどこにいてもリアルタイムで映像を視聴したかったので、「クラウドカメラ」「リアルタイムで視聴可能」「夜間(暗所)でも撮影可能」「スタンドアローンで設置可能」といった要件を求めていました。

また、河川の溢水などが起きてしまった際、その瞬間や経緯を確実に記録するために、静止画のインターバル撮影ではなく動画で撮影されることも重視しました。

Safieカメラは動画撮影ですし、求めていたその他の要件もすべて備えたプロダクトでした。そこで、デモ機をお借りして夜間や雨天時の画質が求めているレベルであることを確認し、本格導入させていただきました。

──現在は、Safieカメラをどのようにご利用いただいていますか?

Safie GO 180を設置している様子

時岡さん:暮見川の被災現場のうち、土嚢で応急処置をしているところに「Safie GO 180」を4台設置しています。

設置の際はちょっとした工夫も施しました。カメラにかぶせた小さな庇(ひさし)は手づくりの工作ですが(笑)、雨天時にレンズに水滴がついて見づらくなるのを防げます。また、高さを示す発光テープを現場のポールなどに張り、夜間の水位をより正確に把握できるようにもしています。

矢印の先にある小さな白い点が発光テープ。水位が超えていないか確認している

榊原さん:カメラ4台のライブ映像は、誰もが視聴できるよう事務所の大画面モニターにマルチビューアーで映し出しています。とくに雨天時はみんなでライブ映像を注視し、必要に応じて現地パトロールに急行します。

また所長および担当者には個別に映像の視聴権限を付与してあり、夜間に雨が降っても、自宅からスマホですぐに現場の様子を確認できるようにしています

大画面モニターにマルチビューアーに映し出している様子

──使い勝手はいかがでしょうか?

時岡さん:画質がいいですし、アプリも直感的に使えるUIデザインで、満足しています。動きがあったところでフラグが立つモーション検知機能は、クラウド録画映像を振り返り視聴するときの参考になります。またスナップショット機能も、今後、被害の様子を資料にまとめる際などに役立つと考えています。

「異常なし」を知る安心感。現地パトロールの人員計画も効率的に

土嚢が積まれた河川をSafie GO 180 2台で撮影

──感じていらっしゃるカメラの導入効果をお聞かせください。

榊原さん:1つは、現場に行かずとも安心感を得られることです。災害が起きた後にもっとも気がかりなのは、再び雨が降り続けたときの被害拡大です。なので、これまでは降雨のたびに、すぐに現地パトロールに向かっていました。でもSafieカメラがあれば、離れたところにいてもリアルタイムで「何も起きていない」と確認でき、安心です。

実は、導入前は「カメラで被害状況を遠隔確認する」という使い方をイメージしていました。それが、実際にカメラを導入してみたら、「何も起きていない」と確認できることが非常にありがたかったんです。災害において、二次被害がないと把握することがいかに重要か、再認識しました。

映像を確認している様子

もう1つの導入効果は、現地パトロールの人員計画が効率的になったことです。ライブ映像を参考にすれば、人を派遣すべき場所の優先順位が的確になりますから、限られた人員でも過不足なく現地パトロールできるようになりました。

──最後に、カメラ活用における今後の展望をお聞かせください。

時岡さん:本格的な復旧工事に着工するまでは、被災現場の異変の有無を早急に把握することがカメラ設置の目的でした。今後は工事の進捗を遠隔確認するなど、カメラの活用目的が変わってきますので、セーフィーさんに最適な機種、サービスをご相談しているところです。

榊原さん:具体的には、ウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2(セーフィー ポケットツー)」の導入を検討しています。Safie Pocket2は屋外で使えて通話もできる上、ウェアラブル・固定撮影、どちらの使い方も可能です。コンパクトで軽いので、固定で使う場合も移設しやすく、工事進捗に合わせてフレキシブルに撮影場所を変えられる点も魅力です。

今回は大規模な災害でしたから復旧工事の件数も多くなります。それだけに、私たちがすべての現場を頻繁に訪れるのは難しそうなのですが、Safie Pocket2があれば、効率よく現場と情報連携できるのではないかと期待しています。

お話を伺った方

奥越土木事務所
大野道路課


課長
榊原 丈成さん


企画主査
時岡 重典さん