Safie GOでプロゴルフトーナメントをライブ配信。
放送事業におけるクラウドカメラ活用の新たな可能性

福岡・佐賀を中心に、テレビ・ラジオ放送事業を展開する「九州朝日放送株式会社(KBC)」。同社は、主催する「Sansan KBC オーガスタゴルフトーナメント2022」(8月25日〜28日開催)で、Safie GO(セーフィーゴー)を用いてインターネットライブ配信を実施。その際のカメラの活用方法や導入のメリットなどを伺いました。

(取材:2022年8月)

導入の決め手

  • 以前導入したときよりもカメラの性能がよくなっていた
  • PTZや180度撮影の機能で、会場の雰囲気を伝えられそうだった
  • スポーツのライブ配信に対応できる画質の高さ

導入目的

  • 大会の模様をLIVE配信するため

導入した結果

  • 高画質で臨場感がある映像を届けることができた
  • PTZ機能で広い場所でも欲しい映像が撮れた
  • 180度カメラでその雰囲気を余すことなく伝えることができた
  • 簡単にYouTubeから配信することができた

福岡県と佐賀県を中心に、テレビ・ラジオの放送業を営む「九州朝日放送株式会社」。同社では国内外のトッププロが集結する男子プロゴルフトーナメント「KBC オーガスタゴルフトーナメント」を主催しています。

2022年の開催で49回目を迎えた同大会では、18番ホールと練習場にSafie GO(セーフィーゴー)を設置し、YouTube Live連携機能を活用してその映像をライブ配信することで、多くのゴルフファンを楽しませました。

Safie GOを活用するに至った背景や採用の決め手、また、今後の放送事業においてSafieカメラにどんな可能性を感じたか、お話を伺いました。

ゴルフトーナメントの配信需要に応えるため、過酷な状況下で利用できるカメラが必要だった

──はじめに、今回Safie GOを導入されたイベントについてお聞かせください。

水口さん:今回、Safie GOを活用した「KBCオーガスタゴルフトーナメント」は、九州朝日放送が毎年主催をする男子プロゴルフトーナメントで、2022年の開催で49回目という歴史ある大会です。5年ほど前からライブ映像配信に対する需要が高まってきており、現在は毎年のようにYouTubeやHPで映像の配信を行っています。

──昨年まではどのようなカメラでYouTube配信をされていたのでしょうか。

香月さん:実は2016年8月の大会で、Safieカメラを定点カメラとして使えないかということで、一度ライブ配信を実施しました。私はそのときの配信担当責任者としてコンテンツの配信を手がけていました。しかし、当時のカメラは炎天下のゴルフ場という過酷な環境にはマッチしておらず満足な配信ができませんでした。

水口さん:その後、私が香月から引継ぎを受けて3年ほど、固定カメラでの配信を止め、昨年までは移動中継用機材を使ってライブ映像を配信していました。ただ、機材自体が高額なので、設置したまま放置するわけにはいきません。電源がない場所でも使用できますが、バッテリーは3時間ほどしか持たないので、固定カメラとして長時間使用するにも不向きでした。

会場の雰囲気を余すことなく伝えられる画質と機能が導入の決め手

※練習場を撮影しているSafie Go PTZ

──Safieカメラを再度導入する決め手となったのはどういったことでしたか?

水口さん:現在ではSafieカメラのラインナップが増え、屋外や炎天下でも使用している実績も聞き、今回新たなチャレンジとして再び固定カメラでの映像配信をすることになりました。

決め手はカメラの性能が非常によかったことですね。Safie GO PTZはズームもできますし、画角が自由に動かせるので、広い場所でも欲しい映像が撮れるだろうと思いました。大勢の観客が集まるところでは、180度カメラでその雰囲気を余すことなく伝えられるだろうと思いました。

また、電源さえあればずっと使い続けられる点も魅力でした。

さらに、高画質であることも決め手になりました。ゴルフのスイングのように速い動きがあると、どうしてもブロックノイズが出てしまいます。選手のフォームを見て楽しむ方にとっては、高画質できれいに見られるほうが、臨場感もあっておもしろいのではないかと思いました。

練習場と18番グリーンに固定カメラとして設置、YouTubeのライブ配信に活用

18番グリーンを撮影しているSafie Go 180

──今回どういったシーンでSafieカメラを活用されたのか教えてください。

水口さん:オーガスタゴルフトーナメントのライブ配信ではカメラを3台使用したのですが、そのうちの2台がSafieカメラでした。練習場にSafie GO PTZ、18番グリーン周りにSafie GO 180を設置しました。もう1台は石川遼プロに密着という企画に使われた中継用カメラで、移動中継しながらスタジオで受けて、そこで展開するという配信が1つのストリームとしてありました。

香月さん:この石川プロへの密着企画の一部でも、18番ホールに設置したSafieカメラの映像を使いました。

水口さん:現地ではずっとモニタリングをしていました。練習場に設置しているSafie GO PTZについても、注目選手の練習中にはPTZ(パン・チルト・ズーム)機能を使って、アップで映しました。ビューアーも直観的で非常にわかりやすく、スムーズに操作ができました。

コストメリットの高さは圧倒的。スポーツ中継やニュース素材としての可能性が収穫だった

──Safie GOをご活用いただいていかがでしたか?

水口さん:カメラの電源を入れたらすぐに映像が届きますし、YouTube Live連携もシンプルでわかりやすかったです。専用のストリームキーに割り当てておけば、いつでも配信できるのが非常に便利でした。

1つ心配だったのが、回線が逼迫してつながらなくなる可能性があった点ですね。人がものすごく多い場所での配信だったのでSIMカード1枚で大丈夫なのだろうかと思っていました。ですが、上りの回線は意外と空いている状態だったので、たくさんの人がいたにも関わらず繋がながらなくなることはありませんでした。

──Safieカメラの導入について、社内のメンバーの反応はいかがでしたか?

香月さん:報道部のメンバーにSafie GOの情報を事前に伝えたところ、ゴルフトーナメントの定点カメラの映像を随時見ていた人もいたようです。

水口さん:技術チームが興味を持っていましたね。

香月さん:オーガスタが終わった後に局内にSafie GO PTZを設置していました。先日九州地方に台風11号が接近したときに、水口がSafie GO PTZで外の様子を撮影していて、報道部ではその映像がニュースに使えそうだという話題になりましたね。

以前だと、海や川の危険な場所から台風中継をすることがありましたが、現在はそうした報道の仕方はNGです。先日の台風11号のときにもそうした危険な中継は止めていましたが、Safieカメラを事前に設置しておけば、海や川の水が増している様子や波の状態が映像で見られます。この活用方法は今後前向きに検討したいと思っています。

──セーフィーの製品のコストメリットはどのように感じられましたか?

香月さん:本来ならコスト感覚は画質やデータ処理速度まで含めて比較するべきなのかもしれませんが、ライブ中継やニュースの素材として考えたときに、従来の情報カメラを設置する時は、Safieカメラの数十倍のコストになってしまいます。中継カメラはイニシャルコストが非常に高く、数千万円になることがあるので、そういった意味ではセーフィーのサービスは圧倒的に安価ですね。

人気の観光スポットからの中継など、Safieカメラを活用したライブ配信の可能性が広がる

──今後、放送局としてSafieカメラの具体的な活用アイデアがあれば教えてください。

水口さん:オーガスタゴルフトーナメントで活用してみて、人員を増やさなければできなかったことも、Safieカメラを設置してしまえば簡単にできることがわかったので、新たなサービスを生み出しやすくなりそうです。

──今後はライブ配信やインターネット番組といったクロスメディアの可能性を追求されていくのでしょうか。

水口さん:そうですね。いろんなところにカメラを設置して、それをニュース本編の中で使うといった可能性は十分にあります。

タワーカメラや空港カメラはどうしても設置にコストがかかるので、置ける場所が限定されてしまいます。Safieカメラであれば、水害が頻発するような場所に常設できますし、現在天神地区で進行している天神ビッグバンという再開発プロジェクトを定点で撮り続けることでおもしろい画が撮れそうです。そうしたいろんな可能性があるので、さまざまな場所に設置できればと思っています。

※本記事に掲載している企業情報、所属及びインタビュー内容は、2022年11月公開当時のものです。

お話を伺った方

九州朝日放送株式会社
総合編成局 総合編成部 担当部長
水口 剛さん


報道情報局 報道情報センター
チーフプロデューサー(クロスメディア担当)
香月 和宏さん